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[GDC 2009#04]任天堂の岩田社長がGDCで基調講演。シリーズ最新作「THE LEGEND OF ZELDA Spirit Tracks」をDSで発売
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印刷2009/03/26 16:25

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[GDC 2009#04]任天堂の岩田社長がGDCで基調講演。シリーズ最新作「THE LEGEND OF ZELDA Spirit Tracks」をDSで発売

画像集#028のサムネイル/[GDC 2009#04]任天堂の岩田社長がGDCで基調講演。シリーズ最新作「THE LEGEND OF ZELDA Spirit Tracks」をDSで発売
 Game Developers Conference 2009の開催日3日めである2009年3月25日(現地時間),任天堂代表取締役社長の岩田聡氏による基調講演「Discovering New Development Opportunities」(新しい開発機会の発見)が行なわれた。

 盛大な拍手に迎えられる形で登壇した岩田氏は,最初にニンテンドーDSとWiiの出荷台数について発表を行った。それによれば,ニンテンドーDSは1億台,Wiiは5000万台も世界規模で売れ,現在もその記録は伸び続けているという。
 まさに破竹の勢いとも言える任天堂なわけだが,岩田氏は「ハードが売れたのはよいソフトに恵まれたため」であるとし,会場にいる多くの開発者に感謝の意を示すことも忘れない。

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 岩田氏の講演は,主にゲーム開発者向けといった内容で,自身がゲーム開発において最も重要なのは「お金」(資金力)と考えている時期があったという話から始まった。
 HAL研究所の社長時代は,資金難からスケジュールに追われてクオリティが高くない状態で製品を発売し,結果として売上につながらなかった。そんな状態を「Death Spiral」と呼び,同じような現象にハマッているデベロッパが多いと考えているという。
 だが岩田氏は,任天堂入社後に宮本氏を近くで見るようになって,その考えが間違っていたことが分かったと語り,同じような経験をほかの開発者にしてもらうために,宮本氏の開発スタイル“Upward Spiral”を紹介した。

(1)Ideas Are Everywhere
(2)Personal Communication
(3)Prototype Stage
(4)Small Teams
(5)Mulitiple Project
(6)Trial and Error
(7)Mass Production Stage


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 (1)は,直訳すると「アイデアはどこにでもある」となるが,これは宮本氏が,あらゆるものをヒントとして,ゲームの開発に生かしているという意味だ。例えば,ガーデニングをヒントにして「ピクミン」を生み出し,無類の犬好きを見て「nintendogs」を思いついたのだという。


 (2)に関しては,とにかく徹底的にメンバー間でコミュニケーションをとるということだ。なんでも正直に話し合い,問題の早期発見,解決につなげるという。(3)はプロトタイプをとにかく早く作り上げ,メンバー全員でイメージを共有化する。これを行うことでプロジェクト自体の方向性を再確認し,いいものが出来上がるかどうかの判断を早い段階に下す。
 開発初期の段階では,チームの人数がごく少数(Small Team)であり,場合によってはプログラマーが一人で,それをサポートする人達が合計5人ぐらいということもあるそうだ。
 任天堂では,こういった小さなチームをいくつも作り,同時にさまざまなプロジェクトを動かす(Mulitiple Project)のだという。もちろんすべてのプロジェクトがうまくいくわけではないので,これはリスク回避の意味も込められているのだろう。

 (6)は,いわゆるトライ&エラーである。何度も失敗を繰り返しながら,よりよい製品作りに結びつけるわけだ。そして,こういったステップを経たうえで,製品化に向けて本格的なプロジェクトとして始動させるのだ。

ゲームに明るくない社員を連れてきてはテストプレイを行い,プレイヤーの反応を見るそうだ。任天堂にもゲームで遊ばない社員がいるんですねぇ……って当たり前?
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「Wiiスポーツ」に収録されているボクシングのプロトタイプ。最初は外見などは気にせずにとにかく作ることが大切なのだという
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 こういった手法はとくに目新しいわけではなく,多くのデベロッパが実践している。だが,岩田氏は宮本氏に全幅の信頼を寄せており,プロトタイプができるまでは,そのプロジェクトに関してはなにも聞かないようにしているのだとか。
 また,宮本氏はそれほどゲーム好きではない社員を連れてきては,開発途中のものをプレイさせ,それを肩越しにじっと見つめる,ということを繰り返すそうだ。これはその人の素の反応を見て,本当に楽しんでいるかどうかを判断し,楽しんでいないときなどは,場合によってはいわゆる“ちゃぶ台返し”をしてしまい,一からやり直すことも多いのだという。とはいえ,すべてを無にしているわけではなく,ときにはまったく別のプロジェクトに生かされるときもあるとの話であった。

