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[AOU 2006]アーケード版となってどう生まれ変わったか。「ハーフライフ 2 サバイバー」プレイレポート
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印刷2006/02/27 20:16

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[AOU 2006]アーケード版となってどう生まれ変わったか。「ハーフライフ 2 サバイバー」プレイレポート

 AOU 2006でタイトーが出展していた「ハーフライフ 2 サバイバー」(以下,サバイバー)は,4Gamerの読者にはお馴染み「ハーフライフ 2」をアーケード用に改良したタイトル。タイトーの業務用ネットワークシステム「NESYS」を介して店舗間対戦が行えるほか,「スティックとペダル」という独特のインタフェースや,32型ワイド液晶モニター(解像度1360×768ドット),さらにTX SURROUND(5.1ch サラウンドシステム)などなど,非常に豪華なスペックとなっているのが大きな特徴である。昨今のアーケードゲームではもはや定番の,ICカードを使ってストーリーモードや対戦モードの記録が残せるスタイルとなる本作だが,ICカードを使わなくてもプレイ自体は可能だという。
 ちなみにタイトーとしては,本作の展開にはかなり力を入れている様子で,大きなブースを構えての出展となっていたのが印象的。ハーフライフシリーズといえば,全世界で1100万本以上を売り上げたValve Corporationの超人気FPSであるわけだが,国内での知名度という意味では,ほとんど無いに等しいのが実情である。
 そういう意味では,ハーフライフ 2の面白さ,ひいてはFPSというジャンルの面白さを,いかにして日本のプレイヤーに伝えていくのか。アーケードでの展開という戦略や独自のインタフェースなどを含めて,そういった課題に対する試行錯誤の結晶が,このサバイバーという作品だと言っても過言ではない。今回の記事では,開発者自身が「アーケードならではを目指した」と語る本作の魅力について,詳しく見ていきたい。

 まず本作に用意されているゲームモードだが,ハーフライフ 2の世界観/シナリオを堪能できる「ストーリーモード」と,サバイバー専用のオリジナルミッションを一人/あるいは複数人で楽しめる「ミッションモード」,そしてNESYSを介してのオンライン全国対戦を楽しめる「バトルモード」の三つが用意されている。
 順を追って説明していくが,ストーリーモードの基本的な内容は,PC版のハーフライフ 2をベースとしたもの。プレイヤーは,主人公「ゴードン・フリーマン」を操って,敵対組織やエイリアンなどさまざまな敵と戦っていく。謎解きや敵の強さなどといったゲームバランスは,アーケード向けとして随所にアレンジが施されているほか,FPS初心者などでも問題なく楽しめるように難度設定も用意されている。シナリオ自体は,PC版の物語を全10チャプターに分けた構成になっており,ハーフライフ 2を遊んだことがない人はもちろん,PC版を存分に遊んだ人でも十分に楽しめる内容になっているという。
 また冒頭でも説明したとおり,ストーリー進行度はICカードを使って保存していくスタイルとなるが,一度クリアしたチャプターはいつでも再プレイできるようになっているほか,クリア後のスコアを競うランキングなども用意されているとのことだ。 
 ミッションモードは,シングルまたは店舗内によるマルチプレイ(最大4人)で,本作専用に用意されたさまざまな任務をこなしていくというもの。ストーリーモードとは違い,こちらはどちらかというと“アーケードらしい”ゲームモードで,選択したミッションのスコアを全国ランキングで競い合えるほか,マルチプレイでは,協力して敵と戦いながら参加者の中で得点を競うパーティゲームとしての要素が盛り込まれている。これは,ほかの大型筐体系のタイトルと同じように,一種のアトラクションとして楽しめるゲームモードと考えれば間違いないだろう。



