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印刷2011/09/09 20:23

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[CEDEC 2011]コンシューマゲームが無料ゲームに学ぶこと。「戦国IXA」「FEZ」の開発/運営から見た,ゲーム市場との向き合い方

 CEDEC 2011の3日目となる2011年9月8日,スクウェア・エニックス 第二オンライン企画運営部 ジェネラルマネージャー 渡辺泰仁氏によるセッション「『戦国IXA』と『ファンタジーアースゼロ』の開発・運営から得た知見についてまとめてみた」が行われた。このセッションは,かつてコンシューマゲーム(家庭用ゲーム)のプロデューサーだった渡辺氏が,基本無料のゲームタイトル「戦国IXA」および「ファンタジーアース ゼロ」(以下,FEZ)の運営/開発を手がける過程で気づいたポイントや,激しく変化する現在の市場の状況などをテーマに語る内容となった。

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コンシューマゲームとオンラインゲームは顧客が違う?


スクウェア・エニックス 第二オンライン企画運営部 ジェネラルマネージャー 渡辺泰仁氏
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 まず渡辺氏は,コンシューマゲームとオンラインゲーム/ブラウザゲームでは,そもそも相手にしている顧客が異なるという指摘から,セッションを開始した。つまり「面白い」「面白そう」という評価軸がそれぞれ異なる,というのだ。コンシューマゲームの開発経験者達がオンラインゲームやソーシャルゲームの話題を始めると,「あの人気タイトルは何が面白いのか」「あれならウチのほうが面白いものが作れる」という話になってしまいがちとなるのは,このためだという。

 渡辺氏は,これは過去,何度も繰り返されてきたことと説明する。携帯アプリが話題になったとき,基本無料のオンラインゲームが登場したとき……そして直近ではソーシャルゲームが台頭したとき。その都度で,コンシューマゲームの開発者達は「流行っているかもしれないが,今一つ物足りない」と話してきた。実際,データから見てもスクウェア・エニックスとハンゲーム,それぞれの公式サイト訪問者はほとんど被っていないことが明らかとなっており,渡辺氏は「自分達の関わるコミュニティの外で起きていることは,意外に分からないもの」と表現する。

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 また別のデータでは,この1年間でプレイしたゲームについて5万人から独自にアンケートを取ったところ,スクウェア・エニックスの看板タイトルである「ドラゴンクエスト」シリーズまたは「ファイナルファンタジー」シリーズを遊んでいて,かつ携帯アプリ版「怪盗ロワイヤル」を遊んだという人は6〜7%に留まったとのこと。
 その一方で戦国IXAを遊んでいる人のドラゴンクエスト/ファイナルファンタジーとの併プレイ率は25〜27%,怪盗ロワイヤルでも20.5%と,それなりにさまざまなジャンルのゲームに親しんでいる様子がうかがえるが,総じていえば70%以上が,同社の既存の顧客層とは異なる新規層であることが分かったという。

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 以上をまとめて,渡辺氏はスクウェア・エニックスのような従来型のコンシューマゲームメーカーは,極めて「モノカルチャー」な世界で暮らしていると表現する。そのメリットとしては,現場から経営陣に至るまで一定のクオリティラインが共有されており,目指す方向性が一致している限りは,意思決定や開発自体のスピードが非常に速いことが挙げられていた。
 その一方で渡辺氏は,コンシューマゲームメーカーが自分たちの市場に過剰適応しているために,携わっていないカテゴリーでのモノ作りには目が向きにくいことを指摘する。

 その課題をクリアするための一つのキーワードは,「ダイバーシティ・マネジメント」であると渡辺氏は語る。この言葉にはいくつかの意味があるが,ここではさまざまな状況の変化に対応するため,組織には常にさまざまな才能・背景を持った人材を揃えておくべきだ,という考え方を指している。多様性に富んだ人材を揃えることで,普段接していないタイプの顧客“も”意識しながら議論を進めることができる,というわけだ。ここで敢えて“も”と強調するのは,やはり面白いゲームを作り出すためには,データだけでなく各自の持つ感覚が必要となる側面が存在するからである。

