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なぜいまマゾゲーなの? ゲーマーの間で評判の“即死ゲー”「Demon's Souls」(デモンズソウル)開発者インタビュー
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印刷2009/03/19 17:00

インタビュー

なぜいまマゾゲーなの? ゲーマーの間で評判の“即死ゲー”「Demon's Souls」(デモンズソウル)開発者インタビュー

 
Demon's Souls
 2009年2月5日にソニー・コンピュータエンタテインメント(以下,SCE)から発売されたPLAYSTAITON 3(以下,PS3)用タイトル「Demon's Souls」(デモンズソウル)は,「キングスフィールド」や「アーマード・コア」シリーズの開発元として知られるフロム・ソフトウェア(以下,フロム)が制作を担当した,本格派のアクションRPGだ。
 退廃的な雰囲気が漂うダークな世界設定に加え,最近では珍しいほどの高難度設定,そしてRPGながらもアクション性を重視したゲームシステムなど,本作は,硬派なゲーマーの琴線に触れるような要素が満載の作品である。

 2008年10月に行われた東京ゲームショー以降,なかなか情報が公開されてこなかった本作だが,発売日間際になって情報が明らかになるや否や,「これは面白そうだ」とゲーマーの間で話題が沸騰。発売後には,「死にまくる……でも面白い!」という評判が口コミで広がり,一時期は,全国のほとんどのゲームショップで品切れになるという事態にまで発展した。

Demon's Souls
Demon's Souls Demon's Souls

 ちょっとした気の緩みがすぐ死を招くという「死を前提としたゲームデザイン」をベースにしながらも,何度も挑戦したくなる中毒性の高さがウリな本作だが,そのほかにも,独自の「非同期コミュニケーション」要素を取り入れたオンラインシステムも大きな特徴だろう。
 あくまでシングルプレイがメインの本作ではあるが,例えばニコニコ動画での「いつでも“みんなで見ている感覚”の疑似体験ができる楽しさ」にも通じる,その独特のオンラインシステムは,ある意味,オンラインゲームの最先端とさえ言えるものだ。

 今回4Gamerでは,そんなDemon's Soulsのプロデューサーである梶井 健氏(SCE)と,ディレクターの宮崎英高氏(フロム・ソフトウェア)のお二人にインタビューを行った。制作のきっかけから開発秘話,そして本作におけるゲームデザイン思想など,非常に興味深い話を聞くことができたので,本稿では,その内容をお届けしたい。

ディレクターを務めたフロム・ソフトウェアの宮崎英高氏。代表作は「アーマードコア」シリーズ
本作のプロデューサーであるソニー・コンピュータエンタテインメントの梶井 健氏


「こんな企画を通して頂いてありがとうございます」?


4Gamer:
 本日はよろしくお願い致します。
 それではまず,「Demon's Souls」制作の発端を教えてください。

梶井氏:
 実は私自身,以前から「キングスフィールド」や「アーマードコア」といった,フロムさんのゲームが大好きでして。たまたまフロムさんと「キングスフィールド」について話す機会があったときにも,そんな流れで「キングスフィールドの最新作は作らないんですか?」みたいなことを話したのです。そこで「それなら一緒に作りませんか?」ということになりました。

宮崎氏:
 私のほうはもともと,「アーマードコア」シリーズなどを中心に制作してきて,ファンタジー物も作ってみたいな,という想いがありました。ですからこの話が出たときに,これはやってみたいなと。
 個人的には,オンラインという要素を今よりもっと面白く使えるんじゃないかという考えもありましたし,SCEさんと一緒に仕事をすれば,オンラインサーバーの管理なども任せちゃえるんじゃないかという下心もあって。ノリとしては,いろいろ含めてお願いしちゃえ!みたいな感じでしたね(笑)。

梶井氏:
 私自身,ちょっと古い映画になりますが,「エクスカリバー」といったような,重々しい中世ファンタジーの世界観が大好きなんです。そういう話を宮崎さんとしたときに,妙に盛り上がってしまって。私達が楽しめる硬派なゲームを作りましょうよ! と。

