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ガマニアの2010年の新作は,日本のIPをオンライン化。攻勢に転じる老舗パブリッシャーガマニアの浅井氏に,その思想と新タイトルについて聞いてきた
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印刷2010/01/26 10:25

インタビュー

ガマニアの2010年の新作は,日本のIPをオンライン化。攻勢に転じる老舗パブリッシャーガマニアの浅井氏に,その思想と新タイトルについて聞いてきた

 コンソール業界はちょっとなんだかいま一つだったが,オンラインゲームもなかなか厳しい年だった2009年。全体を見渡せば,ブラウザゲームの台頭ソーシャルゲームの勃興など,ビジネスモデルの広がりや「次の一手」のヒントが見え隠れする明るい話題も多かったが,多くのパブリッシャにとっては比較的静かな1年だったと思う。


 やたらめったら海外モノを買ってきては矢継ぎ早にサービスインさせる時代も終わり,「あら,これはまだオンラインゲームビジネスの“清算期”が続いてるかな」と思っていたが,2009年の末あたりから「来年ウチはガツーンといくので,ぜひ期待しててください!」と景気の良さそうな話を聞くことが増えてきた。聞いてみると,どうもそれなりの数の会社さんがガツーンといくようなのだが,その中の一社ガマニアデジタルエンターテインメント(以下,ガマニア)の浅井COOから「お話しませんか」とお誘いが。

 遥か昔,いまオンラインゲームをやっている中高生がまだ小学校に入ったかどうかの頃からオンラインゲームのパブリッシャとして活躍してきた(2001年8月設立だ)ガマニアは,そのちょうど1年前から日本でオンラインゲームをサービスしているネクソンと共に,日本のオンラインゲーム産業を黎明期からずっと見てきた,他社とは歴史と格が違う,重鎮のパブリッシャーだ。

 そんなガマニアも,2009年はちょっとだけ静かなモード。新たに放った2作品は「1勝1敗」といった具合で,動きの大きな1年だったとはいえない状況だ。とはいえ,あれほどの規模のパブリッシャーがそれだけで終わっていたはずもないし,そもそもきっと,何か隠し玉があるからそれを読者のみなさんに伝えるべく,インタビューのお誘いがあったに違いない。
 そんなこんなで,ガマニアの2010年やCOO浅井氏の思想について聞いてきたことを,以下でお届けしよう。業界ではオトボケキャラで有名(?)な浅井氏だが,先を見据えて打った一手や,いかに。

代表取締役 COO 浅井 清氏
4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。……って,いつぞやの夏の座談会以来ですね。

浅井氏:
 いやあホントに。なかなかお会いできませんで。

4Gamer:
 今日お呼びいただけたのは,きっと今年のガマニアにはすごいことがあって,それを読者のみなさんに伝えたいからなんだろうな,と勝手な解釈をしてるんですけど(笑)。


浅井氏:
 ええと,どこから話そうかな……。

4Gamer:
 年も明けたことですし,まずは昨年を振り返るところからお願いします。


1勝1敗の2009年は,ガマニアにとって仕込みの年

――運営会社として納得できるレベルまでいってから課金をしないといかんだろう,と


ルーセントハート
浅井氏:
 そうですね,昨年……じゃないな,一昨年からルーセントハートがおかげさまで好調でして。

4Gamer:
 あぁ,もうすでにおととしの話なんですね。

浅井氏:
 そうです。2008年です。
 おかげさまでご好評頂いたので,その勢いで昨年,新しい2タイトルをやらせていただきました。

4Gamer:
 仙魔道,残念でしたね。

浅井氏:
 そうですね……。残念,というよりユーザーのみなさんに申し訳なかったです。
 あれに関しては武峡系のMMORPGですし,ある種トライアルの意味も含めて日本市場でどこまでやれるんだろう,という部分が強くて。とはいえそのまんま持ってきても仕方ないのは重々承知しているので,日本市場的なテイストも盛り込んでいこうということで,いろいろと工夫しながらやってました。

4Gamer:
 オープンβまでやってましたしね。

浅井氏:
 ええ。でも正直,当初日本向けにやろうと思っていた要素が,やりきれなかったんですよね。何度も開発側と協議を重ねていったんですけど,日本側で考えていたレベルまでやろうと思うと,これはもう,相当時間がかかりそうだな,ということになってしまいまして。
 もちろんビジネス的な側面で考えるならば,とにかく課金をスタートさせてしまうというプランもありました。正直な話,社内でそういう案が出たこともあります。でも,どうしても運営会社として納得できるレベルまでいってから課金をしないといかんだろう,とまとまりまして。

