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ZOWIE GEARのメディア向け座談会レポート。CEOと元プロゲーマーSpawN氏,HeatoN氏が語るZOWIE GEARの哲学とは
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印刷2011/09/02 00:00

インタビュー

ZOWIE GEARのメディア向け座談会レポート。CEOと元プロゲーマーSpawN氏,HeatoN氏が語るZOWIE GEARの哲学とは

 PC向けのゲーマー向け周辺機器ブランドであるZOWIE GEARを展開するBriccity International(以下,ZOWIE GEAR)と,その国内正規代理店のマスタードシードは,2011年8月31日に国内のゲーム系メディアを集めて座談会を開催した。これは,ZOWIE GEARの製品コンセプトなどを伝えるために開かれたもので,CEOのVincent Tang氏に加え,元SK Gaming所属のプロゲーマーで,現在はZOWIE GEARの製品開発に携わっているEmil“HeatoN”Christensen氏,Abdisamad“SpawN”Mohamed氏,プロダクトマネージャーのEric Su氏という,そうそうたるメンバーがこのために来日したというのがトピックだ。

 ZOWIE GEARの製品がどういった考えで作られているか,2名のプロゲーマーがZOWIE GEARの製品開発におけるどのような役割を担っているのかなど,ゲーム系メディアとして気になる点について洗いざらい答えてくれたので,その一部始終をレポートしたい。

Vincent Tang氏
ZOWIE GEARを率いる人物。ゲーマー向けデバイスメーカーであるSteelSeriesのアジアCEOを務めていたこともある
Eric Su氏
ZOWIE GEARのプロダクトマネージャー
Emil“HeatoN”Christensen氏
SpawNと同じくNip,SKにてCSのプロとして約9年活動,現在は専属で製品開発に携わる。CSトーナメントで9回チャンピオンとなった経験がある
Abdisamad“SpawN”Mohamed氏
Ninjas in Pyjamas(以下NiP),SK Gaming(以下SK)所属のCounter-Strike(以下CS)プロゲーマーとして,約10年間活躍してきた。現在はZOWIE GEARの専属スタッフとして製品開発に協力している


コンセプトは「for Serious Gamers」


 まずはZOWIE GEARのTang氏による「今回このような席を設けたのは,日本のユーザーにZOWIE GEARのコンセプトを知ってもらうためです」という挨拶から座談会がスタート。現在ZOWIE GEARは中国と台湾,米国,スウェーデンなどに現地子会社を設立しており,そこでは現地のスタッフが直接マーケティング活動を行うことで,ユーザーの声を拾い上げられているのだそうだ。
 しかし,日本の場合は販売代理店こそ存在するものの,ほかの国と同じようなマーケティング活動はできておらず,市場が何を求めているか把握しづらいという。そこで,ZOWIE GEARに対する日本人の意見を聞くために,日本のユーザーの代表としてメディアに集まってもらったとのことである。

 続いてTang氏は,「ZOWIE's Gaming Gears are for Serious Gamers」という題目を掲げて,ZOWIE GEARのコンセプトを端的に表現した。日本語訳すると「ZOWIE GEARのゲーマー向け製品は,シリアスゲーマーのためのもの」といったところだが,これは要するに,ZOWIE GEARが,ゲームの勝敗に強く執着するシリアスゲーマー(コアゲーマー)を対象に,製品開発を行っているということである。
 Tang氏は,シリアスゲーマーと,主にオンラインゲームを楽しむようなカジュアルゲーマーとでは,デバイスに求めるポイントが下記のとおり異なると紹介しつつ,「ゲーマーが求めるものが何かを理解しなければ,ゲーマー向け周辺機器は作れない」と強調する。

・シリアスゲーマーが求めるもの
  1. Comfort(快適さ)
  2. Performance(パフォーマンス)
  3. Stability(安定性)

・カジュアルゲーマーが求めるもの
  1. Price(価格)
  2. Function(多機能性)
  3. Specification(カタログスペック)
  4. Look(見た目)

 一般ユーザー向けのマウスを開発するベンダーは売り上げを最重要視するため,スペックの数字で消費者にアピールするなど,誰にとっても訴求しやすい点ばかりを追い求めがちだ。しかし,ZOWIE GEARはそういったことをせず,コミュニティやゲーマーと交流したり,今回の座談会のような形で,ゲーマーのデバイスに対する生の声を吸い上げつつ自社製品の良さを訴えていきたいと,Tang氏は述べていた。
 もちろん,ZOWIE GEARも営利企業なので,企業として生存するために売り上げは重要なのだが,そんななかでも,いかにしてシリアスゲーマー向けマウスを使ってもらうかにこだわりたいそうだ。

