“運営する側”として体験できるのが,ベルギー・アントワープのインディースタジオBiteMe Gamesが手がける「MMO98」だ。
2026年10月3日と4日に大阪・コングレスクエア グラングリーン大阪で開催されたインディーゲームイベント「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026」(以下,OIGS 2026)で,同スタジオは発売中の「MMO98」と,開発中の新作「Silicon Architect」の2タイトルを出展していた。
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90年代風デスクトップで,小さなMMOスタジオを世界一へ
「MMO98」は,小さなMMO開発スタジオを世界一のゲームスタジオへと成長させていくインクリメンタル(放置系)シミュレーションだ。2026年4月20日にSteamで発売されており,日本語にも対応している。
ゲーム画面は,その名のとおり90年代のパソコンのデスクトップを思わせるデザイン。ゲームの状況を表示するウィンドウ,プレイヤーのチャットが流れる「IRC」,サーバーノードを購入する「運営」,各種数値をまとめた「統計」などのウィンドウが並び,画面の隅では帽子をかぶった小人のキャラクターがこちらを見守っている。
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プレイヤーは自社のMMOをリリースし,その収益をサーバーインフラに再投資して,増え続けるプレイヤーを受け止められるようにしていく。サーバー負荷やプレイヤー数はグラフでリアルタイムに表示され,負荷が高まればゲームの品質にも影響が出る。
思わずニヤリとしてしまうのが,IRCウィンドウに流れるプレイヤーたちのチャットだ。「マナポバグってる?俺だけ?」「今夜は鯖がパンパンだな,最高」「振り直したけどゴミビルドになった :(」といった,どこかで見たようなMMOプレイヤーの声が次々と流れてくる。
数値を管理しているだけなのに,自分のゲームを遊んでいる人たちの存在が感じられる演出だ。
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バグはデバッガで直接潰す。続編を出せば強くてニューゲーム
MMOの運営につきものなのがバグだ。
本作では,「デバッガ」画面で16進数のダンプから正しい並びを見つけてパッチを作成し,適用することでバグの数を減らしていく。
放置系のゲームでありながら,こうした手を動かす要素がいいアクセントになっている。
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ある程度スタジオが成長したら,「続編」の開発に着手できる。
企画,アート,ネットコードの進捗を進めて続編を発表すると,それまでのアップグレードはリセットされるが,スタジオの能力は強化されていく。
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さらに「研究」では,マネタイズや開発,パフォーマンス,スタジオ,財務といった分野の強化を研究できる。
マネタイズの項目に「ビッグ4コンサル」「初日DLC」「ライブサービス」などが並んでいるあたりも,ゲーム業界を知る人ほどニヤリとできるポイントだろう。
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次はWindows XP風の画面でCPUを設計する「Silicon Architect」
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98の次に当たるのが,もちろんXPだ。それが,同時に出展されていた新作「Silicon Architect」だ。看板も張り紙もなんにもないので,この手のイベントあるあるの,ただの放置されたデモ機かと思ってしまった。
「Silicon Architect」は,Windows XP風のUIで遊ぶインクリメンタルなハードウェアエンジニアリングゲームだ。プレイヤーはCPUエンジニアとなり,コンポーネントを組み合わせて自分だけのCPUを設計していく。
画面は「CPU設計」「研究」「ベンチマーク」「ソケット刷新」の4つのタブで構成されていて,MMO98と同じく,懐かしいOSのウィンドウを行き来しながら遊ぶスタイルだ。
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コアを並べ,熱と戦い,ベンチマークを回す
CPU設計の画面では,左側のリストからコンポーネントを選び,中央のグリッドに配置していく。
コンポーネントには,コアのほかL1/L2キャッシュ,接続したコアのクロックを引き上げるALU,隣接するコアをオーバークロックする代わりに消費電力が増えるクロックジェネレータ,消費電力を抑えるVRM,隣接するコアに2つ目の処理を実行させるスレッドなどがあり,どれを“どこに”置くかで性能が変わる。
ポイントは,ほとんどのパーツが隣接するコアに効果を及ぼすこと。性能を求めてパーツを詰め込むほど,消費電力(TDP)と発熱も増えていく。
画面右側の設計仕様には,ベースクロックやブーストクロック,IPC,TDPと並んで冷却性能が表示されていて,放熱パーツをうまく配置しないと,せっかくのCPUも熱でクロックが落ちてしまう。
性能と熱のバランスを取りながらレイアウトを詰めていく作業は,まさにCPUの“デバッグ”そのものだ。ちなみにソケット名は「LGA793」。PCに詳しい人ならニヤリとする命名だろう。
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組み上げたCPUは,ベンチマークにかけて実力を確かめる。
ベンチマークは「シングルコア」「生産性」「安定性」といったカテゴリに分かれ,「SiliconBake」「Thermal Buster」など,名前からして過酷そうなテストが並ぶ。
テストを実行すると,クロックと温度の推移がグラフで表示され,どこで熱に負けてクロックが落ちたのかがひと目で分かる。
ベンチマークを回すと,合格でも失敗でも“テレメトリー”(計測データ)が手に入る。これと資金を使って「研究」タブのツリーを進め,コアのIPCを最適化するといった強化を解放していく。
組んで,測って,改良して,また測る。MMO98でバグと向き合いながらサーバーを増強していったのと同じく,エンジニアの試行錯誤そのものがゲームの気持ちよさになっている。
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新ソケットのリリースで世代交代
「ソケット刷新」タブでは,テストの自動化や放熱の強化といったアップグレード,L1キャッシュなどの新コンポーネントを資金とテレメトリーで解放できる。
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ステータスバーの隅には,MMO98で画面の隅にいた小人のキャラクターの姿も。2作が同じスタジオの“OSゲーム”としてつながっていることを感じさせる,ちょっとうれしい共通点だ。
Steamストアページによれば,ベンチマークのオンラインランキングも用意されるほか,BGMはジャングル/ドラムンベースとのこと。
BiteMe Gamesによると,SteamではOIGS 2026の試遊版に近い内容の体験版が配信中で,10月の「Steam Next Fest」にも参加予定だ。
製品版は2027年1月末の発売を予定しており,価格は699円。発売時には10%オフの629円で購入できるという。日本語にも対応しているので,気になる人はまず体験版で自分だけのCPUを組んでみてはいかがだろうか。
90年代のデスクトップでMMOを運営する「MMO98」と,XP風の画面でCPUを作る「Silicon Architect」。どちらも懐かしいOSの見た目に,現代のインクリメンタルゲームの手触りを組み合わせた作品だ。あの頃のパソコンに思い入れがある人は,ぜひチェックしてみてほしい。


















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