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 顧客層が違うのだから,当然,コンシューマゲームとオンラインゲーム/ブラウザゲームではプロモーションの手法も変えなければならない。
 渡辺氏は,コンシューマゲームと基本無料のオンラインゲーム/ブラウザゲームでは,コンテンツに代金を支払うまでの導線が大きく異なることを加えて指摘する。コンシューマゲームでは,プレイヤーが特定のゲームをプレイしたいと考え,自らショップに出向いたり情報を収集したりして,数千円の対価を支払ってパッケージを購入する。その過程は能動的で,ゲームに対するモチベーションは非常に高い。
 一方,無料ゲームは暇つぶしが目的となるケースが多いため,Webなどで何となく目に付いたものをクリックして遊ぶことが多くなる。こちらはゲームへのモチベーションが極めて低い,といえるだろう。

 さらに渡辺氏は,プレイヤーのテンションから上記の内容を紐解いていく。すなわち,コンシューマゲームではパッケージ購入時にテンションが一つのピークを迎えるのに対し,無料ゲームは実際に遊び面白いと感じて初めてテンションが上がり,支払いに至る。したがって,両者におけるプロモーションも,そのテンションに合わせた内容が求められる。

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 つまりコンシューマゲームでは,プレイヤーのテンションがピークを迎えるパッケージの発売日に向けて盛り上げていく必要があるし,無料ゲームではサービスが続く間は常に新しいイメージやメッセージを用意してプレイヤーのテンションが下がらないよう訴求し続けなければならない。
 戦国IXAのプロモーションでいえば,例えばバナーであれば“スクウェア・エニックス初の戦国ゲーム”という点と,ビジュアルだけが伝われば良い。その理由は,具体的な内容をいちいち説明するよりも,無料でプレイできるのだから実際に触れてもらったほうが早いからである。

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 同様の理由で,同作の認知度を高めるために企画したフジテレビ系列各局とのタイアップキャンペーンでも,具体的なゲームプレイではなく,タレントが遊んでいる様子に焦点を当てている。こうしたゲームの内容と関係ない集客は競合他社でも行っているそうで,タレント/ミュージシャンのTOKIOをテレビCMに起用したGREEの「探検グリランド」や,セクシーな女性のイメージを前面に打ち出すFacebookの「Evony」が例示されていた。

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 今や多くの人は,ゲームの内容を吟味してゲームを選ぶわけではない。むしろ友人・知人が遊んでいるから,世間で話題になっているから,そのゲームを手に取ったというケースが主流となっており,無料ゲームでは,さらにその傾向は強まる。そうした状況においては,パッケージ販売で培ったノウハウに縛られることなく,意識してプロモーションを変えなければならない。渡辺氏はそう語り,セッションの前半を締めくくった。

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顧客に合わせ,変わるコンテンツ


 このようにプロモーションが変わると,コンテンツ自体の内容も,当然変化することになる。渡辺氏は,基本無料のオンラインゲーム/ブラウザゲームにおいては,何よりもまず定着率・継続率の向上を考えなければならないと,自説を続ける。

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 例えば「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」は非常に充実したコンテンツを持つゲームだが,同じ密度のオンラインゲーム/ブラウザゲームを5年間続けてサービスすることは不可能だと渡辺氏は述べた。それはコンテンツの細部まで,きちんとしたフォローをすることが,事実上不可能だからである。
 そもそも多人数でプレイすることを前提とするオンラインゲーム/ブラウザゲームでは,十分なテストプレイも難しい。FEZで,50人対50人の戦争コンテンツをテストしようと思ったら,まず100人のテスターを集めるところから始めなければならない。ましてや戦国IXAに至っては,2万5000人が一緒に遊ぶのだから,そこで何が起こるのかを予想するのは極めて困難だ。

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 さらに渡辺氏は,そうした事情がオンラインゲーム/ブラウザゲームに新しいシステムを導入できない理由になっていると続ける。
 FEZでも,過去3回行ったクローズドβテストで,多くのコンテンツがボツになっている事実がある。例えば当初ウリの一つにしていたストラテジー的な要素については,テスターから寄せられる要望・意見があまりにも膨大になりすぎて,ハンドリングできなくなってしまった。その結果,最終的にはメインコンテンツの50人対50人の戦争に,ほとんどのリソースを割くことになったそうだ。

 また戦国IXAでも,初期の仕様では初めて合戦に参加したときに離脱してしまうプレイヤーが多かったため,ユーザーインタフェースの一部を変更し,より分かりやすくした。オンラインゲーム/ブラウザゲームの定着率・継続率の向上を考えると,コンテンツはシンプルにせざるを得ない,とのことだ。

