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GeForce GTX 200
  • NVIDIA
  • 発表日:2008/06/16
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初の1スロット版GTX 260カード,Galaxy「GF PGTX260+/896D3 KATANA」を試す
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印刷2009/11/11 00:00

レビュー

世界初の1スロット版GTX 260カードを試す

GF PGTX260+/896D3 KATANA
(GF PGTX260+/896D3 Razor Edition)

Text by 米田 聡

»  世界初の1スロット版「GeForce GTX 260」カードとして注目を集めていた製品を,米田 聡氏が評価する。国内限定の製品名も与えられるなど,メーカーの意気込みも感じられる製品だが,果たして実力のほどは。


 冷却能力や静音性を重視する立場から,ミドルクラスGPUを搭載するグラフィックスカードのGPUクーラーにおける多数派が,2スロット仕様のものになって久しい。ウォーターブロックを採用した液冷モデルは例外として,一定以上の3D性能を持った1スロット仕様のグラフィックスカードというのは,相当に選択肢が狭められているというのが現状だ。

GF PGTX260+/896D3 KATANA
メーカー:Galaxy Microsystems
問い合わせ先:info@galaxytech.jp
予想実売価格:2万4000円前後(※2009年11月11日現在)
GeForce GTX 200
 そんななか,Galaxy Microsystems(以下,Galaxy)から登場してきたのが,「GeForce GTX 260」(以下,GTX 260)搭載グラフィックスカードとして世界初の1スロット版製品,「GF PGTX260+/896D3 KATANA」(以下,KATANA)である。
 海外で「GF PGTX260+/896D3 Razor Edition」として普通に発表されていた製品を国内発売するに当たって,わざわざ「製品名募集キャンペーン」まで行い,日本オリジナルモデルとしてきたほどの意気込みをGalaxyは見せているわけだが,果たして本製品は,1スロット仕様の高性能グラフィックスカードを探している人にとって福音となるのか。今回は,Galaxyの販売代理店であるエムヴィケーから貸し出しを受けた試作機を使って,いろいろと検証してみることにしたい。


1スロット仕様も,カード長はリファレンスと同じ

ずっしりとした重さを感じるKATANA


 厚さ公称14.2mm。世界最薄のシェーダプロセッサ216基版GTX 260搭載グラフィックスカードとして訴求されるKATANAだが,その外観は非常に特徴的だ。GTX 260リファレンスカードと同じ,267mm(10.5インチ)という基板の長さも相まって,全体としては,薄いというより,むしろ平べったい印象になっている。

GeForce GTX 200 GeForce GTX 200
KATANAを別の角度から。リファレンスデザインを採用することもあって,NVIDIA SLIブリッジコネクタは2系統,ちゃんと用意されている
GeForce GTX 200 GeForce GTX 200
2スロット仕様の大型クーラーを搭載したGalaxy製GTX 260カード「GF PGTX260+-OC/896D3」と並べてみると,その薄さがよく分かる

クーラーのカバーを外したところ。KATANAでは,カード前面から吸気し,後方に向かって排気する構造になっている。ファンのブレード数が多く,また,切り立った角度になっているのが特徴的だが,これは十分な風量を確保するためと思われる
GeForce GTX 200
 採用する1スロット仕様のクーラーは,「Vapor Chamber」(ヴェイパーチャンバー)テクノロジーの採用が大きな特徴である。

 Vapor Chamberは,Sapphire Technologyの一部グラフィックスカード製品でも採用されているので,聞いたことがある読者も少なくないと思われるが,誤解を恐れずにざっくりまとめると,ヒートパイプと同じ原理で動作するヒートシンクのこと。一般的なGPUクーラーだとGPUと接触する部分には銅(やアルミ)の単板が用いられるが,Vapor Chamberでは,銅の内部を中空にして,そこに熱で揮発しやすい液体を入れ,熱源(=GPU)で気化した蒸気(Vapor)を,ヒートスプレッダまで効率よく運ぶための空間(Chamber)として機能させることができるのだ。

 高い冷却能力をコンパクトに実現できる半面,コストも高いと言われているが,1スロット化を実現するには,これしかなかったのだろう。ちなみに,銅製ヒートシンクを遠慮なく使っているためか,カードの重量は実測で689.5gあり,ずっしりとした重みを感じる。

GeForce GTX 200
GPUクーラーを完全に取り外したところ,写真上に見える銅製の枕部分に,Vapor Chamberテクノロジーが採用されている。また,アルミダイキャスト製のクーラー本体は,メモリチップの発熱を受けるヒートシンクとしても機能している
GeForce GTX 200
55nmプロセス版GTX 260搭載カードの初期リファレンスデザインと比べると,電源周りなどにコストダウンの跡が見られるが,基本的にはリファレンスデザインを踏襲。外部電源コネクタが6ピン×2である点も変わっていない

