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やはり戦闘が面白い!韓国「Granado Espada」βテストレポート
今回韓国特派員経由でβアカウントを入手し,二日めからではあるが,編集部でもある程度検証することができたので,早速プレイレポートをお届けしよう。βテストの第1フェイズとなる今回の「インプレッションテスト」では,以下の項目でPro-Testerが検証/分析を行ったので,レポートもその検証内容に沿った形でお届けする。
【検証内容】
・キャラクターの操作感
・基本戦闘
・ユーザーインタフェース
【公開マップ】
・リボルドウェ室内
・リボルドウェ
・リボルドウェ南
・アルケルトモレッツァ
・アルケルトモレッツァ B1〜B3
念を押しておくが,本レポートはβテストの,それも第1フェイズの段階で執筆したものである。すべての部分は,変更の可能性/余地がある。キム・ハッキュ氏が,Pro-Tester達に対して語った「未完成のGEを見て,安直に判断を下すようなことのない,広い視野を持ってください」という言葉を強く意識して,記事を読んでいただきたい。
今回のテストでは,プレイヤーがファイター,スカウト,マスケッティア,ウィザード,ウォーロックで好きなキャラクターを作成できた。キャラクターメイキングでクラス,性別を選び,変更できるグラフィックスは顔部分1パターンのみ。βテストのスクリーンショット(「こちら」)を見ると,似たようなキャラクターばかりが映っているのは,そのためだ。
ちなみに,装備品に関してもグラフィックスに変化が見られたのは,武器や盾など,手に持つタイプのアイテムのみ。β版固有の仕様だといいが,鎧を装備しても見た目が変わらないのはちょっと寂しい。
今回のテストに使用したPCは,CPUがAthlon XP 2800+,メインメモリが1GB,グラフィックスチップはRadeon 9800 Proというスペック。動作は比較的サクサクといった印象で,キャラクターの密集や激しいスキルエフェクトによるグラフィックス描画の速度低下や,回線のラグなどはもちろん存在するが,許容範囲といったところ。ただ"ラグが発生すると完全にキャラクターが固まる"(つまり,スローになったりキャラクターがワープしたりしない)という仕様なのは,少し気になる部分ではある。このあたりは今後のチューニングに期待したい。
また今回のテストではすでにウィンドウモードも実装されていたが,リアルタイム性を求められる本作のゲーム性やPC負荷を考えると,利用はあまりお勧めできないかもしれない。
■キャラクターの操作感とユーザーインタフェース
既報のとおり本作は,基本的にはマウスでキャラクターを操作する。そしてリーダーキャラクターやスタンス,キャラクターAIの変更,スキル使用,各種ウィンドウの開閉,そしてチャットにはキーを使用する(βテスト段階でのキーアサインは「こちら」の記事を参照)。
GEは比較的マップの見通しが良く,キャラクターに対してカメラ位置をかなり"引ける"ため,移動に関するストレスは少なめだ。もちろんこれには,Path Findingエンジン(自動経路選択エンジン)も大きく貢献しており,開けたフィールドでは遠くの移動ポイントをクリックしておいて他人とチャットしたり一服するぐらいのことはできる。
一方屋内(今回試せたのはダンジョン)など,前後左右に壁のあるようなシチュエーションでは,キャラクターの視認性を高めるためにキャラクター移動とカメラ操作を同時に行う必要がある。そしてここに,3Dゲーム特有のストレスがあった。
これは屋内マップのすべての場所にいえることではないが,キャラクターとカメラの間に"透けない壁"があるのがストレスの大きな原因で,四角い部屋の隅っこで戦闘を行う場合などはやや煩雑な操作となるうえ,スキル使用やモンスターターゲットなどの行動がワンテンポ遅れてしまう印象だ。もちろんこれは3Dゲームでは比較的ポピュラーな問題(?)で"気にしなければ気にならない"のだが,GEの場合はAIによって複数のキャラクターがある程度自立して行動するため,弊害が顕著に出てしまっている。ここはぜひ改善を求めたいところである。
ユーザーインタフェースはすでに公開されているスクリーンショットから大きな変化はない。情報ウィンドウは少なめで,ステータスウィンドウとスキルウィンドウ,インベントリを主に利用する程度。
インベントリはコマンダー(便宜上,"プレイヤーのこと"と考えてほしい)単位で所有することとなり,キャラクター間のアイテム移動などは必要ない。ただバラックに格納したキャラクターの装備品は使えないので,3人以上のキャラクターを扱い出すとやや管理が面倒。ワンクリックで装備をすべて解除するなどのボタンがほしい。
ついでにいうと,スキルがF5キーから割り当てられていることに,テストできた二日間では慣れることができなかった。これは現在のキーアサインで一番複雑な(移動距離の多い)左手の連続動作,例えば[Alt+F1キー](キャラ選択)→[Altキー+4](スタンス選択)→[F12キー](スキル選択)といったものを想像すれば伝わるだろうか。個人的には,数字キーはできるだけ共通で使用し,Ctrl,Shift,Altキー周りで要素を切り分けてほしいところである。
またキー操作に関しては,チャット以外,ほぼすべてのキー操作をAltキーと併用で行うというのも,やや戸惑う。素早くチャットを行うために文字キーが常にフリーにされているのかもしれないが,ここは多少,プレイヤーからの改善要望が出そうだ。
■やはり戦闘部分は抜群のデキ!