4Gamer:
 それは非常に全うな見解だとは思いますが,かかったコストもバカにならないですよね。……というか,なんというかちょっともったいない。

浅井氏:
 そうですね……。最近この業界って,サービスを始めてから半年とか1年で終わってしまうタイトルとか結構増えてきてて。

4Gamer:
 サービスを始める前に終わることもありますし。

浅井氏:
 とくにMMORPGの場合顕著なんですけど,ユーザーさんにすごく長時間遊ばれるんです。一生懸命遊んでいただける,というか。なので,中途半端な形で課金をするのはよくない,ということで,ホントに何度も開発側とも協議を重ねました。

4Gamer:
 でも新規要素の開発にあまり時間がかかっても。

ルーセントハート
浅井氏:
 そうなんです。あまりにもあのタイミングで時間をかけすぎて,半年後,または1年後に「じゃあもう1回」というのは難しいんじゃないか,というのが最終結論でした。7月くらいの時点でユーザーさんにはだいぶ遊んでいただいていたので,正直なところもったいなかったと思うんですけど,半端なことをするくらいならやめてしまおう,ということで。

4Gamer:
 全然人がいなかったなら理解できるんですが,あの状況で「中止」というのは割と大胆だな,と思いました。

浅井氏:
 そうですね。業界の方にもよく「なんでやめたの」と言われます。もちろん弊社としても苦渋の判断だったわけですけど。やはりパブリッシャとして納得できるレベルに持っていけなかったという意味では,我々の準備不足によるところが大きく,そこを反省しています。

若年層に人気の「アンリミテッドハーツ」
ルーセントハート

4Gamer:
 2009年もう1本の新作「アンリミテッドハーツ」はどうでしょう?

浅井氏:
 ガマニアといえばMMORPG,みたいなイメージだったので,MMOとはちょっと違うテイストで日本市場に合いそうなものもやっていこうということで挙がったタイトルです。

4Gamer:
 最近の流行りモノの雰囲気ですね。

浅井氏:
 ええと,なんというか他社さんのアレによく似ている(笑)タイトルではあるんですけど,あの手のジャンルは,まだまだ日本のユーザーさんのニーズもあるかな,と思っています。

4Gamer:
 同じようなものが複数乱立して,いいものが残るというのは,ユーザーにとっても業界にとってもプラスになるはずです。

浅井氏:
 おかげさまでかなり多くのユーザーさんに集まっていただけて,私個人は大変うれしく思ってるんですけれど,実は当初予定していたアップデートとかが間に合ってなくて……。

4Gamer:
 この遅れは,たぶんなにかしら手を入れてる感じですか? そのまま持ってくればすぐでしょうし。

浅井氏:
 ええ,そうなんです。
 中国と台湾で運営しているものをそのまんま日本に持ってくると,どうしてもアクション要素の部分とかで,日本のユーザーさんには納得いただけないだろう,という部分が多くて。それで日本向けにバランスの調整をやっていこうと思ったんですね。そもそも,このジャンルには先行して大成功している偉大なタイトルがあるわけですし,どうしたってユーザーさんとしても出来を比較するはずです。なので,ブラッシュアップも含めて今後盛り上げていきたいな,と思っています。

4Gamer:
 2009年の2タイトルについては把握できましたが,なんていうか……ガマニアという会社の規模の割には「大きな動き」に欠けてましたよね。

浅井氏:
 2009年は,諸手を上げて「大成功だ!」と言えるところまではいけなかったので,改めて今年,既存のタイトルをしっかりやりつつ,新しいものをユーザーさんに提供していきたいな,と。