GPU-Z実行結果。ステッピングなどは(例によって)正しい値が返ってきていないが,動作クロックはほぼリファレンスどおり
GeForce GTX 200
 1スロット仕様であるということを除くと,KATANAのスペックに特記すべき点はない。こう書くと,ネガティブに受け取られるかもしれないが,むしろ逆。薄さを実現するためにスペックを落としていたりといった,セコい対策は行われていないのだ。

 実際,「GPU-Z」(Version 0.3.6)でチェックすると,動作クロックはコア576MHz,シェーダ1242MHz,メモリ2000MHz相当(実クロック1000MHz)で,リファレンスクロックと変わらない。重箱の隅をつつけば,メモリクロックは実クロックベースで1MHz高いが,ここは同じと見るべきだろう。
 メモリインタフェース448bit,グラフィックスメモリ容量896MBというところも,リファレンスカードと完全に同じである。

GPUパッケージ上の刻印は「G200-103-B3」(左)。B3ステッピングを採用しているようだ。右は搭載するメモリチップ。Hynix Semiconductor製の512Mbit GDDR3,「H5RS5223CFR-N2C」(0.8ns品)だった
GeForce GTX 200 GeForce GTX 200


2スロット仕様の従来製品と比較

PCケース内の温度を低く保つのがポイントに


 テストのセットアップに入ろう。今回は,に示したシステムで,GPUクーラーの冷却能力と動作音を重点的にチェックしてみたい。


 先ほども写真でちらっと紹介したGF PGTX260+-OC/896D3は,製品名から想像が付くとおり,メーカーレベルのクロックアップ,俗にいう「Factory OverClock」が行われたモデルである。カードの標準クロックとして,コア625MHz,シェーダ1350MHz,メモリ2100MHz(実クロック1050MHz)が設定されており,そのまま比較すると,本製品がKATANAを上回るパフォーマンスを示すのは当たり前。そこで今回は,KATANAと同じ,リファレンスクロック相当でもテストすることにしている。
 以下,GF PGTX260+-OC/896D3のデフォルト設定を「GTX 260 OC/625MHz」,リファレンスクロック相当に引き下げた状態を「GTX 260 OC@576MHz」と書き分けるので,この点はあらかじめお断りしておきたい。

 というわけで,まずは最も気になる,GPUクーラーの冷却能力から見てみることにしよう。
 GPUの発熱に大きな違いがあると正しい比較を行えないため,テストはKATANAとGTX 260 OC@576MHzの2枚で行うことにして,今回は「3DMark06」(Build 1.1.0)のデモを30分連続でループ実行させたときの温度変化を見てみることにした。システムは,室温25℃の環境で,PCケースに組み込まないバラック状態に置き,GPU-Zのログ機能から温度を計測する。

 その結果をまとめたのがグラフ1になるが,ご覧のとおり,KATANAでは,GPUのコア温度が80℃を超えないよう,ファン回転数が制御されているようだ。一方のGTX 260 OC@576MHzは,リファレンスクーラーより強力な3連ファン仕様のクーラーを搭載していることもあって,最大でも60℃を若干上回る程度に抑えられていた。
 この結果を「高負荷時にも80℃以下なら優秀」と見るか,「最近のオリジナルクーラー搭載モデルと比べて,やはり物理的な限界はある」と見るかは人それぞれだろうが,1スロット仕様であることのハンデがあることだけは間違いないと見てよさそうである。

 余談気味な話になるが,この結果からは,KATANAが搭載するクーラーの熱抵抗値を,おおまかに推測することができる。
 55nmプロセス&216SP版GTX 260の公式な消費電力値は公開されていない(※65nmプロセス&192SP版は182Wだった)が,3DMark06実行中に,システム全体の消費電力がアイドル時比で120W前後上がることを踏まえると,3Dアプリケーション実行時における最大消費電力はだいたい160W程度ではなかろうか。だとすると,テスト時の室温が25℃であることから,クーラーを構成するヒートシンクの熱抵抗値は0.35℃/W程度と算出できる。

 熱抵抗値は低いほど冷却能力が高いことを意味するが,1スロット占有のクーラーで,しかもファン回転数が制御され,最大回転数で動作していない状態での0.35℃/Wは,良好なほうだろう。Vapor Chamberの効果はあると述べていい。
 ただ,現在のグラフィックスカードでは0.2℃/W程度かそれを下回るくらい(※同様に計算するとGTX 260 OC@576MHzは0.21℃/W)なので,このあたりが1スロット型クーラーの限界,と見ることもできそうだ。

