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全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載
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印刷2008/02/29 13:48

レビュー

2万円を超えるゲーマー向けキーボードに価値はあるのか

SteelSeries 7G

Text by 米田 聡

»  ゲーマー向けキーボードのなかには,店頭価格が1万円を超えるものも珍しくないが,1万円台の価格に慣れた人でも尻込みしそうな,2万円超という値付けで2008年3月5日に発売予定なのが,「SteelSeries 7G」だ。一見“ただの”英語フルキーボードだが,価格の根拠はどこにあるだろうか。


SteelSeries 7G
メーカー:SteelSeries
問い合わせ先:FragYou!
予想実売価格:2万2800円前後
画像(002)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載
 SteelSeriesは2007年末に,ゲーマー向けPC周辺機器5製品を一挙に発表したが,そのうちただ一つ,2007年内に発売されなかったのが,キーボード「SteelSeries 7G」だ。SteelSeriesによれば「生産上の都合」で,業界筋によれば「市場投入寸前でハードウェアの一部に不具合が見つかり,それを修正するために」延期を余儀なくされた同製品。別記事のとおり,2008年3月5日という発売日がついに設定されたわけだが,待たされただけの価値があるのか,そもそも予想実売価格で2万円超とされる売価は妥当なのかを,確かめてみたいと思う。


一見ただの英語フルキーボードだが

ただのキーボードにはないこだわりが随所に


 SteelSeries 7Gの外観は下に示したとおり。ぱっと見たところ,どこにでもある英語フルキーボードである。

英語104キー仕様となるSteelSeries 7G
画像(003)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載

 特筆すべき“追加の機能キー”はなく,LEDインジケータ類も最少限。ゲーマー向けキーボードとしては異例なほどシンプルである。そのうえ,キーカスタマイズ機能や特別なドライバも,ましてや設定ソフトもなく,ただPS/2(もしくは変換コネクタを利用してUSB 1.1)接続する仕様だ。「何かカスタマイズしたければゲーム側でやってくれ」ということなのだろう。

本体底面。四隅に滑り止めのゴムが貼られている
画像(004)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載
 さて,製品ボックスから取り出してまず驚かされるのがSteelSeries 7Gの重量である。底面積は450(W)×135(D)mmで,テンキーを備えるフルキー仕様としてはコンパクトなSteelSeries 7Gだが,剛性の確保と滑り止めのため,シャーシにスチールを採用していることもあって,ずっしりとした重さがある。公式なデータは明らかになっていないが,手持ちの秤で計測したところ,ケーブル込みで1295g。参考までにケーブルを秤からどかしてみても1189gで,ゆうに1kg超はある。この重さに加えて,底面には滑り止めのゴムが4個貼られており,相当手荒なキー操作を行っても,キーボードが動いてしまうことはまずない。

横から見るとかなりの勾配があるSteelSeries 7G。キーは階段状にカーブする,最も一般的な「シンドリカルステップスカルプチャー」配置となっている
画像(005)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載
 ……右上で示した底面の写真を見て,チルトスタンドがないことに気づいただろうか。この重量に堪えられるスタンドを付けられなかったから,というのも理由の一つではありそうだが,SteelSeries 7Gではチルトスタンドを装備せず,代わりに,“一般的なキーボードにおいてチルトスタンドを立てた程度”の高さが十分に確保されている。キーを除いた本体の高さは,手前側が21mm,奥側が35mmだ。

リストサポートパッドを取り付けた状態
画像(006)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載
 傾斜がキツいという場合には,付属のハンドレスト「リストサポートパッド」で対応できる。ハンドレストそのものの使い勝手はなかなか良好。ただ,非常に大きく,取り付けると幅は30mm増し,そして奥行きは115mm増しとなってしまうので,机上のスペースをかなり使ってしまう点は注意が必要といえる。
 また,本体とは対照的に,ハンドレストは軽いプラスチック製。しかも上から被せるだけの,非常に簡素なものだ。本体,ハンドレストとも表面はポピュラーなABS樹脂を採用しており,よくいえば素材感満点だが,大きなハンドレストを取り付けると,表面加工されていないABS樹脂にありがちな色むらが目立ち,安っぽい印象は否めない。

