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シェルノサージュ 〜失われた星へ捧ぐ詩〜公式サイトへ
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キャラクターの想いで曲調も変化する――アーティスト志方あきこさんとガスト土屋 暁氏に聞く「アルトネリコ」「シェルノサージュ」の楽曲へのこだわり
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印刷2013/03/01 00:00

インタビュー

キャラクターの想いで曲調も変化する――アーティスト志方あきこさんとガスト土屋 暁氏に聞く「アルトネリコ」「シェルノサージュ」の楽曲へのこだわり

 ガストより発売中のPlayStation Vita用ソフト「シェルノサージュ 〜失われた星へ捧ぐ詩〜」(以下,シェルノサージュ)のボーカルCD「Ciel nosurge Genometric Concert Vol.1〜契絆ノ詩〜」と,サウンドトラック「シェルノサージュ オリジナルサウンドトラック〜音と世界の受信記録 Sec.1〜」が2013年2月27日に発売された。

 「シェルノサージュ」は,同社が以前に手がけた「アルトネリコ」の血を受け継ぐタイトルだ。多重録音を用いた荘厳な雰囲気,民族音楽を想起させる曲調の音楽は,「アルトネリコ」と同様に「シェルノサージュ」のウリになっており,実際にコアなファンを集めている。

 今回は,サウンド職から始まり「アルトネリコ」シリーズ,および「シェルノサージュ」でディレクターを務めているガスト・土屋 暁氏と,今や土屋作品の音楽面において欠かせない存在となっているアーティスト・志方あきこさんに話を聞いてきた。

 お二人が「アルトネリコ」で協力するようになったなれそめから,キャラクターの性格を曲や詞に反映するといった音楽へのこだわりまで,多くのことに答えてくれている。「アルトネリコ」「シェルノサージュ」のプレイヤーはもちろん,志方さんのファンもぜひご一読を。

土屋氏(左),志方さん(右)


きっかけはファンからのメール,出会いは冬コミ


4Gamer:
 初代「アルトネリコ」が2006年に発売されて以来,志方さんと土屋さんは一緒にお仕事をされていますよね。当時,どちらからお話をもちかけたんでしょうか。

土屋氏:
 ざっくりと言えば私からのオファーなんですが,ちょっとしたエピソードがありまして。私がアトリエの楽曲を手がけていた頃に「イリスのアトリエ」で「白夜幻想譚」という楽曲を霜月はるかさんに歌っていただいたんです。それを聞いたファンの方から「志方あきこさんというアーティストがいるので,ぜひガストさんの作品で一緒にやってほしい」という感想メールをいただいたんですよ。

4Gamer:
 ファンからのプッシュがきっかけだったんですか!?

土屋氏:
 実はそうなんです。それがちょうど「アルトネリコ」の企画を立ち上げる2004年頃のことだったと思います。それ以前も私はサウンド職に就いていましたが,「アトリエ」は1年に1本というリリースサイクルで回っているため,音楽面でも制約がありました。そういう制約をはずして表現に挑戦してみたいという思いと,元々「アルトネリコ」が民族的かつ荘厳なイメージを目指していたこともあって,志方さんにお願いすることにしたんです。直接お話したのは,12月31日頃でしたね。

志方さん:
 ……冬コミです(笑)。

4Gamer:
 えっ,それは会場でオファーをしたということですか。

土屋氏:
 そうです。そんなちょっと劇的な始まりだったんですよ(笑)。

志方さん:
 冬コミの会場では,土屋さんに名刺をいただいて,正式に参加が決まったのは後日の打ち合わせ後だったんですけれども,今思うと土屋さんとのお話のときにはいろいろな事件があったような……。

4Gamer:
 事件……?

