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実はパッケージ販売も検討中。“美少女コンテンツワールド”「ai sp@ce」,開発/運営/許諾元インタビュー
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印刷2008/06/13 00:02

連載

実はパッケージ販売も検討中。“美少女コンテンツワールド”「ai sp@ce」,開発/運営/許諾元インタビュー

◆連載「キャラクターゲーム考現学」特別編◆


ai sp@ce
 4月8日に発表されて以来,バーチャルワールドサービス界隈に留まらない注目を集めている「ai sp@ce」。「CLANNAD」(ビジュアルアーツ),「ダ・カーポII」(サーカス),「SHUFFLE!」(オメガビジョン)というキャラクターゲーム作品ごとに「島」が用意され,キャラドルと呼ばれる,各作品のヒロインに似た女性キャラクターを連れ歩いたり,会話や仕草を設定していったりできる。
 また,各島の結節点として「アキハバラ島(仮)」が用意され,そこは全利用者が入れること,キャラドルを踊らせたり,簡単なアドベンチャーゲームを作れたりすること,ほとんどの機能が無料で用意されるものの,キャラドルの特別な衣装や仕草が有料で,仮想空間内のスペースを販売することでも収益が図られることのほか,「島」は一つ2000万円前後で制作でき,半年に一つのペースで増やしていくこと,ターゲット層は全体で30万人前後と見られていることなど,かなり内幕に踏み込んだ情報が,すでに各所で明かされている。

左から,ヘッドロック 高屋敷氏,ドワンゴ 伴氏,ビジュアルアーツ 丘野氏
 そもそもこの企画が立ち上がったのが2006年,サーカスとブシロードの間からというあたりからして,いろいろな想像を掻き立ててくれる。ブシロードといえば,元ブロッコリーの木谷高明氏が最近立ち上げた会社。そして,かつてブロッコリーとサーカスが組んで「true tears」を発売したのが,2006年3月31日のことなのである。
 そこに,長年にわたってキャラクターゲームグッズ販売を手がけてきた木谷氏の,「エミル・クロニクル・オンライン」を介して培われた着眼を見るのは,あながち外れてもいまい。そういえば,「ai sp@ce」の開発を担当するのは「エミル・クロニクル・オンライン」と同じヘッドロック。両社は木谷氏周辺を核に結集したのだろう。

 まあそんな人脈周りの当て推量はさておいて。ご存じのように「ai sp@ce」はゲームではないものの,ゲームの派生物であるとともに,ゲームを内包できる存在でもある。そこで当サイト独自の視点から,運営元となるドワンゴ,開発元であるヘッドロック,ライセンサーの一社にして製作委員会のメンバーでもあるビジュアルアーツの担当者にいろいろ聞いてみた。サービス内容やら収益手段やら,各種話題を取り混ぜてのインタビューとなったが,何はともあれ最新の状況をお伝えする。


大方の予想どおり,ユーザークリエイト要素がキモ


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。「ai sp@ce」はゲームでなくバーチャルワールドサービスで,「ニコニコ動画」との連携などを通して,「アイドルマスター」のムーブメントに近い,利用者自身が作り出す盛り上がり,つまりUCCを核とする事業だと認識しています。
 そこで,利用者はまずどんな“プレイアブル”要素,“インタラクション”要素を楽しめるのかを教えてください。

ドワンゴ ニコニコ事業本部 事業推進部 第二セクション マネージャ兼 アニメ事業部 副部長 伴 龍一郎氏:
 プレイアブルとは若干違うと思うのですが,ユーザークリエイトの側面で整理してみると,キャラドルのリアクションと,会話などから成る「アドベンチャーゲーム」,キャラドルに特定のモーションをとらせる「演劇」の三つです。
 実際にはもっといろいろなことができるんですが,実際に楽しむためのツールを提供するのが,この三者あたりからになるかと。

4Gamer:
 なるほど。UCC要素だとすると,それぞれゲーム内でセーブデータのようなものをやりとりできるのでしょうか?

ドワンゴ 伴氏:
 できます。仮想のROMカセットのようなものを想定していまして,ワールド内通貨で販売できるようにします。もちろん,無償で広く配ることも可能です。

4Gamer:
 制作と配布の分かりやすい統一フォーマットは用意されると。

ドワンゴ 伴氏:
 ええ。あとはミニゲーム的要素で,例えばじゃんけんに使えるアクションとか。総じてMMORPGのエモーションでできることは,ほぼすべてできますね。

4Gamer:
 では順番に。キャラドルのAIについてですが,これは学習型インタフェースのようなものをイメージすべきでしょうか? それともスクリプトライターだと思ったほうが近いのでしょうか。

ヘッドロック 取締役 制作本部長 コンテンツ制作部長 高屋敷 哲氏:
 スクリプトライターのほうです。



4Gamer:
 例えば特定のキーワードに反応するとか?

