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オンラインゲームプレイヤーの属性データなどを公開――4Gamer読者を通して見る日本のオンラインゲーム市場とは?
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印刷2008/02/15 12:00

企画記事

オンラインゲームプレイヤーの属性データなどを公開――4Gamer読者を通して見る日本のオンラインゲーム市場とは?

※項目ごとの相関を分析した記事は「こちら」からどうぞ
※ハードウェア&OSに関する記事は「こちら」からどうぞ

 2007年12月〜2008年1月にかけて行われた,毎年恒例の「4Gamer年末特大プレゼント」。今回の応募総数は,なんと約8600通にものぼる大賑わい。それだけに人気プレゼントの競争率は高かった。多くのアンケート項目があったにもかかわらず応募してくださった読者の皆様,どうもありがとうございました。また,たくさんのプレゼントを提供してくれたメーカー様各位,および関係各社の皆様方,あらためてここに御礼申し上げます。

 ……と,堅苦しい挨拶はこのくらいにして,今回は,そんなアンケートデータの集計結果を公開したいと思う。実をいうと「アンケートの結果を記事にしてほしい」という要望はたびたび寄せられるのだが,応募の数が数だけに,整理し集計するだけでも一苦労。まして人様の前に出すもの(記事)となると……と,なかなか腰が上がらなかったというのは否定できない。

詳しくは本文を読んでほしいが,これは4Gamer読者アンケートをベースに,年齢とPCスペックという二つの軸で国内のオンラインゲーマーの分布を表したもの。高年齢&ハイスペック,低年齢&ロースペックの二つの大きな潮流があるのが分かる
画像集#017のサムネイル/オンラインゲームプレイヤーの属性データなどを公開――4Gamer読者を通して見る日本のオンラインゲーム市場とは?

 とはいえ,PC/オンラインゲームに関するアンケートで,この規模に及ぶものが,国内にはそうそうないのも,おそらくは確かなところ。“4Gamer読者”というフィルタを通してのデータではあるが,その集計の結果から,いろいろと見えてくることも少なくないはずだ。
 今回は,アンケート全体の集計結果のみならず,「現在遊んでいるタイトル」「今後遊んでみたいタイトル」という二つの項目の中から,一定の得票があったタイトルごとのデータも抽出して,細かい集計を行ってみた。それらタイトルごとのプレイヤーの属性,傾向を分析してみたわけだ。対象としたタイトルは,計114作品。△△はカジュアル向け,××はヘビーユーザー志向などのような,これまでなんとなく肌で感じていたタイトルの雰囲気を裏付けるデータもあれば,逆に「このゲームってこんなプレイヤーが遊んでたんだ?」と意外に感じられるデータもあった。本記事では,そんな中からいくつかのタイトルを比較しつつ,それぞれの項目を見ていきたいと思う。
 なお下記のデータはすべて,タイトル別の集計数を除き,おそらくは重複応募であろうと思われるものを除いた,有効投票数8563通を基に集計されている。

まずは全体の基礎データから。4Gamer読者の平均年齢は27.5歳


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 というわけで,まずは4Gamer読者全体のデータから紹介していきたい。4Gamer読者の平均年齢は,27.5歳とゲーム媒体としては比較的高めといえる数値であった。これはどちらかといえば,いわゆるIT系の情報メディアに近い読者層であり,職業別で「会社員(技術系)」の割合が高いところを見ても,それが窺えるというところ。まぁWebメディアもPC/オンラインゲームも,“自分のPCを持っていないと存分に楽しめない”という理由から,ともに対象年齢が高くなりがちな(自分のPCを持てる年齢に限られる)傾向があるのだが,4Gamer.netもそんな背景を色濃く反映したサイトというわけだ。

 年齢の中核層は,10代後半から30代半ば。コンシューマゲームの世界でもプレイヤーの高齢化が叫ばれて久しかった(最近は,WiiやDSの影響でライト層が広がったけど)ことと思うが,考えてみれば,オンラインゲームの黎明期に登場した「ウルティマオンライン」も,もう10年以上前のタイトル。当時学生だったプレイヤーも,今や30代前後ということだ。……いや,別に筆者のことを言っているわけではないのだが。