志方さん:
 喫茶店みたいなところで,土屋さんからゲームの説明を具体的にしていただいたんですけど,その説明がすごく壮大で面白かったんです。なので,「これはどうなるんですか!?」って勢い良く尋ねていたら,そのまま椅子ごと後ろにひっくり返ってしまって。

土屋氏:
 椅子の脚が段差にはまったんですよ。あれはちょっとえらいことになりましたね。

志方さん:
 ケガこそしませんでしたけど,とても恥ずかしい思いをしました……。

4Gamer:
 いや,ケガをされなくて本当になりよりだったと……。
 “いろいろな”ということはほかにも事件が?

志方さん:
 “合体メタファリカのこれから考えます事件”というのもありました。
 「アルトネリコ2」に,焔の巫女(ルカ)と澪の巫女(クローシェ)が一緒に歌うことで,歌が1つになって大きな「メタファリカ」を紡ぐという設定があったんです。そこで実際の楽曲に関しても,2つの別々の曲が単独でも音楽として成り立って,さらにそれが合体することで1つの新しい曲になるという仕掛けをしたい,と土屋さんが考えられていて。

4Gamer:
 「メタファリカ」はゲームの根本にも関わる重要な詩でしたが,構想もまた壮大ですね。

志方さん:
 私もそれを聞いて「すごい! どうなるんだろう!」と思いながら,担当だったクローシェの曲を作っていたら,あれやこれやのうちに開発も末期まできたんです。そこで土屋さんに「土屋さん,そろそろ納期も迫ってきてますし,合体メタファリカの仕組みを教えていただけると……」と尋ねたら,ものすごく元気よく「うん,これから考えます!」って(笑)。

土屋氏:
 ほかの仕事とかが忙しかったんですよ(笑)。

志方さん:
 私は青くなりながら,どう合体させたらいい感じになるんだろうか,といったことについてひたすら打ち合わせをして……。

4Gamer:
 それは,土屋さんが全面的に悪いですね。

土屋氏:
 ちょっと,なんで急に糾弾会みたいになるんですか(笑)。

志方さん:
 でも,結果的にはそのおかげでいろいろとアイデアを出しあえて,より面白いものにできたと思っているんですよ。土屋さんはそういうミラクルを起こす素敵な方なんです。

土屋氏:
 いえ,あれは志方さんにアドバイスをたくさんいただいたおかげでちゃんと作れました。本当に(笑)。

4Gamer:
 2つの曲が単独でも,合体させても成り立つという試みはすごいですよね。

土屋氏:
 焔の巫女(ルカ)を担当してもらった霜月はるかさんの曲は私が作ると決めていたので「どっちか先にできたほうにあとから合わせればいいや」くらいの気持ちでいたんですよね。……そういう詰めの甘さは自分でも認識していて,反省しています。


4Gamer:
 なるほど……。ちなみに,志方さんはクローシェに思い入れがあると聞きました。

志方さん:
 ありますね。「アルトネリコ2」では,各ヒロインを担当する歌い手さんが開発初期から参加していたんですよ。なので,クローシェが成長していくのに合わせて曲も作っていくという,すごくディープな関わり方ができました。「アルトネリコ」のミシャのときには,ある程度できあがった段階で呼ばれ,歌唱で参加するという形でしたから。

4Gamer:
 志方さんから見たクローシェっていうのはどんな存在なんですか?

志方さん:
 真面目だし責任感がありますよね。だからこそ苦しんでしまうんですけど,そういう不器用さというのが,彼女の弱いところでもあり,愛すべきところでもある。義務を果たすだけの能力も気概もあるけれど,それは楽にやっているわけではなく,いろいろな苦労や難題を乗り越えたうえでの結果です。そういう,弱さから出る強さみたいなものを持っている子だと思います。

4Gamer:
 そういうキャラクターへの想いというのは,やはり詩にも反映されるんでしょうか。

志方さん:
 そうですね。クローシェの場合は,詩の中でもすごく弱々しい歌い方のところもあれば,すごく強い歌い方のところもある。とくに合体メタファリカは,初めのうちは「どうしよう,私にできるのかしら?」という気持ちがあるので,すごくか細い声で歌い出すのですが,ルカに背中を押してもらって強く歌えるようになる,というイメージになっています。


多重録音は理想の曲を生み出すための手段


4Gamer:
 土屋さんと志方さんの音楽的な共通点といえば,やはり「多重録音」は外せないかなと思っているのですが,これはお二人が別々にされていたんですか?