ヘッドロック 高屋敷氏:
 もちろんそうしたいですね。

4Gamer:
 デモンストレーションの中にあった,キャラドルがぬいぐるみを手に取る動作は,自動で発動するものですか?

ヘッドロック 高屋敷氏:
 そうです。オブジェクトのほうにイベントが仕込まれています。それを自分からの距離で判定して反応するのです。できるだけ生き物のように振る舞わせていきたいなあと。

ai sp@ce ai sp@ce

ドワンゴ 伴氏:
 フックになるイベントが発生すると,対応したスクリプトが呼び出されて実行される感じですね。

4Gamer:
 特定の人に会ったとき,特定の挨拶をするとかですね,例えば。だとすると,自分で作れるのもさることながら,むしろほかの人が作ったものに触れたときのほうが,衝撃を受けるかもしれませんね。職人さんの本領発揮というか。
 では次に「アドベンチャーゲーム」についてですが,これはとくにAI要素と関係ないんですよね?

ビジュアルアーツ 開発/企画・シナリオ 丘野塔也氏:
 そうです。普通にテキストを揃えていき,分岐を設定して作るものです。

ドワンゴ 伴氏:
 絵を描かなくてよいのが良いところですね(笑)。もし,各ライセンサーさんがやりたいと言ってくださるなら,これのスクリプトライターを使ってオフィシャルのROMも販売できると思います。サイドストーリー的なものとか。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 ああ,それは良いかもしれませんね。それほど難しくないでしょうし。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 「描かなくてよいのが良いところ」ですが,描きたい人のために,オリジナルの画像を取り込んで使うことも可能になっています。さすがに3Dのオブジェクトまでは無理だと思いますが。

4Gamer:
 例えば各作品での名セリフを,キャラクターボイスパーツとして使えるようにはならないでしょうか?

ドワンゴ 伴氏:
 そこはまだブレインストーミング状態といいますか,やりたい,という段階ですね。まだまだ。この世界のファンの方は,ボイスや音楽を大事にされているので,オフィシャルで音声要素が出せるなら,それが望ましいです。
 ただそこは,ライセンサーさんと声優さんのお話になってしまうので,段階的に進められれば,という感じです。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 セリフじゃなくて,むしろ笑い声とか,驚いたときの声とかがあれば,かなり効果的に使えるでしょうね。

4Gamer:
 運営側から提供される「アドベンチャー」は,やはり原作のエピソードに沿ったものになったりするのでしょうか?

ドワンゴ 伴氏:
 そうですね。そこはこれから調整していく感じですが,このサービスには例えば「CLANNAD」が好きで人が集まるわけです。そうした意味で“原作愛”の受け皿は,いろいろ用意しないといけないだろうと。
 なので,ライセンサーさんに監修していただいたうえで,原作のキャラクターのイメージを壊さないように展開する必要がある。可能であれば,原作のサイドストーリーとかが望ましいですね。

ai sp@ce ai sp@ce

4Gamer:
 確かにそれが最良の展開かもしれません。ところで,現状では各作品のメインヒロイン級が一人ずついるというところしか表に出ていませんが,当然ながら原作にはサブヒロインが何人も登場しています。そうしたキャラクターも,今後導入されていくのでしょうか?

ドワンゴ 伴氏:
 はい。ちょっと数は言えないのですが,もっと豪華になります。

4Gamer:
 そこは正式オープンまでに拡張されると考えていてよいのでしょうか?

ドワンゴ 伴氏:
 ええ。正式オープンの時点では,もっと増えているハズです。そしてその後はユーザーさんの要望次第ですね。「ai sp@ce」の大きな特徴として,ユーザーさんのリクエストに応えていく部分を,すごく強くしていきたいと思っています。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 主要キャラはサポートされる。そう考えていただければと。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 もちろん,オフィシャルな誰々モデルは,どんどん追加していきたいと思っています。


スクリプトを組んで,リアルタイムの寸劇も


4Gamer:
 では次に「演劇」についてですが,これもエモーション的な機能を使うと。 「アドベンチャー」からテキストを外して,アクション単体にしたもの……ではないんですよね?

