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GeForce GTX 600
  • NVIDIA
  • 発表日:2012/03/22
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「GeForce GTX 680」SLIテストレポート。2-way&3-wayのスコアとGPU Boostの挙動を確認する
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印刷2012/03/31 00:00

テストレポート

「GeForce GTX 680」SLIテストレポート。2-way&3-wayのスコアとGPU Boostの挙動を確認する

2-way SLIの動作イメージ
GeForce GTX 600
 NVIDIAが満を持してリリースしたハイエンド市場向けGPU「GeForce GTX 680」(以下,GTX 680)。「Kepler」アーキテクチャを採用した初のデスクトップPC向けGPUでもある本製品のポテンシャルは前後編にわたるレビューでお伝えしたとおりだが,一言でその特徴をまとめるなら,「HD 7970より概ね速く,かつ低い消費電力で動作するが,256bitメモリインタフェースが弱点となることもある」といったところだ。

 では,GTX 680をSLI動作させると,シングルカード動作時との間に挙動の変化は生じるだろうか。今回は2-way&3-way SLI動作を試してみたので,その結果をレポートしたい。


リファレンスデザインとオリジナル仕様

2枚のGTX 680カードを追加入手


 GTX 680の製品概要は解説記事,シングルカード動作時の性能はレビュー記事前編を参照してもらうとして,さっそくテスト用システムの構築を行っていこう。
 今回用意したテスト環境はのとおりで,用意したグラフィックスカードが増えている以外は,レビュー記事前後編で用いたものといずれも同じ個体である。


GeForce GTX 600
4Gamerで独自に入手したInno3D GeForce GTX 680
GeForce GTX 600
NE5X680H1042-1040J
メーカー&問い合わせ先:Palit Microsystems
価格:未定
 GTX 680のSLI構成にあたっては,プライマリをNVIDIAのリファレンスカードとし,セカンダリを,4Gamerで独自に入手したInnoVISION Multimedia製カード「Inno3D GeForce GTX 680」としている。また,2-way動作のテストをひととおり終えたタイミングになって,Palit Microsystemsからオリジナルクーラー搭載のクロックアップモデル「NE5X680H1042-1040J」も緊急入手できたので,急遽,3-way SLIのテストも行うことにした次第だ。

 NE5X680H1042-1040Jについては後日レビュー記事をお伝えするつもりだが,同製品のコアクロックは1084MHzで,ブーストクロックは1150MHz。PCI Express補助電源コネクタが8ピン+6ピン仕様になっているのも特徴となっている。
 ただし,今回はあくまでも3-way SLIのターシャリ(tertiary,3枚め)として用いるため,SLI動作の仕様に従って,本製品はリファレンスのベース&ブーストクロックで動作することになる。

 比較対象として用意したのは,「GeForce GTX 580」(以下,GTX 580)のシングル&SLI構成と,デュアルGPUカード「GeForce GTX 590」(以下,GTX 590),そして「Radeon HD 7970」(以下,HD 7970)のシングル&CrossFireX(以下,CFX)構成。GTX 580とHD 7970のセカンダリカードはASUSTeK Computerに貸し出してもらったリファレンス仕様のものとなる。GTX 590はNVIDIAのリファレンスカードだ。

GeForce GTX 600
ENGTX580/2DI/1536MD5
リファレンス仕様のGTX 580カード
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:テックウインド(販売代理店) news@unitycorp.co.jp
販売終了
GeForce GTX 600
HD7970-3GD5
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:テックウインド(販売代理店) news@unitycorp.co.jp
実勢価格:6万〜6万5000円程度(2012年3月31日現在)

GeForce GTX 600
Rampage IV Extreme
ゲーマー向けのX79マザーボード
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:テックウインド(販売代理店) news@unitycorp.co.jp
実勢価格:4万〜4万5000円程度(2012年3月31日現在)
GeForce GTX 600
SMD-16G68CP-16KL-Q-BK
Micronチップ搭載のDDR3L-1600対応モジュール4枚セット
メーカー:サンマックス・テクノロジーズ
問い合わせ先:パソコンショップ・アーク
パソコンショップ・アーク販売価格:1万980円(※2012年3月31日現在)
GeForce GTX 600
3-way SLIの動作イメージ
 上ので気づいた人もいると思うが,今回,GTX 680のテストには,NVIDIAから全世界のレビュワーに配布された「GeForce 300.99 Driver Beta」を,レビュー記事から引き続き用いる。
 GTX 680の発表と同時にNVIDIAからは専用ドライバ「GeForce 301.10 Driver」が公開されているので,本来ならばそちらを利用すべきかもしれないが,同バージョンのリリースノートを見る限り,レビュワー向けドライバとアップデート内容に違いはない。そのため,シングルカードのスコアをレビュー記事から流用して,記事の掲載タイミングを早めることを優先した次第である。