志方さん:
 別々ですね。元々,私は歌い手というよりも曲を作る人間という意識が強くて,「頭の中に流れている曲をいかに現実で音にするか」ということを常に考えているんです。なので曲作りのときは,自分の声の特色を活かすよりは,頭の中に流れている曲に近づくように歌い方を変えていきます。多重録音も,そうやって理想の楽曲を追求するための手段の1つですね。

4Gamer:
 それでも今では,志方さんの十八番という印象がありますよね。2009年に発売されたアルバム「Harmonia」では,17曲に対して3000トラックあるとか。

志方さん:
 自分の表現したいものを実現するために,それだけ必要になってしまうだけで,重ねたいわけじゃないんですよ。トラックが1つで済むなら1つのほうが,整理するエンジニアさんの苦労も減りますから(笑)。

4Gamer:
 おっしゃるとおりです。

志方さん:
 ある程度は自分の追求心になってしまうんですけど,やっぱり10本よりも20本重ねた方が厚みが出るといいますか。その20本のトラックも同じ歌い方ではなく,微妙に歌い方を変えてみたり,日時を変えて録ってみたり,マイクを変えて録ってみたり,そういう音のメイクを楽しんでいるところがあるんです。それはやっぱり曲のなかで表現として必要なものだからやっているだけであって,気づいたら増えちゃったという感じですね。

4Gamer:
 個人的に,多重録音はすごくデジタル的な音の作り方なのかなと思っているんです。複数の音を重ねる手法は昔からあるわけですが,音楽的に高度で,何より限界がありますよね。志方さんの場合はそれをすべて自分の声でやるわけですから,デジタルツールの進化が曲作りにとても重要になっているのかなと思うのですが。

志方さん:
 もちろんそうですね。トラックをたくさん重ねられるようになったのも,トラックをたくさん作れるからですし,さらに言えば,たくさんのトラックを一緒に鳴らすことのできる機器のスペックがあるからです。ただ,そういう環境で作っていると,結果的に“デジタルだからできる表現”,要するにコンサートでは演奏できない曲になってしまうことがあるんですよ。私は一人しかいませんし,楽器の演奏者も限りがありますからね。そこに,すごく悩ましいジレンマがあります。

4Gamer:
 では,コンサートのときには何か特別な工夫をされているということでしょうか。

志方さん:
 初めは,曲をコンサート会場で再現する方向で試行錯誤していたんですけれども,これは行き詰まってしまったんです。音楽を視聴する環境という意味では,やっぱり自室で良いスピーカーをとおして(CDやデジタルの)良い音源を聞いたほうがいいですから。それを会場で再現しようと思っても,どうしても“ダウンサイジング”になってしまいます。なので今は,そのときにしか聞けないものを作ろうと考え,コンサートにコンセプトを与えて,アレンジもそれに従うとか,そういうアプローチの仕方に変えています。

4Gamer:
 コンサートそのものにコンセプトを作る,というのは興味深いです。

志方さん:
 そうやってコンセプトを作ってあげると曲のアレンジに意味ができるんです。「今回はこのコンセプトがあるから,こういう歌い方,こういうアレンジになりました」というのを追求していきたいと思っています。コンサートに来てくれる方というのは,会場の臨場感とか,その場でしか味わえないものを楽しむために足を運んでくださるのだと思うので,そういう方に一期一会の音楽を届けられるといいなと。