 実際に海外のゲームフォーラムなどを見ていて,自分たちの開発した製品について良いコメントが残されていると製品開発のモチベーションになるとHeatoN氏は語る。ただ,ネットでいい評判が上がったとしても,売り上げに直結するわけではないところがなかなか難しいらしい。


質疑応答ではプロゲーマーへの質問も飛び出す


 ……と,ZOWIE GEARに関する説明はそんなところで,本題たる座談会――といっても質疑応答に近いが――に話を移そう。基本的には,参加したメディアが質問した内容にTang氏とHeatoN氏,SpawN氏が答えていく格好だったが,ZOWIE GEARのデバイスに対する考え方からプロゲーマー個人のことまで,質問内容があちこちに飛んでいたので,今回はテーマごとにまとめ直してお届けしたい。なお,質問は筆者がしたものもあるし,他メディアが行ったものもあるが,今回はとくに区別しない。


■HeatoN氏とSpawN氏について
 
――プロゲーマーを引退してデバイス開発をするようになった理由は?

SpawN氏:
 数々のタイトルで勝利し,プレイヤーとしては行き着くところまで辿りついたとき,次に何をしようか考えました。僕にとって,ゲームは人生そのものなので,ゲームにはずっと関わっていきたいと思って,その中でも自身のキャリアの中で得たノウハウを生かせることを探した結果,デバイスの開発に携わろうと決めた次第です。

HeatoN氏:
 僕も同じ理由ですね。プロゲーマーからゲーマー向けデバイスの開発に携わるというのは,ごく自然な流れだと思います。

SpawN氏:
 それと,自分達がプロとして活動してたとき,「Microsoft IntelliMouse Explorer 3.0」以上だと思えるマウスが出てこなかったというのも,ZOWIE GEARと関わった理由の1つです。新しく出たデバイスは何でも試しましたが,結局は少し使ったらすぐ元のマウスに戻していました。ずっと同じマウスを使うしかない状況が悲しかったんです。

HeatoN氏:
 現役時代に自分が求めていたデバイスを具体的な形にしてくれると思ったのが,ZOWIE GEARでした。


――ZOWIE GEARの製品にはSpawNさんとHeatoNさんの名前が入っているものが多いですが,プライベートのゲームプレイ時に,自分の名前が入った製品は使っていますか?

SpawN氏:
 もちろんさ! すべて使っていますよ。

HeatoN氏:
 自分の名前を載せる以上は,自分たちが満足に使用できる製品であることが絶対条件ですね。


――お二人はデバイスの開発工程において,どういったタスクを担っているのでしょう。

HeatoN氏:
 最初はマウスを実際に持って持ち方を撮影して,その後マウスの型を取り,ホイールやリフトオフディスタンスの調整,センサーの選定を行います。レーザーセンサーは,布のわずかな毛羽立ちに反応してしまうので,選べないですね。

SpawN氏:
 現在は,僕を中心に新マウスの開発に着手しています。形状は「EC1」「EC2」「MiCO」とまったく違うものになる予定です。CSに最適なマウスとして作ってはいますが,ほかのゲームでも使えます。それ以上は……まだ秘密です。


――開発に携わっていてフラストレーションが溜まる作業は?

SpawN氏:
 うーん……彼かな(とTang氏を指さす)。デバイスのテストとかを急かすから(笑)。テストをひたすら繰り返してもなかなか思いどおりの製品をリリースできないときもつらいですね。

HeatoN氏:
 EC1とEC2ではリフトオフディスタンスをうまく調整できず苦労しましたよ。最終的には,短いリフトオフディスタンスを実現できましたが。


――HeatoN氏は,現役時代にSennheiserの「HD650」がCSにベストなヘッドフォンと評価していましたよね。デバイスを製造する側となった今でも,その評価は変わりませんか?

HeatoN氏:
 (他社製品だからか,少し困ったように)ええと……今現在もHD650がベストなのは確かです。当時500ドルという価格は高すぎましたが。
 現役引退後の開発コンセプトの一つとして,自分にとってのベストであるHD650を越えたいという気持ちが念頭にあり,そうした意識のもとに作ったのが「Hammer」だったりします。


――ところで,お二人は普段どういった設定でマウスを使用していますか?