Demon's Souls

宮崎氏:
 あとはゲームをプレイするなかで冒険心を掻き立てられるとか,発見していくわくわく感,あるいは達成感みたいなものをプレイヤーが感じられるゲームを作りたいよねという意識は,企画当初から梶井さんをはじめ,開発スタッフ内で共有できていた部分です。そこは開発中でも一貫してブレていなかった要素の一つですね。

梶井氏:
 ゲームをする楽しさ……つまりゲームで得られる快感というのは,クリアしたあとのご褒美だとか,そういうものではないという意識が,私や宮崎さんのなかにありました。プレイを続けながら徐々にプレイヤー自身が上達していく,その過程こそが楽しいんだ! という考えを共有していました。そういうゲームは最近では少なくなってしまったので,今そのような作品を作ればきっとニーズがあるはずだという気持ちもありました。

4Gamer:
 なるほど。ところでフロム側の開発陣は,アーマードコアのスタッフが中心なのですか?

宮崎氏:
 いえ,基本的にはまったく新しいチームになります。Demon's Soulsを作るために,会社のなかで新しい開発ラインを立ち上げました。開発スタッフの世代は,私を中心に30歳を超えたベテラン連中(?)が中心となっていて,制作期間は約3年ほど。フロムとしては,「アーマード・コア フォーアンサー」などと並行して作っていた形ですね。

4Gamer:
 しかし,Demon's Soulsは凄くマニアックな雰囲気の作品ですよね。フロムさんらしいと言えばそうなのかもしれませんが。

宮崎氏:
 そうかもしれませんね。世界観的にもそうですが,システム的にも説明が難しいとは思います。自分で言うのもなんですが,売りにくいゲームになってしまったかなぁと反省しています。正直,よくこんな企画を通してもらえたなと思います。梶井さん,本当にありがとうございました。

梶井氏:
 え? いやぁ……(苦笑)。まぁ,こんなにたくさんのプレイヤーさんにプレイしていただけてよかったですよね(笑)。


死を前提としたゲームデザイン。でもマゾゲーじゃない? 


4Gamer:
 単刀直入にお聞きしたいのですが,なぜ今このような硬派な,巷で言われるところの「マゾゲー」を作ろうと考えたのですか?

宮崎氏:
 本作を作るにあたってまず考えたのは,古典的なRPGというものを最新の技術で再現しようという部分でした。先ほどもお話したとおり,発見や考える喜び,達成感といった,私たちが昔のゲーム(RPG)で感じた面白さというものを,PS3という最新のプラットフォームで表現してみたいということです。

4Gamer:
 古典的なRPGというと,例えば「ウィザードリィ」とかあのへんのタイトルですか?

宮崎氏:
 そうですね。例えばウィザードリィは,ダンジョンを探検するドキドキ感,敵と遭遇したときの怖さ,アイテムを手に入れたのときの喜びみたいなものがあったと思います。私は,あれは決して「過去の美しい思い出」ではないはずだと考えていました。あの面白さは絶対にプリミティブ(根本的)なものであると考えているんです。

梶井氏:
 僕らが寝る間も惜しんで遊んだゲームというのは「本質的に面白いもの」だったはずだと。あの面白さを,今の若いプレイヤーの方にも味わってほしいと考えていました。

宮崎氏:
 Demon's Soulsの企画の柱として,そうした古き良きRPGの本質的な面白さみたいなものを表現するという部分をかなり意識していました。

4Gamer:
 それが,いわゆる「死を前提にしたゲームデザイン」につながっていったのですか?