リストサポートパッドの表裏。底面には滑り止めのゴムが4個取り付けられている
画像(007)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載 画像(008)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載

キーボードから独立しているUSB 1.1ハブ機能と,ヘッドセット用になるアナログのサウンド入出力インタフェース(上)。本体から伸びる極太のケーブルは,途中でキーボード用のPS/2およびUSB,ミニピン×2と分かれる仕様だ(下)。世にも珍しい「PS/2をUSBに変換するアダプタ」によって,キーボードのUSB接続がサポートされている
画像(009)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載
画像(010)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載
 キーボードの“左奥”には,2ポートのUSB 1.1ハブと,ミニピンのマイク入力&ヘッドフォン出力端子が用意されている。ただし――詳細は後述するが――PS/2接続が推奨されているSteelSeries 7Gということもあって,このUSB 1.1ハブ機能とアナログのサウンド入出力は,キーボードケーブルから独立しており,それぞれ単独でPCと接続することになる。
 その結果,ケーブルは極めてゴツいものになった。アイロンやコタツの電源ケーブルを想起させる,太めの布巻ケーブルは,途中でキーボードとUSB 1.1ハブ,ミニピン×2の4系統に分かれる仕様で,なかなかコストがかかっている雰囲気。コネクタはすべて金メッキ(※18金だそうだ)済みで,これまた高級感がある。
 もっとも,先述した本体の仕上げと見比べるとバランスはよろしくない感じ。ケーブルが固いこともあって,ともするとケーブルに押されてハンドレストが浮き上がってしまうのも,安っぽくていただけない。

 もちろん,「ゲームと関係ない装飾を廃した質実剛健ぶり。これぞ硬派」ということも可能だ。接触不良を防止するコネクタの金メッキや耐久性のあるケーブルは確かに(ハードに使われることが多い)ゲーム用キーボードとして求められる要素だが,表面仕上げなどはどうでもいいということなのだろう。ただ本体の塗装にも,価格なりの高級感があってよかったようには思う。


キーのレスポンスは文句なし

“全部押し”に過度の期待は禁物だが,総じて秀逸


画像(011)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載
 使い勝手の評価に入ろう。SteelSeries 7Gは,定評のあるCherry Electrical Products製の“黒軸”キースイッチを採用している。同スイッチは,メカニカルだが打鍵音の少ないタイプで,公称5000万回のキー押下に耐えるとされるもの。押下圧は,全キーで共通して公称60gとやや大きく,押し込むにつれて圧が高まる印象がある。一般的なメンブレンスイッチを採用したキーボードを使い慣れている人には,やや重く感じられるかもしれない。スイッチは底付きがあって,押し下げるとカチっと底に当たるため,力強く打鍵するクセがある人は,指先に余計な負荷がかかって,必要以上に疲れたり,場合によっては指を痛めたりするので,この点は要注意だ。
 もっとも,標準的な4mmのストロークを持つスイッチは2mmほど押し込んだところで反応するようになっており,キーを完全に押し込む必要はない。慣れれば,軽く素早い打鍵操作が可能となる。

 なおキーピッチは19mmで,日本で売られているキーボードとしては標準的なサイズ。好みは人それぞれかもしれないが,個人的には,最も使いやすい大きさだ。

全キー同時押しは,もちろんテンキーをはじめ,特定機能を提供するキー群も対象。実際のゲームでは10キー同時押し対応すら必要かどうかは疑問で,やり過ぎの間もあるが,Razerのいう「Anti-Ghosting」対抗という意味では“分かりやすい”かもしれない
画像(012)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載
 キーといえば,SteelSeries 7Gが持つ大きな特徴の一つに,キーボード上にあるすべてのキーの同時押しに対応するというものがある。競合のRazerが複数キーの同時押しを「Anti-Ghosting」(アンチゴースティング)と呼んでいるのを捉えて,「Anti-Ghostingを再定義する」とまで豪語していたことから,気になっている人は多いと思われる。
 というわけで,(さすがに全キーは指の数からして物理的に無理だが)両手のひらで押せる限りのキーを押してみたところ,確かに反応する。10本の指を使って,さまざまな組み合わせで10キー同時押しを試みても見事に反応したので,全キー同時押しサポートは間違いなさそうだ。