 さてシンプルな内容を標榜するとなると,今度はイノベーションという議題が登場してくる。渡辺氏は,イノベーションなど不要とばかりに競合他社のヒット作を模倣して調整を施し,さらなるヒット作に仕上げるというZyngaのよく知られる手法を,あらためて紹介。その対比として,氏自身が入社した当時の旧エニックスでは,福嶋康博社長から「とにかく新しいものを作れ」とイノベーションを求められていたエピソードを紹介し,オンラインゲーム/ブラウザゲームとコンシューマゲームの開発における意識の違いを示す。

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 そして,このセッションにおける一つの結論として,氏は詩人のT.S.エリオットの言葉を引用しつつ,なるべく異なるフィールド,遠くのフィールドからアイデアを借りてきたり,模倣するにしても何か一手間かけてみたりするといいのではないか,と意見を述べた。またその場合にも,競合タイトルとの差別化を図ろうとして模索した結果,結局最初のアイデアに戻ってしまうこと──いわゆる“車輪の再発明”は避けたいとも語っていた。

「ブラウザ三国志」と同じデベロッパが開発した「戦国IXA」では,グラフィックスの強化,合戦の必然性,デッキ枚数の増加によるカード収集に対するモチベーションの向上が図られている
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FEZでは,RTSをMMORPG+TPSという形で再現しようとしたが,あまりにもかけ離れた要素同士を引っ張ってきたため,開発が難航したとのこと
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 渡辺氏は,ソーシャルゲームを含めたオンラインゲーム/ブラウザゲームにおける,このタイプの発明で,今のところ最高のものは,KONAMIの「ドラゴンコレクション」ではないかと,自身の意見を述べる。氏がこのタイトルを評価するのは,怪盗ロワイヤルの発展系でありながら,,いわゆるガチャのシステムをプレイの中心に据えている──つまりガチャを引かなければ実質遊べない,という点。無論,無料のガチャだけでゲームを進めることは可能だが,その傍らには「こちらは,よりいいカードが出る確率が高いですよ」といわんばかりに有料ガチャが配置してある。その是非については各自で考えてほしいが,ともかくビジネスとしては極めてクレバーだ。
 さらにGREEの「探検ドリランド」には,このドラゴンコレクションをかなり研究・分析した節がうかがえると,渡辺氏は語っていた。

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 実はこうした模倣から発展させたビジネスの事例は,ほかの業界でも普通に成立しているそうで,例えばペットボトルの緑茶飲料は,1985年に伊藤園が「お〜いお茶」をリリースして以来,競合各社が相次いで類似製品をリリースし市場を拡大していった。
 しかし,最初のリリースから25年がたった今なお,市場の40%を握ってシェア1位となっているのは伊藤園だ。なんと当時の伊藤園は,他社が模倣することにより緑茶飲料市場全体が拡大していくことまで見越しており,その上で現在の地位を確立している。

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 伊藤園の事例と,現在のゲーム市場の状況を報告するさまざまなレポートから,今後,コンシューマゲーム市場は無料ゲームに侵食され,スマートフォンをはじめとするモバイル端末用の無料ゲームのタイトル数も増えていくだろうと,渡辺氏は分析する。
 かつてプラットフォームホルダーが作り上げたビジネスモデルから脱却する時代が来ており,そのためには,ゲーム開発者達がどのような力を持ち,どんな仕事をしているのかを再定義し,自らの世界を広げていく必要があると,氏は続けた。

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 それらを踏まえた上で,ブラウザゲーム/ソーシャルゲームが非同期でも多人数プレイを楽しめると証明したこと,さまざまなマネタイズのアイデア,そしてゲーム開発者各自がこれまで取り組んできたゲームの手法を掛け合わせれば,新しいゲームが生まれるのではないかと,聴講者に呼びかける渡辺氏。
 MobageのタイトルはFacebookやmixiでは儲からない,あるいは逆に……というような話もよく聞くが,それは結局,上記で挙げた多くのゲーム開発者が陥りがちな“自分達の関わるコミュニティのことしか知らないケース”が招く結果であり,きちんと対応すれば誰が有利,どこが有利ということはないはずなのだ。

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 最後は,めまぐるしく変化しているゲーム市場においては,あるのかないのか分からない成功法則に頼るのではなく,自分達の強みと弱みを把握し,事実と向き合い,努力を続けるしかないとまとめ,セッションを締めくくった。氏の予想が正しいとして,「無料ゲームに侵食された」未来がどのような形になるのか。願わくば,我々ゲーマーにとって住みやすい世界であることを,願うばかりである。セッションでもしきりに繰り返された,開発者達のがんばりに期待したいところだ。

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