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 職業別で見てみると,先ほども述べたとおり,会社員(技術系)の割合が非常に高いのが特徴。次いで,大学生や高校生といった項目が続く。昨今のオンラインゲーム業界を見渡すと学生の割合が多いような気がするが,こと4Gamerに限っていえば,学生よりも社会人のほうが圧倒的に数が多く,低年齢のプレイヤーは驚くほど少ない。
 もちろん,PCゲームの黎明期から存在して,リニューアルを繰り返した今でもなお比較的小難しい記事が多い4Gamerというサイトの特性上の問題もあるにはあるのだろうが,ゲーム用のPC調達や課金に関するハードルの高さなどの金銭的/環境的な面も大きいと思われる。

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 最後のグラフは,読者の趣味嗜好をまとめたもの。当然ながらゲームに興味がある読者が大半であり,94.8%という高いスコアをマーク。……というか,残りの5%の読者が4Gamerにいったい何を期待しているのか,すごく気になる。
 ともあれ,ざっと眺めていくと,関心が高い分野は,コンピュータ関連に漫画/アニメ,映画,音楽,そして家電/オーディオと,なんというかまぁ,いわゆるインドア派青年男子を体現するかのような結果に。ただこれは当然というか,妥当な結果であり,ここで意外な数値に出てこられても,正直困ってしまう(データの信用性自体の問題となってしまう)わけで,これはこれで一安心といったところだろう。

 いずれにせよ,4Gamer(アンケート)全体の読者像としては,このような傾向になる。なんとなく,アンケートに答えてくれた読者のイメージを掴んでもらえただろうか。これを踏まえたうえで,続く項目を読んでほしい。


MMORPGは高齢化傾向。若いプレイヤーはカジュアルゲーム志向が多い?


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 ここでは,年齢層のデータを軸に,特徴ある3本のタイトルを比較してみた。ひとくちにオンラインゲームといってみても,そのタイトルによって遊んでいるプレイヤー層がまったく異なるというのが,このデータからしても一目瞭然だ。
 詳しい話はさておくとしても,オンラインゲーム市場を俯瞰的に見れば,いわゆる重厚長大なMMORPGは,高齢化の傾向が顕著に窺える。黎明期を支えた「ウルティマ オンライン」などはもちろんのこと,国内では最大級の規模を誇る「ファイナルファンタジーXI」や「ラグナロクオンライン」も,昨年,一昨年のデータなどと比較すると,緩やかではあるが,徐々に平均年齢が押し上がっているように見受けられる。もちろん,すべてがすべて高齢化しているというわけではないのだが,MMORPGというジャンル全体の傾向として,そういった流れがあるという意味だ。
 その詳しい理由については,今ここで論じることは避けたいと思うが,新規参加者の減少が高齢化を招き,高齢化がマンネリ/倦怠ムードを引き起こすというのは,多くの市場でありがちな現象の一つ。これを業界の一つの課題として挙げさせてもらっても,そう大きな問題はないと思われる。

 翻って対照的なのが,いわゆるカジュアル/ライト向けと呼ばれる,アクションゲームなどの客層だ。例として「スカッとゴルフ パンヤ」と「WarRock」という二つのタイトルを挙げさせてもらったが,いずれも若い客層の割合が高いのが特徴だ。とくにWarRockにおける10代のプレイヤーの多さは特筆に値するだろうが,これは何もWarRockのみの傾向というわけではなく,ここのところ台頭してきたオンラインFPSのタイトルは,いずれもWarRockと同じようなプレイヤー層になっている。
 要するに,オンラインゲーム市場においては新興ジャンルといえるオンラインFPSは,いわゆる昔ながらのオンラインゲーマーではなく,新しい客層をオンラインゲーム市場に引き入れているということが,このデータからは見えてくるわけだ。

 なんだか据え置き機や携帯ゲーム機市場も似たような話あるが,元からいるプレイヤー……とくにコアゲーマーと呼ばれるプレイヤー層は,重要な位置を占める客層ではあるものの,非常に目も肥えていて商品の訴求も難しいなど,経営レイヤーから見ればいろいろと難しい点も多い。水は低きに流れる……という言葉もあるように,初めてオンラインゲームに触れるプレイヤーにとって,より簡単で手軽なゲームを入り口とするのは,当然の流れだといえるのかもしれない。