 ただ,この全キー同時押しが機能するのはPS/2接続時のみ。付属のPS/2→USB変換アダプタを利用したUSB 1.1接続時だと,筆者がテストした限り,認識したのは最大6キーだった。6キーでも一般的なキーボードと比べれば多いほうだが,SteelSeries 7Gのポテンシャルをフルに引き出すには,PS/2接続が必要になる。

PS/2→USB変換アダプタに内蔵のマイクロコントローラは,ベンダID 0x04B4,プロダクトID 0x0101。つまりCypressのポピュラーなUSBロースピードモード用製品「CY7C63413」だ。筆者の記憶が確かなら,このコントローラはマウスでよく見かけるもので,キーボードでの採用例はあまりないような気がする
画像(013)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載
 なぜUSB接続時に全キー同時押しがサポートされないかというと,これはUSBのデータ転送方式に理由があるようだ。
 キーボードのデータ転送には「インタラプティブ転送」が使われるのだが,このモードで1度に送れるデータサイズは最大8Bytesしかない。キーボード内部でバッファリングしつつインタラプティブ転送の割り込み間隔を短くすることで対応できなくはないが,それでも体感できるラグ(=入力が途切れ途切れになる)が生じると思われる。一方のPS/2コネクタは単にキーボードのデータを送るだけなのでその種の問題は生じない,という理屈だ。

 話を戻そう。PS/2接続時における全キー同時押し対応のメリットだが,実際のゲームプレイで直接的にその効果を体感できるかというと,やや微妙といわざるを得ない。「Counter-Strike」の有名なプロクラン「SK Gaming」の代表である「SK.SpawN」が開発に深く関わるなど,基本的にはFPS用とされるSteelSeries 7Gなので,現時点で筆者が最も慣れ親しんでいるFPS,「Enemy Territory: Quake Wars」をプレイしてみたが,5キー以上の同時押しが求められる機会はほとんどないのである。

 その一方,「加速+移動キー押しながらジャンプ」などといった,コンビネーション操作を行ったときの反応は速く感じられる。Quake系のFPSをよくプレイする人には説明するまでもないが,このキーコンビネーションはトリックジャンプで常に使っているので,ほんの少しの違いも体感できる(はずだ)。筆者がゲームで常用しているのはPFU製の「Happy Hacking Keyboard Lite」(※PS/2接続,以下,HHKL)だが,それよりも反応は明らかにいい。

いい意味で何も考えずリロードできるのは,実際にゲームをプレイしていると大きなメリットがある
画像(016)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載
 HHKLとの違いはほかにもある。移動しながら武器をリロードしようと思ったとき,HHKLだと押すキーの組み合わせによっては反応しないため,一瞬立ち止まって(=[W/A/S/D]キーから指を離して)リロード(=[R]キー押下)しなければならないことがあるのに対し,SteelSeries 7Gでは移動しながらでもリロード用のキーが反応してくれるのである。「状況にかかわらず,どのキーを押しても確実に反応すると約束されている」安心感は確かにありそうだ。

 また,左右に移動しながらジャンプし続けて敵の弾をよける,俗にいうバニージャンプの反応も普段よりよく感じる。いつもより弾がよけられている感じがする。武器チェンジ(=数字キー押下)もいつもよりスムースな印象で「もしかして上手くなったんでは?」と思ってしまったほど。
 SteelSeries 7Gは,一般的なキーボードよりも反応速度が50%高速で,1分当たりにこなせるアクション(=操作)の数とされる「APM」(Actions Per Minute)は,これまでに存在したどのキーボードよりも高いと謳われている。「何をどう比較して50%高速なのか」など,詳細は明らかになっていないのだが,キーリピート(※キーを押し続けたときに,同じキーが繰り返し入力され続けること)も速いので,押されたキーを,キーボード内部のマイクロコントローラが探すキースキャン動作のレートが引き上げられている印象だ。これと,先述の軽く押し込んだだけで反応するスイッチ,そして全キー同時押し対応機能などが複合的に高い反応速度を実現しているのだろう。スイッチの反応も非常に安定していて「押したはずなのに……」ということは,まず起こらないだろう。

