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Windows XP環境でHybrid Graphicsをサポートした「ATI Catalyst 8.8」公開
ATI Radeon 9500〜9800とATI Radeon X以降の単体GPUと,ATI Radeon XpressおよびAMD 4/5/6/7シリーズチップセットがサポートされており,対応OSはWindows XPおよび32/64bit版Windows Vistaとなる。
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「Display Driver」のバージョンは「8.522」で,先月からわずか0.01のアップデートに留まる2008年8月版ドライバ。だが,バージョン番号があまり更新されていない割には,「Windows XP環境のサポート拡充」という,非常に重要な新要素の追加がある。詳細は下記のとおりだ。
●Catalyst 8.8の新要素
- Windows XP環境における「Hybrid Graphics」新規サポート
AMD 780G/780Dグラフィックス機能統合型チップセットとATI Radeon HD 3400/2400シリーズ搭載の単体グラフィックスカードによる「ATI Hybrid CrossFireX」動作が可能に。チップセットとグラフィックスカードの併用による最大4ディスプレイ出力もサポートされる - Windows XP環境における「Avivo HD」の機能「Edge Enhancement」新規サポート
ビデオのシャープネスとノイズリダクションの設定が可能になり,ビデオソースに含まれるゴーストの除去を試みることができるようになった - ATI Radeon HD 4800搭載環境で「Avivo HD」の機能「Dynamic Gamma Correction」「Dynamic Contrast Correction」新規サポート
「Avivo HD」の機能として,色味やコントラストの調整が可能になった - ATI Radeon HD 4000/3000シリーズ搭載環境で,ビデオプリセットの内容を刷新
プリセットの最適化が進んだ
Hybrid Graphicsのゲームにおける有効性というのは,正直に述べて微妙なのだが,それでも,「Windows Vistaのみ」とされてきた機能がWindows XP環境へももたらされたことは,大いに歓迎すべきだろう。同じくOSによって機能に違いのあったAvivo HDについても,一部機能が新たにサポートされた点を,喜ぶ人は少なくないはずである。
なお,恒例のバグフィックスは下記のとおり。理由は不明ながら,いくつかATI Catalyst 8.7から持ち越している内容があるので,それは冒頭に★マークを付けて区別している。
●Catalyst 8.8で解決した主な問題(Windows XP)
- ATI CrossFireX(以下,CrossFireX)構成でアジアのタイトル「3 Kingdom OL」をプレイすると,戦闘準備メニュー(※詳細不明。原文は「fight preparation menu」)でテクスチャの表示がおかしくなる問題
- 「Assassin's Creed」のゲーム内オプションを「3」に設定し,かつディスプレイ解像度を1024×768ドットに指定すると,キャラクターの周囲が光って見える問題
- ★解像度2560×1600ドットで「City of Heroes」をプレイすると,キャラクターが引き伸ばされて表示されたり,「double character reflection」(※原文ママ。キャラクターもしくはキャラクターの影が二重に表示されることではないかと思われるが詳細は不明)が生じたりする問題
- CrossFireX構成で「Company of Heroes: Opposing Fronts」を実行し,ゲーム側のグラフィックスオプション設定を最も低く設定すると,画面が光って見える問題
- ATI Radeon HD 4800シリーズ搭載環境で「Enemy Territory: Quake Wars」をプレイすると,画面表示が断続的におかしくなる問題
- ATI Radeon HD 2600搭載環境で「F.E.A.R.: Perseus Mandate」のデモ版を起動すると,システムが応答しなくなる問題
- 「Just Cause」を実行し,ゲーム側オプションからディスプレイ解像度を1280×1024ドット,グラフィックス設定を最高レベルに指定すると,ディスプレイ下部の表示がおかしくなる問題
- ATI Radeon HD 3600シリーズ搭載環境で,「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」実行時に,ゲームとWindowsデスクトップをタスク切り替えすると画面表示がおかしくなる問題
- ATI Radeon HD 4800シリーズ搭載環境で「Quake 4」を実行し,新たにゲームを始めると,画面表示がおかしくなる問題
- アンチエイリアシング設定を有効化して「The Witcher」を実行し,ゲーム内オプションからグラフィックス設定を最高レベルに指定すると,背景色が表示されず,またゲームの実行速度にむらが生じる問題
- CrossFireX構成時に16xアンチエイリアシング&8x異方性フィルタリングを適用して「The Witcher」を実行し,ゲーム内オプションからグラフィックス設定を最高レベルに指定すると,画面表示がおかしくなる問題
- ATI Radeon HD 4800シリーズのCrossFireX構成時に「The Witcher」を実行すると,ゲームが応答しなくなる問題
●Catalyst 8.8で解決した主な問題(Windows Vista)
- CrossFireX構成時に,HDMI出力で1080p出力を行っていると,「Call of Duty 4」で画面表示がおかしくなる問題
- CrossFireX構成時に「デビル メイ クライ 4」でアンチエイリアシングを適用できない問題
- CrossFireX構成時にMSAAを有効化していると,「Colin McRae: DIRT」の「German Crossover track」(Rally World Event)で,スタンドやフェンスが表示されない問題
- ★ディスプレイ解像度を2560×1600ドットに設定すると,「Hellgate: London」が応答しなくなる問題
- 「Lineage II」実行時に,ゲームとWindowsデスクトップをタスク切り替えすると,デスクトップの輝度が標準状態よりも高くなる問題。ゲームを終了し,PCを再起動しても,標準状態に戻らないことがあった
- CrossFireX構成時に,4xアンチエイリアシング&8x異方性フィルタリングを適用してDirectX 9版「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」を実行し,ゲーム内設定を「高」に設定すると,「PERFORMANCE TEST」を実行したときにゲームが応答しなくなる問題
- 「pre-configured name brand systems」(※詳細不明。何らかの組み込みシステムのことか?)で「Mahjongg Artifacts」をプレイすると,画面がちらつく問題
- CrossFireX構成時に「Mass Effect」をプレイすると,アンチエイリアシング設定メニューの表示がおかしくなる問題
- ATI Radeon HD 2400シリーズ等足環境で「NASCAR」(※バージョン不明)のデモ版を実行し,ゲーム内オプションを最高に指定すると,画面表示がおかしくなる問題
- ATI Radeon HD 4800シリーズ搭載環境で「Quake 4」を実行し,新たにゲームを始めると,画面表示がおかしくなる問題
- ATI Radeon HD 2400以上のGPUによるCrossFireX構成時に「Second Life」をプレイすると,画面表示がおかしくなり,かつ低いパフォーマンスしか発揮できない問題
- 「Unreal Tournament 3」で,テクスチャ設定が最高に指定されていると,ゲームが“落ちる”ことがある問題
- ★「World in Conflict」でゲーム内のグラフィックス設定を「High」に指定すると,画面表示がおかしくなる問題
バグフィックスに関しては,ゲームと関連したもののみをピックアップして和訳してみたが,英文リリースノートにはこのほかにも,ビデオ再生やATI Catalyst Control Center,ディスプレイ接続周りを中心に,多数の修正内容が見て取れる。とくにWindows Vista環境については,大規模な修正が行われていると述べて差し支えないレベルだ。
というわけで,Catalyst 8.8はWindows XPユーザーにとっても,Windows Vistaユーザーにとっても重要なアップデートといえるだろう。ドライバのアップデート作業は自己責任となるが,該当するグラフィックスカードやマザーボードを利用している人には,ひとまず導入を勧めたい。
- 関連タイトル:
AMD Software
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