 一応補足しておきたいが,すべてのMMORPGがすべからく高齢化傾向というわけでは,もちろんない。「メイプルストーリー」や「アラド戦記」,「テイルズウィーバー」「トリックスター0 -ラブ-」などを筆頭とした,いわゆるカジュアル&ロースペック路線の若年層を狙ったタイトルは,日本でも大きなシェアを確保しつつある。
 お隣韓国に目を向けてみても,「グラナド・エスパダ」や「ZerA: Imperan Intrigue」「Soul of the Ultimate Nation」といった,2006年前後にリリースされたいわゆる「大作RPG系」が,OBT段階で軒並み失速の憂き目に遭い,「アラド戦記」などのややライト志向のタイトルが躍進した流れが目立ったわけだが,考えてみれば,すでに何らかのMMORPGを経験している高年齢層が新しいMMORPGに移るには,コミュニティやそれまで育てキャラクター,集めたアイテムなどなど,いわゆる「スイッチングコスト」が非常に高いのは明らかだ。
 パッケージゲームのように,他社が開拓したジャンルに追随するという戦略がとりづらいオンラインゲームにおいては,客をどこに求めるべきなのか。なかなか考えさせられる命題だといえよう。

ゲーム機の所持率を比較。現行機種は,やはり携帯ゲーム機の台頭が顕著


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 WiiやニンテンドーDSの大ヒットなど,任天堂の勢いが止まらない日本のコンシューマゲーム市場。はてさて,4Gamerの読者を通してみるといかに……?
 結論からいうと,昨今の調査会社各社が示す市場動向と同様に,新世代の現行機種では,携帯ゲーム機が圧倒的なシェアをマーク。据え置き機と携帯ゲーム機には,その発売された時期に2年ほどの差があるとはいえ,携帯ゲーム機の存在感が改めて浮き彫りとなった格好だ。据え置き機の中でXbox 360がトップに躍り出ている点は(普及台数を考えるとぶっちぎりだと言ってもよいだろう),ある意味4Gamer読者らしい一面だといえる。
 各タイトル間の比較で注目したいのは,やはりファイナルファンタジーXIプレイヤーのゲーム機所持率の高さ。なかでも「プレイステーション 3」の所持率は圧倒的で,プレイステーションとファイナルファンタジーの高い親和性が窺える。プレイステーション 3のみならず,据え置き機全体の所持率が高いところを見ると,世間で言うところの“ゲーマー層”の割合が多いことも間違いないだろう。一方,ラグナロクオンラインなどは,据え置き機の所持率は平均をやや上回る程度。どちらかといえば,携帯ゲーム機の所持率のほうが高いようだ。

 難しいのは,全体的に所持率の低い「SPECIAL FORCE」をどう見るか,だ。一つ考えられるのは,若いプレイヤー層が中心の本作のプレイヤーは,金銭的な問題で高価なゲーム機を簡単には買えないという可能性だろうか。普段あまりゲームをしないライト層だから,という見方もできなくはないのだが,若年層というのは,プレイ時間を軸にして見てみると,かなりの割合でコアプレイヤー(長時間プレイする人が多い)を含んでいることも分かっている。やはり,純粋に年齢(購買力)の問題という線が強いだろう。

基本無料のタイトルでも,無料で遊び続けているプレイヤーは少数派? オンラインゲームに使う金額比較


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 このグラフを見るにあたってまず注意してほしいのは,「バトルフィールド2」「カウンターストライク」「エイジ オブ エンパイア」など,いわゆるパッケージゲームのプレイヤーも多分に含まれている部分。つまりは全体のデータとしては,「無料の範囲 / 遊ばない」の割合が高くなる点を念頭においたうえで,参考にして頂ければと思う。