※口頭で説明する代わりに,二人はホワイトボードに設定内容を書いてくれた。その内容は下記のとおりだ。

SpawN氏
  • トラッキング解像度:1000DPI
  • ポーリングレート:500Hz
  • Windows側マウス感度:11段階あるうちの左から3番目
  • CS内のSensitivity値:3.3

HeatoN氏
  • 解像度:1000DPI
  • ポーリングレート:1000Hz
  • Windows側マウス感度:11段階あるうちの左から3番目
  • CS内のSensitivity値:3.0


――プロゲーマーとして長期間活動していると,マウスが壊れる瞬間に直面することがあると思いますが,お二人がこれまでに壊したマウスの数は?

HeatoN氏:
 現役時代に,腹がたってマウスを投げてしまって,10個から20個破壊しました! 普通にプレイしていて壊れたことはないですね。ECシリーズは,使っていれば勝てるので,投げて壊したことはありません(笑)。

SpawN氏:
 マウスを壊したことはありませんが,対戦相手の腕を壊したことはあります(笑)。(※おそらく,対戦で勝利したという意味)


――FPS以外のゲームをプレイしますか?

SpawN氏:
 PlayStation 3で「FIFA」シリーズを遊んでます。

HeatoN氏:
 「World of Warcraft」を遊びますよ。FPSですけど,最近「Battlefield: Bad Company 2」もやりました。


――SK,NiP時代のチームメイトは今どうしているのでしょう?

SpawN氏:
 みんながゲームに関わる仕事をしているわけではなく,Pottiは携帯電話を売っていますね。

HeatoN氏:
 彼らとは,今でも週に何度かは一緒に集まってCSをプレイしていますよ。

Tang氏:
 実は,今後当時のSKメンバーを「ZOWIE GEAR Team Legendary」として招集して,イベントでのショーマッチなどを行う予定があります。楽しみにしていてください。


――まったく関係のない質問ですが……お二人はかなりマッチョに見えるのですが,ゲームのために筋トレなどをしてたりするのでしょうか。

SpawN氏:
 ははは,意識してトレーニングはしていませんよ。スポーツは好きなので,バスケットボールやフットボールはしますけど。でも,夏にハンバーガーを食べ過ぎて太ってしまったので,運動する必要を感じていたりします(笑)。

HeatoN氏:
 基本的に運動は好きですね。現役の頃は1日15時間ほどゲームをしていましたが,その時から気分転換のためにエクササイズをしていました。エクササイズすることで,肉体・精神共にリラックスできます。


■ZOWIE GEARについて

――日本市場に向いた製品を出す予定はありますか?

Tang氏:
 9月に小さめの布製マウスパッド「P-TF Speed Version」を出す予定があります。従来のP-TFから若干の小型化を果たしており,サイズは315(W)×145(D)mmです。これは日本や韓国市場に向けたものですね。


――ゲーマー向けデバイス市場では,LEDが光って見た目に派手な製品のほうが売上は好調なようですが,現在LEDを内蔵していない製品に今後LEDを搭載する予定はありますか。

Tang氏:
 LEDは電力を消費するばかりでゲーム内の成績に直結しないので,必要ないですね。


――現在,CSのプレイに向くようなデバイスを多く世に出していますが,例えばヘッドセット製品の場合,シリーズ新作の「Counter-Strike: Global Offensive」においても,問題なく使えますか?

Tang氏:
 現在,Counter-Strike: Global Offensiveでも正常に聞こえるよう,テストをしています。基本は「CS1.6」向けに調整していますが,音に関して言えば,FPSの場合タイトルが変わっても基本は同じです。CS1.6でちゃんと聞こえるのであれば,Counter-Strike: Global Offensiveでも問題はないでしょう。


――近年,家庭用ゲーム機向けに周辺機器を出すゲーマー向けブランドが増えてきましたが,ZOWIE GEARにその予定はありますか。

Tang氏:
 家庭用ゲーム機はノウハウがないし,中途半端な対応はしたくないので,手を出す予定はありません。そもそもPC向けで手一杯なので,あまりせっつかれても,出せません(笑)。


――SpawNさんもHeatoNさんも,Windowsのポインタ速度やゲーム内Sensitivity値をデフォルト値から変更しています。一方で,「OSやゲーム内のマウス感度はいじらずにセンサー側のDPI/CPIにて調節するのがベスト」と主張している周辺機器メーマーもありますが,それについて,ZOWIE GEARはどういった見解を持っていますか。

Tang氏:
 その主張も一理あると思うので,反対はしません。ただ,そもそもWindowsのポインダ速度をデフォルトの状態にしておくのがベストという根拠がありません。CSのトップチームである「mTw」は,ポーリングレートを125Hzで固定して結果を残していたりしますし,結局のところ,ゲームにおけるマウス設定の良し悪しは各々の主観でしかないと思います。