4Gamer:
 新しいもの。何か抱えているんですね。

浅井氏:
 ええまぁ,いろいろと(笑)。


2010年は「開発重視」の年に

――実は昨年から,日本側でも開発を始めてます


4Gamer:
 その新しいものを根掘り葉掘り聞く前に,まず2010年の展開をどういう方向で考えているか聞かせてください。

浅井氏:
 ガマニアグループは本家の台湾も,日本の我々もそうですけど,韓国や中国からライセンスをとってきて,それを配信するというパブリッシング業務がとても多かったんですよね。台湾だとリネージュやメイプルストーリーなんかもやってます。でも今後グループとして,よりグローバルにしっかり展開していこうと考えた場合,内部に開発リソースをきちんと持ってやっていこうということになりました。
 ……なりました,と言ってもすでに3年前くらいから動いてる話なんですが,グループ全体としてそこに大きく力を入れています。ルーセントハートもグループ内開発のコンテンツです。

4Gamer:
 なるほど,すでに「成果」が表に出始めているわけですね。

ルーセントハート
浅井氏:
 そうですね。ブライトシャドウ,仙魔道なんかもそうです。

4Gamer:
 なんとなく分かってて改めて聞くんですけど,グループ内なのにうまくいかないものなんですか。たとえば仙魔道の件とか。

浅井氏:
 もちろんコミュニケーションはうまくいきます。そしてお互いに協力していく,という体制も,むろんあります。そういう意味では,権利を買ってきてサービスするよりは遙かによい状況が産み出せると思っています。
 とはいえ,開発力や開発スピード,クオリティの部分では,まだ少し時間が必要なのかな,という感じです。仙魔道のときは,我々の経験も足りませんでしたし,「早い段階から開発と協力しながら日本向けに」という,うまい踏み込み方ができませんでした。

4Gamer:
 いま何ラインくらい動いてるんですか?

浅井氏:
 アウトソーシングを含めて7,8ラインくらいでしょうか。「正式に」プロジェクトとして動き出しているものの数なので,実際にはもっとあります。

4Gamer:
 結構大規模ですね。作品の規模感はどんな感じですか?

浅井氏:
 大きいものもありますね。実は昨年から,日本側でも開発を始めてます。さすがに「美麗3D MMORPG」みたいな規模の大きいものをいきなりは出来ませんので,まずはできる部分から,と。企画段階から関与するという作業なども含めて。

4Gamer:
 ……ということは,それの芽が出るのも?

浅井氏:
 はい。今年,ということになります。
 ダイレクトに日本をターゲットとして,ゼロの状態から企画して開発しているものも含んでます。タイトル数的には5〜6タイトルくらいでしょうか。

4Gamer:
 5〜6,ってしれっと言ってますけど結構多いですよ。

浅井氏:
 まぁ全部やれるかどうかはちょっと分からないんですけど。「タイトル」というものは,当たり前ですけどマーケティングや運営などすべてを含めて考えるわけですが,そう考えるとさすがにホイホイと出せるものではありません。

4Gamer:
 日本向け,ですか。
 本家ガマニアは,近しい国台湾とはいえ外国ですよね。彼ら海外の開発会社が「日本向け」って言うとき,具体的にはアレ,どんな部分に気をつけているんでしょうか。

浅井氏:
 まず一つはビジュアル部分ですね。やはり日本マーケットは特別なものを持っています。
 あと,とくに韓国系のゲームなどに比べると,遊びの横の幅がとても広いという部分でしょうか。もちろん韓国のゲームも,ここ最近は相当幅が広がっているんですけど,どちらかというとキャラクターの強化であったりレベリング的な要素であったりとか。なんていうか,「できること」が広くて数が多いのではなく,一つ一つの「できること」がとても奥深いんですよね。
 そういう部分を強化するため,最初に日本でプロジェクトを立ち上げて,開発そのものはグループ内――たとえば台湾だったり中国だったり――で開発するといった形で進めているものもあります。
 そういう作り方をしている作品は,もちろんビジュアル的な部分もそうですし,システム的な部分すら日本側でプランニングしているので,とても良いものになるはずです。そしてゆくゆくは,他国のマーケットでも戦えるコンテンツにしていこうという考え方で,共同開発を行っているわけです。

4Gamer:
 なるほど。韓国のMMORPGって,なんかこう,細くてすごく高い山を延々と登っている気分になるんですよね。もう若くないのかな(笑)。

浅井氏:
 そう。きっともうお互い若くないんですよ(笑)。
 まぁでも,それはそれですごくやりがいがあって,目標が決めやすくて面白いと思うんです。でもそういうものだけじゃなくてもいいよね,と。


