2012年2月28日,都内・品川グランドホールにてAdobe Systemsの日本法人であるアドビ システムズ主催の開発者向けイベント
「ADC MEETUP Round 04 Social Gaming」 が開催された。これは,Adobeの開発者向け情報サイト
Adobe Developer Connection(ADC) と連動したイベントで,今回はソーシャルゲームをテーマにした各種講演が行われた。中心となったのは,Adobe Flashなどを使ったゲーム開発に関する話題だ。
講演は,以下の7セッションに分けて行われた。
1 アドビ システムズ
ソーシャルゲーム市場とアドビFlash戦略
2 バスキュール
Facebook,mixiアプリ制作TIPS大公開!
3 中野 亘
あらかじめ知っておきたい幾つかのコト―Flashひとつでスマホアプリ制作
4 ディー・エヌ・エー
Mobage open platform and Mobage SDK for Adobe AIR
5 グリー
Developing Smartphone Native Social Apps with Adobe AIR
6 スクウェア・エニックス
コンソールゲームクオリティのStage3D研究開発
7 Rovio Entertainment
世界的ヒットゲームAngry Birds Facebook -powered by Adobe Flash
錚々たるゲーム会社に交じって一個人での講演などがある点も面白い。興味深い話も多かったのだが,長時間にわたるセッションを細かく紹介することにも無理があるので,以下,それぞれの内容をかいつまんで紹介していくことにしたい。
ソーシャルゲーム市場とFlashの最新情報
アドビ システムズ デベロッパーマーケティングスペシャリスト 轟 啓介氏
アドビ システムズ ソリューション・アーキテクト アンディ・ホール氏
イベントの冒頭で,アドビ システムズ デベロッパーマーケティングスペシャリストの轟 啓介氏は,今回のテーマである「Social Gaming」について解説した。今回ソーシャルゲームにフィーチャーしたイベントを開催したのは,ソーシャルネットワークがゲームと結びつくことにより,新しい動きを見せていること,さらに非常に成長している市場を生み出していることなどが理由だという。
続いて,アドビ システムズ ソリューション・アーキテクト アンディ・ホール氏から,アメリカでのゲーム市場の状況が伝えられたのだが,ソーシャルゲームの登場によって「ゲーマー」の定義が変わってきていることなどが報告された。2008年と比べて2011年では月に1時間以上ゲームをする人は3倍に増えている。そして,その大半は主婦層である。また,ゲームでのSNS(Facebook)の果たす役割は非常に大きいとのこと。
続いて日本の状況が紹介され,ソーシャルネットワークの展開などではアメリカのあとを追っているものの,実はiモードなどで小額のコンテンツ課金に慣れており,コンテンツの普及も進んでいる。そういった意味で,日本は「ソーシャルゲームでは先進国」といえるのだという。
このようなソーシャルゲーム市場で,Flashは,Facebookでの上位ランキング20作のうち19作,mixiゲームでの上位20作のうち18作に使われており,ソーシャルゲームとの親和性が高いことが示された。普及率,パフォーマンス,開発環境などで抜きん出ていることが,その要因であると分析されていた。
さらにFlashの最新動向である,Flash11での3Dサポート技術「Stage3D」や,AIRのネイティブ拡張機能,そしてモバイルでの展開などの最新動向と優位性が語られた。
Stage3Dでの2Dパフォーマンスベンチマーク「BunnyMark」
Stage3Dの2D機能を使ったシューティングゲームデモ
VIDEO
今後の動向としては,まもなくFlash Player 11.2とAIR 3.2がリリースされるほか,2012年内にあと2回のアップデートが予定されていることが明かされた。また,現在開発中の新ツールとして,Flash実行時の内部動作を分析するツール「Monocle」が紹介された。実行中のFlashアプリの負荷状況などがリアルタイムに示されるところなどが会場でデモされており,来場したFlash開発者達の注目を集めていた。ちなみに,Monocleの実演デモは世界初公開とのこと。