 同じ理由で,GTX 580とHD 7970のシングルカード動作時におけるスコアはレビュー前編からの流用となる。HD 7970用のドライバは,北米時間28日に「Catalyst 12.3」が登場したが,とくに性能面での最適化がアナウンスされていたりはしないので,テストに用いた「Catalyst 12.2」でも比較に堪えると考えている。

 なお,テスト結果を流用するのだから当たり前だが,テスト方法を4Gamerのベンチマークレギュレーション12.0準拠とし,解像度を1920×1080&2560×1600ドットの2パターンとするのは先のレビュー記事と同じ。ただし,ハイエンド環境のテストということで「標準設定」は省略し,4xアンチエイリアシングと16x異方性フィルタリングを適用する「高負荷設定」(もしくは8xアンチエイリアシングが適用される「Ulrta設定」)のみのテストを行うこととする。

 もう1つ,文中,グラフ中とも,マルチGPU構成とシングルカードを区別するため,「GTX 680 SLI」といった形で,マルチGPU動作はGPU名の後ろに「SLI」もしくは「CFX」を付記する。ただし,GTX 680の3-way SLIは「GTX 680 3-way」とするので,この点はあらかじめご了承のほどを。


抜群の伸びを見せる場面がある一方で

SLIでも足回りの弱さがネックに


 では,テスト結果を順に見ていこう。
 グラフ1は「3DMark 11」(Version 1.0.3)で「Performance」と「Extreme」の両プリセットにおけるスコアをまとめたものだが,GTX 680 SLIは,HD 7970 CFXに対して7〜12%程度,GTX 580 SLIに対して24〜45%程度高いスコアを発揮している。
 GTX 680シングルカード動作時との比較だと,GTX 680 SLIのスコアは,Performanceプリセットで約52%,Extremeプリセットで約89%高い。Extremeプリセットのほうでより大きくスコアを伸ばすのは,マルチGPU動作の特性によるもの――負荷が低い環境だとCPUボトルネックによりスコアが伸びにくくなる――だが,同じExtremeプリセットでHD 7970 CFXとGTX 580 SLIは対シングルカード比で96%高いスコアを示しているから,このあたりは,GTX 680が持つメモリ周りの弱さがSLI構成時にも足を引っ張った結果といえそうだ。

 なお,GTX 680 3-wayのスコアは当然トップ。GTX 680 SLIとのスコア比較だとPerformanceプリセットで約31%,Extremeプリセットで約43%の違いとなっており,比較的素直に伸びているといえる。


 グラフ2,3は,「S.T.A.L.K.E.R.:Call of Pripyat」(以下,STALKER CoP)の「Day」と「Sunshafts」,2つのシークエンスにおける平均フレームレートをまとめたものだ。
 最も負荷の低い「Day」で2-wayマルチGPU構成同士の比較を行うと,GTX 680 SLIはHD 7970 CFXやGTX 580 SLIに対して明らかに高いスコアを示し,実力の違いを見せつけている。しかし,最も負荷の高いSunShaftsでは,GTX 680 SLIがHD 7970 CFXに追いつかれており,ほぼ同等という結果になった。メモリ周りの負荷が増すSunShaftsシークエンスでスコアを伸ばしきれず,しかも2560×1600ドット条件では逆転を許すのだから,3DMark 11と同じく,メモリ周りの弱さが露呈したと見るべきだろう。

 GTX 680 3-wayは,CPUボトルネックが生じたと思われるDayシークエンスの1920×1080ドットを除くと,GTX 680 SLIに対して24〜38%程度高いスコアを示した。


 シングルカード動作時にGTX 680がHD 7970およびGTX 580を圧倒した「Battlefield 3」(以下,BF3)のスコアがグラフ4だ。
 ここでは2560×1600ドットでHD 7970 CFXが大きくスコアを落としているのが目を引くが,1920×1080ドットでGTX 680 SLIがHD 7970 CFXより約22%高いスコアを示している点や,GTX 680 SLIがGTX 580 SLIに対して解像度を問わず37〜38%程度のスコアを示している点,そして,そんなGTX 680 SLIに対してGTX 680 3-wayが2560×1600ドットで約40%高いスコアを示している点にも注目しておきたい(※GTX 680 3-wayのスコアが1920×1080ドットで伸びないのはCPUボトルネックによるものと思われる)。
 また,本筋からは少し外れるが,GTX 680のシングルカードがGTX 590とかなりいい勝負を演じているのも,なかなか興味深いところだ。