宮崎氏:
 攻略法を考える楽しみや,うまくいったときの達成感を得るためには,やはり失敗が必要な要素だと考えました。その最も分かり易い形が,Demon'sSoulsでも採用した「死」だったんです。ですから,最初の企画書には「ソウル体(一度死ぬと肉体を失った状態になる)で死んだらキャラロスト」って書いてあったくらいです(笑)。そのくらい“死”というものを念頭においたゲームデザインを考えていました。

Demon's Souls

梶井氏:
 そのような話もありましたね。関係者一同,「ええええ? さすがにそれは……」みたいな(笑)。

4Gamer:
 確かに,ロストしてしまうのはさすがに……(笑)。

宮崎氏:
 いやいや,あれはSCEさんへのプレゼン用でしたので,分かりやすく伝えるために極端に書いた節もありました。私としては,その仕様が死に易いゲーム性と矛盾することも感じていましたので,そのままの実装では色々と問題があるだろうな,と考えていました。開発が始まってからのミーティングでは,「さ,そろそろロストする仕様は削りましょうか」という話をしたつもりですが(苦笑)。

4Gamer:
 しかし,最近のゲームというと,RPGに限らず,いろいろと「親切」じゃないですか。手取り足取り教えてくれるというか。そうした状況のなかで,本作みたいな「すぐに死んでしまう」ゲームを出すのは不安じゃなかったんですか?

宮崎氏:
 そうですね。ただ,そういう最近のゲームにあるような“ツアー感”みたいな親切さは,Demon's Soulsでは要らないだろうというのは,企画当初から割とハッキリしていたことです。私自身,常々そういうのは「ちょっと違うかな?」とは思っていたので,Demon's Soulsでは,「ここはヤバそうだ」「それなら右から回り込めばいいんじゃないか?」といったことを,なんとなく自然な形で感じ取れるようにしたかったんです。
 というのも,本作では,いきなり知らない場所に放り出されて,「さぁ,どうしようか」という感覚を味わって欲しかったんです。私の好きな昔のゲームはみんなそうでしたからね。「これは進めるけど,進んでしまっていいのかな?」という雰囲気のようなものです。例えば,某RPGゲームで船を手に入れたあと,「おいおい,これってどこにでもいけちゃうじゃん!」といった感覚に近いと言えばいいでしょうか。そして,調子に乗って変な島に上がって殺されたりという展開(笑)。そういった“冒険感”が欲しかったんです。

4Gamer:
 分かります。敵の強さは,とりあえず殴って計る,みたいな感覚ですよね。

宮崎氏:
 ただ,死が前提のゲームだからこそ,注意した部分も多くありました。死んでしまったときにプレイヤーが単純に不快になっては駄目ですので。死んでしまったことは,「あくまで自分のせい」としてプレイヤーに受け取ってもらわなくてはいけません。

4Gamer:
 死んだときにプレイヤーがやる気を失ってしまっては,それこそ意味がないですもんね。

Demon's Souls
宮崎氏:
 はい。ですから,攻略方法を沢山用意したうえで,プレイヤーの想像力を刺激するような仕掛けや演出を心がけるとか,死んでもすぐに止めないよう,「ソウル」を落とすようにしたり(※注),「プレイヤーに死を納得してもらう」「死んでもやる気をなくさせない」という部分には,かなり気を配っています。

※注:プレイヤーが死ぬと,死んだ場所に自分のソウル(経験値とお金を兼ねた要素)を落とす仕様。死亡時は各ブロックのスタート地点に戻されるルールなのだが,死んだ地点まで戻ってこのソウルを回収すれば,体力が低下する以外,死亡時のペナルティはほぼゼロにできる。これにより,死んだあとに「急いで取り返さなくちゃ!」というプレイのモチベーションが生まれる

梶井氏:
 プレイヤーに何度も挑戦してもらえるような工夫は,かなりフロムさんが頑張ってくれました。

4Gamer:
 確かに本作では,死にそうな場所が「なんとなく分かる」ようになっていますよね。「あー,この先に進むのはヤバそうだなぁ」というのが,見た目や雰囲気である程度は分かる。

宮崎氏:
 そうですね。「なんか怪しいな」と思う場所は,ちゃんと分かるようにマップデザインを心がけました。

4Gamer:
 いわゆるヘルプが出たりといった親切さではなくて,プレイヤー自身が死にながらも学習していく作り……ということですか。

宮崎氏:
 学習することが気持ちよくなるようなシステムにしたいとは考えていました。例えば敵の配置が固定になっているのも,死んで覚えることで達成感を感じられるようにと配慮したゲームデザインの結果です。つまり,仮に死んでソウルを全部なくしてしまっても(パラメータ的には成長できない),プレイヤー自身が敵の配置を覚えたりすることで,もう一度挑戦したときにはクリアできるようになるということです。