ドワンゴ 伴氏:
 ええと,「アドベンチャー」というのは,ビデオを再生するようなものなんですね。自分のアバターやキャラドルは,基本的に関与しないわけです。
 それに対して「演劇」のほうは,自分のアバターとキャラドルに,フィールド上で演技やエモーションをとらせるものです。ほかの人のアバターやキャラドルとの掛け合いも可能です。

4Gamer:
 ああ,配役を決めて……。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 そうです。セリフと,それへの返答をスクリプトで定義するわけですね。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 MMOPRGでいうと「ラグナロクオンライン」で本格展開した文化といえるかもしれません。道端で演劇を始める人がいたという。いわばそれを,公式にサポートする形でやっていきたいですね。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 端で見ていると,リアルタイムに近い形で展開するという。すごく泣けるやつとか,渚と音姫の即興漫才とか(笑)。

ドワンゴ 伴氏:
 道の角でずっと待ってて,誰かが来たらぶつかるとかね。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 「ちょっと! どこ見てんのよ?」みたいなツンデレ小芝居が始まると(笑)。



4Gamer:
 お約束ですね(笑)。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 みんなそれを狙って,角で順番待ちとかね。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 ニコニコ動画と連携していますから,いろいろな視点で録ったムービーを編集して……という展開が面白いと思います。

4Gamer:
 素朴な疑問なんですが,演劇で誰かがしゃべったセリフは,どう表示されるのでしょうか? そこを計算して位置取りする必要があったりすると,実は難しいものになる危険もありますよね。

ドワンゴ 伴氏:
 フキダシだけでなく,ログにも出ますので。

4Gamer:
 なるほど。そこは最小限確保されると。

ドワンゴ 伴氏:
 ただし,動画としてアップロードする前提であれば,動画自体に手を入れて読みやすくするのが定石になると思います。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 現状のシステムだとまだ入っていないのですが,最近のMMORPGではフキダシの表現を工夫している例がけっこうあります。語尾に何を入れたかで,フキダシの形や大きさを変えたりとか。そのあたりは基本的にサポートする予定です。


ユーザー間取り引きを排し,円滑な“コミケ”を


4Gamer:
 では,もう少し大枠といいますか,漠然としたお話なのですが,独自の工夫をさまざまに加えつつも,「ai sp@ce」はやはりプレイアブルでゲーム的な何かではなく,自由に遊べる砂場のようなものと考えてよいわけでしょうか。

ドワンゴ 伴氏:
 うーん,ただ,それだけではないと思います。「ai sp@ce」で重要なのはユーザーを絞り込んでいる点なのです。あらかじめターゲットを「美少女コンテンツファン」に絞り込むことで,コミュニケーションのハードルが下がると考えています。

4Gamer:
 共通の関心があり,話題があると。

ドワンゴ 伴氏:
 はい。すでに外部で共有体験をしている間柄ですから。例えばテレビアニメ版の「CLANNAD」を見たとか。「ai sp@ce」から見たとき,「CLANNAD」のテレビ放映自体が一つのイベントなんですよ。アニメを見たら,「ai sp@ce」に来てそのことをしゃべれる。雑誌を買ったとか,同じジャンルの他作品を見たとか,そうしたことがすべてイベントになるのです。
 そんな感じで,各作品の外部での展開をイベントとしてこの世界に持って来られることは,大きな強みだと思っています。言い方を変えればファンコミュニティの要素が強いわけです。

4Gamer:
 なるほど。そこは誰もが納得する部分でしょうね。

ドワンゴ 伴氏:
 ただし,それだけだと「2ちゃんねる」でいいじゃん,となってしまうので,3Dのワールドならではの仕掛けを用意しているのです。

4Gamer:
 ファンコミュニティであり,UCCの素材/素体やツールとして作られているとすると,気になるのは収益機会です。原作に登場する衣装や特有のエモーションを販売することはすでにアナウンスされていますが,一方で収益の柱がひとえに原作頼みだとすると,少し不安な気もします。

ドワンゴ 伴氏:
 いや,UCCとも絡めていく予定ですよ。ユーザーさんが作られたコンテンツを流通させるに当たって,ワールド内通貨による手数料みたいなものを一部導入します。

4Gamer:
 おお,バーチャルワールドサービスらしい解法ですね。そこについて,ぜひお聞きしたいと思っていました。この世界の職人さん達は,ある程度独自に商売ができると。

ドワンゴ 伴氏:
 先ほどROMカセットと言いましたけど,現在のイメージだと,いったんお店に卸して,お店がその複製を作るに当たっての手数料をいただく,という感じです。といっても,現実の物流と違って先に在庫が必要なわけではありませんので,売れた分から差し引く形です。

4Gamer:
 そこは一種のアナロジーだと。でも,単純にフォーマットが決まっているだけだとすると,ユーザーさん自身がローカルに在庫を用意して,独自の判断で売っても,よさそうに思えますよね?

