スクウェア・エニックスの新作MMORPG
「FINAL FANTASY XIV」(
Windows版 /
PlayStation 3版,以下FFXIV)では,7月10日からβテストが実施されている。Windows版の発売日が9月30日に決定(PS3版は2011年3月発売予定)したこともあり,
必要/推奨動作環境が発表されたり,その条件を満たした
FFXIV推奨PCが発表されたりと,ここ最近FFXIVに関する話題にはことかかないが,今回新たに,
正式サービス開始時に実装予定の18クラスの情報が公開された。一部掲載済みの情報/画像もあるが,本稿であらためて紹介していこう。
なおスクウェア・エニックスによると,これら18クラスは,βテスト中にすべて実装されるわけではなく,あくまで正式サービス開始時に実装予定のものだという。とはいえ,現在行われているβテストで,ギャザラー系の園芸師,クラフター系の木工師,裁縫師,革細工師がプレイアブルクラスとして実装済みなので,残るはギャザラー系の漁師と,クラフター系の彫金師,甲冑師,調理師,錬金術師のみとなる。
ちなみに正式サービス以降,新たなクラスを追加する予定もあるとのことだ。本稿で紹介する18のクラスをチェックし,将来的にどんなクラスが実装されるのかを予想してみるといいだろう。
■「FFXIV」のクラスシステムのおさらい
FFXIVには“アーマリーシステム”とよばれるクラスシステムが存在し,プレイヤーキャラクターの武器/道具を変更することにより,手軽にクラスチェンジが行える。武器/道具は,大別すると武器/魔器/採集道具/生産道具の四つで,それぞれファイター/ソーサラー/ギャザラー/クラフターという職能群に対応している。各職能群に含まれるクラスの概要については,以下の設定文や,4Gamerの関連記事(「こちら」や「こちら」)を参照してほしい。
ファイター系クラス
格闘士[Pugilist]
“無手のパニッシャー”
伝統的な護身術を修得したファイター。
鍛え抜かれた拳はすでに武器を帯びているに等しいが、手の延長上にある武器「闘器」を装着することによって、その破壊力はさらに倍加される。
得意のクローズファイトに持ち込むためには、いかにして敵の懐に潜り込めるかが肝要で、相手の注意を逸らす目的で投輪チャクラムを携帯する者もいる。
剣術士[Gladiator]
“攻守自在のディフェンダー”
短剣から長剣まで、諸刃の直剣から片刃の曲刀まで、幅広い種類の斬撃主体の片手剣「佩剣」を主武器とする近接ファイター。
さまざまなシチュエーションでの戦闘を余儀なくされる剣闘士の技を源流としているため、盾を持てば仲間を護る重戦士に、片手を空ければ攻撃主体の軽戦士にと、フレキシブルに戦場での役割をチェンジできる。斬ったり突いたり投げたりと、戦術の幅が広いのも特徴。
斧術士[Marauder]
“戦慄のデストロイヤー”
海賊が敵船破壊や強襲上陸で用いる「大斧」を主武器とするファイター。
伝統的な海賊武器という印象が強いが、都市間の戦争や強大な魔物の討伐戦で大暴れし、英雄として武名を残した斧術士も少なくない。
防御に構わず巨大な斧頭を叩き込み、敵の盾を破壊したり、衝撃で昏倒させたりする力攻めを得意とするが、敵船に接舷するまでは投斧フランシスカもまた重要な武器となる。
弓術士[Archer]
“疾風のアタッカー”
遠距離からの狙撃や曲射を旨とする「弓矢」を主武器とするファイター。
射掛けるのに有利なポジションを選んだり、異なる特性の矢を敵によって使い分けたりと、戦術的な判断を要求される。
エオルゼアでは、エレゼンの弓兵が得意とした長弓術とミコッテの猟人伝統の短弓術とが普及している。また優れた動体視力を活かし、投石を得手とする者も多い。
槍術士[Lancer]
“変幻のストライカー”
長いリーチを活かした敵アウトレンジからの刺突を旨とする「長槍」を主武器とするファイター。
また刺突以外にも、斬撃や打撃など武器の選択によって多彩な攻撃が選択できるのが特長。
強盛を誇ったアラミゴのパイク兵の影響で、かつては柄の長さを競う風潮があったが、現在は多様な形式の槍が混在している。
通例、槍術士は遠距離戦用に投擲槍ジャベリンも携帯する。
ソーサラー系クラス
幻術士[Conjurer]
“荘厳なるスピリチュアリスト”
幻術と呼ばれる、属性の影響が強い魔法を操るソーサラー。己の周囲に満ちる万物を観想し、さまざまな属性の元素を見出すことができる。
自然木から作り出された杖状の魔器「幻具」を携帯しており、それを依代として元素を魔法に変換する。
総本山は、森の木々の囁き声が集まると云うグリダニアの碩老樹瞑想窟。
呪術士[Thaumaturge]
“苛烈なるファンタジスト”
呪術と呼ばれる、破壊的性格の強い魔法を操るソーサラー。己の本性を内観することで、心の内に秘める力を操ることができる。
念珠を嵌め込んだ笏状の魔器「呪具」を携帯しており、それを注力点として精神を魔法に変換する。
ウルダハの二大礼拝堂が呪術の総本山とされ、術を研鑽する多数の学僧を擁している。
ギャザラー系クラス
