インディーズゲームの小部屋：Room＃439「Anarcute」

　昔，好きだったバンドがいつの間にか再結成していたのを最近知った筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第439回は，Anarteamが開発した「Anarcute」を紹介する。本作は，可愛らしい動物達が悪の組織を相手に集団で大暴れするという，アナーキーでキュートなアクションゲームだ。それにしても，20年ぶりの再結成とか，二重の意味でびっくり。もうそんなに経ってるのか……。


　本作は，世界の平和を守るために立ち上がったキュートな動物達を操作して，東京やパリなどの大都市で暴動を起こすというアクションゲーム。詳しいストーリーは説明されないが，この世界では「洗脳警察」と呼ばれる組織が世界各地の大都市を支配しており，動物達はその支配を覆すために立ち上がったのだ。


　個々の力は弱い動物達だが，数が増えれば脅威になるということで，本作では暴動に参加した動物の集団を操作して洗脳警察に立ち向かっていく。ステージによって異なるが，まずは5匹くらいの小グループを操作できるので，街のあちこちにある檻に捕らわれている仲間を救出して数を増やしながら洗脳警察と戦おう。グループの人数がそのままプレイヤーの体力となっており，最後の一匹が倒されてしまうとゲームオーバーだ。


　動物達は，街灯やベンチ，ごみ箱や自転車など，街中にあるさまざまなモノを拾って武器にすることができ，それを投げつけて攻撃できる。もちろん，数に任せて殴りかかってもいいが，接近戦は味方が倒されてしまうリスクがあるので，まずは手当たり次第にモノを拾い，それを使ってなるべく遠距離から攻撃するといいだろう。


　また，集団の人数が一定数に達するごとに，衝撃波で敵を吹き飛ばして気絶させたり，ビルを破壊して敵を下敷きにしたりといった特殊なアクションが起こせるようになるので，仲間はなるべく大事にしたいところ。これらのアクションは，ステージをクリアした際にもらえるコインを使って購入可能で，ステージ開始前にどれを使うかを自由に選択できる。

　このほかに，街中で仲間を救出すると，暴動に加わる動物の種類が増えていくというコレクション要素もあり，これを集めるのも楽しみの一つ。ネコやクロコダイルやゾウといった動物から，コイやタコなど，どう考えても陸上で活動するのに向いてない生き物まで，さまざまな動物が仲間になってくれる。


　非常にキュートな見た目の本作だが，数に任せて力押しするだけでは勝てない，なかなかハードなゲームバランスになっており，遊びごたえも十分。可愛らしい動物達が入り乱れて戦うゴチャキャラバトルを見ているだけでも楽しいゲームで，日本語ローカライズにも対応しているので，興味を持った人はぜひどうぞ。そんな本作は，Steamにて1480円で発売中だ。

■「Anarcute」公式サイト

http://anarcute.com/