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支倉凍砂氏ロングインタビュー。「WORLD END ECONOMiCA」から「狼と香辛料」,そして次回作の話題まで,あれもこれも語りつくしてもらった
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印刷2011/09/10 00:00

インタビュー

支倉凍砂氏ロングインタビュー。「WORLD END ECONOMiCA」から「狼と香辛料」,そして次回作の話題まで,あれもこれも語りつくしてもらった

狼と香辛料 海を渡る風
 8月13日,コミックマーケット80にて,Spicy Tailsの同人ノベルゲーム「WORLD END ECONOMiCA」がリリースされた。シナリオを手がけたのは,二度にわたってアニメ化された人気ライトノベル「狼と香辛料」の著者,支倉凍砂氏。その魅力については,「インディーズゲームの小部屋」の第192回でも紹介済みだ。リリースからおよそ1か月,すでにプレイしたファンも少なくないことと思う。

 一方で「あの人気作家が,なぜ同人ゲームを?」という疑問を感じたのは筆者だけではないはず。そこで今回,4Gamerでは支倉氏に直撃インタビューを敢行。「WORLD END ECONOMiCA」のディレクターである蒼井亜璃夏氏を交えながら,本作が生まれた経緯や制作中の裏話について,余すところなく語ってもらった。後半では,先日堂々の完結を迎えた「狼と香辛料」の話や,支倉氏自身の人となりが分かるエピソードも読めるので,ゲーム未プレイの人もぜひチェックしてみてほしい。

 なお今回,読者プレゼント用に,支倉氏直筆サイン入りの「WORLD END ECONOMiCA」2本を提供してもらった。こちらは本日の「Weekly 4Gamer」の“今週のプレゼント”コーナーにて掲載するので,奮ってご応募を。

Spicy Tails公式サイト

支倉氏直筆サイン入り「WORLD END ECONOMiCA」
プレゼントに応募する
(「Weekly 4Gamer」のページ後半にプレゼントコーナーがあります)


「WORLD END ECONOMiCA」
狼と香辛料 海を渡る風


「WORLD END ECONOMiCA」誕生秘話


4Gamer:
 「WORLD END ECONOMiCA」(以下「WEE」),さっそくプレイさせていただいたのですが,とにかく面白くて一気に読まされました。最後まで話が二転三転して,どこに着地するのかまったく気が抜けなかったです。

支倉凍砂氏
狼と香辛料 海を渡る風
支倉凍砂氏(以下,支倉氏):
 そう言ってもらえるとすごくほっとしますね。6時間ずっとゲームをやってもらうのは難しいと思っていたので,なるべく引っ張れるように考えながら書いてはいました。
 ただ,ここは読みにくいんじゃないかとか,ここの起承転結の“転”ってすごく無理があるんじゃないかとか,自分では分からないところがあるので。

4Gamer:
 とくにクライマックスは圧巻でした。

支倉氏:
 ありがとうございます。3部作のものを1年おきに1本ずつ出す予定ということで,引きが強くないと忘れられそうだったのでああいう終わり方にしたんですが,引きが強すぎてちょっと逆効果だったかなと(笑)。終わり方についてはメンバー内でも,引きすぎじゃないかとか,これでもまだ足りないんじゃないかといったやり取りがありました。

4Gamer:
 衝撃的な終わり方ですからね。ただ,プレイした人は絶対続きが気になると思います。

支倉氏:
 その効果が出ていればありがたいんですが。やっぱり1年後というのはちょっと不安ですよね。

4Gamer:
 ぜひ第2部を楽しみに待ちたいと思います。その前にまずは今回の企画について,そもそもこの作品が作られた経緯を教えてください。

支倉氏:
 もともと蒼井さんのサークルと共通の知人がいまして,その知人を介して「ゲームを作りたいんですけど,誰かいいメンバー知りませんか」と聞いて,蒼井さんのサークルを紹介してもらった,という感じですね。

4Gamer:
 では発端は支倉さんご自身がゲームを作りたい,というところから始まったんですね。

支倉氏:
 そうですね。昔,同人活動で小説を書いて出していたことがあって,その当時からゲームを作りたいという夢がずっとあったんです。なかなか実現できなかったんですが,「狼と香辛料」がひと段落したので「ちょっとやってみようかな」と。

「WORLD END ECONOMiCA」
狼と香辛料 海を渡る風

4Gamer:
 それはいつ頃のお話ですか?

支倉氏:
 蒼井さんに連絡をとったのが去年(2010年)の今頃なので,1年前ですね。築地で寿司を食べながら「ちょっとどうですか」という話を(笑)。

4Gamer:
 その時点でシナリオの内容もある程度固まっていたんでしょうか?

支倉氏:
 小説を書いて鬱々としていたとき,別のことをやりたいと思って,途中まで書いていた原稿があったんです。蒼井さんに連絡をとって,実際に作ることになったので,2〜3か月かけて残りを全部書き上げ,ゲーム制作に入った感じですね。最後は48時間で240枚ぐらい書きました。

4Gamer:
 そんなにですか!? しかしそう聞くと,クライマックスのあのスピード感も納得です。

支倉氏:
 最後にひと段落したところから,その後の騒ぎの部分にかけては本当に全部,2日くらいで書いた感じです。多分,プレイしてもらえれば分かると思います。

4Gamer:
 支倉さんから企画が持ち込まれて,蒼井さんはどう思われました?