ドワンゴ 伴氏:
 ユーザーさん自身でアイテムを複製して自由に売れる形にすると,いろいろ問題が出そうだと判断しました。そこで,お店に預ける形に統一して,誰かが買いに来たらコピーが発生するようにしています。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 売り上げは,もちろん卸したユーザーさんに随時入っていきます。そこで「アキハバラ島」の某店舗さんに行って……。

4Gamer:
 ああ,それは素晴らしく分かりやすいアナロジーですね(笑)。「アキハバラ島」の大きな存在意義の一つというか。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 ゆくゆくはコミケみたいなのをやりたいですね。現状でも家を持てますから,自分の家を商店化して,自分が作った商品を並べるとか。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 「アドベンチャー」の売り上げランキング機能とかも重要かもしれません。「こんなに売れてます」という。

4Gamer:
 そうか,お店のシステムのバックエンドを使って,フロント部分を多様化できるようにすれば,トラブルを防ぎつつ自分のお店が持てるわけですね。
 ところで,大きなポイントだと思うんですが,ワールド内通貨はリアルマネーに換えられるのでしょうか,換えられないのでしょうか。

ドワンゴ 伴氏:
 ワールド内通貨を現金に戻すことは不可能です。いろいろ調べたのですが,国内現行法的には難しそうなんですね。信販会社さんと組んで,独自のシステムを展開することも,これまた難関です。

4Gamer:
 では,あくまでこのサービス内でのみ使える通貨だと。

ドワンゴ 伴氏:
 それに加えて,もうちょっと広がりがあるかもしれません。

4Gamer:
 もうちょっと……それは,ドワンゴさん的広がりだと捉えてよいですか?

ドワンゴ 伴氏:
 そのとおりですが,まだ詳しくは言えません。

4Gamer:
 その中身次第でもあるのですが,一方で自由な売買と,手に入れたワールド内通貨の広汎な利用価値があれば,動くお金が大きくなるということも考えられますよね。そういった“野望”はお持ちではないですか?

ドワンゴ 伴氏:
 でも,そうなるとコントロールできなくなっちゃいますよね。例えばオークションサイトでやりとりできちゃうなら,ウチが関与できなくなってしまう。

4Gamer:
 外部への広がりと,それに伴うコントロール面の維持は,確かに課題ですね。オンラインゲームとも共通の論点ですし。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 先ほどのコミケのお話ではないですが,デジタル著作物をすべて「ai sp@ce」内でやりとりできるなら,それはそれで展開として面白いですし,判断が難しいところでもあります。その一方でオフィシャルの販売物という,とくに問題のない売買ジャンルもありますから,デジタルかつリアルマネーは,むしろオフィシャルで考えるべきかもしません。

ドワンゴ 伴氏:
 外部で流通可能なものを想定するとしたら,ワールド内でROMカセットに当たるような独自フォーマットを,新しく考える必要があるでしょうね。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 一方で,「ai sp@ce」が再生エンジンとしか思われなくなるとしたら,それも問題ですし……。

4Gamer:
 総じて,ステップ・バイ・ステップということでしょうか。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 そうですね。システム的にはいろいろな形に対応できますから。

4Gamer:
 「ai sp@ce」サービス内でオリジナルの「アドベンチャー」の流行を期待しているとすると,すでに原作の二次創作物を作っている方々に,自ずと視線が集まると思います。そうした方々の協力を得るための施策は,何かお考えですか? もちろん,ツール公開自体がその出発点だと思いますが。

ドワンゴ 伴氏:
 ニコニコ動画に集まっている方々への働きかけとはまた別に,ライセンサーさんそれぞれのファンクラブへのお声掛けは検討しています。



ビジュアルアーツ 丘野氏:
 ただしその場合,常にファンの方全体のことを考える必要があります。どこかを優遇したりすると,今度はほかの方達から反発が出てくる可能性もありますから。

ドワンゴ 伴氏:
 そのあたりは各ライセンサーさんの経験と感覚を頼りにしつつ。

4Gamer:
 ツールの使い勝手や,使い方の解説が重要になりそうですが,そこについて何かサービス内でお考えのことはありますか。

ドワンゴ 伴氏:
 何ができるかについては,導入部のストーリー的説明で触れる形を考えていますが,長いチュートリアルにはしたくないので,そこはカッチリしたマニュアルを別途用意します。
 動画などの手段を使って,ユーザーさんがユーザーさんに教える展開になってくれると最高なんですけどね。

ai sp@ce ai sp@ce

ヘッドロック 高屋敷氏:
 せっかく学校の校舎とかありますから,そこで授業形式のチュートリアルとかができるといいですね。

4Gamer:
 校舎には入れるんですか?

