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日本ではノートPCを“メインマシン”として使うことが定着しつつあり,ユーザーの使い方に合わせて,バリュー路線とプレミアム路線の二極化が進んでいる。バリュー路線では,Webブラウズとメール送受信を行えればいいという人向けに,徹底して安価な製品がラインナップされ,一方のプレミアム路線では「何でもできる」ことが重視されている。そして3Dゲームは多くの場合,この「何でも」の一つに含まれるため,3DゲームをプレイできるノートPCを量販店の店頭で購入しようとすると,地上デジタル放送チューナーやら何やらと機能の詰め込まれた,オールインワンの高級品しか見つからないといったことが多い。まれに,低価格ノートPCのなかに3D性能の高さを謳ったものもあるが,よく見ると搭載するGPUはローエンド仕様で,実際には快適にゲームをプレイできなかったりする。
この“問題”に,積極的な取り組みを見せているのが東芝で,新製品「dynabook Satellite WXW/79EW グラフィック強化モデル」は,ゲームプレイに不要なものをそぎ落としつつ,必要な部分は強化するという,ゲーマーにとって分かりやすい進化を果たしてきた。今回はそんな同製品のポテンシャルをチェックしてみよう。
東芝は,直販サイト「東芝ダイレクトPC by Shop 1048」限定モデルとして,PCゲーマーのためのノートPCを積極的に投入している。その春モデルとなるのが,「dynabook Satellite WXW/78EW グラフィック強化モデル」と,今回紹介する「dynabook Satellite WXW/79EW グラフィック強化モデル」(以下,Satellite WXW/79EW)だ。
Satellite WXW/79EWが持つ最大の特徴は,開発コードネーム「Penryn」(ペンリン)として知られる,45nmプロセスルールで製造された最新世代のCPU「Core 2 Duo T9300/2.50GHz」を採用している点にある。同CPUは,製造プロセスの微細化により,既存のCore 2 Duoと比べて省電力化が期待でき,搭載するL2キャッシュ容量が6MBへと増強された(※下位モデルが搭載するCPU「Core 2 Duo T8100/2.10GHz」は3MB)のがトピックだ。
L2キャッシュは,CPUが頻繁に利用するデータを一時的に格納しておくために用意されるもので,その容量が大きいほどパフォーマンス面で有利になる。既存のCore 2 Duoは最大でも4MBだったので,Core 2 Duo T9300では1.5倍以上になった計算だ。とくにゲームにおいては,L2キャッシュ容量が大きく影響しがちなので,Satellite WXW/79EWが新世代のCore 2 Duoを採用したことは特筆に値しよう。
GPUは,NVIDIAのノートPC用ミドルクラス製品の最上位モデル「GeForce 8700M GT」を搭載。ディスプレイは,メリハリの利いたビジュアルが得られる光沢タイプで,かつ残像が気になりにくい「Clear SuperView液晶」パネルを採用している。しかもサイズは大型の17.1型ワイドで,解像度は最大1680×1050ドットを実現する。
さらに注目したいのは,「harman/kardon」ブランドの4.1chスピーカーシステムだ。一般的なノートPCの内蔵スピーカーとは比較にならないほど高い音質はポイントが高いが,ゲームにおいてはそれだけに留まらない。ゲームのサラウンドサウンド効果に定評のあるFPS「Half-Life 2: Episode Two」(以下,HL2EP2)をプレイしてみたところ,左右を中心に,3D空間をはっきりと感じられるのだ。サブウーファの振動がキーボードを通じて直接手に伝わるのも,臨場感を増すのに一役買っている。
一方,ヘッドフォンを利用するときにも,バーチャルサラウンド機能「Dolby Headphone」が利用可能と,ぬかりはない。3Dゲームを処理できるPCスペックだけでなく,ディスプレイ&サウンドの品質,そのすべてをSatellite WXW/79EWは兼ね備えているというわけである。
冒頭の話に戻るが,いま(※2008年3月中旬)量販店の店頭で3Dゲームを快適にプレイできる,つまり先の3条件を満たせるようなノートPCを探すと,CPUは「Core 2 Duo T7250/2.20GHz」クラス,GPUには「GeForce 8600M GT」クラスを搭載し,ビデオ再生能力や地上デジタル放送の使い勝手をアピールしたAVノートがたいていは選択肢となる。これらは多機能で高価だが,こういったオールインワンノートPCと,ゲームプレイを軸に比べたとき,Satellite WXW/79EWはどれだけのポテンシャルを持っているといえるのか。今回はこの点をチェックしてみたいと思う。
