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インディーズゲームの小部屋:Room#690「Critters for Sale」
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印刷2021/07/07 10:00

連載

インディーズゲームの小部屋:Room#690「Critters for Sale」



 先日,たまたまいつもと違う道を通ったら,家の近くでペインキラーという名のヘヴィメタルバーを発見してしまって気が気ではない筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第690回は,Sonosheeの「Critters for Sale」を紹介する。本作は,人知を超えた恐怖に遭遇した主人公達を描いた,オムニバス形式のホラーアドベンチャーだ。ジューダス・プリーストファンとしては黙って見過ごせないので,コロナが落ち着いたら絶対に飲みに行くぞ!

画像集#002のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#690「Critters for Sale」

 本作は,異なる時代や場所を舞台にした,5つのショートストーリーで構成されるポイント&クリックアドベンチャー。ゲームには「蛇」「羊」「猿」「蜘蛛」「龍」の5つの章があり,好きな順番でプレイできる。このうち,「猿」と「龍」の章はエンディングが1つしかないが,そのほかの章には複数のエンディングがあり,プレイヤーの選択によって結末が変化する。また,「龍」の章では一部の謎解きがほかの章と関連しているので,最後にプレイすることをお勧めしたい。

画像集#004のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#690「Critters for Sale」

 画面を一目見ただけで分かるとおり,本作最大の特徴は白黒の2色で描かれた,ざらついたトーンのグラフィックス。これだけでも不穏な空気を感じさせるが,本作のテーマとなっているのは,悪魔崇拝,黒魔術,輪廻転生,タイムトラベル,異星人といったオカルトの定番で,各章の主人公はそれぞれ,人知を超えた恐怖や抗いようのない悪意に翻弄されることになる。

画像集#006のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#690「Critters for Sale」

 各章のタイトルには何かしらの生き物の名前が付けられているが,とくにそれにちなんだストーリーというわけではなく,はっきりとした目的が示されないことも多い。ただし,複数のエンディングがある章では,主人公の生存が一応の目的であると言える。各章は1周20〜30分のボリュームで,選択肢によって分岐するさまざまな状況を,短編小説を読むように楽しむ作風だ。

画像集#011のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#690「Critters for Sale」

 そして肝心のストーリーはと言うと,これがまた実に理不尽で不気味な形容しがたいもので,日常と紙一重のところに邪悪な何かが潜んでいるという恐怖や不安は,どことなくクトゥルフ神話を思わせる。各章の主人公達は,異なる次元や時間軸の存在に遭遇したり,悪魔めいた陰謀に巻き込まれたり,思わぬ形で世界滅亡の片棒を担がされたりし,そのたびにプレイヤーは言葉にできない恐怖を味わうことになる。


 ノイジーでサイケデリックな音楽も強烈で,神や悪魔や超次元的な存在から見れば,人間なんて“叩き売り中の生き物(Critters for Sale)”ほどのちっぽけな存在だと感じさせる本作。現時点では英語のみだが,近い将来に日本語が追加される予定とのことなので,ラヴクラフト的なコズミックホラーやオカルトが好きな人は,今後の情報から目を離さないでおこう。そんな本作はSteamにて,1010円で発売中だ。

■「Critters for Sale」Steamストアページ
https://store.steampowered.com/app/1078420/Critters_for_Sale/

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