ヘッドロック 高屋敷氏:
 現状ではできませんが,入れるようにします。イベントスペースやライブスペースは充実させていきたいですね。

ai sp@ce
4Gamer:
 「アキハバラ島」の景色は,場所によっては明るさまでそっくりとか,なかなかすごいですが,先ほどのお店の話を考えると,例えばここにも,中に入れる建物が用意されそうですね。

ドワンゴ 伴氏:
 ええ。まだ制作中ですが,ただテクスチャを貼り付けただけの「書き割り」ではなく,きちんと3Dオブジェクトとしてモデリングしています。ただ,現状はきちんと手で描いたものではなく,写真を基にしているので,ときどき余計なものが描かれちゃってますけど(笑)。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 最初はもっとずっとシンプルなものを想定していたんですが,いざ作ってみると秋葉原という土地は,使い勝手が良いなあと。

4Gamer:
 ストリートイベントをやってても,何ら違和感がないですからね。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 そう。人がごちゃーっといるだけでサマになるし,メイドさんがいても別におかしくない。

4Gamer:
 確かに。その「アキハバラ島」で,中に入ってこういったことができる,とすでに決まっている施設はありますか?

ドワンゴ 伴氏:
 「アキハバラ島」だからという部分では,正直まだありません。ただし,リアルの店舗さんとも順次お話をさせていただいていますから,双方にメリットが出るなら実現させたいですし,秋葉原のイベントと連動するようなものも,ぜひやりたいですね。

4Gamer:
 ゲームショップの最上階で,何かイベントをやってるとか?

ドワンゴ 伴氏:
 そうですね。リアルの店舗さんにメリットを感じてもらえて,かつWebサービスならではの側面をどう確保するか,いろいろ考えを練っている最中です。

4Gamer:
 場所のお話になったところでお聞きします。「ダ・カーポII」の初音島だと,年中桜が咲いているのであまり季節の移ろいはないのかもしれませんが,ほかの島やサービス全体として,季節の演出はありますか?

ai sp@ce ai sp@ce

ドワンゴ 伴氏:
 そのあたりはユーザーさんの要望次第です。

4Gamer:
 オンラインゲームでよくある,年中行事についてはいかがですか? クリスマスとか,学園祭とか。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 うちの「ベルアイル」のように全体的な時間の流れを設定するわけではありませんが,そういったものは,多分やると思います。また,MMORPGでいうギルドのようなユーザーのグループとして「サークル」というものを設定していますので,例えばサークル対抗のイベントも実施可能だと思います。


キャラドルはキャラクターそのものに非ず


ai sp@ce
4Gamer:
 ところで,「アキハバラ島」の路上でも,いきなり着替えさせられるんですね。キャラドルについては。



ヘッドロック 高屋敷氏:
 ええ。ただし,路上で下着姿にするわけにはいかないので,カーテンで覆う演出を入れました。……カーテンも,いろいろな絵柄を用意する可能性があります。

4Gamer:
 すると「マイホーム」とそれ以外で,できることはどう違うのでしょうか?

ヘッドロック 高屋敷氏:
 特定のアイテム作りと,インベントリ容量が「マイホーム」のメリットということになりますね。アバターが持ち運べるアイテム量については,あえて制限をかけています。これは,シチュエーションを分けることでユーザーさんの工夫や発見を重視したいという意図です。
 ゆくゆくは家の間取りを拡張したり,変更したりといった要素も考えています。

4Gamer:
 なるほど……。しかし,考えてみると「キャラドル」とはどういう存在なのかが,実は大きな謎のような気もします。すべてのユーザーが,いずれかのキャラクターを連れ歩いていたり,一緒に住んでいたりするわけで。

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ドワンゴ 伴氏:
 大前提として,キャラドルはキャラクターそのものではありません。現在のところ,モデリングの都合でキャラクターとまったく同じグラフィックスになっていますが,キャラクター自身であるという見せ方はしない予定です。

4Gamer:
 そうなると,一人の架空の女の子,ですか。

ドワンゴ 伴氏:
 そうです。「ダ・カーポII」の「音姫」は,「初音島」にNPCとして存在します。キャラドルのベースとなるパーツは共通ですから,組み合わせ方次第で「渚」や「音姫」そっくりにもできますが,そこはお好みでどうぞ,というのがコンセプトです。

4Gamer:
 では,キャラドルに実在(?)キャラクターの名前をそのまま付けようとすると,それは禁じられている?

ヘッドロック 高屋敷氏:
 禁じられています。まあもちろん,工夫してそれらしく見える名前をつけるぶんには,とくに制約の対象となりませんが。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 ライセンサーとして公式に認める形となるのは,NPC一人だけです。みんながみんなそのキャラクターだということになると,認識のズレが生じたりもするので。
 とはいえ,それはあくまで運営上の形式であって,実際にはみなさんが感じるとおり,「音姫」だったら音姫の格好をさせられます。

4Gamer:
 ではNPCとキャラドルで,モーションやセリフなどに違いは出るでしょうか?