4Gamer:
 なるほど。
 一方,土屋さんはどうやって多重録音の表現にたどり着いたんでしょうか。

土屋氏:
 志方さんと共通するところでいえば,自分の頭の中に流れている音楽を,どれだけ再現するかという部分でしょうね。ですが,コーラスを複数重ねるのって想像以上に難しいんですよ。ただ30個の和音を作っても,キレイに重なるわけじゃないんです。音をぶつけたりぶつけなかったり,使っちゃいけない音の組み合わせがあったり。そんな試行錯誤の結果,一番最初に多重録音を製品に取り入れたのが,さきほども話した「イリスのアトリエ」の「白夜幻想譚」でした。私の多重録音の歴史はそこからなので,志方さんとは比べものになりません。

4Gamer:
 「アルトネリコ」などの曲を聴いていると,決してそうは思えませんが……。

土屋氏:
 最近自分を見つめ直してようやく分かったんですけれども,私は世界を表現できるものが好きなんです。音はもちろん大好きなんですけど,何より音楽って世界を表現するのにすごくいい媒体なんですよ。それで,私の世界を表現するために多重録音はどうしても必要で,2個目の商用作品になった「アルトネリコ」で志方さんに出会い,「謳う丘」(※)が生まれたというわけです。

(※)「アルトネリコ」シリーズを象徴する主題歌。さまざまなアレンジが加えられたうえで,シリーズ3作すべてのオープニング曲になっている

4Gamer:
 「謳う丘」は土屋さんの制作した楽曲という捉え方でいいんですよね。

土屋氏:
 「アルトネリコ」の「謳う丘」は私がコーラスまですべての音階を作って志方さんに歌ってもらっているんですけど,2と3では主旋律とそれに付随するコーラスだけを作らせてもらって,バックコーラスなどのアレンジを志方さんにお願いしています。そのほうが,自分の求めている音楽を自分以上に表現してもらえると思ったので。

4Gamer:
 「アルトネリコ」や「シェルノサージュ」では,どちらかが作った楽曲に対して,どちらかが手を入れるパターンというのは多いんですか?

土屋氏:
 志方さんは基本的にお一人で作ります。ただ,私が作ったものをお願いしてアレンジしてもらうことは多いですね。

4Gamer:
 監修されているような感じなんですね。

土屋氏:
 私の場合,自分の作りたい楽曲があっても,知識や技術が足りなくて手に負えないことがあるんです。作曲家としての自分が作った曲に,ディレクターの自分がOKを出さないんですよ。一方,志方さんは私がOKを出せる曲をバンバン作ってくれるわけです。自分で作ったコーラスよりも,志方さんの作ってくれたもののほうが,自分の求めていたものに近い,そういうことを「アルトネリコ」のときにすごく感じたので,「シェルノサージュ」ではサウンドディレクションという形で,音楽を全面的に見ていただくことにしたというわけです。


さまざまな言語を使うことで,新たな文化を知る


4Gamer:
 志方さんの手がける曲は言語も特徴ですよね。本当にさまざまな言語を巧みに操っているという印象があります。

志方さん:
 言語に関しては,やっぱりネイティブの方みたいにペラペラ話せるわけじゃないんです。ただ,その言語の響きとかが美しいと思って使っています。あとはその言語に触れることによって,その言語の使われている国の文化を勉強できるのが楽しいんです。言語センターみたいなところに行って講師の方に話を聞いてみたり,特殊な言語の場合は研究者の方とやりとりしてみたり。

4Gamer:
 相当変わった言語も取り入れてますよね。古語とか。

志方さん:
 そうなんですよ。たまに,詞の翻訳をお願いすると,「これはこの言語の使われている国の文化ではありえない表現です」と言われることもあるんです。

4Gamer:
 文化的にありえない歌詞があるんですか。

志方さん:
 ちょっと昔の記憶なので解釈が間違っていたら申し訳ないのですが,以前チベット語で「祈り 〜モンラム〜」という曲を作ったときに,「死んでしまったお父さん,お母さん,天から私のことを見守っていてください」というような歌詞があったんですけど,それは西洋の文化で,チベットにはない概念だと言われたんです。なので,そこは生死に関係なく「遠い地にいるお父さん,お母さん」といった表現に変えてあります。
 色の表現でも,日本では美しいとされている色合いの翻訳をお願いしたときに,「その色合いはその文化圏では美しいと思われません。どどめ色の空が美しいと言っているようなものです」と言われたり。