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 加えて岩田氏は,ゲーム作りにおいての“サプライズ”の必要性を説いた。これはプレイヤーを驚かすという意味ももちろんあるが,その前に開発者が驚くようなことをしなければならないということである。
 例えば,2006年に発売されたゲームボーイアドバンス用ソフト「リズム天国」は,音楽プロデューサーのつんく♂氏が任天堂にコンタクトをとってきたことに端を発し,プロジェクトがスタートしたのだという。
 著名な音楽プロデューサーとして活躍している人が,自ら企画書を提出してきたことには,任天堂側も驚き,「メイドインワリオ」などを手がけた坂本賀勇氏と大澤和義氏などが,開発チームを率いてプロジェクトを動かすことになったらしい。
 スタッフ全員でダンスを踊るといったことなどを繰り返してゲームのアイデアを練り,それまでの音ゲーとは一線を画した,新しいゲームを作り上げたわけだ。さらにはプラットフォームをDSに移したことにより,画面をタッチするという要素を取り入れ,より特徴を際立たせた「リズム天国ゴールド」に発展したのだという。
 また面白かったのは,講演の中で岩田氏が「ぜひ開発者の人達にリズム天国ゴールドをプレイしてもらい,それを評価してほしい」と述べ,講演終了後には,なんと参加者全員にソフトを配布したことだ。ちなみに本作は,アメリカではつい先日発売されたばかりで,わりといい大人達が素で喜んでいたのが印象的であった(筆者も含む)。


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 ちなみに,岩田氏が言うところの“サプライズ”は,この講演自体にも用意されており,ゼルダの伝説シリーズ最新作「THE LEGEND OF ZELDA Spirit Tracks」が2009年内に発売されることが明かされた。対応プラットフォームはニンテンドーDS。
 ゲームの詳細は語られなかったが,どうやら「蒸気機関車」が鍵になるようで,リンクが機関車に乗りながら攻撃している場面が紹介された。なお,タイトル名は北米向けのものであり,日本でのタイトル名はまだ未定だ。

全THE LEGEND OF ZERDA Spirit Tracks
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 また,併せてWiiウェア向けタイトル「RockN’Roll Climber」「My Life as a Darklord FINAL FANTSY CRYSTAL CHRONICLES」「Final Fantasy IV: the after years」も,今回の講演の中で発表された。
 RockN’Roll Climberは,バランスWiiボード対応のソフトで,これはその名のとおりロッククライミングをテーマにしたゲームだ。Wiiボードの上でうまくバランスを取りつつ,ヌンチャクコントローラを駆使して絶壁を登る。ちなみに,見事上まで昇りきるとキャラクターがギターを弾くパフォーマンスを行なう。このあたりがロックンロールということらしい。日本での発売は未定。

RockN’Roll Climber
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 My Life as a Darklord FINAL FANTSY CRYSTAL CHRONICLESとFinal Fantasy IV: the after yearsは,その名のとおり,ファイナルファンタジーシリーズの作品ということになるのだが,詳細は不明。
 また,ファイナルファンタジーシリーズがバーチャルコンソールで配信される予定があることも,ちょっとしたサプライズ発表かもしれない。日本では,5月に最初のタイトルを発売し,計6タイトル(おそらくI〜VI?)を順次リリースしていくという話。詳しくはスクウェア・エニックスの発表を待ちたいが,なかなかに気になる情報だろう。

 さらにはWii本体の最新アップデートである「Wii System Menu 4.0」が,北米では25日から配信を開始していることも発表された。このアップデートにより,SDカードに保存したWii用データをWiiチャンネルで表示可能になり,使い勝手が向上する。加えて,32GBまでのSDHCカードへの対応も明かされた。なお,32GBのSDHCカードには240タイトルまで保存可能だ。

 このほか,「バーチャルコンソール アーケード」のスタートも発表。これは,アーケードの名作をバーチャルコンソールで配信するというものだ。配信タイトルについては各サードパーティの発表を参考にしてほしい。

2008年にサードパーティ製タイトルが一番売れたハードはWiiなのだという
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 講演の後半には,さまざまなデータを駆使して,任天堂プラットフォームでのサードパーティの優位性がアピールされた。例えば,Wiiでミリオンヒットを記録したメーカーは7社。これは,ほかのプラットフォームよりも多い数だと語りながら,「2008年は,Wiiが最もサードパーティ製タイトルを売ったハード」なのだとアピールする。
 また,Wiiウェアのサードパーティ比率は90%以上もあるなど,「任天堂プラットフォームでは,サードパーティ製のゲームをは売れない」という言説を,データを用いて真っ向から否定。任天堂のプラットフォームが,サードパーティにとっても参入しやすいものであることを重ねて強調していた。

 ともあれ,さまざまな発表があった岩田氏の講演だったわけだが,最後には,会場にいる開発者達に向けて「いままで見たこと,考えもしなかったことに取り組み,新たなゲームを生み出してほしい」と語り,講演を締めくくった。

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Wiiウェアは90%以上がサードパーティタイトルである
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この7社のタイトルがWiiでミリオンヒットを記録した

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  • 関連タイトル:

    ゼルダの伝説 大地の汽笛

  • 関連タイトル:

    Final Fantasy IV: the after years

  • 関連タイトル:

    My Life as a Darklord FINAL FANTSY CRYSTAL CHRONICLES

  • 関連タイトル:

    RockN’Roll Climber

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