ヘッドロック 高屋敷氏:
 構造上,どちらも使えるものは同じですが,例えばサービス内に用意された「アドベンチャーゲーム」などの中では,NPC固有のモーションが出てくる可能性があります。ただし,それはむしろプレイの都合に合わせた動きなので一般に公開しても意味がないとか,そういった部分に留まるでしょうね。

4Gamer:
 「CLANNAD」などでは,人気のある男性キャラクターもいますよね。そうしたキャラクターが登場する予定はありますか?

ヘッドロック 高屋敷氏:
 NPCとしては登場させる予定がありますが,キャラドルとしてはいまのところないですね。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 ただ「CLANNAD」そのものは,けっこう女性にも人気があるんですよ。物語やキャラがいいと言っていただけることもありますし,人によってはちょっとBL的な妄想をしてみたりとか。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 女性アバターも用意してはいるんですけどね。“中の人”が女性になるかどうかはともかく。

4Gamer:
 「CLANNAD」の女性プレイヤー比率はどのくらいですか?

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 10%くらいです。

4Gamer:
 けっこう高いですよね,それ。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 たぶん業界では屈指の高さだと思います。キャラドルはともかく,「アドベンチャー」の素材として欲しいという声はあります。

ドワンゴ 伴氏:
 あとはユーザーの要望次第ですかね。「イケブクロ島」が導入されたりして(笑)。


ワールドからニコニコ動画へ,ワールドでニコニコ動画を


4Gamer:
 続いて,割と根本的な部分に関してお聞きします。現行のバーチャルワールドサービスもMMORPGも,プレイヤーの時間を自覚的に占有することが,一つ大きな問題だと思っています。
 それに対して最近のバーチャルワールドサービス界隈の議論では,セガさんの〔iA〕みたいに,プロシージャルな空間生成で,同じWebサービスにアクセスしている人同士をつなげるといった,新しい効用が注目されつつあります。
 時間占有の面で考えたとき,「ai sp@ce」がどんなものになるか,お考えをお聞きできればと。

ドワンゴ 伴氏:
 確かにオンラインゲームもニコニコ動画も,利用者の時間を奪い合うことがビジネスゲームとなっています。その意味で「ai sp@ce」もその一つですが,ニコニコ動画と提携して,サービス内で動画を視聴できる,つまりほかのサービスと相乗りで共存できる点が,「ai sp@ce」の特徴かもしれません。

4Gamer:
 それは,どこかに動画を見られる「場所」があるということでしょうか。

ドワンゴ 伴氏:
 そうです。「アキハバラ島」の街中に,「ニコニコ動画」のムービーが流れるスクリーンが設置されています。ここに集まって“3000人の生中継”を見ることも可能です。
 あるいは,視聴ランキングの上位から順に常時流しておくとか,それぞれの作品にまつわる動画を,なんらかの基準でピックアップして流しておくというのも,良いかもしれませんね。

4Gamer:
 ニコニコ動画側のトラフィック節約になるかもしれませんね。って,どちらもドワンゴさんだから,そうでもないか。

ドワンゴ 伴氏:
 ニコニコ動画の動画とコメントを見つつ,その一つ上のレイヤーでチャットができますから,それは大きなメリットだと捉えています。
 それだけでなく「他人と一緒に何かをして過ごす」場所の提供と考えているので,「ai sp@ce」に来て何かをしてもらう方向性は,本質的な要素です。外部のWebサービスとのつながりをあえて考えるなら,ぜひ「ai sp@ce」で待ち合わせて,そこに向かってほしいなあと。

4Gamer:
 翻ってライセンサーさんから見たとき,「ai sp@ce」に期待するものは何でしょうか?

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 第一にファン同士の交流の場で,同好の士が集まって盛り上がってくれる部分が最も大きいですね。

4Gamer:
 新規層の開拓についてはいかがですか?

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 すでに知っていて入ってくる人が普通だとは思います。でも例えばアニメを見たけどゲームはまだやっていないという人が,「ai sp@ce」を間に挟んでゲーム本編に進むことは,若干期待しています。とはいえ,やはりさらなるコミュニティの盛り上がりが最も大きいです。

4Gamer:
 ところで「ai sp@ce」で,ライセンサーさんが独自に売るモノが出てくる可能性はありますか?