■既存製品への指摘に対するZOWIE GEARの見解

 質疑応答のなかでは,既存の製品についてメディアやユーザーから指摘されているいくつかの部分について,Tang氏が見解を述べることがあった。以下,そのあたりをお伝えしたい。

・MiCOのトラッキング精度が「EC」シリーズより劣るという指摘について

 「EC」シリーズはMiCOに比べてトラッキング精度もその他のスペックも高いが,もともとMiCOはRTS用マウスとして作られている。FPSは長い距離を素早く動かすために安定したトラッキングが求められ,そして過度の軽さは求められていない。
 対するRTSは短い距離を細かく動かすためトラッキング精度はさほど必要なく,軽いマウスが好まれる。RTSにはMiCOの性能で十分ということだ。

 実はその説明の中で,センサーのトラッキング精度に触れているレビューとして,4Gamerの記事が例にあがり,書いた本人としては内心ドキドキものではあったのだが,それはそれとして,「餅は餅屋」「適材適所」といった意味でTang氏の言い分はもっともだと思う。MiCOはたしかにRTSで使用する分にはMiCOのような小型マウスのほうが操作しやすいし,FPSほど大きく勢いをつけて動かすこともないのでトラッキング精度はほぼ問題とならない。それは4GamerのMiCOレビュー本文中でも述べているとおりだ。

 ただ,Tang氏が4Gamerに対し,「普段RTSをヘビーをプレイする人が,FPSをプレイするときにも,まったく問題ない」と述べていたのは事実であり,何よりメーカーがRTS用として作ったとしても,FPSでMiCOのような小さいマウスを使いたいというニーズは存在するため,トラッキング精度を厳しく評価する必要があったということは主張しておきたい。


・「Celeritas」の「Real Time Response」について

 「Celeritas」に搭載されている「Real Time Response」とは,PS/2接続時にキーリピート速度を通常の1倍から最大8倍まで高速化させ,キーレスポンスを向上させる機能のことだ。座談会では,SpawN氏が実演し,それをTang氏が説明してくれたのだが,それによれば,CSの「Duck Jump」(しゃがみを素早く連続で行うことで可能な,小さな段差を乗り越えられるジャンプ)のしやすさや,バニーホップの加速が向上するとのことである。
 CSプロゲーマーのNEO氏(Frag eXecutors所属)は,初めこそ違いを認識できなかったものの,使い続けているうちにそのメリットが体感できるようになり,ほかのキーボードに換えられなくなったそうだ。

 しかし,筆者含む各メディア記者が試してみても「ほとんど分からない」「なんとなくDuck Jumpしやすい……気がする」といったところで,効果のほどはイマイチ実感できなかった。基礎レベルが相当なところに達していないと,メリットは享受できないのかもしれない。

Real Time Response機能の効果を実演するSpawN氏


トッププロはやはり次元が違う強さ


 質疑応答が終了すると,最後にプロゲーマー対メディア連合で,CSのAimマップ対決をすることに。ここぞとばかりに筆者も挑戦してみた。
 結果は言わずとも分かると思うが,圧倒的な力の差でねじ伏せられ,20ラウンド強プレイして筆者がまぐれのヘッドショットで1フラグ,相方の某FPS情報サイト管理人氏が3フラグを奪うのがやっとだった。とにかくラウンドが始まった瞬間,あるいは物陰から顔を出した瞬間に銃弾が正確に飛んできて,そこから一歩も動くこともできないまま倒れるという展開が大半を占め,引退したとはいえさすが元トッププロだとしか言いようがない強さだ。思わず「来いよHeatoN,銃なんか捨ててかかってこい!」と言いたくなるレベルである。あまりの力の差に,もう二度とCSはやりたくないと思うほどだ。
 ……でも,運良く1ラウンドだけ勝利できたことは書いておきたい。てへ。


 といった感じで座談会は終了となった。今回,何かしら新製品などの目新しい情報が開示されるかと期待していたので,正直肩すかし感はあったのだが,SpawN氏による新マウスが開発中ということが分かったのは収穫といえよう。
 とにかくシリアスゲーマー向けの製品を作るというコンセプトを,来日してまで伝えたZOWIE GEAR。次にどのような製品が出るのか,続報を待ちたい。


「ZOWIE GEAR」公式サイト

  • 関連タイトル:

    ZOWIE(旧称:ZOWIE GEAR)

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