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AMD,Bulldozerアーキテクチャ採用の新世代CPU「FX」を正式発表。発売は10月下旬以降に
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印刷2011/10/12 13:01

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AMD,Bulldozerアーキテクチャ採用の新世代CPU「FX」を正式発表。発売は10月下旬以降に

FXプロセッサのダイ写真
AMD FX(Zambezi)
 2011年10月12日13:01,AMDは,デスクトップPC向けの新世代フラグシップCPUにして「世界初のデスクトップPC向け8コアCPU」と位置づけられる「AMD FX」(もしくは「AMD FX-Series」)を正式発表した。同社は6月上旬の時点で製品名を明らかにしていたが,ようやく一般PCユーザー向け市場にお目見えするわけである。

 開発コードネーム「Zambezi」(ザンベジ)として知られてきたAMD FXは,新世代マイクロアーキテクチャ「Bulldozer」(ブルドーザ)を採用する最初の製品だ。2003年のAthlon 64における「K8」以来――2007の「Phenom」で採用された「K10」はK8の拡張版と位置づけられる――久々のマイクロアーキテクチャ刷新となる。

AMDは,“重機シリーズ”のハイエンドCPUコアで,年10〜15%の性能向上を図っていく。Bulldozerはその第1弾で,2012年には「Piledriver」(パイルドライバー,杭打ち機),2013年に「Steamroller」(スチームローラー,道路をならすローラー),2014年が「Excavator」(エクスカヴェイタ,掘削機)といった具合だ
AMD FX(Zambezi)

「FX-8150」レビュー。ついに発進するBulldozer世代のCPU「Zambezi」はゲーマーの福音となるか



Bulldozer Moduleを採用する新世代アーキテクチャ


 Bulldozerは,より低消費電力で,そしてより小さなダイサイズでCPUのマルチコア化を実現すべく,2基のx86整数演算ユニットを1つにまとめたクラスタ型アーキテクチャを採用。分岐予測や命令デコード,命令発行などを行なうフロントエンド部と,浮動小数点演算ユニット,L2キャッシュを,2基のx86整数演算ユニットが共有しているのが最大の特徴だ。

8コアAMD FXプロセッサのアーキテクチャブロック図
AMD FX(Zambezi)

 AMDはBulldozerアーキテクチャの根幹をなすこの構成を「Bulldozer Module」(以下,Bulldozerモジュール)と呼んでおり,以下のようにカウントしている。

1 Bulldozerモジュール = 2 x86 CPUコア

 8コアのAMD FXは,4基のBulldozerモジュールで構成され,1基のBulldozerモジュールは2スレッドを同時に実行できるようになっている,というわけである。

Bulldozerモジュールのブロック図。2基のx86コア(=整数演算ユニット)がフロントエンドや浮動小数点演算ユニット,L2キャッシュを共有することで,少ないダイサイズでマルチコア化を実現できるようにしているのが特徴だ
AMD FX(Zambezi)

Bulldozerモジュールの整数演算ユニット
AMD FX(Zambezi)
 ただ,Bulldozerモジュールに搭載されるx86整数演算ユニットは,「AMD A-Series」やPhenomで採用されているK10コアと比べてやや簡略化されており,K10で演算パイプラインとアドレス生成パイプラインが各3本だったのに対し,Bulldozerコアでは2本。K10の3分の2になっているのだ。
 そのため,K8&K10では1コアが最大6つの内部命令(Micro OPerations,以下 μOPs)の処理が可能なのに対し,Bulldozerではこれが最大4μOPsとなって,Bulldozerモジュールでも最大8μOPsとなる。

 もっともこれは必ずしもマイナス要因というわけではなく,パイプライン構成がシンプルになった分,Bulldozerアーキテクチャでは高クロック化が容易になるとされている。実際,8コア版のAMD FXで8.429GHzという世界最高の動作クロックを実現していたのは記憶に新しいところだ。

 もう少し詳しくBulldozerモジュールを見ていこう。
 2つの整数演算ユニットが共用するフロントエンド部は,容量64KBのL1命令キャッシュと4-wayの命令デコーダを備える。順に64KB,3-wayだったK10と比べると,命令デコーダが強化されているものの,コアあたりで見るとかなりスペックダウンしていることが分かる。

Bulldozerモジュールのフロントエンド部。L1データキャッシュ容量は64KBで,フェッチやデコーダは1サイクルあたり4命令の4-way対応となる
AMD FX(Zambezi)

Bulldozerモジュールの浮動小数点演算ユニット。AVXや積和演算などもサポートする
AMD FX(Zambezi)
 整数演算ユニットは,パイプラインごとに各16KBのL1データキャッシュを搭載(※K10では各64KB)。浮動小数点演算ユニットは2本の128bit浮動小数点演算パイプラインを備え,128/256bitのAVX処理に対応するほか,積和演算などもサポートし,フロント部同様,2つの整数演算ユニットで共用される。
 さらに,Bulldozerモジュールには容量2MBのL2キャッシュが搭載され,2基の整数演算ユニットからデータ共有が可能となっている。