mixiを中心にFlashでソーシャルの可能性を探るバスキュール
バスキュール バスキュール号 テクニカルディレクター 北島ハリー氏
バスキュールの北島ハリー氏による講演では,ゲームの話というよりマーケティングや広告手法などで興味深い話が多かった。
一例として,氏が手がけた「NIKEiD」のソーシャルプロモーションなどが紹介されたのだが,NIKEiDはナイキのスポーツシューズで,Web上で各部の素材などをユーザーが選択して色やマークをカスタマイズできるということがウリの商品だ。世界に一つ,自分だけの靴をデザインできる。これを利用して,Web上でデザインした靴がソーシャルネットワーク上でバナーとして使われるというプロモーションが行われた。
通常のバナー広告は一方通行で流されるのみなのだが,このプロジェクトでは友達の作った靴のバナーが表示されるのである。それがmixiのソーシャルグラフを通じて拡散していく構図だ。結果は大成功で,最終的に91万6000種類のバナーが作成され,セールスのほうも非常に好調だったとのこと。
バスキュールはmixi自体のクリスマスイベント「mixi X'mas」なども手がけている。こちらの詳細は省略するが,2011年のmixi X'masイベントはテレビCMとの連動を行っており,一時的に高負荷がかかることが予想されていた。そこでサーバーにAzureを利用したとのこと。それまでもクラウドサーバーを使っており,負荷状況によって自動的に負荷分散が行われるようになってはいたのだが,今回は負荷が発生してから分散するのでは間に合わないという判断によるものだという。あらかじめ一定時間に急激に負荷が上がることが分かっている場合は,明示的にスレッドを増やすことができるAzureを使うのが有効だと,北島氏は語っていた。
ちょっと興味深いmixiのDAU(日間アクティブユーザー数)によるボーナスの表。スマートフォンアプリは狙い目か?
過去のFlashゲームをスマートフォンアプリに
中野 亘氏
中野 亘氏は,Macromedia Directorの時代からオーサリングツール主体でゲームを作っていた人物である。最近になって,過去にFlashなどで作っていたゲームをスマートフォン用アプリにしており,講演ではその経験を通して得られた知見などが語られた。
基本的にデザイナーであり,プログラミングなどはあまり得意でないという氏だが,すでに3本のアプリを公開している。四角形をいじると日付が現れる「きょうのしかく」(説明しづらいので,ぜひムービーを見ていただきたい)では,もともと365個(366個?)に分かれていたSWFファイルを個別に読み込んで扱うようなことができなかったため,1本にまとめる必要が出てきたそうだ。
四角をひっくり返したり……
ずらしたりと,いろいろな操作で四角形から日付を作っていく
氏がたどりついた対応法は,力技で「1本にまとめる」というもの。作業内容は,
「ほぼコピペだけ」
で済んだという。
こちらは中野氏の過去の作品
今回紹介された3種のゲーム
このようにして最初にiOS版を作って,Android版に取りかかったところ,ツールで出力形式を変えるだけで,ほぼそのまま転用できることが分かったとのこと。こちらの作業は解像度対応やデバッグで1週間程度かかったらしいのだが,「Appleの審査が1週間くらいはかかるので,先にiOSの審査に出しておいて,待っている間にAndroid版を制作するのがよいだろう」と中野氏は語っていた。
そのほか,タッチ対応にするときは,UIを44×44ドット以上にしないと反応が悪くなるので工夫が必要になることなど,スマートフォン対応での注意点も語られたが,既存のFlashゲームはかなり簡単にスマートフォンアプリにできるというのが,氏の結論である。
Flashで作成したゲームを手軽にMobage対応にするSDK
ディー・エヌ・エー CTO室ソフトウェアエンジニア 藤 吾郎氏
ディー・エヌ・エーでは,まもなくリリース予定のMobage SDK for Adobe AIRの紹介が行われた。かつてはディー・エヌ・エーのみがアプリを提供していたMobageも,2008年からは「Mobage open platform」が作られて一般開放されている。現在では,スマートフォンにも対応しており,JavaScriptを使ったゲームエンジンの「ngCore」やネイティブアプリ用のSDKなども用意されているのだが,新たにAIR対応のSDKも準備が進んでいるという。これは平たく言うと,Flashで作ったゲームにMobageで必要になるさざまざな機能を提供するというもので,ログイン機能やソーシャルグラフ管理,課金機能などをサポートしている。ログイン機能などは,数行のコードで追加できることなどが示された。