日本でオンラインゲームを作るのは本当に難しい

――7〜8年経ってみて,やっと「何か」がつかめてきた


4Gamer:
 しかし以前から「内容を日本が考えて,プログラミングは韓国や中国がやるべきだ」と思ってますが,ようやっとそれが具現化されたわけですね。……というか,早くそれをしないと,もう他国――とりわけ中国――が一瞬で追いついてきますよ。日本がトップでいられるのはいつまでのことか。

浅井氏:
 どうしても今の日本のオンラインゲームの市場って,市場的に遙かに先行していたこともあって,やっぱり韓国産のゲームが多いですよね。とくにMMORPGにおいてそれは誰しも分かる顕著な部分で,最近では韓国産以外にも,中国や台湾のものも増えてきています。
 何が言いたいのかというと,コンソールのゲームに比べて「ほかの市場向けだった作品を日本に持ってくる」というパターンがとても多いんです。何をいまさら,と思うかもしれませんが,実はそれが「日本のオンラインゲームがブレイクスルーを超えられない」要因の一つでもあるのかな,と考えてまして。日本のユーザーが,より馴染みやすいものをしっかりと準備していきたい,と思ってるんです。

4Gamer:
 みなさんがとてもがんばってチャレンジしているのは重々分かったうえで言うんですけど,一部のタイトルをのぞいて,なんで日本のメーカーさんには「日本のオンラインゲーム」が作れないんでしょう。そのごく一部を除いては,どれも厳しい戦いを強いられてる気がします。
 ビジネスモデルの差異から来る「作り方」の問題と,決して完結しないゲームだという「認識」がまだうまくできないという問題だと思っていたんですが,長い時間が経っても,それが一向に変わらないのが段々不安になってきました。

浅井氏:
 確かに,ストーリー的なものも含めてひととおりの遊び方が完結してしまうパッケージゲームと,場合によっては5年10年とユーザーさんに遊んでいただく仕組みを作っていくオンラインゲームでは,その考え方と作り方が大きく違う部分があると思います。
 みなさんご承知のように,日本のメーカーさんは「完結するコンテンツ」は驚異的なクオリティで作り上げますが,「長期的なサービスの仕組みを作る」という部分においては,まだ発想の転換ができていないのかもしれません。

4Gamer:
 でもその発想の転換ができないまま,もう数年が過ぎてますよ。

浅井氏:
 正直なところ,とても難しいと思います。実は私自身,ガマニアの前はコンシューマとか業務用のゲームに携わってずっとやってきているので,それがよく理解できます。
 私自身がオンラインゲーム業界に足を踏み入れて7〜8年ですけど,やっと最近,体で分かってきたというか。むろん,以前から頭では十分に分かっていたつもりだったんですけど,7〜8年経ってみて,やっと「何か」がつかめてきた感覚が持てました。

4Gamer:
 うーん,確かに言われてみればそういうものかもしれませんね。私自身の話に置き換えるならば,紙メディアとWebメディアにもそういう部分を感じますし。

浅井氏:
 やっぱり,一度成功してノウハウが溜まってしまったものを切り替えていくというのは,とてもハードルが高いですよね。先ほどおっしゃっていたように,韓国などのパブリッシング・ノウハウを持ってる会社と日本のメーカーが組んで,いろいろなものを共有していくというのが,僕は理想的だと思うんですけど。

4Gamer:
 常々そう思ってるんですけど,うまくいったためしはあまりありません。簡単なことではないのは分かりますが……。

浅井氏:
 なかなかうまく噛み合わないことも多いんですよね……。


なんとガマニアの新作は,日本の有名IPのオンライン化

――それ,シリーズ最新作でさえ10年くらい前な気がします


浅井氏:
 ちなみに先ほど話した弊社の「日本向け」タイトルのラインナップの中には,もともと日本のコンシューマゲームをオンラインゲーム化しているものがあったりします。そのIPをうまく使って,日本的なテイストやノウハウを,オンラインゲームにうまくとりこんでいこうという取り組みも含まれています。

4Gamer:
 他社IPということですか? 意外かつ初耳です。

浅井氏:
 いやあ,実は3年ほど前からずっとやろうやろうと思ってたんですけど,やっぱり他社さんのIPを使った開発って難しい部分が多くて……。

4Gamer:
 迂闊に海外とかにアウトソースすると,好き勝手やっちゃったりしますしね……。

浅井氏:
 いやホントに(笑)。なので,ある程度自由度を持ってやれるもので,なおかつ日本のユーザーさんでも馴染み深いもの,というのを考えまして。

4Gamer:
 割と多くの人が知ってるIPですか?