AMD FX(Zambezi)
AMD FXは,浮動小数点機能として,FMA4(4オペランド:4数値の積和算演算)や,XOP(eXtended OPerations)と呼ばれる独自拡張演算機能のサポートにより,LGA1366版Core i7よりも優れた浮動小数点演算性能を示すとされる
AMD FX(Zambezi)
AMD FXでは,ハードウェアレベルで暗号化処理を高速化するAES(Advanced Encryption Standard)もサポート。AESに対応していない「Phenom II X6 1100T/3.3GHz」と比べて,3.7倍もの高速化を実現するという

各コアはNorth Bridgeを介して容量8MBのL3キャッシュにアクセスする
AMD FX(Zambezi)
 また,AMD FXでは,North Bridgeを介して,CPUに統合されたL3キャッシュを共有する。メモリコントローラはデュアルチャネルDDR3で,CPUとしてはDDR3-1866をサポートするのも特徴だ(※マザーボード側がPC3-14900に対応しない可能性はある)。
 CPUとチップセット間の接続には従来どおりHyperTransportが採用され,帯域幅は最大5.2GT/sを実現。なお,CPUのシリコンには4つのHyperTransportインタフェースが搭載されるものの,(1-way動作となる)デスクトップ向けCPUたるAMD FXでは3つが無効化されている。

AMD FX(Zambezi)
ZambeziことAMD FXのダイ構成
AMD FX(Zambezi)
プラットフォームにはSocekt AM3+を搭載するAMD 9シリーズマザーボードを採用。ダイ上に4つあるHyperTransportインタフェースのうち1つをCPUーチップセット間接続に利用し,残りは無効化されている

 組み合わされるプラットフォームがSocket AM3+環境になるのは既報のとおりで,AMD 9シリーズチップセット搭載マザーボードがサポート対象となる。


発表当初のラインナップは4製品


OEM向け製品も含んだAMD FXのラインナップ。4コアモデルや,8コアでTDP 95Wのモデルなども公表されているが,発表直後に自作PC市場で流通するのは下記3モデルだ
AMD FX(Zambezi)
 全モデルで倍率ロックフリーとなるAMD FXでは,7モデルの登場が予告されているが,発表に合わせて自作PC市場へ出荷されるのは下に示した4製品で,8コア(=4 Bulldozerモジュール)モデルが2つと,6コア(=3 Bulldozerモジュール)モデルが1つ,4コア(=2 Bulldozerモジュール)モデルが1つだ。ただし,発売日は今のところ「10月下旬以降」(日本AMD)とされ,具体的なスケジュールは未公開。また,最上位モデルとなるFX-8150は,日本市場限定で簡易液冷クーラーが付属し,限定500セットの出荷と予告されているが,「500セット完売後はどうなるのか」についてもAMDからのアナウンスはない。
 ちなみに,ダイそのものはAMDが「Orochi」(オロチ,開発コードネーム)と呼ぶ,4 Bulldozerモジュールのものなので,6コアモデルと4コアモデルは,8コアモデルから1ないしは2のBulldozerモジュールを無効化した格好となる。

  • FX-8150
    3.6GHz(3.9GHz,4.2GHz),L2 2MB×4,L3 8MB,DDR3-1866,125W,3万3800円(税込,液冷ユニット付き。北米市場向けには単体価格245ドルと示されている)
  • FX-8120
    3.1GHz(3.4GHz,4.0GHz),L2 2MB×4,L3 8MB,DDR3-1866,125W,1万8800円(税込)
  • FX-6100
    3.3GHz(3.6GHz,3.9GHz),L2 2MB×3,L3 8MB,DDR3-1866,95W,1万4980円(税込)
  • FX-4100
    3.6GHz(3.7GHz,3.8GHz),L2 2MB×2,L3 8MB,DDR3-1866,95W,9980円(税込)

※製品名の下に並んでいるのは左から順に動作クロック(全コアターボ動作クロック,最大ターボ動作クロック),CPUコア数,L2キャッシュ容量,L3キャッシュ容量,メモリコントローラ,TDP,日本AMDによるメーカー推奨売価

 上で動作クロックの表記が3つあることに気づいた人もいると思うが,AMDはAMD FXで第2世代の「AMD Turbo CORE Technology」(以下,Turbo CORE)を採用し,より高クロックでの動作を可能にしてきている。
AMD FX(Zambezi)
AMDの第2世代Turbo CORE。すべてのコアが動作するときの最大クロックと,4コア以下で動作するときの最大クロック,2段階の設定がなされる
AMD FX(Zambezi)
Turbo COREのメリットをまとめたスライド。Max Turbo Coreは4コア以下での動作時,All Core Turboは8コアすべてが動作したときの性能を,定格動作クロック時と比較したものだ
 TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)に余裕があるとき,定格クロック以上に動作クロックを引き上げる,という意味では現行技術と同じながら,新世代Turbo COREでは,すべてのx86コアに負荷がかかった場合の最大動作クロックと,4コア未満に負荷がかかった場合の最大動作クロックが,それぞれ「All Core Turbo」「Max Turbo」という形で別個に設定されており,たとえば定格動作クロック3.6GHzのFX-8150だと,8コア動作で最大3.9GHz,4コア以下では最大4.2GHzに達する。
 AMDは,新世代Turbo COREの効率を高めるべく,TDP値の設定に十分な余裕を持たせているとのことだ。

