業界動向
で,Android 4.0ってどんなもの? スマホとタブレットが統合された最新Android OSの見どころとは
これまで,スマートフォン系は,Android 2.3(Gingerbread),タブレットはAndroid 3.x(Honeycomb)と分かれて展開されていたが,Android 4.0(Ice Cream Sandwich)以降は,統一されたバージョンが適用されるようになる。Android 4.0は,スマートフォンにとっても,タブレットにとっても重要なバージョンというわけだ。
肝心のAndroid 4.0とはどんなものなのかについて,Androidの開発者向けサイトで情報が公開されたので,軽くまとめてみよう。
Android 4.0の特徴
ユーザーインタフェース
マルチタスクで動作しているそれぞれのアプリがメニュー状でサムネイル表示され,ダイレクトに切り替えできるというのもAndroid 3.0と同じ。
ホーム画面にフォルダを作成できるようになったほか,リサイズできるウィジェットを作れるようになるため,画面のカスタマイズの自由度が上がったほか,ホーム画面から簡単に開くことのできるFavorite Tray内に,自分のよく使うアプリを登録できるなど,一部のフリーウェアで提供されていたような機能が標準搭載されている。
フェイスロック
起動ロック画面では,認証パターンを入力するなどの操作から開放され,カメラを見つめることで,顔認証によるロック解除ができるようになっている。急な着信にテキストで応答
急に電話がかかってきたものの,すぐには出られない事態というのは,まま存在する。そういった場合に,着信画面をスライドすると,テキストのリストが出てくるので,そのうちの一つをタップすることで,相手にメッセージを送ることができるようになった。なかなか便利そうな機能だ。スワイプ操作
通知を消したり,最近のタスクやブラウザタグを見る際にスワイプ操作(指を滑らせること)が使用できるようになった。テキスト入力の改善とスペルチェク
テキスト入力にスペルチェック機能が搭載されたり,簡単に辞書登録ができるようになっている。もちろん,日本語入力時にどうなるかは不明だが。強力な音声入力エンジン
音声認識エンジンが強化され,連続した音声でもテキスト化などが正確に行えるようになった。こちらも日本語入力時にどうなるかは不明。料金データプランに合わせた通信量表示
従量制や段階的従量制の料金体系に合わせて,使用しているネットワークのタイプ別に通信量を表示する機能などが追加された。アプリ別のデータ転送量なども確認できる。高いアクセシビリティ
目の不自由な人でも使えるようなインタフェースが搭載された。指で探りつつ,特定のアイコンの場所で特定の音を鳴らすようなモードが追加され,手元を見なくても操作できるようになった。コミュニケーション機能の強化
Peopleアプリ
統合されたカレンダー
カレンダーでは,個人的な作業や学校,会社などの課題などをまとめて扱えるようになった。外部アプリと連動してリマインダなどを動作させることも可能だ。ビジュアルボイスメール
電話機能では,音声をテキスト化して,音声ファイルとともに送る機能が追加された。もちろん,日本語の場合にどうなるかは分からないのだが。カメラ機能の強化
連続的なフォーカスを行うことで,撮影時のラグをなくし,撮影間隔を短くしている。また,ズーム時に手振れ補正機能が有効になるため,写真,ビデオともに失敗を少なくできる。また,顔認識機能がOSレベルで搭載されていたり,ビデオ撮影されたデータから,タップするだけでスクリーンショットを切り取る機能,ゆっくりとカメラを回すだけでパノラマ写真を作るモードなども追加されている。
Galleryアプリに画像エディタ機能
Galleryアプリに画像エディタ機能が追加され,トリミングや回転をはじめ,輝度補正,赤目補正,各種エフェクトの追加などが行えるようになった。Live Effect
ビデオ撮影時に,リアルタイムで画像に各種エフェクトをかけることができるようになった。スクリーンショット機能
ようやく,Android画面のスクリーンショット撮影機能が追加された。クラウド機能の強化
メールでは,受信フォルダのネスティングが可能になったほか,Exchange ActiveSync v14に対応し,証明書による認証が可能になっている。また,メール用のアプリはリサイズ可能なウィジェットとして提供される。
そのほか,スタイラス入力用のAPIが追加されて,筆圧なども検知できるようになっていたり,Wi-FiやBluetoothなどを使って近距離ファイル転送ができるNFC(Near Field Communication)機能がサポートされたり,2Dグラフィックスでもアクセラレータが使われるようになったり,カレンダーやボイスメール,ストリーミングを扱えるAPIが追加されたりするなど,システム面での機能追加も行われている。
Android 3.0と比べると,あまり派手なところのないアップデートだが,スマートフォンの環境としてはかなり使用感は変わってくるだろう。今後の追加情報に期待したい。
- この記事のURL: