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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第193回「透明人間と戦う前に」
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私は日本武道館のセミファイナルで透明人間と戦うわよ。
意味が分からないとか,どういうこと? って思った人は,ちょっとDDTの公式サイトなどを調べてみるといいわ。本当だから。
小さい頃からゲイムが好きで,ゲイムと共に大きくなって,プロレスラーという職業に就いてもゲイムが好きで,ついに日本武道館で試合できる機会を得て,そんな舞台で対戦する相手が透明人間。まるでゲイム。ラスボスが目に見えないという。心で見なければ見えないという。ナニこのゲイムっぽさ。タイムリーに透明人間が出てくるようなゲイムも発表されてるっていうのも,また私の後押しをしてくれているというか! どうですか,このゲイム好きっぷリ。イヤ,別にラストってわけじゃないんだけどね。ゲイム好きが高じすぎて,こうなっちゃいましたって話です。
乱暴なことを言ってしまうとね,私,人生はゲイムだと思ってるの。「出会えて良かった」をいっぱい集めるゲイム。もちろん,ヤり直しはきかないうえに,命がけではあるんだけども。ここで言う「出会えて良かった」は人だけじゃないわよ。自分が高揚する瞬間であったり,影響を受けまくるマンガであったり,それこそずっとプレイしてられるゲイムであったり。「出会えて良かった」って思える瞬間をいっぱい集めることで,生きている実感に浸れるわけね。
では,どこでどうやったら「出会えて良かった」は見つかるのか。そりゃまあ人によってまちまちだけども,自分が好きなジャンルに触れているときは,見つけやすいと思うのよね。だから私やこの4Gamerを読んでいるような人の場合は,きっとゲイムをプレイしているときに多く感じるのでしょう。
……私がゲイムが好きだから「いい瞬間に出会えてよかった」と思うのか,いい瞬間に多く出会えるからゲイムが好きなのかはよく分からない。まあ,どっちでもいいや。
ともかく,私はゲイムが好き。で,好きなゲイムの要素をプロレスにも盛り込みたい。結果,日本武道館という晴れ舞台で透明人間と戦うことになった。そういうことなのね。うん,我ながらそれっぽいことを言えた! ヤればできるわね私!
……で,なんでこんなにゲイムとプロレスを結びつけているかというと。それはまさに時期的なものに理由があるのです。イヤ,今週土曜日に日本武道館で試合があるっていうことではなくてね。ぶっちゃけて言ってしまうと,この原稿を書いているのは世間様ではお盆の真っ最中。オリンピックも終わっちまったタイミングなのよ。
ということは,ゲイムメーカーも夏休みだったりするわけで,私がヤったゲイムを紹介したところでメーカーさんからゲイム画面の写真をもらえないのね。だから,具体的なゲイムを紹介できないのよ。あとぶっちゃけていうと,〆切を大幅に過ぎた段階でこの原稿を書いていたりするっていう事情もあって。
イヤ,いいのよ? 「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」のオフラインモードはめちゃくちゃ面白いんだけど,もうクリアしてしまって,あとはオンラインで楽しむしかないのかなぁってこととか,「プロレスラーは拳と拳で会話する」的なことをカッコ良さげによく言うんだけど,それって実は一般的なコミュニケーション能力に不安があるだけであって,オンラインの世界に身を投じたらコミュニケーション能力に難があるという事実がバレちゃうかもしれないからどうしよう? でもせっかくだからやろうかなぁとか,いろいろ思ってることは書けなくもない。
私はドラクエを信じているし,そのドラクエが「オンラインで楽しめ」って言うなら,それを信じるしかない。なぜならドラクエは私に,「ヤってよかった」をこれまでいっぱい提供してくれた実績があるゲイムだからね。「疑う」と「信じる」は相反することではないのよ。「信じる」ために一度「疑う」の。疑った先に,相手を信じる強い心が芽生えるのよ。……って「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」のゲイム内で言ってた。
そういえば,スーパーダンガンロンパ2もクリアしたわよ。前作同様,「絶望」と「希望」が描れているんだけど,最終的には前作よりも希望成分が多いと感じたわ。そして,絶望と希望のように一見対極にあるように感じられるものも,よく見ると隣り合わせに存在してたりするってことが言いたいのかな? と,私個人は解釈したわ。
でまあ,お盆スペシャルってことで大ざっぱな話に戻すと。ゲイム好きはプロレスを見ろ,と。プロレスに興味が無い人こそプロレスを見ろ,と。そう私は言いたいわけであります。
