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GMOインターネット,Androidアプリの開発支援プロジェクト「アンドロイドやろうぜ! byGMO」のカンファレンスを開催
「アンドロイドやろうぜ! byGMO」とは,同社がアクロディアと協業し,コンテンツプロバイダやアプリ開発者がAndroid端末市場に参入しやすく障壁を下げていくためのプロジェクト。会場では,プロジェクトの意義や,現状のAndroidマーケットが抱える問題を解決するための施策などが取り上げられた。
丸山氏は,米Google CEOのEric Shimidt氏の言葉を引用し,「Android市場は,グローバルでも日本でも爆発寸前」だと述べる。続けて,2014年にはAndroid端末がiPhoneの2倍のシェアになっているだろうという,マーケティングリサーチ企業ガートナーの予測を紹介した。
しかしその一方で丸山氏は,Androidマーケットが分断化していると述べ,その理由はAndroidのビジネスモデルにあると述べた。すなわちAndroidのビジネスモデルは,AppleのApp storeのような統合垂直型ではないため,キャリアや大手ISPがそれぞれポータルを開設しているというわけである。
無論,これには是非があるのだが,丸山氏は「GoogleはビジネスとしてのAndroidマーケットを十分に理解していないのではないか」と指摘。最後に将来的な展望として,Androidマーケットのオープン化に言及し,「マーケットに積極的に参加するのはもちろん,現状の問題点や,今後マーケットをどのように活用すべきか,ぜひ一緒に考えていきましょう」と基調講演を締め括った。
GMOインターネットグループ グループ代表 熊谷正寿氏 |
しかし,その一方で開発者達には,Androidアプリの開発に踏み出せない理由があると熊谷氏は続ける。それは違法コピーやスパイウェアアプリが存在するという問題,検索がやりにくい,購入してから24時間以内ならキャンセル(返品)できるシステムといった点だ。
熊谷氏は「そうした課題を解決し,Android端末市場へ安く・早く・安全に参入できるプロジェクト」として,以下のメリットとともに「アンドロイドやろうぜ! byGMO」をあらためて紹介した。
1. 「@GMO GameCenter」から世界中にアプリを配信
2. マルチOS/デバイス対応の開発ツール「VIVID Runtime SDK」を無償提供
3. 短期間でiPhoneアプリからの移植を可能にする開発サポート
4. キャンセルされない&コピーされない環境を提供
5. 国内主要3キャリアによる課金に加え,多彩な決済手段を準備
6. GMOインターネットグループメディアでの集客支援
7. 技術ドキュメントからアプリ公開までのすべてを日本語で対応
8. 多言語対応に必要な各種サービスを用意
9. 無料技術セミナーなどの定期的な実施
10. 賞金総額3000万円,受賞枠182アプリのコンテストを実施
このほか会場では,「アンドロイドやろうぜ! byGMO」推進室 室長代行 服部直人氏から「@GMO GameCenter」の概要や収益分配,スケジュールについて紹介がなされた。またアクロディア 代表取締役社長 堤 純也氏および同 取締役 木村貢大氏からは,それぞれ開発ツールとiPhoneアプリの移植ツールが紹介された。
「アンドロイドやろうぜ! byGMO」推進室 室長代行 服部直人氏 |
「@GMO GameCenter」 |
アクロディア 代表取締役社長 堤 純也氏 |
開発ツール「VIVID Runtime SDK」の優位性も紹介された |
アクロディア 取締役 木村貢大氏 |
困難といわれるiPhoneアプリからAndroidアプリへの移植も支援される |
カンファレンスの後半は,携帯アプリやiPhoneアプリなどで実績を上げているゲーム関連企業によるパネルディスカッションが行われ,Android端末も含めたモバイルコンテンツビジネスの現状と問題点,今後の展望などが披露された。
セガの持田 実氏は,「Androidマーケットは課金システムが一貫していない」と述べ,キャリア課金の重要性を指摘。その一方で,スマートフォンの登場を黒船の到来になぞらえ,「皆がゼロからスタートできる大きなチャンス」と期待をのぞかせた。
バンダイナムコゲームズの山田大輔氏は,同社のiPhoneアプリへの取り組みを引き合いに出し,Androidマーケットのビジネス面の遅れを指摘する。しかし,「スマートフォンはソーシャル性を発揮するゲームに適したデバイス」と述べ,Android端末にも「今後の期待度は大きい」と続けた。
セガ 持田 実氏 |
バンダイナムコゲームス 山田大輔氏 |
カプコン 伊藤幸正氏 |
ハドソンの柴田真人氏は,「新しい道を常に探している」と述べ,「世界と渡り合うためにコンテンツ力を上げなければならない」とグローバル展開への意欲を見せた。
「Bejeweled」や「Plants vs. Zombies」といったアプリの世界的なヒットで知られるポップキャップ・ゲームズの荒木重則氏は,成功するための具体的なポイントとして,ミドルウェアの活用,ソーシャル性のフィーチャー,最初に英語版を開発することの3点を挙げた。
ハドソン 柴田真人氏 |
ポップキャップ・ゲームス 荒木重則氏 |
現在,「アンドロイドやろうぜ! byGMO」では,「Androidゲームアプリコンテスト」を開始している。我こそは,と思う人は,公式サイトで詳細をチェックして応募してみよう。
「アンドロイドやろうぜ! byGMO」公式サイト
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