しかし,ストレスがないわけではない。
通常1体のキャラクターを操作するMMORPGとは異なり,本作では最大3体のキャラクターを操作する。3体といってもプレイヤーが実際に操るのは,その瞬間のリーダーだけで,あとの2体はAIが操作することになる。
そこで問題となるのは,AIの動作である。個人的にはβテスト開始前は2体のキャラクターに対する命令や,切り替えに関する問題ばかりを気にしていたわけだが,現実的に一番大きくプレイフィールを損なっているのはその"位置どり"。
遠距離攻撃を行うマスケッティアなどはところどころで立ち止まるためキャラクターの位置を見失いがちだし,逆にファイター系は近接戦闘を行うため次々と敵を求めて走り回って,こちらもカメラの操作が忙しい。で,こうなるとカメラを引いて俯瞰で見るしかなくなるのだが,ここで前項で述べたカメラの問題が生じるといった,ちょっと困った具合なのだ。
もちろん本作には"現在の場所を維持して戦闘"(Ctrlキー+H)などの命令があるにはあるが,それだけではやはり混戦でモンスターに対応できない。AIが今後どう改善するかで,プレイフィールはどんどん変化しそうである。現段階では,ある程度同じ攻撃属性(近距離/遠距離)のクラスでチームを組むと,少しプレイしやすい。
そのほか,戦闘について気づいた部分を箇条書きでまとめておく。もちろんβテスト固有の仕様である部分が多いはずなので,参考程度に目を通してみてほしい。経験値獲得の仕様などPL(パワーレベリング)に関わるクリティカルな部分は,国内クローズドβテストなどを通して,サービス元に確認していく予定だ。
・キャラクターが倒されると死体が残り,蘇生などの措置を行わずにゾーニングすると,死亡キャラクターはチームから外れてバラックに戻る
・キャラクターの足の速さはクラスによって異なる
・2体のキャラクターを置いてけぼりにして1体のキャラクターだけでゾーニングしても,チーム全体が次のゾーンへ移動できる
・経験値は,チームメンバーに均等に配分される
・ルート(戦闘後のドロップアイテム獲得)に制限はなし。他人が倒したモンスターのドロップアイテムを拾える
・モンスターは基本的にはアクティブ(攻撃的)
・パーティシステムは現状ではなし
・モンスターのターゲットはマウスで行う
■キャラクターの成長について
【キャラクターレベルベース】
キャラクターレベルが上がる→HP/SPが増加する。装備可能な武器/防具が増える
装備可能な武器が増える→攻撃力/防御力(または耐性)が増加させられる。選べるスタンスが増える
選べるスタンスが増える→使用可能なスキルが増える
【スタンスレベルベース】
スタンスのレベルが上がる→武器に設定されたスキルがアンロックされていく
スタンスのスキルポイントが溜まる→ポイントを振って,スキルを強化できる
※スキルポイントは戦闘で溜まっていく。スタンスごとにスキルポイントが設定されているので,同じスタンスを使い続ければ,それだけポイントが溜まる
上記を踏まえると,"どのスタンスを強化するか"を主軸にキャラクターの育成計画を練ることになると分かるはずだ。武器→スタンス→スキルという三つの要素で攻撃力が算出されるため,"結局どの組み合わせが一番良いのか"と数値で出すのはかなり難解である。つまり同じクラスでも成長のバリエーションが豊富だということで,同じ剣でも,片手に持つ,両手に持つ(二刀流),盾と一緒に持つ,といった具合にパターンがあり,さらにそれぞれが持つスタンスでパターンが分岐する。その下もさらにいくつかスキルがあるわけで,今回のβテスト段階でも同じクラスなのにこれだけ戦闘方法が変わるものかと感心した。もちろんここはプレイヤーによって研究されるべき部分だろうし,その結果も今から楽しみである。
今回のβテストはアップデートによるサーバーシャットダウン以外に,とくに大きな問題はなかった。(ハングルだからほとんど理解できなかったが)テスターも積極的にコミュニケーションを交わしており,GMの周りは常に人であふれかえっていたという状態。こういったテストではレベリングに集中してしまいがちだが,それよりもむしろGMやほかのテスターとの会話を重要視する人が多かったのが印象的だ。
さて,日本国内でもつい先日クローズドβテストの第1フェイズ「Primero」の募集が始まった(記事は「こちら」と「こちら」)。日本では,今回韓国で行われたテストである程度ブラッシュアップされたプログラムでテストが行われるはずなので,さらにストレスフリーなプレイ環境が期待できる。あくまでも"テスト"なのだが,ぜひ楽しんでX-Tester(日本国内でのβテスターの呼称)を満喫してもらいたい。(Gueed)
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