4Gamer:
 確かに,太陽の色1つとっても国によって捉え方が違いますから。そういった違いを勉強しながら曲作りをされていると。

志方さん:
 はい。他言語になるとそういった事前準備が必要なので,急なスケジュールではちょっと厳しいのですが(笑)。

4Gamer:
 極めつけに,造語の曲まであるというのがすごいです。

志方さん:
 造語は,例えば「アルトネリコ」や「シェルノサージュ」の場合は文法があるのでそれを必死に勉強して,分からないところを聞きながらやっている感じです。

4Gamer:
 「アルトネリコ」の言語と「シェルノサージュ」の言語は共通しているんですか?

土屋氏:
 表面上はつながっていませんが,似ている単語はいくつか出てきます。とくに,「想い」「詩」「歌う」「話す」あたりは,「ヒュムノス」のものと「契絆想界詩」「REON-4213」(※)のものはかなり近いです。

(※)「ヒュムノス」は「アルトネリコ」シリーズで共通して使われている独自言語,「契絆想界詩」(けいはんそうかいし)と「REON-4213」(れおん―)は「シェルノサージュ」で使われる独自言語。

志方さん:
 「アルトネリコ」の言語では,すごく想いが重要になっていて,それによって文法を意識して変えていくんですよ。そこが難しくもあり,面白くもある部分ですね。だから同じような意味でも,キャラクターによってまったく違う表現になる場合があります。

4Gamer:
 文法にとって想いが重要……ですか。

志方さん:
 例えば「パスタリエ」(※)は,とにかく機械的に,たくさんの情報を短く効率的に言えるようにした言語なので,文法的には短い文であるほうが想いも伝わりやすいと捉えられます。ですが,クローシェは「説明したいことはキチンと説明したい」という性格なので,文が長くなることがあるんです。もし淡白な性格のキャラクターがパスタリエを使ったら,かなり短い文になるでしょうね。

(※)「新約パスタリエ(パスタリア成語)」,「アルトネリコ2」で用いられた独自言語の1つ。

4Gamer:
 かなりコアな部分ですけど,想いを造語の歌詞に反映していくという作業は大変じゃないですか。

志方さん:
 でもそれが,楽しいんですよ(笑)。


2月27日発売のCDには,志方さんならではのこだわりも


4Gamer:
 さて,そんなお二人の手がける「シェルノサージュ」関連のCDが2月27日に発売されると。

土屋氏:
 「Genometric Concert」とサウンドトラックが同日に出ます。
 「Genometric Concert」はいわゆるボーカルCDで,コンセプトとしては心から生まれた詩という意味合いがあるので,「Genometrics」という精神世界の部分をモチーフにしています。特典冊子のコメンタリーブックでは,どういうプロセスを経て詩が発動し,どういう効果を及ぼすのかといったことをまとめました。志方さんのコメントも含めて,その詩に関する想いというものをぎゅっと凝縮した内容になっています。

シェルノサージュ 〜失われた星へ捧ぐ詩〜

志方さん:
 楽曲もゲームではショートバージョンなんですけど,CDではロングバージョンになっています。これもただ2番が付いているわけではないんです。3幕の「QuelI->{ein te hyme};」という曲は,ゲーム内で流れているのが曲の後半部分にあたるんですが,前半と後半とではニュアンスがまったく違うんですよ。

4Gamer:
 前後半で歌のニュアンスが変わるんですか?

