GALAXY，2基のGTX 560 Tiを1枚のカードに搭載したデュアルGPUカード開発中。3月下旬〜4月上旬に正式発表か

　2011年3月11日，GALAXY Microsystems（以下，GALAXY）は，2基の「GeForce GTX 560 Ti」を1枚のカードに搭載したデュアルGPUカードを開発中だと明らかにした。公開された写真によると，基板は「GF PGTX560TI-SPOC/1GD5 WHITE」でも採用されていた白色。GPUと，それを囲むように配置されたグラフィックスメモリチップが基板の両端に配置され，中央にブリッジチップと電源部が用意されたレイアウトになっている。

写真を見ると，GPUパッケージ上の刻印は「GF104-325-A1」，すなわち「GeForce GTX 460」だが，最終製品ではGeForce GTX 560 Tiを搭載するという

　電源部は，8フェーズ＋2フェーズの構成となるデジタル回路で，CHiL Semiconductor製のデジタルPWM「CHL8314」が採用されているとのこと。GALAXYによれば，8フェーズがGPU，2フェーズがメモリ用として機能するという。

　ところで，通常この手のデュアルGPUカードは，「nForce 200」をブリッジチップに搭載しているが，電源部のすぐ近くにあるブリッジチップに刻印は見えず，詳細も明かされていない。GALAXYはこのブリッジを「企業秘密のチップ（2つのGPUをPCI-E×16レーンで使用するためのPCI-Eブリッジ？）」（※GALAXYの日本語ドキュメントより原文ママ）としているので，SLIによらない方法でマルチGPU動作を実現するのかもしれない。

　続いてカードの裏側を見てみると，中央にNECトーキン製のプロードライザを4つ搭載しているのが分かる。プロートライザは，広い周波数帯域において高いノイズ吸収性を発揮し，電流供給と電源ラインの安定を可能にするデカップリングデバイス。これにより2基のGPUを安定動作させられるとのことだ。
　なお，補助電源コネクタは8ピン×2。外部出力はDVI-I×4およびMini HDMIとなっているので，いわゆるマルチGPU動作ではなく，2基のGPUをそれぞれ別個に動かせるような仕組みを持っている可能性も高そうである。

カード背面にNECトーキン製の「プロードライザ」を4つ装備。これにより2基のGPUに安定した電力供給ができるという

補助電源コネクタは8ピン×2となる

外部出力インタフェースはDVI×4とMini HDMI

　GALAXYによると，現在は動作クロックのチューニングなどを行っている段階で，搭載するクーラーも決まっていないとのこと。しかしながら，3月下旬から4月上旬の正式発表を目標に開発を進めているという。

　……GALAXYが独自開発した2GPUカードといえば，デュアル「GeForce GTX 470」カードや，同GPUと「GeForce GT 240」を組み合わせたカードが，COMPUTEX TAIPEI 2010のタイミングで展示されていたのを思い出すかもしれない。これらは結局市場に登場しなかったが，「今度こそ」は発売となるだろうか。期待しつつ続報を待ちたいところだ。

GALAXY Microsystemsの公式Webサイト