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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第620回「自分が知らなくても面白いもんは世の中にいっぱいある」
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印刷2021/02/18 11:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第620回「自分が知らなくても面白いもんは世の中にいっぱいある」

画像集#001のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第620回「自分が知らなくても面白いもんは世の中にいっぱいある」

著者近影
画像集#002のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第620回「自分が知らなくても面白いもんは世の中にいっぱいある」
 いきなりなんだけども,“知らない=面白くない”ではないのですよ。自分が知っているから楽しく感じるものって世の中にいっぱいありまして。同じ会話をするのでも,知っている人との会話と知らない人との会話では,知っている人との会話のほうが基本的には楽しいのね。
 いわゆる“内輪受け”っていうのもコレで,知っている仲間内では面白いけど,輪の外から見た人には何のこと分からないような状態なのです。内輪受けってどちらかと言えばネガティブな使われ方をする言葉だけど,実は私は内輪受けが悪いとは思っていなくて。輪の内側の人がそれで笑顔になれるなら,それでいいじゃないと思っているのよね。
 ただ,私みたいに人前に出て何かを伝えるタイプの特殊な職業に就いている場合は,そこら辺の塩梅が難しいところで。あ,ごあいさつが遅れました。私,プロレスラーとして活動させてもらってます,男色ディーノと申します。
 話は戻りまして内輪受けの話なんだけど。私はエンターテイメントって,世の中に対して輪を提供するものだと思っているのですね。で,それって輪の内側の人を喜ばせることで成り立っているんだけど,じゃあそれを事業として継続しようとなった場合は,その輪を広げていかなければならないのですよ。輪を広げるためには,輪の外側にいる人にも興味を持ってもらわなきゃいけない。
 もうすでに大きな輪である場合は,その輪のサイズを守っていればいいのかもしれないけど,私のような中小規模の団体に所属するプロレスラーだと,とくに輪を広げないと行き詰まってしまう。要するに,提供するエンターテイメントを輪の内側にいる人に向けて,皆が知っている前提で展開するのか,外から見ている人にも向けて展開するのか。ここが悩みどころなわけです。プロレスを始めてから,常に。
 ちなみに言っておくと,私はまったく内輪向けじゃないエンターテイメントって,世の中にあまりないと思っているのね。誰かに向けて何か行うとすれば,その時点で輪をかけたことになるから。その輪の中の人に向けて何かをやるんだから,それって結局,規模が大きくなったとしても内輪なのよ。ちょっと言葉遊びっぽい話法だけどね。
 まあ,世の中のエンターテイメントをすべて知っているわけじゃないし,極めてレアなケースがあるかもしれないからすべてとは言わない。ただ,誰かに向けて行うものは,すなわち輪の内側に向けたものになるって話です。だから,私は内輪受けそのものは悪いことじゃないと思っているの。

 ただ,ここからですよ。知らない人が見ても面白いと感じるかどうか。ここがエンターテイメントの勝負どころなのかなと,私は思っているのです。で,冒頭で話したとおり,知っているかどうかっていうのはエンターテイメントにおいて非常に大きなファクターなのですね。
 例えば,私が誰かにカンチョーされたとする。私を知らない人にしてみれば,ただカンチョーされたおっさんを見ただけ。一方で,私がケツの穴にやけどを負っているってことを知っている人が見たら,ものすごいダメージを負わされているおっさんを目撃したことになるの。
 で,このカンチョーの威力を最大限伝えるには,事前に知ってもらうか,知っているか知らないかは関係なく初めて見ても引くほどのものすごいカンチョーを食らうか,しかないわけです。つまり何が言いたいかというと,昨年末に激闘の末に負った私のケツの穴のやけどの痕が治らねえってこと。そしてもう一つおまけに言うならば,知名度は武器だってこと。
 エンターテイメント産業に従事している以上,知ってもらうに越したことはない。でも,知られていないからといって,それが面白くないかといえばそうでもない。知らなくても「知らないけどなんかやってんな」って気になるようなことをし続けなければ,輪が広がらない。そう思っておる次第です。