 グラフ5は「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4)の結果だが,まず,GTX 680 3-wayは明らかにおかしい。3-way動作にとってCall of Duty 4は“軽すぎ”て,GPU Boostが逆方向に働いたのかと疑ったが,テスト中,3基のGPUは最大1006MHzで動作し,動作クロックが極端に落ちたりもしていなかったので,ドライバのバグと見ていいだろう。3-wayに安定性を求めるのはまだ難しいようだ。

 それを除くと,もともとシェーダ性能やテクスチャ性能がスコアを左右しやすいタイトルだけに,シングルカードのスコアがマルチGPU動作時でもそのまま反映されている印象。GTX 680 SLIは,HD 7970 CFXに対して17〜20%程度,GTX 580 SLIに対して24〜39%高いスコアを示している。


 シングルカードのレビュー時にメモリ周りの弱さが露呈した「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)だが,グラフ6を見る限り,やはりGTX 680 SLIのスコアはあまり振るわない。ドライバの問題と思われる形でスコアを大きく落とすHD 7970 CFXとの比較は行えないうえ,1920×1080ドットではCPUボトルネックによるものと思われるスコアの頭打ちが発生しているため,参考になる情報はあまり多くないのだが,それでも,2560×1600ドットでGTX 580 SLIがシングルカードに対して87%ほどスコアを伸ばすのに対し,GTX 680が同80%程度に留まるのは見逃せないところである。
 なお,GTX 680 3-wayは,2560×1600ドット時に対GTX 680 SLIで約24%,対シングルカードで約124%高いスコアを示している。


 続いてグラフ7は「Sid Meier's Civilization V」(以下,Civ 5)の結果だが,GTX 680 SLIはHD 7970 CFXに対して19〜25%程度も低いスコアとなった。GTX 680 3-wayでやっとHD 7970 CFXを上回るレベルだ。シングルカードでのレビュー時に,GPU Boostによる悪影響の可能性を指摘したが,その傾向はGTX 680 SLIでも変わっていない。


 グラフ8に示した「DiRT 3」でも,解像度1920×1080ドットでは,スコアの頭打ちがSkyrimと同じような形で生じている。そこで2560×1600ドットを見てみると,GTX 680 SLIは,スコアこそHD 7970 CFXを数fps上回っているものの,対シングルカードでのスコア向上率は約75%で,HD 7970 CFXの約88%やGTX 580 SLIの約90%と比べると見劣りする。このあたりも足回りの弱点が影響した結果だろう。



SLI動作時にも消費電力の低さは光る

GPU Boostにより温度は最高でも80℃に


 マルチGPU環境ではカードの枚数が倍々ゲームで増えていくわけだが,シングルカード動作時と比べて消費電力はどの程度増すだろうか。ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」で,システム全体の消費電力を比較してみよう。
 テストにあたっては,ゲーム用途を想定し,ディスプレイの電源がオフにならないよう設定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時とすることにした。

 その結果はグラフ9のとおりで,まずアイドル時に着目すると,GTX 680 SLIはGTX 580 SLIと比べて34W低い一方,GTX 680と比べると19W高くなっている。GTX 680で,アイドル時におけるカードレベルの公称消費電力は15Wとされているので,ほぼ妥当なレベルといったところだろうか。
 もっとも,HD 7970 CFXだとHD 7970比プラス10Wなので,アイドル時の消費電力はHD 7970 CFXに一日の長がある印象だ。

 次に各アプリケーション実行時を見ると,GTX 680 SLIはHD 7970 CFXよりも10〜62W低く,シングルカード時の結果を踏襲する結果になったといえる。GTX 680 SLIとGTX 590が概ね同程度のスコアになっている点も注目に値するところで,GK104コアを2基搭載したマルチGPUソリューション的なグラフィックスカードの登場を予見させるスコアと述べても言い過ぎではなさそうだ。
 また,ターシャリのPCI Express補助電源仕様が8ピン+6ピンになっているため参考程度となるが,GTX 680 3-wayの消費電力が,スコアに異常が発生したCall of Duty 4を除くと,GTX 580 SLIから37〜86Wしか上がっていない点も注目に値する。
 なおGTX 680 3-wayのCall of Duty 4時は,性能計測時のスコアを裏付けるように,3基のGPUが正常に動作していない可能性を指摘できる消費電力値となっていたことを付記しておきたい。