また,ディー・エヌ・エーは,iOSおよびAndroid上でFlashコンテンツをHTML5に変換して再生するプレイヤー
「ExGame」 を会場で展示していた。「Flashをスマートフォンのブラウザで動かすソリューション」とのことで,一般公開されているものではないようだが,開発者登録をすると利用できるらしい。これも興味深い試みだ。
Flash+node.jsでスマートフォン対応を進めるグリー
グリー 取締役 執行役員CTO 開発本部長 藤本真樹氏
グリーでもAIRベースのFlashの開発環境を用意している。スマートフォン向けに多くのミドルウェアなどがある中で,どうしてAIRを選んだのかというと,同社の場合,決め手になったのは,AIRでのネイティブ拡張機能が実装されたことだという。ネイティブで処理が書けるということでグリー社内では狂喜乱舞だったそうだ。そのほか,Flashのパフォーマンスが高いこと,Flashの開発者が非常に多いこと,これまで作ったアセットや経験を生かしたゲームができるということなどが要因となったとのこと。講演を行った藤本氏の個人的な意見では,「AIRはオーサリングツールの完成度が高く,他の追随を許さない」とのこと。
AIRのネイティブ拡張対応の記事(2011年9月21日付け)とグリーのAIR対応SDK提供の記事(2011年9月22日付け)。恐ろしく対応が速い
Flashはパフォーマンスでも有利だという
クライアントでAIRを使う一方,それと組み合わせるサーバー側ではnode.jsを使っているという。クライアント側と同じコードを使いたいとか,流行モノだからといった理由もあったようだが,ソケットをつなぎっぱなしでやり取りすることが多いので,イベントドリブンなサーバーでないときついだろうという判断だったそうだ。
スマートフォン用アプリ制作上の注意としてまず挙げられたのは,メモリサイズの問題。Androidでは,メモリを使いすぎていると勝手にプロセスをKillされたりするので注意が必要で,データの管理にはSQLLiteなどを活用するとよいとのこと。パッケージサイズは,Flashで作ると増大しがちで,軽く10MB程度になることも多いという。これもiOSでは20MBまでの制限(非Wi-Fi時)などがあるため注意が必要になるようだ。ただし,どの程度のサイズが適切かは,国別の回線状況によっても事情は異なってくるとのこと。また,Websocketが使えると便利な局面もあるとして,AIR用のWebsocket拡張であるwebsocket-asが紹介されていた。
Stage3Dでコンシューマゲーム機並みの映像を
発表を行ったスクウェア・エニックス オンライン事業部テクニカルプランナー 月岡伸博氏(右)とフリーランスの尾野政樹氏(左)
続いてはスクウェア・エニックスによる講演が行われた。
スクウェア・エニックスというと,GoogleのNaCL(ネイティブクライアント)用にもゲームを提供するなど,Webブラウザを使った新技術に熱心に取り組んでいる印象が強いのだが,Flashにおいても意欲的な試みを行っている。今回は,Flashの3D拡張機能であるStage3Dを使って,コンシューマゲームのコンテンツをブラウザ上でどれくらい再現できるかという研究についての発表が行われた。
まず,スクウェア・エニックス オンライン事業部テクニカルプランナーの月岡伸博氏から,企画趣旨などが説明された。「日本ではPCゲーマー層が少ないが,ブラウザゲームをする層は確実に増えている。ブラウザだけで手軽にできるゲームならPCでも需要はあるので,クライアントのインストールなどといった障壁をなくせば本格的なゲームでもユーザー層が広がるのではないか」というのが,スクウェア・エニックス側の思惑であり,ブラウザだけでどこまでゲームのクオリティを上げることができるのかを確認するのが今回のプロジェクトの目的となっているという。