画像集#003のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第620回「自分が知らなくても面白いもんは世の中にいっぱいある」
 で,ここから私は謝らねばなりません。たまにこの連載で謝ることがあるけども,今回もそれ。見くびってました。「サッカークラブライフ プレイングマネージャー」PlayStation 4 / Nintendo Switch)を。略して,SCLPM? ……プレイングマネージャーでいいや。
 これ,私が大好きなシミュレーションゲイムで,これまた好きなサッカーを題材にしたゲイムだからプレイしてみたのね。とくに期待はせずに。だって,選手は実名じゃないし,もちろんクラブも実名じゃない。何なら舞台は日本でもない。言うなれば,知らない人やクラブを運営するわけですよ。そんなもん,どうやって感情移入すりゃいいんだ? って思いながらプレイを始めたの。そしたら。これがまあ面白い。ホント,申し訳ありませんでした。
 上記のコンセプトのゲイムだったら,ぶっちゃけた話「簡易版『サカつく』でしょ?」みたいな印象を持つと思う。でも,運営シチュエーションとかは似ているけど,面白み自体はまったくの別モノよ,コレ。サカつくって,言うなれば,選手やクラブを知っているがゆえに面白い部分ってあるじゃない。もちろん,知らなくても面白いんだけど,知っているとより面白い。

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 でも,このプレイングマネージャーは,まったく名前が頭に入ってこないのよ。選手の名前も,スタッフの名前も。プレイしているうちに,ひいきの選手は出てくるわよ。でも,名前をしっかりと覚えるまでには至らない。ここがすごい。ホント,誤解を恐れず言えばダビスタっぽい。自家生産馬の名前,全部覚えないでしょ? たまに生まれる強い馬は覚えるけども,自分の牧場からいなくなったら忘れてしまいがち。それくらいの感覚。
 何ならプレイングマネージャーのほうが,自分で名前を付けられない分,より覚えていない。それでも面白いのはなぜか。選手に感情移入できない分,クラブに愛着が沸くからなんでしょうね。
 ホント,ダビスタ感覚でゲイムを進めちゃえるのよ。それでいて,試合への介入もできるの。自分の攻撃のときだけ指示できて,要するに,どれだけフリーの状態でシュートを打てるかの操作をするんだけど,難しすぎず単純すぎずでちょうどいい。試合スキップはないけれども,それでも試合が煩わしく感じないのってすごいなと思う。逆に,試合スキップができたらクラブへの愛着はこんなに持てないのかもね。
 とにかく,ものすごく絶妙なバランスで成り立っている面白さ。さすがにサッカーそのものが好きじゃないと面白くは感じづらいとは思うけど,サッカーが好きならプレイしてみてほしいわ。何かよく分かんないけど面白いよ。

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 いや,このゲイムにはホントに考えさせられ,反省させられたわ。「このゲイム,知らないから面白くないんだろ」って思い込んでしまっていたからね。私も知られていない立場なのに。むしろ知られていない気持ちのほうを知っているはずなのに。
 自分が知らなくても面白いもんは世の中にいっぱいある。そして,自分も面白くありたい。輪を広げたい。輪にはいろんな要素や人があるわ。輪の内側を喜ばせることに注力する人がいてもいいし,そちらはその人に任せて輪を広げる役割の人がいてもいい。提供したものに対価を支払ってくれるのは,主に輪の内側の人で,その声をないがしろにしてはいけない。ただ,それと同じくらい輪の外側の人に興味を持ってもらって,輪の内側に入ってきてもらうことも大切
 私事で恐縮ですが,プロレス団体ってチームなんですよ。内輪も外輪も。なるべく私にできることで,プロレスがもっと広がればいいなあと思った今週でした。ありがとう,サッカークラブライフ プレイングマネージャー。私も頑張るよ。ではまた来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE」「Bloodstained: Ritual of the Night
Nintendo Switch:「ダービースタリオン」「eBASEBALLパワフルプロ野球2020」「砂の国の宮廷鍛冶屋
iOS:「龍が如く ONLINE
iOS:「ハンドレッドソウル
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,今週末の2月20日に東京・成増アクトホール大会「僕たち9度目の成増大会になります!2021」を,翌21日に群馬・YAMADAグリーンドーム前橋サブイベントエリア大会「DDTはまだ群馬を知らない2021」を,そして23日には愛知・名古屋国際会議場大会「友情、努力、勝利 in NAGOYA 2021」を開催します。ディーノ選手は成増大会では高木三四郎選手とのタッグで,彰人選手&平田一喜選手と対戦。前橋大会では平田一喜選手と大鷲 透選手との3WAYマッチ。そして名古屋大会では高木三四郎選手&HARASHIMA選手とのタッグで,彰人選手&平田一喜選手&翔太選手が持つKO-D6人タッグ選手権のベルトに挑戦します。このタイトルマッチについてディーノ選手は「体力的なピークは過ぎているかもしれないけど,プロレスってそれだけじゃないっていうのは,ここ最近の流れだからね」と不敵な笑みを浮かべていました。
  • 関連タイトル:

    サッカークラブライフ プレイングマネージャー

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