 KATANAが搭載するファンの回転数は,GPU設定カスタマイズ&モニタリングツール「RivaTuner」(Version 2.24c)から確認する限り,アイドル時に5000rpm強(※RivaTunerの表示は「25%」),フル回転時に11000rpm弱(※同「100%」)だった。
 3DMark06のループ実行中,ファン回転数が7800rpmを上回ることはなかったが,これはシステムがバラック状態にあることを割り引く必要がある。PCケース内の温度が上がれば,GPU温度を下げるため,ファンの回転数は上がるからだ。

 では,実際のところ,ファンの動作音はどれほどのものだろうか。今回は,25%設定,100%設定と,3DMark06のループ実行中に近い50%設定(回転数7600rpm前後)の3パターンをRivaTunerから手動設定しつつ,カードのファンに向かって約20cm離れた場所にマイクを置き,ファンの動作音を録音することにした。
 その結果をファイルとして以下のとおりUpしたので,ぜひ聞き比べてみてほしい。

25%
音声ファイルを再生する

KATANAが搭載するファンの動作音は,CPUクーラーや電源ユニットのファンなど,周囲の騒音に埋もれ,ほとんど聞き分けられない

50%
音声ファイルを再生する

周囲よりもKATANAのファンの動作音が大きくなり,やや甲高い動作音がはっきり聞き取れるようになったが,我慢できなくもない

100%
音声ファイルを再生する

相当にうるさい。高周波数の音がとくに耳につく印象で,長く聞いていると(人によっては)苦痛を感じるはずだ



 フル回転時の音が“かなり厳しい”一方,50%以下ならそうでもない,ということが分かってもらえるのではないかと思う。実際に利用するに当たっては,PCケース内に組み込まれるので,音はもう少しソフトに聞こえると思うが,フル回転が続く状況をあまり考えたくないのも確かである。
 したがって,KATANAを常用していくに当たっては,PCケース内の温度をいかに低く保つかが重要になってくるといえる。1スロット仕様のグラフィックスカードが必要,という条件からすると,温度を低く保つという要素は相容れない部分もあるのだが,そこを何とかすれば,動作音は,少なくともうるさくはないレベルに抑えられるはずだ。


パフォーマンスはリファレンス相当

性能は薄さの犠牲にならず


 パフォーマンスに関してはある程度予想できるが,念のためテストしておきたい。
 今回は,4Gamerのベンチマークレギュレーション8.2で採用するタイトルから,3DMark06,「バイオハザード5」「ラスト レムナント」の3タイトルに絞って,KATANAとGTX 260 OC@576MHz,GTX 260 OC/625MHzを比較してみることにした。

 その結果をまとめたのがグラフ2〜6で,KATANAとGTX 260 OC@576MHzとの違いは誤差程度。同じGPUを搭載し,同じクロックで動作するのだから,当たり前といえばそれまでだが,1スロット仕様でも,性能が犠牲になっていないことを再確認できたことは,相応に意味があろう。



バリエーションの一つとして価値ある製品

惜しむらくは登場のタイミングか


製品ボックス
GeForce GTX 200
 以上,さまざまな角度からKATANAを見てきた。全体として,期待というか,予測を裏切ることのない製品であるといえるが,結局は,「どこにニーズがあるのかがポイントになる」というのが,正直な感想である。

 1スロット仕様のカードといっても,カード長は267mmもあるわけで,KATANAの主なターゲットとなるであろうキューブPCやmicroATXケース,あるいは(最近だとHTPC向けとしてよく訴求される)横置き型ケースの場合,カード長が理由で,取り付けられないとか,取り付けられるが,代わりに何かが犠牲になるとかいう可能性を排除できない。
 また,発熱と,それに伴う動作音の問題もある。その意味では,microATX以上のフォームファクタをサポートした,できる限り大きなPCケースを使うことが望ましいのだが,そうなると今度は「それなら2スロット仕様のカードでいいじゃないか」という議論に巻き込まれかねないのだ。

 拡張性に制限のあるNVIDIA SLI対応システムで,“マルチGPU構成を実現するための追加用”にするというアイデアも悪くないのだが,パフォーマンス志向のユーザーの多くにとって,2009年11月というのが,ATI Radeon HD 5000シリーズに行くか,Fermi世代を待つかの決断を下すタイミングであるという現実も,マイナスに作用するものと思われる。
 このあたりが,KATANAの持つ難しさだといえるかもしれない。

 ただ,空冷1スロット仕様のグラフィックスカードとして,世界最速の製品であることにまずもって疑いの余地がないのも,また確かだ。ブランドや仕様を問わなければ,1万円台中後半の価格で手に入れることも決して難しくないGTX 260カード市場にあって,予想実売価格2万4000円というのを「安価」とまではいえないが,実現している仕様も踏まえるに,少なくとも「高すぎる」ということはないはずである。
 2万円前後の市場に新たな,そして唯一無二の選択肢が誕生したことは,大いに歓迎されて然るべきだだろう。
  • 関連タイトル:

    GeForce GTX 200

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