志方さん:
 ええ。後半はイオンが壇上に立って皇女として「芽生えたばかりのこの想いを伝えたい」という,要するに“やる子モード”で歌っているんです。でも,前半は「本当に私にできるのかな」とか「想いがちゃんと伝わるのかな」と,不安を抱いている素のイオンの状態を描いています。だから前半はすごくしっとりとしていて,後半になると観客にアピールするように盛り上がっていく,物語性のある曲になっています。

土屋氏:
 詩はどれもそういったコンセプトの下に作ったものですから,今回のボーカルCDは「想いのフルバージョン」を聞けるものと言ってもいいかもしれません。

4Gamer:
 同じ日に発売されるサウンドトラックにも,志方さんの書きおろし曲が入るんですよね。

シェルノサージュ 〜失われた星へ捧ぐ詩〜

志方さん:
 そうですね。ゲーム内の“廃墟マップで使おうかなと思ったけれど,ニュアンスが違ったのでお蔵入りにした「煌の砂漠を旅する少年」という曲を収録しています。私は個人的に「シェルノサージュ」にとって「旅」というものがテーマじゃないかと思っているんです。それはイオンの心の旅,記憶の旅,そして実際に皇女として各地を回っていく旅ですね。このボーナストラックは,まさに旅をモチーフにした楽曲だったので,今回のサウンドトラックにぴったりだと思って入れました。

4Gamer:
 「煌の砂漠を旅する少年」というのは,音楽的にはどういった作りになっているんですか?

志方さん:
 「シェルノサージュ」でスポットを当てたいと思っている中近東やアジアのテイストが強い曲です。篠笛とオカリナを使っていて,言うなればシルクロードを旅しているようなイメージですね。ゲームをやったことのない人も,このサウンドトラックの中で「シェルノサージュ」の世界を旅してみてほしいなと思っています。

4Gamer:
 そのほかの曲も,ゲームに収録されているところから,何か変更点などはあるんでしょうか。

志方さん:
 私の場合,ゲーム版ではPS Vitaのスピーカーを意識したうえでの調整をしているんです。当然ボイスが乗っかりますから,それを妨げるような音域はちょっと控えめにミックスしてもらったり,場合によっては削ったりしているので,それをそのままサントラにしてしまうと音楽的に物足りなくなってしまうんです。なのでサウンドトラックでは音楽単体として良いものであるように,かつPS Vitaの音源やスピーカーだと聞きにくいような音もくっきりと聞けるようにしてあります。

4Gamer:
 ゲームのための調整というのは,やっぱり重要なんでしょうか。

土屋氏:
 志方さんは特殊です。ボイスとぶつからないようにBGMを控えめに,という程度のことはサウンド職ならやりますけれど,だからといってサントラ用にそれをもっと良く聞こえるように調整するなんてことはなかなかできません。これはもう志方さんのこだわりと言っていいものですから,そういう意味でもサウンドトラックはオススメですね。

志方さん:
 ゲームBGMとして鳴らす場合は,ゲームの中での一番いい位置と言いますか,鳴り方というのがすごく大事なんです。ただ,それがそのままCDになったら良い音なのかというと,それはまた別の話だと思います。

4Gamer:
 サウンドトラックは,音楽が主体の作りになっていると。

志方さん:
 そういうことになります。

4Gamer:
 分かりました。最後になってしまいましたが,間もなく予定されているという志方さんのライブについても教えてください。

志方さん:
 3月24日に「ライラニア」という架空世界をテーマにしたコンサートをやります。架空世界をテーマにして,今まで私がやらせていただいた作品だったり,アルバムの曲だったりを,その世界観に合わせたアレンジして演奏するというコンセプトのコンサートです。「シェルノサージュ」の曲,とくに歌付きのBGMをいくつかアレンジして披露する予定もあります。もちろん「アルトネリコ」の歌もライブならではの楽しみ方で演奏させていただきますので,良かったら聞きにきてください。

4Gamer:
 「シェルノサージュ」のCD共々楽しみにしています。本日は,ありがとうございました。


■Ciel nosurge Genometric Concert Vol.1〜契絆ノ詩〜
2013.2.27 On Sale

トラックリスト
01. 「詩無き丘へ」
02. 「Ahih rei-yah」
03. 「天地咆吼」
04. 「QuelI->{ein te hyme};」
05. 「ネプトリュード(Class::NEPTLUDE=>extends.TX_CLUSTERS/.)」