浅井氏:
 そういうものを発掘するのってなかなか難度が高くて。実際どのくらいのユーザーさんに支持していただけるかちょっと未知数ですが,ガマニアはそういう取り組みもしているんだ,ということを,日本のユーザーさんに注目していただけるんじゃないかなぁ,と思ってます。

4Gamer:
 結局答えてくれてないじゃないですか(笑)。何かヒントをください。

浅井氏:
 ヒント,ですか。書いちゃだめですよ。●●な●●が……
(編注:ダイレクト過ぎたヒントなので伏せ字にします)

4Gamer:
 そ,それはまたなんと渋い。久しぶりに聞いた名前です,それ。シリーズ最新作でさえ10年くらい前な気がします。
 しかし,単純にオンラインゲーム化するのは割と難しそうですよね。

浅井氏:
 いやこれ以上は(笑)。整ったら,近いうちに情報は出していけると思います。

4Gamer:
 ゲームポットさんのWizオンラインといい,みんな口が堅いなぁ……。


ブラウザとかソーシャルとか最近流行りのもの

――既存のものとは違った新しいプレイスタイルが提案できる


浅井氏:
 しかし,やっと本格的に日本市場に合わせたコンテンツが出せるなぁという感じです。

4Gamer:
 各社さん昨年はたぶん「攻撃前の静けさ」といった感じで。あとはまぁたぶん「清算の年」でもあったかもしれない。今年みなさん大きな動きがあるっぽいですね。誰に聞いても「今年はいくよ−!」って。

浅井氏:
 市場的に見ると,ブラウザゲームであったりいわゆるソーシャルアプリであったりといったところもありますね。

4Gamer:
 あの辺,どう思われます?

浅井氏:
 個人的には,ブラウザゲームもソーシャルアプリも遊ぶ環境という意味で同じカテゴリだと認識してるんですけど,いわゆるブラウザゲームに関しては,私はすごく可能性があると考えています。
 丸2年くらい前から注目していて,どういう形でガマニアがサービスを手がければいいだろう,といろいろと検討して……。

4Gamer:
 検討して……?

浅井氏:
 検討に検討を重ねすぎて時間がかかってしまいました(笑)。本当は去年やっておけばよかったんですけどね。

4Gamer:
 ああいうのって一過性に近い部分もあるし,乗り遅れるときつくないですか。

浅井氏:
 まだまだ全然これからの市場じゃないですかね。確かに「ブラウザゲームっていまからだと遅いんじゃない?」とか「mixiアプリいまから作ってもだめじゃない?」とかよく聞きますけど。

4Gamer:
 いやあ,急に終わったりはしないし十分まだ発展の素養はありますけど,「このまま同じものばかりが出てもどうしようもない」という意味で。いまのプチバブルが一回はじける気がしてます。

ゲームプラットフォームとしての立ち位置を確保しつつあるiPhone。4Gamer編集部のスタッフも多く使っている
浅井氏:
 確かにソーシャルアプリというものは,ちょっと前のiPhoneに近い状態かな,とも思ってますが,広い意味でのブラウザゲームという意味では,プレイスタイルの転換という部分に注目したいです。
 いまの――というか今までの主流の――オンラインゲームって,サーバークライアント型で,結局それって遊ぶ場所が限られるじゃないですか。おまけにMMOタイプは時間も割と拘束されますし。プレイスタイルの自由度が,実に低いんですよね。

4Gamer:
 あ,そういう意味でしたら賛成です。なんでブラウザゲームなのに「PCのブラウザ」でばかりやってるんだろう,と思ってました。携帯とかiPhoneとか,もしかしたらPS3とかPSPとか,極論ですがテレビとか,そういうものでも出来るようにしないと,結局ただのジャンルで終わってしまう気がします。

浅井氏:
 そうです。そうなんです。
 仮にPCだけの話にしたとしても,今までより遙かに容易に場所を変えて遊べますよね。まぁ決して褒められた話じゃないですが,それこそ会社とかでも。普通の会社で,社内のPCにオンラインゲームをインストールできるはずもないですが,ブラウザなら。