蒼井亜璃夏氏(以下,蒼井氏):
 支倉さんがそんな話を振ってくるなんて,これはやる以外に選択肢はないと思いました。それで,とりあえず周りでやってくれそうな人間に根回ししながらメンバーを固めていった感じですね。イラストなどのクオリティについては支倉さんが監修するので,僕は基本的に引いた位置から,スケジュール調整をしたりするのがメインでした。

4Gamer:
 では,絵や音楽には支倉さんの好みが反映されているわけですね。

支倉氏:
 そうですね,とくにオープニングとエンディングは,好みが反映されてます。オープニング曲を作ってくれた岸田教団&THE明星ロケッツさんと,エンディング曲を作ってくれた-PF AUDIO-さん,どちらもCDを買っていて好きなところだったので,受けてもらえて大変運が良かったです。


4Gamer:
 実際できあがったゲームを見た感想はいかがでしょう。

支倉氏:
 大変すばらしいものを作っていただいて……。

蒼井氏:
 いや,あなたが作ったんでしょ(笑)。

支倉氏:
 自分がやったのはシナリオだけで,イラストや背景を描いてくれたのは別の方なので。実際,頼んでできあがってくるまではどんなものが出てくるか分からないし,一つ一つの素材を全部つなげると,やっぱり印象が変わりますから。

4Gamer:
 ただ,小説でもイラストがついてくるわけですよね?

支倉氏:
 小説だと,関わるのはイラストレーターさんや装丁さんくらいですし,ある程度枠が決まっていたりして,そんなに奇抜なものは出てきません。それに慣れ親しんだところなので,ある程度パッケージングが想像できるんです。でも,ゲームはどんなものができるのか全然分からなかった。パッケージデザインなんかも,最初にこんな絵を使ってこういう感じのデザインにしますよ,というのはデザイナーの方から聞いていたんですが,実際にできたものを見たときには「おお,すごいのができたな」と思いました。そういう驚きはずっとありましたね。


「同人ゲーム」を選んだ理由


4Gamer:
 今回,小説ではなく同人ゲームという“舞台”を選ばれた理由は何だったのでしょうか?

支倉氏:
「天使郷 -ヘブン-」
狼と香辛料 海を渡る風
 まずは自分でも昔,同人活動をやっていたというのが一つ。それと,今は同人ゲームを作っていて,ある程度評価されたらマンガになったり,小説が出たりすることが結構普通にあるじゃないですか。じゃあ逆があってもいいじゃん,というのが一つ。あとは七月隆文さんの,全部ひとりでゲームを作るという企画(※編注:ライトノベル作家の七月隆文氏が,シナリオや絵,音楽まですべて独力で手がけたという同人ゲーム「天使郷 -ヘブン-」)ですね。あれは多分,1000人中1000人が途中で絶対挫折するだろうと思っていたと思うんですが,本当に完成させたので,「これは負けてられない」と,すごくいい刺激になりました。

4Gamer:
 ただ,同人のほうが市場としてはマニアックというか,小さいですよね。

支倉氏:
 そうですか? 奈須きのこさんや竜騎士07さんの年収は多分ラノベでは出せないです(笑)。ようやく出せるのが西尾維新さんぐらいじゃないかな。ですから市場としては全然小さくないと思っています。部数で考えてもそれほど遜色はないんじゃないかと思いますし,ダウンサイジングという意味で同人ゲームを選んだわけではありません。ただ,実際やってみて市場が全然違うな,というのはひしひしと感じているところですが。

4Gamer:
 それは買ってくれる人の層とかのことですか?

支倉氏:
 そうですね。あと商業流通の場合は当然,出版社さんが広報なり営業なりを行って,全国の書店さんに置いてくれますけど,同人の場合は全部自分でやらなければいけない。こういう取材でもなければ誰かが情報発信してくれるわけじゃないので,自分で足を運んでイベントに出て,お客さんに実際に見てもらって,初めて気づいてもらえるというのがちょっと大変ですね。逆に商業流通だと自分が「広告打ってよ」と言っても打ってもらえませんが,同人の場合だとイベントに出れば自分で広告ができる。そういった楽しみはあります。
 それと昔,同人小説を書いていたとき,前のイベントで買ってくれた人がまた来て「あっ,この前も出てましたね」って言ってくれたのが嬉しかったんです。商業だと,読者さんとの間に距離があって,せいぜいサイン会ぐらいでしかそういう楽しさは味わえないので。
 なのでまず,同人であっても儲けは十分狙えるはずだと(笑)。そのうえで,広報のやり方などを自分で考えたり,プレイヤーの方や読者の方とかなり近い距離で話せたりするのが楽しそうだと思って,同人活動をやってみた次第です。

4Gamer:
 コミケでも売り子をされていましたが,感想はいかがですか?

支倉氏:
 高校生ぐらいの方から30〜40歳ぐらいの方まで,読者層が結構ばらけていたのが意外でした。あとは女性の方が結構多くて驚きましたね。「狼と香辛料」のサイン会は100人中女性が1〜2人とか,かなり偏っていたので(笑)。

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