※そのまま掲載するとグラフが縦に長くなりすぎるため,縮小版を掲載しました。グラフ画像をクリックすると別ウインドウで完全版を表示します
GeForce GTX 600

 3DMark 11の30分間連続実行時点を「高負荷時」とし,アイドル時ともどもGPU温度の比較を実施した結果がグラフ10だ。
 テスト時の室温は24℃で,システムはPCケースに組み込まず,いわゆるバラック状態でテストを行っている。測定に用いているのはTechPowerUp製のGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.5.9)だ。
 スコアはGPUごとにまとめたので,SLIやCFXではGPUの数だけ同じ色のバーが並んでいるが,ざっくりまとめて,GTX 680 SLIのGPU温度に気になるところはとくにない。重箱の隅を突いても,アイドル時にプライマリとセカンダリの温度差がやや大きいところくらいである。シングルカード動作時と同様,高負荷時のGPU温度が80℃を超えないようGPU Boostから設定されていることも,グラフからは見て取れよう。

GTX 680 3-wayでは3枚のグラフィックスカードが隣接することになる
GeForce GTX 600
 ただ,GTX 680 3-wayでは,2-way SLIだと隣接しないプライマリとセカンダリのカードが隣接した状態でマザーボードへ差さることになるため,GPU温度は順に81℃,83℃と,2-way時と比べて少々高めに出た。3-way SLI動作時にGPU Boostの効果を最大化したい場合は,シングルカード構成時や2-way SLI構成時とは異なる冷却機構を用意する必要があるかもしれない。
 なお,GTX 680 3-wayでターシャリのGPU温度が低いのは,Palit Microsystems製カードが3連ファン仕様のオリジナルクーラーを搭載しているためである。



基本的にはシングルカード時と変わらず動作する

GPU Boostだが,挙動の一部にはバグも


 GPU Boostの話が出たところで,最後に,GTX 680 SLIにおけるGPU Boostの挙動を確認しておきたい。

 GPU Boostについてはレビュー記事後編で詳しくその挙動を紹介しているが,簡単に言えば,消費電力的に余裕があるとき,想定される消費電力の上限まで自動的にGPUコアクロックとGPUコア電圧を高めてクロックを引き上げようというものだ。
 従来,クロックの異なるグラフィックスカード2枚を組み合わせてSLI動作させると,動作クロックは低いほうで揃っていたが,GTX 680 SLIではどうなるのだろうか。レビュー記事後編と同じく,EVGA製のGPU設定カスタマイズツール「Precision X」(Version 3.0.1)を利用してGPU Boostの挙動を確認してみよう。

GTX 680 SLIでCall of Duty 4を実行し,Precision Xから追ったところ。2基のGPUはいずれもGPU Boostによって1100MHz前後までクロックを上げている
GeForce GTX 600
GeForce GTX 600
 まず,そもそもSLIを認識するのかという話からだが,Precision Xなどのカードメーカー製GPUカスタマイズソフトは,NVIDIAから提供されたSDK(ソフトウェア開発キット)を用いて開発されていることもあって,SLIの認識に問題は何もない。そして,ウインドウ内の左端に用意された「SYNC」というチェックボックスのオン/オフを切り替えることで,「Power Target」やクロックオフセットを同期した状態で変更したり個別に変更したりできるようになった。
 また,[PERFORMANCE LOG]ボタンから開けるログウインドウには,複数のGPUログ情報をまとめて1つのウインドウ内で表示させるといったことも行えるようになっている。

 さて,GTX 680 SLI構成時に3DMark 11のExtremeプリセットを実行し,動作クロックなどの推移を追ってみると,GPUコアクロックは1100MHzまで,セカンダリは1097MHzまでそれぞれ上がることを確認できた。つまり,SLIでもGPU Boostはシングルカード構成時と同じように機能しているわけだ。レビュー記事後編と照らし合わせるに,GPUコアクロックの上がり幅にも大きな違いはない。