品番:FFCT-0026/GUSTCD-11006
価格:1,890円(税込)

初回特典『ジェノメトリクス・コメンタリーブック』
専用ケース『GenomeTrunk』同梱版(ガストショップ・Amazon限定販売)
https://shop.salburg.com/product/cielre_combo/music/


■シェルノサージュ オリジナルサウンドトラック
〜音と世界の受信記録 Sec.1〜

2013.2.27 On Sale

トラックリスト
1. GATE::49.212.40.208
2. 序言ノ響
3. はじまりの道標
4. コズミックシティ
5. 宵闇の花
6. ExecuTron
7. 約束〜小さな出会い〜
8. 万寿沙羅
9. おててつないで♪
10. 安らぎの時
11. 夢と機械と秘密基地
12. Crisis
13. 優凜ノ彩
14. 不穏
15. Sympathy〜テレフンケン〜
16. 喪失の欠片
17. 慟哭
18. ちいさなはな
19. ahih rei-yah〜繋ぐ想い〜
20. RELUXISM
21. ツーショット
22. 帝立ジェノメトリクス同調調停院
23. 帝立天文学量子波動学研究所
24. 約束〜忘れえぬ夢〜
25. 剛毅果断 26. 一本街燈
27. HACK=MAGIC
28. 駆け抜けろ!
29. Genometrics
30. UNDERPOLIS
31. 夕焼け通り
32. 夢の栖
33. STARGAZE〜銀河飛行〜
34. フラスコの海
35. 煌の砂漠を旅する少年 (Bonus Track)

品番:FFCT-0027/GUSTCD-11005
価格:2,100円(税込)

初回特典『にゅろきーでもわかるシェルノサージュのセカイ』
専用ケース『ラシェーラ音楽博物誌』同梱版
(ガストショップ・Amazon限定販売)
https://shop.salburg.com/product/cielre_combo/music/

※初回特典および専用ケースは数に限りがあります

志方あきこコンサート2013ライラニア
〜白と黒の歌姫〜

(C)Frontier Works All Rights Reserved.
シェルノサージュ 〜失われた星へ捧ぐ詩〜

<コンサート概要>
開催日時:2013年3月24日(日) 17:00開場/18:00開演
※開場・開演時間は変更となる可能性がございます。
会場:ゆうぽうとホール http://www.u-port.jp/hall/
料金:6,800円(税込)
主催企画:フロンティアワークス

<チケットのお求めはこちらで!>
e+(イープラス) http://eplus.jp/laylania/ (PC&携帯) 
■一般抽選販売
抽選申込期間:2013年2月23日(土)10:00〜2013年2月28日(木)
当落発表:2013年3月2日(土)午後
入金期間:2013年3月2日(土)〜2013年3月7日(木)21:00
■一般先着販売
申込開始:2013年3月9日(土)10:00〜

注意事項:
※1申し込みあたり4枚までとさせていただきます。
※未就学児童の入場はご遠慮下さい。
※座席の配置はファンクラブ先行のお客様優先となります、ご了承ください。
※転売目的のご購入は固くお断り申し上げます。悪質な転売が確認できた際はご入場をお断りさせていただく場合がございます。


ライラニア公式サイト:http://www.laylania.com/
志方あきこフロンティアワークス公式サイト:http://www.fwinc.co.jp/music/shikata/
公式Twitterアカウント「志方あきこPR」:Shikata_PR

「シェルノサージュ 〜失われた星へ捧ぐ詩〜」公式サイト


――2013年2月18日収録
  • 関連タイトル:

    シェルノサージュ 〜失われた星へ捧ぐ詩〜

  • 関連タイトル:

    アルトネリコ3 世界終焉の引鉄は少女の詩が弾く

  • 関連タイトル:

    アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩(メタファリカ)

  • 関連タイトル:

    アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女

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シェルノサージュ 失われた星へ捧ぐ詩 PlayStation Vita the Best
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