「サドンアタック」オフライン大会「SAJCL2015 1st Stage」をレポート。強豪同士の決戦を制したのは新鋭クランNucleus

　ネクソンは，2015年5月5日に兵庫県の神戸朝日ホールにて，同社がサービス中のオンラインFPS「サドンアタック」のオフライン大会である「SAJCL2015 1st Stage」の決勝トーナメントを開催した。

　SAJCL2015とは，Sudden Attack Japan Champions Leagueの略で，2月から行われていた予選を勝ち抜いた「Lythronax」「NabD」「nG.team」「Nucleus」の4クランが会場に集った。

会場では，さまざまなゲーム内アイテムのシリアルコードが手に入る「限定リアルガチャ」が設置されたほか，スポンサー企業のゲーマー向け周辺機器の展示や，特製Tシャツの販売も行われた

実況のOooDa氏

解説のde1piero氏

　イベントは「出張SAGCC」のコーナーで幕を開けた。SAGCCとはSudden Attack Girls Challenge Cupの略で，ネットカフェを中心に展開されている，女性プレイヤー限定の3on3マッチ大会のことだ。事前募集に応募した「チーム☆JK」「はのぴよ塾」に加え，当日参加の「竹本の囲い」「りぴめろんの囲い」の4チームがトーナメント形式で競い合った。

「はのぴよ塾」チーム（左）と「りぴめろんの囲い」チーム（右）

「竹本の囲い」チーム（左）と「チーム☆JK」（右）

　準決勝戦は60キル先取のチームデスマッチ，決勝戦は「ウェアハウス・ビギンズ」での10分間の占領戦と，普段の大会とは異なったルールで展開したSAGCCは，竹本の囲いが優勝，チーム☆JKが準優勝，はのぴよ塾とりぴめろんの囲いは3位となった。

優勝した「竹本の囲い」にはゲーマー向け周辺機器などの賞品が贈られた

　続いて，SAJCL2015 1st Stageの決勝大会が行われた。Lythronax，NabD，nG.team，Nucleusの4クランはいずれも強豪揃い。どこが優勝してもおかしくない顔ぶれだが，事前に行われた生放送における予想投票では，本命NabD，対抗Lythronaxという下馬評が出ている。

Lythronax	NabD
nG.team	Nucleus

　試合形式は6ラウンド先取の3本勝負だ。マップは，ネクソンの加藤友秀氏によるくじ引きで，準決勝戦では「第3補給倉庫」「オールドタウン」「プロバンス」が，決勝戦では「第5補給倉庫」「ホワイトスコール」「クロスポート」が使用されることが決定した。
　それぞれのマップにおいて5ラウンドプレイするとレッドとブルーの陣営を入れ換えて後半戦をスタート。先に6ラウンド勝利した側が1本獲得となり，2本先取したチームが勝利となるというルールとなっている。つまり，最短で勝利した場合でも6ラウンド×2マップ戦わなければならないわけだ。

ネクソンの加藤友秀氏

決勝トーナメントの組み合わせ表

　準決勝戦第1試合はNabD対Lythronax。優勝候補と目されていたクラン同士がいきなり激突することとなったが，試合が進むにつれて調子を上げてきたNabDが，前回優勝クランであるLythronaxを下した。

準決勝戦第1試合に挑む，NabD（左写真）とLythronax（右写真）

　続いて行われた準決勝戦第2試合は，nG.team対Nucleusというカードだ。実はnG.teamのKei[NG]選手とNucleusのNucleus‐Rei選手は双子の兄弟で，期せずして“兄弟対決”が実現することになった。両クランは互角の戦いを見せ，第2マップのオールドタウンが延長戦にまでもつれ込んだが，ギリギリのところでNucleusが勝利し，決勝へコマを進めた。

準決勝戦第2試合は，nG.team（右写真）とNucleus（左写真）が戦った

　決勝戦はNabDとNucleusが激突することとなった。NabDは大会出場経験も豊富な有名クランだが，新たなメンバーを加えた新体制で挑んでいる。対するNucleusは，オフライン大会に出場するのは2回目という新鋭だ。
　名門NabDが新体制のもとで歴史を重ねるのか，それともNucleusが新たな伝説を打ち立てるのか。注目の中で，決勝戦の幕が切って落とされた。

決勝戦に挑むNabD（左上写真）と，Nucleus（右上写真）。試合に先立ち，両チームは健闘を誓って握手をかわした

　最初の戦場となる第5補給倉庫は，爆弾を設置するよりも，撃ち合いで勝負が決まることの多いマップだ。両クランが激しく激突する迫力ある戦いが繰り広げられ，Nucleusが6対2と大差を付けて勝利をものにしている。

　続いては，広々としたマップ構成が特徴的なホワイトスコールでの戦い。ここではNabD│ApoCalys選手が4キルを決め，NabD｜Tengo選手が巧みなスナイプでNucleus陣営を押さえ込むなど，終始怒濤の攻めを見せ，6対2という，先のラウンドの意趣返しと思えるスコアで一本を取り返した。


　泣いても笑っても最後となるのが，スナイパーが活躍できるクロスポートでの戦いだ。開幕にNabD｜Jeybek選手がNucleusのメンバー4人を倒せば，次のラウンドにNucleus‐Fortune選手がお返しとばかりに3キルを決めるなど，お互いにまったく譲らない展開となった。試合はシーソーゲームになるかと思われたが，戦いが進むにつれ，Nucleusメンバーのキレが増していく。4対1という圧倒的なスコアで折り返し，続くラウンドも勝利して優勝に王手を掛けた。しかし，NabDも黙っていない。4人を残してNucleusを全滅させ，仕掛けられた爆弾も解除するなど，巧みなプレイで立て続けに3ラウンドを取り返す。まさに死闘だ。


　5対4というスコアで迎えた最終ラウンドは，Nucleusはあと1勝で優勝，NabDはここで勝って延長戦に持ち込みたいという，どちらにとっても落とせない戦いだ。ラウンドは互角の撃ち合いでスタートするが，勝負に出たNucleusが爆弾を仕掛けたことから戦いはさらにヒートアップする。爆弾を解除しようとするNabDと，これを防がんとするNucleusがぶつかり合い，激しい攻めを凌ぎきったNucleusが優勝を手にした。

優勝の瞬間，喜びに沸くNucleusメンバー

3位タイとなった，Lythronax（左写真）とnG.team（右写真）。賞金10万円とゲーマー向け周辺機器が贈られた

2位となったNabDには，賞金30万円とゲーマー向け周辺機器が贈られた

優勝したNucleus。賞金100万円とゲーマー向け周辺機器，さらに記念の盾やトロフィーが贈られた

MVPは，華麗なプレイで試合を盛りあげたNucleus‐Fortune選手に決定。NET CASH10万ポイントとゲーマー向け周辺機器が贈られた

　最後に加藤氏から，今後の大会に関する情報が公開された。5月下旬から6月にかけては，スナイパーライフルオンリーの大会と3on3大会という，2つの小規模競技会が行われる。また，7月からはSAJCL2015ファイナルステージの予選がスタートするという。
　スナイパー同士の戦いで頂点に立つのはどのクランなのか。3人チームで新たな強豪が生まれるのか。そしてSAJCL2015ファイナルステージはどうなるのか。これからもサドンアタックの大会は熱い話題を提供してくれそうだ。

「サドンアタック」公式サイト