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「Catalyst 11.2」リリース。「11.1a Hotfix」の新機能が正式対応に
北米時間2011年2月15日,AMDから,同社製GPUおよびチップセットに対応するドライバスイートの最新版「Catalyst 11.2」が公開された。対応製品は以下のとおりで,「Catalyst 11.1」からの変更はない。
- デスクトップPC向けRadeon HD 6000〜2000シリーズ
- ノートPC向けRadeon HD 6900M・6800・6300MおよびATI Mobility Radeon HD 5000〜2000シリーズ
- Fusion APU E&Cシリーズ
- 「AMD 740G」を除くAMD 7〜8世代のデスクトップPC向けチップセット
- 「ATI PowerXpress」対応のノートPC用チップセット
このほか,「Morphological Anti-Aliasing」がATI Radeon HD 5000シリーズからもサポートされたり,いくつかのゲームタイトルで性能の最適化やバグフィックスが進められていたり,「Catalyst Control Center」(以下,CCC)のビデオ再生周りに手が入っていたりと,今回も相応の規模にはなっている印象だ。ドライバの更新作業は自己責任となるが,対応製品を持っているなら,本稿の最後にまとめた英文リリースノートの和訳を参考にしつつ,試してみてはどうだろうか。
なお,ドライバの入手先は以下のとおり。Catalystはコンポーネントが多岐に及んでいて少々分かりづらいので,どれを入手すべきか悩んだ人は,4Gamerの最新ドライバリンクページを利用してもらえれば幸いだ。
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst 11.2
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst 11.2
→Windows XP用Catalyst 11.2
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 11.2
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 11.2
→4Gamer最新ドライバリンクページ
●Catalyst 11.2の新要素
・Catalyst A.I.テクスチャフィルタリング関連アップデート
- 「Quality」設定で,「MIPMAPの切り替わるエリアではトライリニア異方性フィルタリング,それ以外のところではバイリニア異方性フィルタリングを適用する」という“最適化”を有効にする一方,それ以外は「High Quality」と同じ設定になるように見直した。この最適化により,目に見える画質に影響を与えないまま,フィルタリング性能を引き上げられるという
- 「Perforance」設定で,「異方性フィルタリングがテクスチャのディテールを維持しようとするとき生じるちらつき」のほとんどを除去できるよう,フィルタリングオプションを追加
- Radeon HD 6000シリーズとATI Radeon HD 5000シリーズに対応
- アプリケーション内で使われるテッセレーションの程度を,完全に制御できるように,設定を追加
・デフォルト設定は「AMD Optimized」。それぞれアプリケーションにとってベストだとAMDの判断した設定が適用される。本設定では,テッセレーションの効果を最大限享受でき,同時に,テッセレーション処理負荷が引き起こすフレームレート低下を最小限で抑えるようになっているという。現時点で,アプリケーションプロファイルは用意されていない(※ので,おそらくCatalyst 11.1以前と同じテッセレーション設定が適用されるものと思われる)
・「Use Application Settings」は,アプリケーション側にテッセレーション設定を委ねる
・スライダーにより,ユーザーは最大テッセレーション設定を利用できるよう,手動設定することもできる
・Blu-ray 3D再生中のビデオ品質設定対応追加
- 対象となるGPUはRadeon HD 6000シリーズ
- Blu-ray 3Dに対応したソフトウェアプレーヤーと,AMDの「HD3D」をサポートした3D立体視対応ディスプレイ&3D立体視用メガネが必要
- 以上の条件を満たした場合,ユーザーはBlu-ray 3Dコンテンツの再生中に,CCCから「Video Quality」設定を変更できる
●Catalyst 11.2におけるパフォーマンス向上
・Call of Duty: Black Ops
- ATI Radeon HD 5000シリーズのシングルカード構成で,異方性フィルタリングとアンチエイリアシングを適用したとき最大11%
- ATI Radeon HD 5000シリーズのシングルカード構成で,異方性フィルタリングとアンチエイリアシングを無効化したとき最大4%
●Catalyst 11.2で解決した問題(Windows 7)
- 「Heaven Benchmark」の実行時,画面表示が片っ端からおかしくなる問題
- CCCからSuper AAを適用して「Heaven Benchmark」を実行すると,テクスチャの表示がおかしくなる問題
- 「Tom Clancy's H.A.W.X」をDirectX 9モードで実行すると,画面表示が間欠的におかしくなる問題
- “Lost Planet”をDirectX 10モードで実行すると,画面表示がおかしくなる問題(※“Lost Planet”が「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」「ロスト プラネット コロニーズ」の両方を指しているのか,片方なのかは分からない)
- 720p解像度のWMVビデオファイルを再生すると,事前に予想できない形でシステムの応答が鈍くなる問題
- 「Windows Media Player」からSD解像度のDVD-Videoを再生すると,画面表示が間欠的におかしくなる問題
- 「WinDVD 10」でインタレース形式のDVD-Videoを再生すると,カクカクして見える問題
- 一部の3Dアプリケーションで,(強制的にアンチエイリアシングを適用しようとしても)CCC側の選択肢に8xアンチエイリアシングが表示されない問題
- AMD製の「Ladybug」デモをカメラモードで見ようとするとフリーズする問題
- マルチディスプレイ環境をクローンモードで構築しているとき,DirectX 9世代のゲームタイトルを実行すると,片方のディスプレイで,最下部の画面表示が間欠的におかしくなる問題
●Catalyst 11.2で解決した問題(Windows Vista)
- リリースノートに記載なし
●Catalyst 11.2で解決した問題(Windows XP)
- ビデオガンマ設定(の変更)を適用するとき,事前に予想できない形で画面がちらつく問題
- “Medal of Honor”をプレイしているとき,システムが間欠的にハングする問題(※“Medal of Honor”は,素直に解釈するなら2010年10月に発売された「メダル オブ オナー」のことだろうが,旧作品を指している可能性もある)
- CrossFireXが有効な環境で,「Sid Meier's Civilization V」を実行すると,誤ってVPU Recoveryが動作する問題
- 「Warhammer 40,000: Dawn of War II」で,ゲーム側のグラフィックス設定を「High」に指定すると,事前に予想できない形でワイヤーフレームが表示される問題
●ノートPC向けとなるCatalyst Mobility 11.2の制限事項
- 本バージョンのリリース後に発表されたノートPCは非対応
- Intel製チップセットを搭載し,Switchable Graphicsを採用したノートPCは非対応
- 東芝製ノートPC,ソニー製「VAIO」シリーズのノートPC,パナソニック製ノートPCは非対応(※従来同様,ドライバはPCメーカーから提供される)
- 関連タイトル:
AMD Software
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