 また,ここまでに説明してきたとおり,AMD FXでは高クロック化が容易になっており,同時に,全モデルで倍率ロックを外した,「Unlocked」仕様になっていることから,エンドユーザーは自己責任を覚悟すれば,より高い動作クロックを狙えるようになっている。

John Taylor氏(Director, Product Marketing, AMD)
AMD FX(Zambezi)
Bulldozerアーキテクチャには優れたオーバークロック耐性があるとされた
 AMDでCPUやAPUの製品マーケティングを統括するJohn Taylor(ジョン・テイラー)氏は,10月5日に台湾・台北市で開催された「AMD Fusion 11 Taipei」で報道関係者向けに行われたAMD FXの事前説明会において「個人でギネス記録に挑戦するなら,液体窒素などを用意しなければならないが,空冷であっても,高性能なCPUクーラーと組み合わせれば5GHz程度のオーバークロック動作は可能だ」と,AMD FXが持つポテンシャルの高さをアピール。
 「『AMD OverDrive』を使えば,難しいオーバークロック設定を気にすることなく,AMD FXのポテンシャルを引き出せる」(同氏)として,FX-8150を4.8GHzにオーバークロックした場合,「CINEBENCH R11.5」で30%以上のパフォーマンス向上を実現したというデータも示していた。

AMD FX(Zambezi)
AMD OverDriveを使えば,オーバークロック設定になじみのないユーザーでもAMD FXのポテンシャルを引き出せるという
AMD FX(Zambezi)
オーバークロックにより,CINEBENCH R11.5で30%以上のパフォーマンスアップを実現できると謳うスライド


価格対性能比を前面に押し出すAMD


AMD FX(Zambezi)
市販のデスクトップPCシステムの価格は,2011年現在,699ドル未満が80%近くを占めるとAMD。AMD FXは,この価格帯で最高のシステムを構築できるCPUと位置づけられる
AMD FX(Zambezi)
AMDはAMD FXを,「Enthusiast Gaming」市場向けにデザインしたとする
 AMDは,AMD FXを「コストパフォーマンスに優れた,ハイエンドのゲームプラットフォーム」と位置づける。Taylor氏は「AMD FXは,現在主流になっているデスクトップPCの価格帯を実現できる価格に設定した」と述べ,システムレベルで699米ドルを実現できるCPU価格帯に抑えていることを強調。直接のライバルとして,同価格帯にある「Core i5-2500K/3.3GHz」を挙げ,同CPUとの性能差も明らかにしている。

 またAMDは,高解像度環境におけるゲーム性能では,Phenom II X6シリーズはもとより,「Core i7-980X Extreme Edition/3.33GHz」といった6コアCPUよりも優れた性能を発揮すると主張している。いわく「Core i7-980X Extreme Editionを使うより,800ドルも安く,最高のゲームプラットフォームを実現できる」(Taylor氏)とのことだ。

AMD FX(Zambezi)
Eyefinity環境におけるCore i5-2500Kとのパフォーマンス比較。PCI Express x16×2に対応するAMD 990FXプラットフォームと,PCI Express x8×2対応となるSandy Bridgeプラットフォームの違いと見たほうがよさそうだ
AMD FX(Zambezi)
こちらはAMD FXと,Core i5-2500K,そして「Core i7-2600K/3.4GHz」との性能比較。8コアのパワーにより,Core i7-2600Kと比べても良好なパフォーマンスを発揮するとAMDはアピールしている
Core i7-980X Extreme Editionと同等以上のゲーム性能を発揮しつつ,価格は800ドルも低く,メリットが大きいという
AMD FX(Zambezi) AMD FX(Zambezi)

Windows 8 Developer PreviewとWindows 7の比較。OSのチューニングが進めば,さらなるパフォーマンスアップも期待できるという
AMD FX(Zambezi)
 また,Taylor氏は「Microsoftが来年の市場投入を計画しているWindows 8では,スケジューラなどの進化によってゲームのフレームレートも向上する」というデータも披露。次期OSへの対応も盤石であるとしていた。
 では,実際のところ,AMD FXはゲーム用途で「買い」なのか。そのあたりは同時に掲載したレビュー記事を参照してほしい。

FX-8150レビュー記事(前編)


ゲーム関連以外では,ビデオのトランスコーディングに関して,「単純なスピード比較だと,『Intel Clear Video Technology』に対応したアプリケーションとLGA1155版Core i7&i5で実行したほうが速いが,ビデオの品質にこだわり,ポストプロセッシングなどの画像処理を加えた場合はFXのほうが圧倒的に速い」(AMD)という見解が示された。AMDは,トランスコードソフト「HandBrake」によるMP4形式へのトランスコードを,「Intel Developer Forum 2011 San Francisco」の期間中に行われた個別ミーティングで披露していた。FX-8150では平均222.4fpsなのに対し(中央),Core i5-2500Kでは180.8fpsに留まる(右)とされる
AMD FX(Zambezi)
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