Stage3Dでは本格的な3Dグラフィックスが使えるということで,同社でFlashベースの開発が行われるのだが,ここで社外から4人のFlashエキスパートを招いているのが興味深いところ。同社内にも人材は多いと思われるのだが,月岡氏によるとこれは「Web業界のノウハウは必須」という判断によるものだという。餅は餅屋というわけだ。かくして,社内外の混成プロジェクトチームによって「FINAL FANTASY XII」などのデータを用いたゲームデモ「BARTS」が作成されることになった。
右は,尾野氏とともに作業を行ったフリーランスのFlash開発者の面々
処理の詳細については,Flash側の実装を行った尾野政樹氏によって解説が行われた。3Dコンテンツを作るにあたって,まず問題となったのが3Dデータのインポートだという。3Dデータのやり取りでは,最近はCollada形式が使われることが多いのだが,Colladaにもツールによって方言があったりと一筋縄ではいかず,フォーマットの理解が必要になることなどが語られた。
また,XMLベースのColladaは,構文の解釈に時間がかかる点が問題視されていた。そこで,XMLパーサが読み込んだあとのメモリイメージを,独自形式のデータフォーマットとして使うことで大幅な高速化を実現したとのこと。これにより,タグが冗長になりがちなアニメーションデータも150分の1以下の大きさに圧縮されたほか,データの最適化によってパフォーマンスも改善され,フレームレートも大幅に向上できたという。
このプロジェクトでは,ブラウザゲームとはいえ,グラフィックスクオリティはそれなりのものの実現を目指しており,Mip-Map処理やフォグ,バンプマッピング,環境マッピングなどの例が示された。柔らかな影は,真面目に計算したものではなく,ぼんやりとした丸影をつないでいるもので,シンプルな仕組みながら,それなりに自然な感じに仕上がっている。
スクウェア・エニックスによるStage3Dデモ「BARTS」
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Mip-Mapの説明図。左半分が未処理で右半分がMip-Mapによる画像。右は拡大図。Mip-Mapは,距離に応じてテクスチャを切り替える処理を指すが,Mip-Mapというよりは単にバイリニア(トライリニア?)フィルタのような気がしないではない
また,会場では同プロジェクトによるモバイル向けのバージョンも公開されたが,テクスチャの解像度を落とすなどはしたものの,さほどグラフィックスクオリティが落ちているようには見えない仕上がりになっている。そのあたりはゲーム会社側のノウハウによるところが大きいという。
総括としては,Stage3DでPlayStation 2クラスのゲームなら実現可能ではないかという結論を出していた。デモが行われた「BARTS」はまだ研究段階なのでリリース時期は未定とのことだが,仕上がりに期待したいところだ。
モバイル版の画像
ノートPCクラスでも,ドライバをアップデートすればかなりパフォーマンスが出ることが分かる
Stage3Dデモ「BARTS」Androidタブレットでの実行
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Stage3Dデモ「BARTS」をゲーム仕様にした映像
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Angry BirdsがFlashによる実装でFacebookに対応
Angry Birdsの開発で知られるRovio Entertainmentからは,2月14日に公開されたFacebook版のAngry Birdsに関する講演が行われた。元々のAngry BirdsはCORONA SDKを使ったものだったはずだが,このFacebook版はFlashで作られているのだという。
Facebook対応ということで,Facebook版にはソーシャル機能が追加されている。具体的には,画面の右に友達のスコアランキングが表示されるほか,面選択画面では,自分が友達の中で一番高い点を示す面に王冠マークが付くなど,ソーシャルでの競争意識を高める工夫が行われている。そのほか,4種類のパワーアップアイテムが追加され,新ステージSurf And Turfが追加されているのが特徴とのこと。
恐るべき人気を誇るAngry Birds。シンプソンズに出演したり,リアルAngry Birdsが作られたり,宇宙に行ったりしている
Facebook版のソーシャル機能の例
新しいパワーアップアイテム4種