 最後にバトルモードだが,これは4対4のチーム戦を基本とした対戦モード。基本的にはマッチングとチーム分けはサーバー側で自動的に処理される形となる。現バージョンでは,店舗内でチームを組んでネットで遠征……という遊び方はできないとのことだが,マッチング時に同じ店舗のメンバーはできる限り同じチームになるよう,システムを構築中だという。
 またバトルモードは,ほかのゲームモードとは一線を画した内容になっており,特定のキャラクターや武器しか扱えないなど,競技性の高さというものがかなり意識されている。
 プレイヤーは,「ソルジャー」「レンジャー」「スナイパー」「エンジニア」という四つのジョブの中から一つを選び,対戦へと身を投じることになるわけだが,それぞれで基本性能や武器が異なるのはもちろんのこと,クラスアップによって得られる武器にも違いがあるという。ちなみにクラスアップは,ゲームをプレイするごとに獲得できる「バトルポイント」を溜めることによって可能。クラスアップによって基本能力の向上自体はないとの話だが,選択できる武器などが増えることによって,戦術的な幅を持つことができるとのことだ。
 ちなみにマッチングに関してだが,マッチングの段階で参加人数が8人に満たなかった場合には,CPUキャラクターが投入されるとのことで,また途中参加(乱入)も考慮されていないという。CPUのAI自体はかなり作り込んでいる様子で,人に近い動きを再現している……とは言うが,競技性の高いゲーム性を念頭に置いた場合,対人戦の場にCPUが入って「ちゃんとした動き」ができるとは,考えにくいというのがやはり本音。バトルモード時にCPUが常に入ってしまうことで,対戦プレイの面白さに水を差すようなことがないことを祈るばかりである。



■違和感なく操作が可能!? インタフェース・インプレッション

タイトーAM開発部の山路哲由氏
 アーケードへの改良箇所の中で,最も特徴的なのがインタフェースに関する部分だろう。PCゲームのFPSでは考えられない,「スティックとペダル」という独自のインタフェースは,ハーフライフ 2の経験者だけでなく,FPSプレイヤー全員にとっても興味深い点だといえる。
 まず簡単に操作についての説明をすると,視点の移動と攻撃系を右側のスティックで操作し,移動を左のスティック,ジャンプとクラウチング(しゃがみ)をペダルで行うというスタイル。左スティックで前後左右の移動を行いながら,右スティックで旋回/照準の移動を行い,トリガーを引いて攻撃するというのは,感覚としてはロボットゲームの操作系に近い雰囲気である。
 ボタン(PCでいうショートカットキー)に関しても,PC版と比べると項目はかなり絞り込まれており,右スティックには攻撃トリガー/サブ武器発射ボタン/武器切り替えスイッチの三つ,左スティックにはメッセージを送る「トランシーバーボタン」が一つのみとなっている。
 ちなみに先ほど「ロボットゲームの操作系に近い雰囲気」と書いてしまったが,これは操作に違和感があるという意味ではない。むしろ,操作についての違和感は驚くほど感じられないのが印象的。インタフェースについてはかなりのこだわりと試行錯誤があったらしく,開発者の山路哲由氏曰く,「既成概念にとらわれないで,FPSの理想的な操作性を模索した」結果だとのこと。ゲーム中における視点移動の感度などを,スティックの入力の力加減などと一緒に調整しているという。
 もちろん,PC版FPSの操作に慣れている(とくにマウス感度をあげている)人にとっては,多少動作に遅さを感じてしまうかもしれないが,ともかく,直感的な操作性という意味では,非常に秀逸な出来映え。キーボードとマウスで慣れ親しんでいる筆者をしてあまり違和感を感じさせないのだから,本作で初めてFPSをプレイするという人は,なおのことすんなりプレイできるのかもしれない。


 ハーフライフ 2といえば,当時の水準を超える圧倒的なグラフィックスと臨場感で人気を博したFPS。しかし,その美しいグラフィックスをフルオプションで楽しめたプレイヤーがどれほどいたかについては,正直やや疑問が残る。より良い環境で遊ぼうと思えば,CPUやグラフィックスカード(とくにこちら)にそれなりの投資をしなければならず,そこまでのお金をPCゲームに費やせるプレイヤーというのは,やはりごく限られたマニア層だけになってしまうだろう。5.1チャンネルのサラウンド環境なども,自宅に構築するのはなかなかに大変である。
 そういう点を考えると,フルオプションのハーフライフ 2がアーケードで手軽に楽しめるというのは,非常に面白い試みだろう。ハーフライフシリーズのファンはもちろん,PCのスペックの問題で手が出なかった人にも,ぜひゲームセンターに足を運んでみてもらいたい。稼働時期は,2006年6月を予定している。(TAITAI)

 →「ハーフライフ 2 サバイバー」公式サイトは「こちら」

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