 さて,データを見てもらえれば分かるが,当然ながら,基本無料のタイトルといえども,プレイヤーはそれなりの金額をオンラインゲームに投下していることが見て取れる。もちろん,複数のゲームを並行して遊んでいるプレイヤーも多いだろうから,この額面をそのまま1タイトルにつぎ込んでいるとは言えないが,プレイヤーの消費マインドを計る意味では,この数値がそう外れた結果にもなっていないと考えて差し支えないだろう。
 目立つのは,同じアイテム課金型のオンラインゲームでも,よりWarRockのほうが消費金額が少ない点。とくにWarRockでは,オンラインゲームは無料の範囲で遊ぶというプレイヤーが1/4を占める結果に。ちなみに各FPSタイトルは,消費金額が全体的に少ない傾向にあり,このあたり,アイテム課金の是非がゲームのシステムによって大きく左右されるという,良い証拠といえるのかもしれない。
 また興味深い点は,5000円以上という金額になると,月額課金であるファイナルファンタジーXIよりも,アイテム課金の両タイトルのほうがパーセンテージが高くなっているという部分だ。アイテム課金型のタイトルが,課金プレイヤーの客単価の高さに支えられているという話はよく聞くところだが,データからもそれがよく確認できる。
 

ライトなゲームほど長時間遊ばれる? オンラインゲームのプレイ時間比較


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 これは,オンラインゲームの平均プレイ時間を比較したものなのだが,やはり目立つのは「SPECIAL FORCE」の突出具合だろう。しかもこれ,実はほかの非RPG系のタイトル全般に共通する要素なのである。つまりは,

 MMORPG = 重厚長大
 アクション = ライト,カジュアル

というイメージがあるオンラインゲーム市場だが,プレイヤーのプレイ時間を軸に見てみると,実はアクションゲームないしカジュアルゲームこそが,長時間ゲームを遊ぶプレイヤー達のたまり場だということが見えてくる。はて,これは一体どういうことだろうか。
 一つの可能性として見えてくるのは,「いくつものゲームを並行して遊ぶ」というプレイヤーの存在だろう。要するに,MMORPGの合間合間に,息抜きとしてアクション/カジュアルゲームを遊ぶというプレイスタイルだ。MMORPGをいくつも並行して遊ぶのは物理的(時間的)に厳しいものがあるが,ライトなゲームならば気軽に手が出せるというわけだ。読者諸氏の周りにも,そういったプレイヤーはたくさんいるのではないだろうか?。……とはいえ,それだけが理由ならば,MMORPGプレイヤーのプレイ時間が他を圧倒してもおかしくはない。ここは,やはりほかに理由を求めるのが賢明だろう。
 結論を言うと,実は年齢とプレイ時間の間には,強い相関が見られた。つまりは,大人になればなるほど,遊ぶ時間がどんどんなくなっていくという至極当然なこと。上記ではMMORPGの高齢化の流れを紹介したが,プレイヤー層の高齢化が,結果としてプレイ時間の低下につながっている可能性が高い。もちろん,それだけが理由ではないかもしれないが,本記事の検証はここまでとしておきたい。

オンラインゲーマー意識調査。あれについてはみんなどう思っているの?


 以下は,オンラインゲーム(主にMMORPG)に何を求めるかから始まり,オンラインゲームの各種要素に関するアンケート結果を,「スカッとゴルフ パンヤ」「ファイナルファンタジーXI」「モンスターハンター フロンティア オンライン」「SPECIAL FORCE」という4タイトルで比較してみたものだ。予想どおりというかなんというべきか,それぞれのジャンル,あるいはタイトルの特性が出た結果に。順を追って見ていきたいと思う。

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 最初は,遊ぶオンラインゲーム(主にMMORPG)を選ぶ基準を聞いてみた結果から見ていこう。まずは,パンヤが「キャラクターの可愛さ」と「衣装やアバターアイテムの豊富さ」という二つの項目で突出している点が目立つ部分だろうか。また,短時間で遊べる点を重視しているのが見受けられるのも,いかにもパンヤプレイヤーらしい傾向だといえるだろう
 一方,ファイナルファンタジーなどは,短時間で遊べるということに加えて,ソロプレイ重視,クエスト重視など,一人でも遊べる要素を望む傾向が見て取れる。このあたりは,ファイナルファンタジーの年齢層の高さ(平均28.9歳)などからくる,プレイ環境の差が大きそうな雰囲気だ。グラフとしては用意していないのだが,気になって「ウルティマ オンライン」や「ロード・オブ・ザ・リングス・オンライン アングマールの影」など,ほかの年齢層の高いタイトルも調べてみると,予想どおり,ソロ重視の傾向が非常に色濃いという結果が得られた。まぁ想像しやすい関係ではあるが,年齢の高さとソロプレイ重視に強い相関があることは間違いだろう。

 また短時間で遊べるか否かという点で見て興味深いのは,SPECIAL FORCEのプレイヤーが,あまり手軽さや短時間で遊べるかどうかという点を重視していない雰囲気があるという部分だ。むしろ,コア寄りとさえいるかもしれない。アクションを好む男性主体のプレイヤー層ということももちろん一因としてあるだろうが,SPECIAL FORCEといえば,いわゆる「カジュアルFPS」と呼ばれるジャンルのタイトル。カジュアルとは何を指すのか,少なくともゲーム自体の簡単さ,明快さだけが,ライト(ライトの定義も難しいが)なオンラインゲーマーを引き寄せる要因ではないことが,この結果からは窺える。
 とはいえ,SPECIAL FORCEに関していってしまえば,ゲーム自体の内容よりも,まずは基本無料,ハンゲームのゲームポータルとしてのインフラを背景としたスムーズなユーザー登録など,“環境面での遊びやすさ”(簡便さ,明快さ)が大きなポイントであった点も見逃せないように思う。

画像集#010のサムネイル/オンラインゲームプレイヤーの属性データなどを公開――4Gamer読者を通して見る日本のオンラインゲーム市場とは?

 次に,RMTについての結果を見てみよう。まず注目したいのが,「健全ならあっていい」とする,容認層が思いのほか多いという点だ。RMTというと,BOTの問題や外国人ゴールドファーマーの存在,そしてアカウントハック問題などなど,なにかと犯罪/問題絡みのダーティな面ばかりが報道されがちだ。しかし当のプレイヤー達はというと,案外落ち着いた目で見ている様子。とはいえ,各調査会社のアンケート結果や情報メディア,個人サイトなど,ネット上(Webサイト上)の言説では,どちらかといえば,「RMT=悪,反対」という意見が強い傾向があるだけに,この結果を意外に思う読者は多いかもしれない。

 RMTは,確かに複雑でデリケートな問題なのだが,スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーではRMTを一切認めない。が,ほかのタイトルでは分からない」という趣旨の発言に代表されるように,RMTそれ自体が問題なのではないという見方も,実は根強い。つまり問題なのは,RMTにまつわる諸々のアクション(迷惑行為や違反行為)なのだという意見であり,メーカー直運営によるRMTの公式化,あるいはRMTを前提としたゲームシステムの構築などにより,現状では未解決の種々の問題さえ解決してもらえるなら,別にRMT自体はあっていいのではないか,という考え方である。今回の「健全ならあっていい」とする層が,そのような意見なのかどうかまでは分からないが,それなりに許容する空気があることだけは間違いなさそうだ。

 ただ繰り返すが,RMTは,複雑でデリケートな問題である。なによりも,RMTについて回ることの多いBOTやゴールドファーマーの存在,現状でもなお人気を博している人気作は,RMTという行為を想定した設計にはまったくなっていないという点などが,問題の所在を分散させ,議論をすれ違いがちにしている。いずれにせよ,RMTを許容するかしないかという話では,RMTにまつわる違反行為の話と,将来の可能性についての話,この二つをごちゃまぜにすべきでないことだけは確かだ。

画像集#012のサムネイル/オンラインゲームプレイヤーの属性データなどを公開――4Gamer読者を通して見る日本のオンラインゲーム市場とは?

