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[OGC 2009#06]今年前半に日本でもサービスされるというXbox Live「コミュニティーゲーム」の最新動向
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印刷2009/02/05 22:16

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[OGC 2009#06]今年前半に日本でもサービスされるというXbox Live「コミュニティーゲーム」の最新動向

マイクロソフト ホーム&エンターテイメント事業部XNAグループ シニアプログラムマネージャ鶴淵忠成氏
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 本日(2月5日),東京神田のベルサール神田でOnline Game & Community Service Conference 2009(OGC 2009)が開催された。
 ここではマイクロソフト ホーム&エンターテイメント事業部鶴淵忠成氏によるXbox Liveでのコミュニティーゲームへの取り組みが紹介された。概要については,すでに紹介しているとおりなので重複する事項も多くなるが,ご了承を。
 さて,「コミュニティーゲーム」(Community Games)は,Xbox 360用のゲームをユーザー自身が作って,Xbox Live上で販売できるようにするためのシステムである。
 これまでも,無償提供されているXNA Game StudioとVisual C# 2008 Express Editionを使って,ユーザー自身でXbox 360用のゲームを開発することができていたわけだが,ダウンロード販売への道が開かれたことにより,ユーザー作成ゲームは大きな岐路を迎えているといっていいだろう。

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 欧米の6地域では,昨年から実際にユーザーが作成したゲームの販売がXbox Liveのマーケットプレース上でできるようになっている。日本でのサービス開始は2009年前半を目指しているという。
 現在,欧米で公開されているユーザー作成のゲームは全部で138本とのこと。参考までに北米地域のXbox Arcadeで公開されているプロが作ったダウンロードゲームの販売数が186本とのことで,かなり短期間にも関わらず,それに迫る本数が公開されているあたりに,ユーザー作成ゲームの勢いが感じられる。

 開発そして販売に必要なのは,

  Visual C# 2008(無償のExpress Editionで可)
  XNA Game Studio(無償)
  Windows XP/Vistaが動くPC
  Xbox 360
  XNAクリエーターズクラブオンライン プレミアムメンバーシップ(有料)


だけだ。実際のゲーム動作は実機上で確認するため,開発用PCはさほど高スペックである必要もない。HDDだけは空き容量が多いほうがいいとのことだが。プレミアムメンバーシップは,年間で9600円と有償ではあるものの,メンバー同士でのピアレビュー(後述)の仕組みなどを考えると,ある程度の身元確認を兼ねたものと考えていいかもしれない。いずれにせよ,コンシューマゲーム開発でつきものの開発専用機などは不要で,誰でも参加できるレベルのコストしかかからない。
 どんなゲーム(ゲームに限る必要もないのだろうが)が作れるかというと,容量が最大150MBに限定されるものの,ほぼあらゆる種類のゲームが作成可能だ。開発言語がC#なので,多少はパフォーマンスに影響するのかもしれないが,実際にXbox 360で普通に動いているゲームとだいたい同等のものが作れると思っていいだろう。

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 Xbox Liveで提供されているオンライン機能も利用できる。例えば,対戦プレイであるとか協力プレイのようなものも可能だし,マッチメイク機能やフレンドを招待する機能なども利用できる。フレンド招待では,フレンドがいまどんなゲームでどんなステージをやっているかなどといった詳細情報まで確認できるリッチプレゼンス機能も提供されている。
 逆に,使えない機能というのもある。例えば,実績であったり,ゲーマースコア,アバターといったものは諸々の問題から利用できないそうだ。
 コミュニティーゲームで提供されるゲームでは,必ず,ゲーム本体と体験版がセットで公開され,購入前にゲームを実際に体験できるようになっているのだが,時間制限制の体験版でよければ,ゲーム開始後8分間だけプレイできるようなものを自動で作ってくれる機能もあるので,わざわざ体験版を作る手間をかけなくても済む。

XNA Game Studio で作られたゲームの例
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公開前と公開後でのコンテンツチェック体制


実際に,公開されている様子
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 コミュニティーゲームでは,マイクロソフトは販売インフラとビジネスモデルを提供するものの,パブリッシャという立場にあるのではなく,あくまでも裏方に徹する。著作権は作成者のもので,公開についてマイクロソフトが口を挟むことはない。とはいうものの,販売に不適切なコンテンツがあった場合は,販売停止などの措置を取るほか,不適切なコンテンツが販売されないような仕組みも用意している。
 まず,作成されたコンテンツに対しては,一般公開前にコミュニティーゲームの開発者同士でピアレビューというものが行われる。ここでは,ゲームがちゃんと動くか,禁止されている種類のコンテンツではないか,ゲーム内での表現は適切かなどがユーザー相互でチェックされる。ゲームが面白いかどうかとか,内容についての評価ではなく,不適切なものを含むかどうかだけがチェックされることになる。
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 全裸表現などは明確に禁止されているものの,セクシャルな表現やバイオレンス表現があったとしても,ただちに公開禁止になるわけではない。暴力表現,セクシャル表現,アダルト向けコンテンツの3種類の評価軸でランクが評価され,明らかな禁止項目を含んでいない場合であれば,「そういうものを含んでいますよ」という注意書き付きで公開されることになる。
 こういったコンテンツのレベル表記は,Xbox Liveで購入する際,あるいは,Web上でゲームの情報を見る場合に必ず表示されるので,間違って不本意な内容のコンテンツを購入する危険を減らしている。コミュニティーゲームで扱われるゲームでは,起動前に各国のちゃんとしたレーティング審査機構のチェックを通ったものではない旨が表示されるほか,子供用のアカウントでは一切アクセスできないように制限されている。あくまでもユーザー同士による自主的なレーティングなのだ。
 事前チェック以外に,ゲーム購入者から不適切であると判断される場合は,事後の苦情を申請する機能があり,公開の取り下げや無効化といった措置も取れるようになっているという。

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開発者の裾野をどう拡大するか


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 マイクロソフトでは,コミュニティーゲームの推進により,才能あるクリエータをより広く見出し,このようなシステムを利用することで手軽に収入を得ることを可能とするほか,ゲーム会社などとのコンタクトや交流を促進し,そしてユーザー全体に対してはより多彩なコンテンツを提供するという循環を構築することを目指している。
 マイクロソフトでは,XNA Game StudioとVisual C#によるプログラミング以外に,KODUやアクションゲームツクールなどで,今後はより広い層にまで開発者を広げていくことを目標としているという。
 KODUについては,以前紹介したときにまったく誤解した記事を掲載してしまったので,改めて紹介しておこう。
 KODUは,簡単に言えば,「ゲームが作れるゲーム」みたいなものである。キャラクターを指定して,その動作をGUIで指定していくなど,コントローラを使った操作だけでゲームが作れるようになっているモノ,らしい。具体的にどんなモノが作れるのかについては,実際に触ってみないとなんともいえないのだが,ゲーム開発の裾野を大きく広げることは間違いないだろう。なお,KODUで作られたゲーム自体がコミュニティーゲームのように販売されるかなどはまだ未定とのこと。

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 しかし,とりあえず,ゲーム開発自体をもっともっと簡単にしようという動きや,C#などを使わなくてもゲームを作れる環境をマイクロソフトが模索しているということだけでも,今後の展開が楽しみになってくるとはいえるだろう。
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