ドワンゴ 伴氏:
 そこは何にせよ一度製作委員会を通る形になります。どちらかというと,ロイヤリティ分配率が変わるとか,そういう話かと。もちろん,アイテムの制作時にはライセンサーさんに監修してもらうわけですしね。そもそもアイテムやイベントの企画は,ライセンサーさんと製作委員会で話し合いをしながら進めますので。

4Gamer:
 もう一つ,丘野さんにライセンサーサイドとしての見解をお聞きします。「ai sp@ce」には多くの作品が盛り込まれるわけですから,その原作同士は競合であるとともに,愛好者同士の相互交流でもあるわけですよね。そういった側面から期待している事柄はありますか?

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 現在のオタク系メディアファンの方は非常に積極的ですから,主要な作品はだいたい押さえていらっしゃると認識しています。

4Gamer:
 では,新しい出会いというよりは,みんなで集まれる場所としての意義が大きいと。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 そうです。まず集まっていろいろ楽しむうちに,まだ触れていない作品に興味を持ってもらえるようであれば,それが嬉しいですね。

ドワンゴ 伴氏:
 ニコニコ動画に上がったムービーを介して,そこに集まっているライトオタク層(?)に訴求できれば,また変わってくるかもしれません。

4Gamer:
 なるほど。そのまた外側の層にアピールすると。

ai sp@ce ai sp@ce


実はクライアントパッケージの発売も検討されている


4Gamer:
 今度は事業収益面についてですが,「ai sp@ce」は基本的に単体黒字を狙うサービスなのかどうか,そこを教えてください。ライセンサーさんの販売促進,ニコニコ動画へのネタ提供など,必然的にいろいろな顔を持っていますよね。

ドワンゴ 伴氏:
 製作委員会方式を採っていることからも分かるとおり,あくまで単体黒字を目指す事業です。

4Gamer:
 すでに明かされている収益手段は,アイテムやエモーションの販売と,広告スペースの提供ですね。中心はアイテム販売と目されるわけですが,それで黒字になる青写真をお持ちだと。

ドワンゴ 伴氏:
 そうですね。まだあまり具体的な数字は出せないですが。セグメンテーション(ここでは,ターゲットの絞り込みの意)を徹底したサービスであることが特徴ですから,一般的なバーチャルワールドサービスよりも,アイテム販売に期待が持てるのかなと。

4Gamer:
 そこはおっしゃるとおりかもしれませんね。では,すでに発表されているほかに,大きな収益手段が用意されていたりは……。

ドワンゴ 伴氏:
 実はパッケージ販売も検討しています。それとリアルのグッズ展開ですね。



ビジュアルアーツ 丘野氏:
 美少女ゲームのファンの方って,やはり形のあるものを求めるんですよ。サウンドトラックの例で見ても,ダウンロード販売とパッケージ販売では,パッケージ販売を選ぶ傾向がありますね。手元に残しておきたいという意識がすごく強いといいますか。

4Gamer:
 なるほど。ピクチャーレーベルならなお良し,みたいなノリですね。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 そうです。それを持っていないと,持っていることにならないというか。そうした要望に応えるためにも,パッケージ販売はやったほうがよいと思います。

4Gamer:
 パッケージ販売となると,第一にクライアントソフトが来ますが,そこに加える要素や,別バージョンのパッケージなどは考えていますか?

ドワンゴ 伴氏:
 可能であれば,いろいろやりたいと思いますね。いずれにせよ検討中としか言えませんが。デジタルデータだけだと,価値を見いだして下さらない方もいらっしゃるので,例えばぬいぐるみが付いてきます,みたいなものがあったらいいですよね。

4Gamer:
 そこではとくに頼りになる製作委員会かもしれませんね。そうした物販の側面を除くと,基本的にARPU(アープ。顧客単価)で勝負することになるわけですが,けっこう目標が高くないですか? 島が一つ2000万円と聞いていますが。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 いや,実は高くないですよ。ウチがやっているいくつかのラインと比べても,目標とされるARPUは最も低いものとなります。

4Gamer:
 普通のオンラインゲームと比べた場合,決して高くないと。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 入ってくるユーザー数を絞って考えれば,当然目標は高くなるんですが,5000円を超えたら危険信号といわれる一般的なARPUの限界に照らしても,ずっと低いです。もちろん,儲かるに越したことはないですけど(笑)。

4Gamer:
 現在および将来にわたるクリエイティブの原価と照らし合わせて考えないといけない一方で,潜在的なユーザーを絞って考えているとも伝えられています。それでも目標ARPUが抑えられるのでしょうか?

ドワンゴ 伴氏:
 島という形で関連作品を増やしていっても,美少女コンテンツワールドの顧客には限界があるとは思うのですが,それでも作品の増加につれて顧客の母数は増えていくと思います。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 会員数については,ワールド内における二次著作物の効果にも期待しています。

4Gamer:
 そこは確かに,普通のゲームにはない魅力ですね。一方,潜在的な顧客層の規模を30万人前後と見ているそうですが,これはどういった基準で想定した数字でしょうか?

