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「レイトン教授ロワイヤル」始まる? ディー・エヌ・エー,レベルファイブ両社の世界戦略とは
発表会では,最初にディー・エヌ・エー代表取締役兼CEO南場智子氏から今回の提携の大まかなスキームが紹介され,今後レベルファイブが持つタイトルを両社共同でソーシャルゲーム化し,X-device,X-border戦略で展開していくという。具体的には,ケータイ版に続いてのスマートフォン版の開発,そして日本以外のMobage Global,Mobage Chinaなどでの世界展開である。
日野氏は,近年のソーシャルゲームのインパクトについて語り,同社にはソーシャルゲームを作るスキルに欠けているとし,業界No.1のディー・エヌ・エーと協業という流れになったようだ。
提携の第1弾では,「お互いのNo.1タイトルを出す」(日野氏)という妥協のない戦術で「レイトン教授ロワイヤル」というものに決まったという。これは,怪盗ロワイヤルのグラフィックスがレイトン教授になっただけではなく,これまでのソーシャルゲームには見られない新しいタイプのゲームが模索されたものとなっている。
ゲームコンセプトは,「レイトン教授の世界に入り込む」ことだ。プレイヤーはゲーム開始時にキャラクターと,
刑事
犯人
市民
といった役割を割り振られることになる。これは毎回違ったものが割り振られるという。そして,
刑事:犯人を捜す
犯人:操作を撹乱する
市民:犯人逮捕に協力する
といった目的を持ってゲームを進めていく。市民と犯人は,犯人本人以外には判別は不可能で,それぞれ他人に「容疑をかける」といった操作で刑事に協力したり,捜査の撹乱をしたりすることになる。
これが具体的にどういった流れになるのか,課金アイテムなどはどこで使うのか,ソーシャル性はどう活かされるのかなどといった部分はまだ見えてこないのだが,これまでにない感じのソーシャルゲームゲームになりそうなことはお分かりだろう。
なお,レベルファイブでは,今後レイトン教授以外のタイトルでもソーシャルゲーム化を進めていくという。具体的なタイトル名は明かされなかったが,すでに検討中のようだ。また,既存タイトルではなく,ソーシャルゲーム向けにレベルファイブが企画した新作ゲームなどといったものにも意欲を見せていた。
ディー・エヌ・エーでは,2011年度の日本国内におけるケータイソーシャルゲーム市場は2000億円規模と推定されているという。グローバルで見ると,携帯電話用のソーシャルゲーム市場はかなり小さいようだが,今後はスマートフォンなどでどんどん拡大していくと予想しており,表現力の上がるスマートフォン向けソーシャルゲームが主戦場となるとみなしているようだ。それに勝ち抜くためのコンテンツ力の充実が求められるのは当然で,既存IPの囲い込みは,かなり分かりやすい展開であろう。ゲーム業界各社とも近年のソーシャルゲームの動きには注目をしているところが多く,今後レベルファイブに続く提携企業なども出てくるかもしれない。今後の両社の動きのみならず,業界の動向に注目したいところだ。
- 関連タイトル:
レイトン教授ロワイヤル
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