プライマリのGPUクロックオフセットを−200MHz,セカンダリを同+100MHzに設定してログを追ったところ。前者は911MHz,後者は1189MHzが最大クロックと出た
GeForce GTX 600
 「SLIでは,構成されるカードが同じクロックで動作する」という大前提のなか,Precision Xではカードごとに異なるPower Target設定やクロックオフセット設定ができるようになっているわけだが,実際に異なる設定を行ったらどうなるのだろう?
 今回はプライマリのGPUクロックオフセットを−200MHzに,セカンダリのGPUクロックオフセットを+100MHzに設定して,Skyrimのテストを実行してみた。このケースだと,プライマリは最大で911MHzまでしかクロックが上がらなかったのに対して,セカンダリは1189MHz(もしくは1188MHz)にまで上昇した。本来ならGPUコアクロックはより低いほうに揃うはずなので,どちらも911MHzまでしか上がらないはずなのだが,その大前提を無視して,2枚のカードが異なる挙動を示しているわけだ。

Precision XでプライマリとセカンダリのGPUクロックを見たところ。後者のクロックは1188MHzと出ているので,ログウインドウとどちらかが若干間違っていることになるが,いずれにせよ,GPUクロックオフセットが効いていることは間違いない
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600

 この件をNVIDIAにレポートしたところ,「バグ」という回答が返ってきた。「SLIにおいては,“フレーム送りの目詰まり”(Micro-Stuttering)を減少させるために,画面切り替えのタイミングを制御しており,最終的にディスプレイ上へ表示されたときの性能は必ず遅いほうのGPUに合わせられる。それはGTX 680でも従来どおり当てはまる」(NVIDIA)とのことなので,このあたりは後日,修正されるということなのだろう。
 バグだと断言された以上,これ以上突っ込んでテストしてもあまり意味がないのでここまでとするが,現状,SLI構成時に各GPUの動作設定を個別に変更できてしまう問題があることは,憶えておいたほうがよさそうである。

Frame Rate Target設定時におけるGTX 680 SLIの挙動。セカンダリGPU(グラフ中「GPU2」)のクロックが大きく下がった
GeForce GTX 600
 では,GPU Boostのなかでもユニークな機能である「Frame Rate Target」は機能するのか。今回はGTX 680 SLI構成時にCall of Duty 4で高負荷設定の2560×1600ドット設定を行い,Frame Rate Targetを60fpsに固定したが,プライマリは最高1006MHz動作。一方のセカンダリ側は最初と最後に1006MHzまで上がったが,それ以外では473MHzと低いクロックで推移した。フレームレートは約60fpsで固定されたので,結果だけ見ると「問題なく動作している」と言えるのだが,ここでも2基のGPUで動作クロックは一致しなかったわけだ。

 なお,Watts up? PROからシステム全体の消費電力を追ってみると,Frame Rate Target有効時の消費電力は267W。シングルカードでFrame Rate Targetを試したときの231Wからは上昇していた。このあたりも,ドライバのアップデートによるバグフィックス待ちということになりそうである。


高負荷・高解像度環境では懸念も残るが

シングルカード動作時を踏襲するテスト結果は魅力的


GeForce GTX 600
 以上,GTX 680 SLIのテストを行ってきた。新世代GPUによるSLI動作ということもあり,ドライバ周りには最適化不足や問題も散見されるが,BF3やCall of Duty 4などといったベストケースにおける景気のいいスコアや,アプリケーション実行時におけるシステム全体の消費電力でHD 7970 CFXを下回るあたりからは,シングルカード時の挙動が2-way SLI時でもそのまま反映される印象を受ける。3-wayだといろいろ不安定になるのは“伝統”なので,ゲーマーにとって現実的な選択肢は2-wayまでということになるはずだ。

 懸念が残るとすれば,やはりメモリ周りだろう。SLI動作によってメモリ周りの不利は多少なりとも隠蔽できるため,高解像度&高負荷設定時に大きくスコアが落ち込むということはないが,条件次第で,競合製品や従来製品に迫られる可能性があることは,理解しておいたほうがいいと思われる。

 とはいえ,GTX 680 SLIが多くの場面で最高性能を得られるのは確かだ。シングルカード志向の人のみならず,マルチGPU構成を考えている人にとっても,GTX 680は魅力的な存在となるだろう。

NVIDIAのGTX 680製品情報ページ

「GeForce GTX 680」レビュー(前編)。低消費電力で「扱いやすい史上最速GPU」に

「GeForce GTX 680」レビュー(後編)。NVIDIA版Turbo Boostになる「GPU Boost」とは何か

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    GeForce GTX 600

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