連載
インディーズゲームの小部屋:Room#91「Squid Yes! Not So Octopus! Squid Harder!」
でもまあ本作の場合,イカでもタコでも,正直どっちでもいい。そもそもストーリーからして「2009年,誰かがゲームを作りました。そのゲームはSYNSO: Squid Harderという名前で,まあまあの出来でした。おしまい」という,身もフタもないものなのだ。深く考えてはいけない。
ゲームそのものは,20年くらい前のゲームセンターに置いてありそうな固定画面シューティングで,四方八方から押し寄せてくる敵をひたすら撃ち落していくという単純明快なもの。操作もやたらと簡単で,方向キーで自キャラクターを動かし,Spaceバーで弾を撃つだけ。パワーアップアイテムや得点アイテムなども一切ない。しかし,これが滅法面白いのだ。
本作では四つのワールドが用意され,ワールド1では1分間,ワールド2では2分間,ワールド3では……と,ワールドごとに1〜4分間生き残るのが目的となっている。自由にワールドを選んでゲームを開始し,一定時間生き残ればクリア,一度でもミスをするとゲームオーバーだ。志半ばでやられてしまうと“イカマゲドン”が発生したことになり,生き延びた時間とスコアが表示される。“イカマゲドン”が何かについては聞かないように。
最長でも4分で一プレイが終わる本作だが,決して物足りないということはない。むしろ本作をプレイすると,1分間が信じられないほど長く感じられるのではないだろうか。少しでも気を抜くと,目も眩むような爆風であっという間に自機を見失ってしまうため,プレイ中はかなりの集中力が要求されるのだ。
本作について,語るべきことはそれほど多くない。しかし本作には,ともすれば忘れてしまいがちな,ゲーマーの本能に訴えかけてくるような“ゲームの楽しさ”がギュッと詰め込まれている。言葉はいらない。ただ遊んでほしい。……いま何かカッコいいことを書いてしまった気がするが,要するにうまく表現できなくてごまかしただけ,なんてことは全然ありませんですことよ!
動揺のあまり思わず声(?)が裏返ってしまったが,テクニック的な話をするならば,どのワールドでも敵の出現パターンは毎回一定で,出現時にはフィールドが点滅して位置とタイミングを教えてくれること,出現した敵を早く倒すほどスコアが高くなることを挙げることもできる。だがそんなことは気にせずに,小気味いい爆発音と画面全体を埋め尽くすネオンの閃光に,思う存分身を任せてほしい。興味を持った人は下記のサイトにアクセスして,ゲームをダウンロードしてみよう。
■「Squid Yes! Not So Octopus! Squid Harder!」ダウンロード
http://www.moddb.com/games/squid-yes-not-so-octopusMusic by Spintronic
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