4Gamer:
 80番ポートが開いてない会社もないでしょうしね。

浅井氏:
 そういう意味で,プレイスタイル的には日本市場にすごく適しているはずだと思っています。あとは,日本のユーザーに合ったテイストのものがしっかり提供できれば。ゲームの中の一つの巨大ジャンル,カテゴリとして定着していくんじゃないかなぁと。

4Gamer:
 でも,結局現状ではブラウザゲームも「廃人勝ち」のゲームですよね。いままで,コンソールマーケットもPC/オンラインマーケットも「拾えなかった」層を拾うために,現状のワンパターンから早く脱却するべきだと思うんです。いやあ,インストールが不要っていうのは,たぶん業界の人が想像している以上に大きなアドバンテージだと思います。

浅井氏:
 確かに今はまだ,突き詰めると廃人勝ちである部分も否めないですね。

4Gamer:
 勝てないゲームが面白いはずないと思うんですよ。僕らゲーマーならいざ知らず,普通の人が。

浅井氏:
 そうですね,そこも含めたゲームバランスも込みで,日本市場に向けて作るべきだと考えています。

4Gamer:
 ブラウザゲームはまだ新しい――本当はすごく古いんですけど――ジャンルなので,聞かせてください。この話の流れの中での「日本市場向け」というのは,具体的にはどんなことを指してますか?

ここ最近のブラウザゲームの事実上の火付け役「トラビアン」。古くからあるブラウザゲームに再び灯をともした功績は大きい
ルーセントハート
浅井氏:
 たとえば,流行りのトラビアンタイプのものなど,ゲームとして非常に良く出来ていて,課金周りの考え方とかも非常に完成されていると思っています。ただ,先ほどから話に出ているように,グラフィックスのテイストだったり,結局のところ廃人有利な仕様になっていたりと,そういう部分もやっぱりあります。あとから始めたユーザーはボコボコにされて終わりだったりして,誰かに助けてもらわないことにはゲームにすらならないという部分も否めない。
 そういう遊び方ではなくて,むしろみんなで協力してゲーム内を盛り上げていけるような,そういうプレイに持っていければいいなぁ,とずっと考えてます。

4Gamer:
 Co-opですね。確かにちょっといいですね。年がら年中戦うのもちょっと疲れますし。

浅井氏:
 それでもなお海外から持ってくることはむろん検討していましたが,弊社は結局自分達でブラウザゲームを作ることにしました。
 他社さんだと,ブラウザ三国志やひつじ村など,いくつか「大成功」を収めているものが登場してきていますが,もっともっと日本産のものが登場して,日本のユーザーの趣味に合わせることが出来れば,市場としてさらに拡大する可能性があると思ってます。

(左)「ブラウザ三国志」は,国産ブラウザゲーム大ヒット作。カジュアルな見かけとは裏腹なコア度合いが人気 (右)「みんなで暮らそう! ひつじ村」は,コンソールから“落ちてきた”mixiアプリ。コミュニティ要素がゲームに密接に結びついてるのがミソ
ルーセントハート ルーセントハート

4Gamer:
 その域に達するまで,いまの熱狂を続かせていかないと。

浅井氏:
 まぁまだ「熱狂」まではいってないんじゃないですかねえ? ソーシャルゲームを含めた広い意味でのブラウザゲームっていうのは,去年が「元年」であって,まだまだ可能性があるかと。既存のものとは違った新しいプレイスタイルが提案できるということに魅力を感じています。

4Gamer:
 今年から来年にかけてくらいでしょうね,きっと。

浅井氏:
 おそらくそうですね。何もせずに今までどおり海外のものばかりを持ってきてしまうと,どっかで行き詰るかと。

4Gamer:
 僕は,今のままであれば近々一回行き詰まってバブルがはじけると思ってたので,さっきのような発言になりました。「ブラウザゲームが騒がれてるけど全然だめじゃん!」みたいな。

浅井氏:
 いやあ,バブルっていうからにはもっと盛り上がって,ブラウザゲームだけで上場するような会社が出てこないと。

4Gamer:
 まぁ確かに(笑)。いやでも,一昨年から去年くらいまで,みんな結構つらい目に遭っていたので,おいしいじゃんこれ,運営費も安いし! みたいな空気を感じます。

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