採掘師[Miner]
“地底のエクスプローラー”
鉱石や原石、化石の採掘、石材の切り出しなど、およそ岩石に関わる仕事すべてに精通するギャザラー。「ピック(鶴嘴)」を主道具とする。
主な取引相手は鍛冶師や彫金師。かつて鉱山都市であったウルダハ発祥の鉱業技術を習熟しているため、鉱脈探査や土木作業など仕事の幅は広い。
彼らの間では定説となっている大陸漂流説から、放浪の神オシュオンを崇める者が多い。
園芸師[Harvester]
“自然のバトラー”
野菜や穀物、繊維作物の栽培、果樹の植林、野草の採取、用木の伐採など、生きている植物に関わる仕事すべてに精通するギャザラー。「ハチェット(手斧)」を主道具とする。
主な取引相手も、木工師、裁縫師、錬金術師、調理師など、実に多岐にわたる。
水利の発達したグリダニアで花開いた農芸を基礎としており、植物の恩恵に浴すだけでなく、心を通わせることにも重きを置いている。
漁師[Fisherman]
“水辺のパイオニア”
魚介に関わる仕事に精通するギャザラー。主道具は「フィッシングロッド(釣竿)」。
磯釣、川釣、船釣を活動の中心とし、季節、時間、天候に応じて、ポイント、用具や餌を臨機応変に選択する能力が問われる。
また海洋、河川、湖沼、地底湖など幅広いフィールドを活躍の場とするため、護衛役としてファイター系のクラスを雇うケースも多いようだ。
クラフター系クラス
木工師[Woodworker]
“樹木のエキスパート”
「ハンドソー(手鋸)」を主道具とする、木工製品のクラフター。
剛性、靭性、重量、価格などさまざまな木材の特性に精通。素材を活かした器具や家具作りを信条とする。
木工技術は、リムサ・ロミンサでは造船、イシュガルドでは高層建築を中心に発達してきたが、特に周辺に良質な木材の宝庫を有するグリダニアでの発達は目覚ましく、巨大建造物から祭祀の仮面まで幅広い分野で利用されている。
鍛冶師[Blacksmith]
“鋼鉄のアーティスト”
鉄を加工し、道具や武器を生みだす金属のクラフター。
「クロスペインハンマー(十字鉄鎚)」を主道具とする。工房で剣を鍛えたり、キャンプ地で短剣を研いたりと、時と場所を選ばず商売できる。
その源流は古く青銅時代にまで遡り、その頃より徒弟制によって連綿と受け継がれてきた伝統の技と、銃砲のような最先端の技とが渾然としており、流派も多い。
甲冑師[Armourer]
“板金のスタイリスト”
板金加工を得意とする甲冑のクラフター。主道具は「レイジングハンマー(打出鉄鎚)」。
金属板を打ち出した板金鎧から、鎖を綴じた鎖帷子まで、さまざまな甲冑を作りだす。
かつては鍛冶師が甲冑製作も行っていたが、板金術の発達に伴い、高度な専門テクニックを要するものとなったため独立。現在では世間でも専門職として認知されている。
彫金師[Goldsmith]
“七宝のマエストロ”
金銀などの貴金属、ルビーなどの宝石を用いてアクセサリを作りだす、貴金属製品のクラフター。主道具は「チェイサーハンマー(彫金鎚)」。
また武器や道具、防具に装飾を施すことで、より美しく強化することも得意とする。
基本的に扱う素材のほとんどが高価なため、自ずとハイリスク・ハイリターンの宿命を負っており、市場を読む力が問われるクラスと言える。
革細工師[Tanner]
“皮革のスぺシャリスト”
なめし革を縫い合わせて、ブーツ、ベルトなどの皮革製品を作りだすクラフター。主道具は「ヘッドナイフ(革包丁)」。
狩猟を生業とする者から日々持ち込まれる毛皮や鱗皮など多彩な皮を値踏みし、買い付けるのも仕事。
フォレスターの秘伝だった高度ななめし技術が解禁されたため、昨今は市場に流通するさまざまな製品に革が利用されており、仕事は多い。
裁縫師[Weaver]
“流行のパイオニア”
「ニードル(縫針)」を主道具とする衣服のクラフター。
繊維を集めて糸を紡ぎ、糸を集めて布を織り、布を集めて衣服を仕立てる一連の仕事を、一手に任ずる繊維の専門家である。
また人びとの多様な嗜好に応えられるよう、流行のリサーチやコーディネイトの提案も大切な仕事。紡車を回して人びとの命数を紡ぐとされる女神ニメーヤを信奉する者が多い。
錬金術師[Alchemist]
“黄金のドリーマー”
鉱物、霊物、呪物、神物など万物に精通するクラフター。主道具は「アレンビック(蒸留器)」。
物質を変質させることを旨とし、人びとを癒す秘薬と苦しめる劇薬という、背反する効能の薬品を作りだす。
エオルゼアで系統立てた技術として確立したのは近年。近東より伝わった古式錬金術を基にするが、ララフェルの本草学やミコッテの神秘学も混在している。
調理師[Culinarian]
“六味のマジシャン”
食材や調理法に精通した食のクラフター。主道具は「スキレット(平鍋)」。
炎、水など属性を帯びた美味しい料理で人びとの御腹を満たす。
有史前より専門職として確立していたが、レシピ本が刊行され、統合的な技術として認識されたのは近年。食通であり、自らも戦艦の厨房に入り浸りだった半西紀前のリムサ・ロミンサ提督シャーククリーバーの功績による。