というのもね,先日コミケに行って,世の中は国民総表現者化が進み,1億総クリエイター時代に突入しつつあるなと思ったの。コミケって,同人作品が多く出品されているわけじゃない。それは昔からあった文化だから,それ自体に変化はない。でも,そんな昔変わらぬコミケの空間の中でも,自分の表現をする人が増えているのよ。コスプレがそうでしょう。痛車もそう。写メで撮ってそれを情報として発信したり,逆に他人の情報を受け取ることもできる。
何年も前から言われていることだけど,コミケはもはや単純な同人作品をやりとりする場ではなくなってるのよね。個人が発信したものを受け取る場。つまり,リアルの世界の大きなコミュニケーションのステージであり,そのスケールが,とても大きくなっている。
これは,ブログやTwitterなんかのソーシャルメディアで個を発信できる土壌が整ってきたことも関係していると思うの。面白いことを考えついたら,それを文字や画像で形にして世の中に発信できる。大きく言ってしまうと,その発信主はもはやクリエイターと呼んでも差し支えない。こうして,今,世の中にクリエイターが増えているってわけね。
そこで,プロレスなんですよ。もともとね,エンターテイメントのクリエイターは,プロレス的な考え方ができないとモノを作ることはできないの。これは断言してもいい。勘違いの無いように補足すると,クリエイターがみんなプロレス好きってことでもないし,逆にプロレスが好きでなきゃクリエイターじゃないなんて傲慢極まることを言ってるわけじゃない。プロレスの仕組みがとてもクリエイティブだってことが言いたいのね。
例えば,基本的にプロレスは面白くないといけないのね。投げ技一つとってみても,見ている人にスゲー! って思わせないといけない。いくら相手にダメージを与えることができる投げ技でも,見ている人がスゲー! って思わなければ,その投げ技にはエンターテイメントとしての効果がないわけです。投げ技として効果があったとしても,それだけの効果に甘んじるのなら,プロレスはそれを良しとしない。
プロレスって,計算された面白いものが多く積み重なって成立しているの。もちろん,偶然が生み出す面白さも内包されているんだけどね。
でも,これってゲイムでも同じなのよ。グラフィックスが凄くキレイ,キャラクターもスムーズに動く。でも面白くないと意味がない。データ容量がとてつもない! 新しいゲイムエンジンを開発することに成功! 総製作費100億円! 豪華声優陣を起用! でも面白くない……これじゃ意味がないわけ。そういうことなんです。
もちろん,面白いと感じるかどうかなんて人それぞれよ。でも,それはどのターゲット層を狙うかというマーケティングの問題。特定のジャンルではなく,エンターテイメントという大枠で考えた場合,基本的にはどれだけ多くの人の心に引っ掛けられるか,印象に残せるかっていうのが重要なのよ。
で,1億総クリエイターとも言えるこの時代にこそ,プロレスを見てほしいし,ゲイムをプレイしてほしいなーって思うの。そしてそこで思ったことを,面白いツイートなりBlogなりにしてほしい。ほら,発信する人ってみんな,自分が他人から「面白い人」って思われたい欲を多かれ少なかれ持っていると思うのよ。それ自体は悪くないどころか,いいことよね? だって,面白い人が増えたほうが面白い世の中になるはずだから。
ならばこそ,私が8月18日の日本武道館で透明人間と戦うこっけいな姿をね,ぜひ見てほしいなーなんて。そして見たことをアレすれば,面白い人になれるかもよ? 一応私もプロなんで,それなりのものを見せるつもりでいるしね! もし来週のこの連載が更新されなかった場合は,……うん,謎の失踪中だと思ってもらって間違いないわね。
まあ,すでにほかの予定が入っている人は,その予定を一生懸命こなすがよろし。でも,その日なーんにもヤることが無いって人は,ぜひ日本武道館へ! 「出会って良かった」を見つけることができるかもしれないわよ?
そんな感じで今週は連載を利用した告知でした。これぞステルスしないマーケティングね。潜らない分,潔いでしょう? それではまた来週! ……失踪していなければ!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「アーシャのアトリエ〜黄昏の大地の錬金術士〜」
PlayStation Vita:「実況パワフルプロ野球2012」
PSP:「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」
Wii:「零 〜眞紅の蝶〜」
ニンテンドー3DS:「ルーンファクトリー4」
Xbox 360:「トロピコ4 日本語版」
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