Rovio Entertainment Business Development,Japan Antti Sonninen氏
なぜFacebook版はFlashで作られたのか? FacebookではFlashが主流だからというのもあるのだろうが,Rovio自体が新しいプラットフォームに対応することを好んでいるというのが主な理由であるようだ。実際,Angry Birdsはとにかく対応プラットフォームが多い。2009年にiOS版が発表されたあと,2010年にはAndroid版,Palm版,Symbian版,Maemo版を投入,2011年にはPC版,Macintosh版,PSP版,Roku版,Meego版,Windows Phone 7版,HTML5版,そしてFlash版が投入されている。とにかく,Rovioはいろんなプラットフォームに移植するのが大好きなのだそうだ。その情熱は,会場の外にある自動販売機を挙げて,「CPUと表示装置が付いているなら自動販売機にだって移植したい」と言うほど。
しかし,最初にFlash Player 10対応でFlash版を作成しようとしたところ,30fpsしか出せず,目標としていた60fpsが達成できなかったのでお蔵入りとなっていたとのこと。開発自体はとても簡単だったという。Flash Player 11が登場して再度作り直されたのだが,今度は軽く60fpsをクリアし,黒い鳥の爆発パーティクル数を従来の5倍に上げるなどの改善も可能になったという。
こぼれ話としては,Angry Birdでは,そもそも鳥がなんで怒っているのかというと,ブタが鳥の卵を盗んで食べているからだそうだ。鳥が復讐のためブタの住処を破壊していくというのが基本ストーリーとなっている。ちなみに,主役の鳥はともかく,敵役がなぜブタになったのかというと,ゲーム制作時にブタインフルエンザが流行っていたことから決まったとのこと。
今後の予定としては,3月22日には宇宙を舞台にしたAngry Birdsが発表されることが予告されているが,会場ではそのティザームービーが公開された。また,日本を舞台にした拡張パック「CHERRY BLOSSOM」が発表されることもあわせて紹介された。
Angry Birds Spaceティザームービー
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Flashは携帯電話用のゲームやブラウザゲームで多く使われている技術だ。しかし,昨今ではHTML5やNaCLなどに注目が集まっており,長らくWebコンテンツを動的に処理することでは独占的だったFlashの位置付けも揺らいできている。2011年11月には,携帯機器向けのFlash Player開発中止を発表するなど,時代の趨勢の移り変わりを感じさせる状況だった。
実は,アドビでは,WebコンテンツでFlashを使用するための携帯機器向けFlash Playerの開発は中止したものの,Flashの機能を内包するアプリケーションプラットフォーム「AIR」の開発は,携帯機器向けについても継続しており,今回のイベントの話題も多くがAIRをベースにしたものとなっていた。単に動的コンテンツを再生するだけのFlash Playerから,もっと高度なものに主戦場を移したというのが正解だったようだ。
かつてはiOSでまったく使えなかったため,Flashはスマートフォン向けアプリケーション開発には適さないとされていたのだが,iOSでAIRがサポートされるようになって,昨今ではFlashで制作されたゲームなども増えてきている。さらに,昨年発表されたネイティブコードのリンク機能やモバイルでのStage3D対応などによって,Flashをベースとしたアプリ開発は再び脚光を浴びている状況だ。
ブラウザでのゲーム環境ではライバルが登場しつつあるのだが,これまで培ってきたノウハウやリソースの蓄積は馬鹿にならないものがある。セッション中でも「JavaScriptよりAction Scriptのほうが書きやすい」といった意見が出るなど,Flashの高い表現力とパフォーマンス,そしてオーサリングツール部分の優秀性が開発者に高く評価されていることがうかがえた。
大きな市場となりそうなソーシャルゲーム分野に向けて,FlashやAIRは着実な展開を続けている。今後,より表現力豊かなブラウザゲームやソーシャルゲームが登場してくることに期待したい。