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HD 6000シリーズまでに対応した「Catalyst 12.1」公開。Eyefinityの拡張を含んだ「Catalyst 12.2 Preview」も
対応GPUは下記のとおりで,2011年12月下旬に搭載カードが発売された「Radeon HD 7970」はいずれのドライバでもサポート対象外だ。AMDは,Radeon HD 7970のユーザーに対し,「Catalyst 11.12」ベースの「8.921.2 RC11 AMD Radeon HD 7900 driver」(以下,8.921.2 RC11)を使い続けるよう呼びかけているので,この点は注意してほしい。
- デスクトップPC向けRadeon HD 6000〜2000シリーズ
- ノートPC向けRadeon HD 6900M・6800・6300MおよびATI Mobility Radeon HD 5000〜2000シリーズ
- Fusion APU A・E&Cシリーズ
- AMD 7〜9世代のデスクトップPC向けチップセット(※AMD 740Gを除く)
- 「ATI PowerXpress」対応のノートPC用チップセット
すぐに入手したい人は下に示したリンクを使ってもらえればと思うが,ユーザーからすると大きなトピックになりそうなのが,今回から,グラフィックスドライバや「Catalyst Control Center」(以下,CCC。APUやAMD製GPU+CPUの場合は「VISION Engine Control Center」と名称が変わるので,そちらは以下VECCと呼称する)などを含むCatalyst 12.1のオールインワンパッケージが日本語を含む多言語対応した点だ。それを受けて,4Gamer最新ドライバリンクページも更新をかけている。
なお,筆者が確認した限り,Catalyst 12.2 Previewも多言語版のワンパッケージだった。
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst 12.1
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst 12.1
→Windows XP用Catalyst 12.1
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 12.1
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 12.1
→4Gamer最新ドライバリンクページ
→Catalyst 12.2 Preview(※リンク先にWindows 7&Vista用のダウンロードリンクが示されています)
Catalyst 12.1における「Display Driver」のバージョンは8.93(1201191634-8.93-111205a-132104C-ATI)。「Catalyst 12.1a Preview」の同8.93.10(1201031139-8.93.10-120102a-131070E-ATI)より新しい。一方のCatalyst 12.2 Previewは8.94(1201241410-8.94-120120a-132259E-ATI.2)だ。
例によって,英文リリースノートの和訳を試みて本稿の最後にまとめてみたため,興味のある人は参考にしてほしいのだが,Catalyst 12.1は,プレビュー版の内容を含みつつ,追加でバグ修正もしてきたものという理解でよさそうである。「Catalyst 12.1 Preview」で大きく謳われていた「The Elder Scrolls V: Skyrim」最適化の文言が,“Catalyst 2012年1月号”できれいさっぱり消えてなくなっているのは少々気になるところだが……。
なお,Catalyst 12.2 Previewは,Catalyst 12.1の更新内容をすべて含みつつ,追加でEyefinityの拡張がなされたものとなっている。AMDのCatalyst担当であるAndrew Dodd氏は「ゲーマーにはCatalyst 12.2 Previewの導入を勧める」としているものの,アップデート内容を見る限り,Eyefinityを常用していないなら見送りでいいかもしれない。
なお,こちらもCatalyst 12.1の更新内容と合わせて和訳しているので,本稿の最後をチェックしてもらえれば幸いだ。
いずれにせよ,ドライバのアップデートは自己責任となる。導入にあたって,その点だけはご注意のほどを。
●Catalyst 12.1の新要素
※Catalyst 12.1 Previewの内容を正式に実装したという位置づけ
・AMD HD3Dの拡張
- CrossFireX動作時のAMD HD3Dが利用可能になった
- HDMI 1.4a接続時に,1080p@30Hzの3D立体視表示が可能になった
・CCC&VECC Application Profileの拡張
- ユーザーが,アプリケーションごとに個別の3D設定やCrossFireX設定を行えるようになった。対応アプリケーションはDirect3Dベースのものとなる(本機能の利用前に,CCCの「Catalyst Control Center Preferences」にある「Restore Factory Defaults」の実行が必要。これにより,それ以前にインストールされていたドライバとCatalyst 12.1との間でApplication Profileの互換性問題が発生する問題を回避できるという)
・CCC&VECCビデオ設定UIの拡張
- ビデオカラー設定とビデオ品質設定のUIを単純化した
●Catalyst 12.2 Preview Driverの新要素
・Eyefinityの拡張
- 選択できる解像度が増えた
- ディスプレイケーブルの抜き差しに合わせて,自動的にEyefinity設定が変更されるようになった
- ユーザーが行ったHydraVisionの設定に合わせて,Windowsタスクバーの位置やサイズを調整できるようになった
- Profile Managerから5x1設定や拡張設定を行えるようになった
●Catalyst 12.1で解決した問題(Windows 7)
- 「Aliens vs. Predator」のプレイ中,ゲーム内のマウスカーソルが消えることのある問題
- ディスプレイ3枚によるEyefinity構成時に,「Enemy Territory: Quake Wars」が断続的にクラッシュする問題(※「ランダムに落ちる」という意味ではないかと思われるが,「断続的にクラッシュする」という状況の詳細は不明。原文は「Enemy Territory - Quake Ware will no longer experience intermittent crashes when in a 3 monitor Eyefinity configuration.」
- 「Enemy Territory: Quake Wars」で水テクスチャが正常に描画されない問題
- 「Colin McRae: DiRT 2」をDirectX 9モードで実行すると,引っかかったような挙動を示す問題
- CrossFireX構成時に「Crysis 2」をプレイすると,画面表示がおかしくなったり,ゲームアプリケーションが不安定になったりする問題
- 3-way CrossFireX構成時に「Dragon Age II」をプレイすると,画面表示がおかしくなったり,画面にちらつきが生じたりすることのある問題
- CrossFireX構成時に「ロストプラネット 2」を実行すると,ゲームの起動後にアプリケーションがクラッシュする問題
- 「ロストプラネット 2」と「Tom Clancy's H.A.W.X. 2」でゲーム内のグラフィックス設定を高くすると,ゲームがハングしたり,画面に何も表示されなくなったりすることのある問題
- 「World of Warcraft」をDirectX 9モードで実行すると,水テクスチャの表示がおかしくなる問題
- CrossFireX構成時に「Rage」を実行すると,断続的にハングする問題
●Catalyst 12.1で解決した問題(Windows Vista)
- 「WinDVD」を用いてBlu-ray DiscやDVDを再生している最中にディスクを取り出すと,システムがクラッシュする問題
- 「PowerDVD」を用いて立体視コンテンツを再生するときにハードウェアアクセラレーションが効かない問題
- 「World of Warcraft」と「Metro 2033」「StarCraft II: Wings of Liberty」で,ゲーム側のグラフィックス設定を高くすると,性能が出ないことのある問題
- 「Medal of Honor」でゲーム側のグラフィックス設定が正しく表示されない問題
●ノートPC向けCatalyst 12.1の制限事項
- 本バージョンのリリース後に発表されたノートPCは非対応
- Switchable Graphicsが有効なノートPCは非対応
- 東芝製ノートPC,ソニー製「VAIO」シリーズのノートPC,パナソニック製ノートPCは非対応(※従来同様,ドライバはPCメーカーから提供される)
- 関連タイトル:
AMD Software
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