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「GeForce Driver 190.38 Beta」リリース。電力管理機能を新たにサポートしてRelease 190世代が始まる
対応OSは,Windows XPと32/64bit版Windows Vista/7。統合される「PhysX System Software」のバージョンは,Release 180世代の最新版と同じ9.09.0428になっている。
すぐに入手したい人は,下に示したリンクを利用してほしい。
→Windows XP用GeForce/ION Driver 190.38 Beta(109MB)
→32bit版Windows Vista/7用GeForce/ION Driver 190.38 Beta(124MB)
→64bit版Windows Vista/7用GeForce/ION Driver 190.38 Beta(143MB)
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対応製品はGeForce 9以降。本機能は,「Manage 3D Settings」(3D設定の管理)に追加され,「Adaptive」(適応)と「Prefer Maximum Performance」(パフォーマンス最大化を優先),二つの選択肢を提供する。
各モードの詳細と具体的な挙動は,リリースノートによると以下のとおり。基本的にはAdaptiveを選んでおけば問題ないだろうが,選択できるようになったこと,それ自体は歓迎すべきだろう。
- Adaptive(適応):
デフォルト設定で,NVIDIA推奨。グラフィックスカードは,GPUの負荷をモニタリングし,常に最小の電力消費で済むようにする。旧作の3Dゲームタイトルを実行するときなど,GPUが持つ3D性能をフルに必要としない場合に大変効果的だという - Prefer Maximum Performance(パフォーマンス最大化を優先):
GPU負荷状況にかかわらず,常に最大のGPUパフォーマンスを発揮できるようにする。グローバル設定から指定すれば,すべての3Dアプリケーションで適用されるようになっており,プログラム設定から指定すれば,特定のアプリケーションだけ適用することもできる
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日本時間7月17日11:30時点で,Windows XP用ドライバダウンロードページのリリースハイライトには,パワーマネジメントをサポートするという記述が確かにある。しかし,詳細の書かれた英語版のリリースノートにその言及はなく,実際にGeForce 9600 GSO搭載のWindows XPシステムにGeForce Driver 190.38 Betaをインストールして確認した限り,パワーマネジメント機能は利用できなかった。
NVIDIA側の表記ミスなのか,今後のアップデートでWindows XPもサポートされるのかは分からない――筆者の経験上,前者の可能性のほうが高い気はする――が,Windows XPユーザーはご注意を。
※2009年7月22日17:30追記
NVIDIAに問い合わせたところ,22日付けで「Windows XP環境では,パワーマネジメント機能はサポートされていない」という公式回答が得られました。本文は初出時のままにしておきますので,注意してください。
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このほか,NVIDIAコントロールパネル以外にも,いくつか新機能/要素の追加があるので,以下,箇条書きでお伝えしたい。またその下には,恒例のバグフィックス内容もまとめておいたので,合わせてどうぞ。
なお今回,特定のゲームアプリケーションに向けた最適化(=パフォーマンスの向上)はアナウンスされていない。
●GeForce Driver 190.38 Betaの新機能/要素(Windows XP/Vista/7)
- クローンモードにおける,両方のディスプレイに対するハードウェアオーバーレイ出力のサポート
- CUDA 2.3サポート
- CUDAベースの「64-bit video encoding」サポート(※詳細不明。64bit版のCUDAベーストランスコーダが利用可能になったということか?)
- CUDAにおける,SLI構成内全GPUの利用サポート
- OpenGL 3.1サポート
●GeForce Driver 190.38 Betaで解決した問題(Windows XP)
- GeForce 200シリーズ,もしくはGeForce 8800 GTS搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルから「Adjust Video Color Settings」(ビデオカラー設定の調整)ページを開くと,ブルースクリーンになったり,システムがハングアップしたりする問題
- GeForce 9/8シリーズのNVIDIA SLI(以下,SLI)構成時に,SLIのターゲットディスプレイを,フォーカスしたディスプレイからスレーブのGPUに接続されたディスプレイに切り替えると,ディスプレイに何も表示されなくなる問題(※ということだと思われる。原文は「There is no display after switching the SLI display to the slave GPU.」)
- GeForce 8500 GTのSLI構成時に,「Hellgate London」をプレイすると,画面内のオブジェクトがちらついたり,オブジェクトの表示がおかしくなったりする問題
●GeForce Driver 190.38 Betaで解決した問題(32bit版Windows Vista)
- リリースノートに記載なし
●GeForce Driver 190.38 Betaで解決した問題(64bit版Windows Vista)
- GeForce 9800 GX2搭載環境で,システムがスタンバイモード(≒スリープモード)から復帰しない問題
●GeForce Driver 190.38 Betaで解決した問題(32/64bit版Windows 7)
- GeForce GTX 285を搭載したデュアルディスプレイ環境で,NVIDIAコントロールパネルの「Manage Custom Resolutions」(カスタム解像度の管理)からセカンダリディスプレイにカスタム解像度を設定すると,プライマリディスプレイの解像度が,新たに設定したその解像度に切り替わる問題
ご覧のとおり,バグフィックス自体は小粒。Release 190世代への移行に当たって,まずはNVIDIAコントロールパネルやCUDA,OpenGL周りを中心に拡張を行ってきた,というところだろうか。
Release 190世代の公式最新版ドライバのリリースに向けてのブラッシュアップはこれから始まるものと思われるため,対応製品を使っている人すべてに勧められるものではない。ただ,NVIDIAはゲーマーに対して,公式最新βドライバの利用を推奨していることも踏まえると,新機能を試してみたいなら,自己責任で導入してみるのも悪くはなさそうだ。
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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