
テストレポート
Wii U GamePadの表示遅延はどの程度? 消費電力や熱処理はどうなっている? 入手したばかりのWii U本体でテストしてみた
今回は,ようやく実物をじっくり触れるようになった本製品を,Wii U GamePadの表示遅延,消費電力,そして熱処理と,ポイントを絞ってテストしてみた。本稿ではそのレポートをお伝えする。
4Gamer.net「Wii U特設ページ」
Wii U GamePadの表示遅延をムービーでチェック
ゲームプレイ時の消費電力は35〜36W程度
まずは,Wii U GamePadに表示遅延が確認できるかどうか,バンダイナムコゲームスからWii U本体と同時発売された「鉄拳タッグトーナメント2 Wii U EDITION」を使用して,ムービーを撮影してみた。
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ちなみに,Wii U本体からTV出力に使った液晶ディスプレイは,「Alienware OptX AW2310」。解像度1920×1080ドット表示に対応したゲーマー向け23インチワイドディスプレイで,応答速度は3msというスペックの製品だ(公式サイトの製品紹介ページ)。
撮影には,カシオ製ハイスピードカメラ「HIGH SPEED EXILIM EX-FC150」を使い,設定を240fpsとしている。ムービー内のタイムカウンターを見てもらえれば分かるように,再生すると実際の8分の1の速度となるので,通常のプレイでは気づきにくい,イベントシーンの切り替わり,エフェクト発生時などでの遅延状況が分かりやすくなるというわけだ。気になる人はぜひチェックしてみてほしい。
なお,今回の検証を行っている間,Wii U本体の消費電力をサンワサプライから発売されている「ワットチェッカーPlus」で計測してみたところ,ゲームプレイ中の消費電力は35〜36Wで安定していた。基本的にバッテリーで動作するWii U GamePadのことは置いておくとして,本体のみであれば,ゲーム機としてかなり低い値といえるだろう。
また,ゲームを起動していないメインメニュー表示状態では34〜35W,Wii U本体の電源をオフにした待機状態では,1W未満という結果だった。(oNo)
Wii Uの熱設計を見る
続いては,Wii U本体(右側面と左側面)およびWii U GamePad(表側と裏側)それぞれで,表面温度分布を計測してみた。本体は「FIFA 13 ワールドクラス サッカー」の実行時,Wii U GamePadは同ソフトの実行後に行っている。
なお,Wii U本体の構造については,任天堂公式サイトの「社長が訊く『Wii U』」の「本体篇」でも紹介されているので,そちらも参考にしてほしい。
計測の結果は下の図で示すとおりだが,これは温度を色の違いで示す特殊な機器を使用したもので,色が白に近いほうが高温,黒に近いほうが低温になっている。図の右側に配置されたスケールと比べれば,だいたいの温度が分かる仕掛けだ。
![]() Wii U本体(縦置き時,左側) |
![]() Wii U本体(縦置き時,右側) |
左右からの計測結果を比べると,左側が基板面だとすぐに分かる。熱の高いあたりに目を凝らせば,かなり巨大なチップが四角く見えてくるはずだ。GPUとCPUを1個のLSIパッケージ上に実装する「MCM」(Multi Chip Module)となっているので,見かけ上は1チップの体裁になっている。また,前方下部ではフラッシュメモリ(とコントローラ)がそれなりの熱を放っていることも分かるだろう。
Wii Uのエアフローは,下面と右側面下部に空けられたスリットから入った空気が背面上部のファンで吹き出される仕様になっている。右側面からの計測結果を見ると,巨大チップの熱は本体上部にほとんど溜まらず,排出されているさまも見てとれるはずだ。
![]() Wii U GamePad(前面) |
![]() Wii U GamePad(背面) |
背面から見たところでは,右側下部にあるNFCチップあたりがそれなりの熱を出していることが分かる。一方,左側下部はほとんど部品のない空白地帯なのだが,最も熱量を出しているのはなぜかここだ。背面右側の上部には,Wii Uからの映像信号をワイヤレスで受信処理するチップが配置されているため,その部分の熱が溜まっているのだろう。
本体,ゲームパッドともに表面温度は30℃程度(※計測時の室温は約22℃)に収まっており,基板面や部品自体はもう少し高温とは思われるものの,かなり低温で駆動されていると言ってよいだろう。(aueki)
4Gamer.net「Wii U特設ページ」
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