 実際のところ,こういった値はたいてい“マーケティング用語”で,アテにならないことが多いのだが,その予想はいい意味で裏切られた。「ちょっと上手くなったように感じさせてくれた」あたり,さすがゲーマー向けキーボードといえ,キー周りに関しては文句のつけようがないデキといっていい。

本来[Windows]キーが置かれるべきところには,SteelSeriesのロゴ入りキーが。[F1]キーにはミュート機能が割り当てられている点にも注目したい
画像(014)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載
 ところで,SteelSeries 7Gに特殊な機能はないと述べたが,キーボードに付属しているだけで,別系統で動作するUSBハブ&サウンド入出力機能を除くと,唯一の機能らしい機能といえるのが,いわゆるマルチメディア系のショートカットだ。英語105キー仕様のうち,一般的なキーボードなら左[Windows]キーが配されるところに置かれた[SteelSeries Media]キーと,[F1]〜[F6]キーの組み合わせで,音量コントロールやメディアプレイヤーの制御を行えるようになっている。
 ポイントは何といっても,ゲーム中にうっかり押してしまいがちな[Windows]キーが排除されていること。[SteelSeries Media]キーは単体だと機能しないので,ゲーム中の不安が一つ解消することになる。
 またユニークなのは,ミュート機能の有効/無効を切り替えるキーが一番左([F1])の押しやすいところに用意されていること。例えばボイスチャット関連の音を一時的に止めたいというのは割とよくあるので,こういった細かな配慮はありがたい。ちなみに音量調節は(試した限り)ゲーム中でも問題なく機能した。
 メディアプレイヤーの制御機能は,「Windows Media Player」「iTunes」だと問題なく動作する一方,「Winamp」では利用できなかったが,SteelSeries的には,ゲーム中にミュートの有効/無効切り替えと音量調節さえできれば十分なのかもしれない。


絶対的に高価だが,価格対性能比は悪くない

キーボードそのものに価値を見いだせるならアリ


製品ボックス。ハンドレストが大きいこともあって,ボックスはかなり大きめなので,購入時にはご注意を
画像(015)全キー同時押し対応のゲーマー向けキーボード「SteelSeries 7G」レビュー掲載
 キースイッチの品質,レスポンスのよさは特筆すべきで,素早い操作を求められるFPSとの相性はとくにいい。高速にタイプできることから,ゲームをプレイしていないときにも,高品質な英語フルキーボードとして勧められる使い心地だ。実際,この原稿もSteelSeries 7Gで書いているが,高速なタイピングが可能なので,非常に良い感じで使えている。

 問題は,一にも二にも価格だろう。冒頭でも述べたようにSteelseries 7Gの予想実売価格は2万2800円前後で,キーボードとしては高価な部類に入る。少なくともゲーマー向けというカテゴリではハイエンドに属するが,それでいて,本体やハンドレストはプラスチック風の安っぽさに満ちているのだ。価格なりの高級感を求める人にはまったく不向きといわざるを得ない。
 しかし,“Cherry黒軸”の全面的な採用,スチールシャーシ,しっかりした作りのケーブル&コネクタ類などのコストも勘案するに,決して高すぎることはない価格設定なのも,また確かだ。
 万人向けではないものの,コスト度外視でゲーム用キーボードとしての純粋な品質を求めている人には,迷わず勧められる製品である。近くに取扱店があるなら,ぜひ一度触ってみてほしい。
  • 関連タイトル:

    SteelSeries

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