ドワンゴ 伴氏:
 美少女コンテンツに現在お金を払っている人の総数として想定した数字です。のべではなく実数で,PCの美少女ゲームを買っている人の総数が,それくらいではないかと。
 パッケージソフトを買う場合と,Webサービスを利用する場合では,ちょっと変わってくるとは思っています。そこで二次著作物を通じてライトオタク層を取り込む仕組みも,別のところで作れているので,増えてはいくものと思います。

4Gamer:
 テレビアニメにしたら,ターゲットが広がったというのと,同じ理屈だと。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 ゲーム本編をプレイしているのは,最も濃いところですからね。そのうえに,アニメだけは見ていますよ,興味はあるけどまだ,といったファンもいるはずですから。
 ついこの間,「CLANNAD」のPSP版を出したんですけど,正直「まだこんなに買ってもらえるんだ」という感じで,びっくりしました。PC,プレイステーション2,Xboxといろいろ出してきたんですが,フタを開けてみると,買ってもらえました。
 やはり,アニメから入ったファンの方が多いのかな,とも感じましたので。

4Gamer:
 PC版「Full Voice」もセールスはかなり好調だったとか。いや,そういうもんなんだと,あらためてびっくりしました。こりゃ,インタビューではキャラクターボイスについてお聞きしなきゃ,って感じだったんですけど。

ビジュアルアーツ 丘野氏:
 やはり,ライトなところから入ってくる人が多いなあという印象がありますね。

4Gamer:
 では最後になりますが,「ai sp@ce」にかける意気込みを,それぞれのお立場からお願いします。


ビジュアルアーツ 丘野氏:
 発信したいという人も,ゲームのより深い部分を知りたいという人も,楽しんでいただけるサービスだと思いますので,僕自身,一プレイヤー/ユーザーとして期待しています。

ドワンゴ 伴氏:
 まだお伝えしていないことがけっこういっぱいあるので,今後の発表などに注目していただけると,新しいメタバースだということが分かっていただけるのではないかと思います。今後ともぜひご注目ください。

ヘッドロック 高屋敷氏:
 ウチはいままでMMORPGしか作っておらず,この種のコンテンツを作るのは初めてです。かなりいろいろ考えて,ほかにもあったオファーの中からこれを選んで挑戦していますから,かなり頑張っているつもりです。日本に数少ないオンラインゲーム開発会社としての答えを,なんとか出したいと思っています。
 ご承知のように,日本ではあまりバーチャルワールドサービスが振るいません。そこを打破できるものにまとめ上げていきたい。ユーザーさんに何かを作ることの楽しさを,分かってもらえるようなサービスにしていきたいと思います。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。


 運営会社の人に「まだ話してないことがいっぱいあります」と言われてしまうと,そもそもここで話をまとめてよいものかどうか悩むわけなのだが,実際今回聞けた話だけでも,新しい情報や興味深い話が多々含まれている。
 とくに注目すべきは,ゲーム内におけるユーザークリエイトコンテンツの販売に関して,きちんとしたコントロールを前提にシステムを考えているあたりだ。コンテンツの流通に必ずシステムを介し,ユーザーによる複製とユーザー間の直接取り引きを(全面的にかどうかは不明ながら)排したあたりからは,流通関係に詳しい人達がきっちり考えて作っていることが感じられる。
 デジタルコンテンツは,複製の容易な著作物である点が厄介なのであって,それは現存する法規ではうまく捉えられない性質が強い。なんとなれば,現行法は「物」自体の移転をもって売買なり贈与なりと捉える,旧来的な概念をベースに組まれているからだ。1個手に入れれば,正当な権利者の意思と関係なく100個にも1000個にも殖やしてバラまける技術の世界には,それにふさわしい独自のシステムが必要だろう。

 ライセンサー各社の本業が,そうした被害を長らく蒙ってきている,キャラクターゲームと関連グッズの世界にあることを忘れるべきではない。それを意識したとき,「ai sp@ce」で実現しているのは,彼らなりに考えた“あるべきデジタルコンテンツ流通の姿”を,ある程度形にしたものに見えてくる。「ai sp@ce」自体は彼らの作品の派生物にすぎないともいえるが,そこで構想されている形は,現実に対するオルタナティヴ(対案),現実の変化を先取りする存在という意味でも,まさしくバーチャルワールドなのだ。

 とまあ,いつものように観念的な価値を強調してしまったが,キャラドルとまったり愉快に過ごせる「ai sp@ce」は,この夏にサービスインする。楽しみに待っていてほしい。

「ai sp@ce」(アイスペース)公式サイトへ

  • 関連タイトル:

    ai sp@ce

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