4Gamer:
 ああ,なるほど。

宮崎氏:
 あと配慮した点という意味では,操作性についてもかなり拘りました。操作のミスや,操作方法が難しくて死んでしまうと,やはりイラっとしますし,やる気がなくなってしまうと思います。私としては,プレイヤーの思考をどうしても「自分のやり方が悪かったせいだ。やり方を変えて再挑戦しよう」という方向にもっていきたかった。

4Gamer:
 理解できます。

宮崎氏:
 そのような考えから,操作性に関しては,内部でも「もう少し重い感じにしても良いんじゃないか」という意見もあったのですが,そこはキビキビとボタンの反応が良いような感覚に調整しました。操作レスポンスの良さというのも,死んだときにストレスを与えない,細かい工夫の一つだと思います。

4Gamer:
 やっぱり細かい調整が生きているんですね。やられることにあまりストレスを感じない裏には,そういうゲームデザインが含まれていたわけか。

Demon's Souls
宮崎氏:
 プレイヤーの皆さんに「これはマゾゲーだ」という(良い意味での)評価をもらっているのですが,私の本音としては,Demon's Soulsをマゾゲーにしたつもりはまったくありません(苦笑)。
 確かに死にまくるゲームではありますが,デスペナルティなども実は結構軽めのゲームデザインになっています。状況にもよりますけれど,死んでもそんなに酷いことにならないようにはなっているはずです。

4Gamer:
 確かにDemon's Soulsは,死んでも不快にならないことが多いですし,そういう意味で言うと,本質的には別にマゾゲーではないですよね。やられまくりゲーではありますが。

梶井氏:
 ええ。一見すると「ただの不親切なゲーム」に見えてしまうかもしれませんが,細かい配慮は行き届いてるゲームだと自負しています。

宮崎氏:
 まぁ最低限のチュートリアルとかはあるんですけどね。ただこれがまた,「R1,攻撃」の一言だけとか,非常にぶっきらぼうな感じでして(笑)。

梶井氏:
 本来であれば,そこは「R1ボタンで攻撃です」でしょ!といった話なんですが(笑)。

宮崎氏:
 「これがDemon's Soulsなんだ」という気持ちからなんですけどね。ダークな世界設定ですし,自分の力で切り抜いていかなきゃいけないという物語ですから。このあたりの“放り投げられた感”というのは,企画当初から開発スタッフでも共有していて,ノリノリで作業させてもらった部分でした。

4Gamer:
 そういえば,経験値とお金が「ソウル」という形で一つにまとめられているのも珍しいシステムですが?

宮崎氏:
 キャラクタークリエイションの自由度,あるいは成長の自由度というものを考えていったときに,あまり数値的な要素が複雑なのはどうかなと考えていました。もっとシンプルでいいのではと思っていました。

4Gamer:
 ゲームを見ていると,シンプルではありますけど,選択肢が少ないというわけじゃないんですよね。

宮崎氏:
 シンプルさとゲーム的な選択肢の多さというのは,実はまったく別の問題です。本作は,お金と経験値がソウルというポイントで一まとめになっているので,これを成長に使おうか,あるいはアイテムや武器の購入/改良に使おうかなど,プレイヤーが取れる選択肢や考える要素という意味では,逆に多くなっていると思います。
 私は,プレイする人には考えてほしいのであって,いたずらに複雑にしたいわけではなかったということです。プレイヤーに考えてもらうためには,逆にシステムをシンプルにした方が,ゲーム文法的にも正しのではという気持ちでした。

4Gamer:
 複雑さ=考える量の多さ,ではありませんからね。

宮崎氏:
 本作のゲームデザイン全体でいえば,このソウルの概念も,地味ながらに非常にうまく機能した部分だったと思います。ゲームのバランス調整も,このソウルを弄ることで調整できる部分が多くありました。




  
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