 対人戦闘について聞いて見た結果がこれ。やはり対人戦志向のFPS系のプレイヤーは,全体的に対人戦闘を重視する傾向がある。半面,スカッとゴルフ パンヤやラグナロクオンライン,あるいはソロ重視のMMORPGでは,当然のように関心度が低いという結果になった。対人戦闘,とくに大規模戦を強く望む傾向があるタイトルは,「ファンタジーアース ゼロ」や「リネージュ II」といった,まさしくそれをウリにしている作品達。まぁ妥当な結果というところだろうか。
 ちなみにこのグラフ以外のタイトルで個人的に興味深かったのは,ウルティマ オンラインのプレイヤーが「PKは自由であるべきだ」の項目で突出して高い数値(39.7%)をマークしていた点である。ウルティマ オンラインの初期(β〜英語版サービス当初)といえば,それこそさまざまな詐欺師,PK集団などが闊歩している,「北斗の拳」も真っ青なほどカオスな内容だった作品で(まぁ,それが楽しかったわけでもあるが),大きな都市の周りには盗賊集団が待ち伏せているなどざら,という時代があった。流石に今のウルティマ オンラインはそんな状況ではないと思うが,そういった過去に染み付いた“ウルティマ オンライン イズム”(殺されるほうが悪い?)が,未だに残っているということなのだろうか……。なんとも気になるデータだといえよう。


みんなが買いたいアイテムって? アイテム課金についての意識調査


 月額固定制のオンラインゲームが数えるほどしかなくなって,代わりに爆発的に増えたアイテム課金制のオンラインゲーム。とはいえ,プレイヤーはアイテム課金についてはどう思っているのだろうか? 以下のデータは,そんなアイテム課金についての三つのアンケートをまとめた結果である。

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 目立つのは,国内におけるアイテム課金タイトルの代表例ともいえるスカッとゴルフ パンヤのデータ。アイテム課金全体に対して強い関心がある半面,「価格が高すぎる」「当たりの確率が低すぎる」などという,金銭面に関するネガティブな反応の色が濃い。ただ逆の見方をすれば,スカッとゴルフ パンヤのプレイヤーが,それだけゲーム内アイテムを購入しているという事実の証明でもある。ほかのタイトルでは,そもそも課金アイテムを購入しているというプレイヤーの絶対数(関心度)が少ないだろうし,そこだけを見て,「スカッとゴルフ パンヤの課金アイテムは高すぎる!」と結論付けてしまうのも早計だ。
 またほかの気になる点でいえば,ファイナルファンタジーとモンスターハンターという二つの非アイテム課金制のタイトルを比較してみると,意外とアイテム課金に対する意識の差が大きい,というところも見逃せない。これは,モンスターハンターがパッケージに特典として剣や防具などを付加させるなど,亜流的なアイテム課金サービス(?)を行っていた点と無関係ではないのかも。現状,アイテム課金サービスの可能性は否定されているモンスターハンターではあるが,このデータを見る限り,実装される内容によっては,案外受け入れられる可能性が高いのかもしれない。

総括:国内のオンラインゲーム市場概観


 さて,長々とデータとにらめっこしてきて,疲れてしまった読者も多いかもしれないが,もう少しお付き合い頂きたい。
 以下に掲載しているのは,現在サービス中のタイトルの中から,任意で選んだタイトルの基礎情報をひとまとめにした表である。オレンジの部分がオンラインRPG系,緑がFPS系,そして青色の部分がそれ以外のジャンルのタイトルという区分けとなる。

画像集#016のサムネイル/オンラインゲームプレイヤーの属性データなどを公開――4Gamer読者を通して見る日本のオンラインゲーム市場とは?

 ここでは,平均年齢,男女比,平均プレイ時間,そしてPCメモリという,四つの項目を用意。ちなみにPCメモリというのは,ゲーム用PCのメインメモリ量の平均値を表したもので,ゲーム用に使っているPCのスペックの一定の目安になるデータだと思ってもらえばよいだろう。
 冒頭でも述べたとおり,これはあくまでも4Gamer読者というフィルタを通してみた結果であり,このデータがそのままタイトルの正しい属性データであるかどうかはまったく保証できない。が,少なくとも複数のタイトルで同時に比較検討することで,各々のタイトルの傾向や属性は,それなりに正しく把握できるだろう。

 最後となるが,この表のデータを元に,平均年齢とPCメモリという二つの項目で見た簡単な分布図も,おまけとして下記に用意してみた。日本のオンランゲーム市場がマーケット分布的にどういう構図になっているのか,ビジュアル的により分かりやすいものになっているはず。この分布図を見ながら,日本のPC/オンラインゲーム市場の概観をつかんでもらえれば幸いだ。

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