……というわけで用意したのは,まさにいま挙げたCPU&GPU構成を持つ,東芝の店頭販売モデル「dynabook Qosmio G40/97E」(以下,Qosmio G40/97E)である。両者の違いは表にまとめたとおりで,CPU&GPU,サウンド周りを除くと,Qosmio G40/97Eのほうが上位モデルといっていい構成だ。
ゲームプレイを軸に据えるということで,テストには3Dベンチマークソフト「3DMark06 Build 1.1.0」(以下,3DMark06)のほか,描画負荷の高い3Dタイトル「Unreal Tournament 3」(以下,UT3)とHL2EP2,「Company of Heroes」を用意。さらにはオンラインゲームから「三國志 Online」と「ファイナルファンタジーXI」のそれぞれベンチマークソフト,「三國志 Online ベンチマーク」「Vana’diel Bench 3」でテストを行うことにした。
テストに当たっては,4Gamerのベンチマークレギュレーションが規定する「標準設定」を採用し,独自のテスト規定を持つ三國志 Online ベンチマークとVana’diel Bench 3を除いては,1024×768/1280×1024/1680×1050ドットの3解像度でテストを行う。UT3とHL2EP2,Company of Heroesのテスト方法はベンチマークレギュレーション5.1に準じるが,初回起動時に推奨グラフィックス設定が行われるCompany of Heroesだけは,Satellite WXW/79EWで実行したときの自動設定内容でグラフィックス設定を統一している。
さて,まずは3Dグラフィックス性能比較用ベンチマークソフトの定番といえる3DMark06の結果をグラフ1に示す。その差は一目瞭然,すべての解像度においてSatellite WXW/79EWはQosmio G40/97Eに1.5倍以上の差をつけている。CPUとGPUという,3Dゲームにおいて重要なスペックの違いが,スコアという形ではっきり現れた格好だ。
実際のゲームではどうだろうか。グラフ2,3は,いずれもFPS(一人称視点シューティング)であるUT3とHL2EP2の平均フレームレートをまとめたものだが,ここでもSatellite WXW/79EWがQosmio G40/97Eを圧倒している。UT3の場合,快適にプレイできるかどうかの基準は60fpsとなるが,4Gamerのレギュレーション5.1準拠という描画負荷の高い状態で1024×768ドット時にこの基準を越えてきており,最新世代の3Dゲームを快適にプレイできるレベルにあるといえるだろう。またHL2EP2において,1280×1024ドット時のスコアがQosmio G40/97Eの1024×768ドット時のそれを上回っているのは特筆に値する。
同じく最新世代の3Dゲームタイトルから,RTS(リアルタイムストラテジー)であるCompany of Heroesの結果をまとめたのがグラフ4だ。快適にプレイできるかどうかの基準は60fpsだが,Satellite WXW/79EWは1280×1024ドットで悠々とクリア。HL2EP2と同じく,Qosmio G40/97Eよりも一段高い解像度でゲームをプレイできるというわけである。
オンラインRPGに移ろう。まずは三國志 Online ベンチマークの結果だが,開発元のコーエーはスコア2000以上で快適に,3000以上で非常に快適にプレイ可能という指標を示している。それを基準にグラフ5を見ると,Satellite WXW/79EWは「標準」グラフィックス設定においても,非常に快適とされるラインをクリアできているのが分かる。
同じオンラインRPGから,ファイナルファンタジーXIのVana’diel Bench 3実行結果をまとめたのがグラフ6だ。スクウェア・エニックスはスコア3000で「デフォルト設定で快適に動作させられる」という指標を出しているが,Satellite WXW/79EWのスコアは万全といえるだろう。
もっとも,本テストにおいてはQosmio G40/97Eでも十分に指標をクリアしている。描画負荷の低いタイトルでは,Qosmio G40/97Eクラスでも問題なくプレイできると判断しておきたい。
最後に,ワットチェッカーによる消費電力の比較を行ってみたい。前に述べたとおり,製造プロセスの微細化が進んだ新世代CPUを搭載するSatellite WXW/79EWだが,CPUやGPUのスペックはQosmio G40/97Eより上。一方,Qosmio G40/97Eはゲームとは直接関係のない機能を多数搭載しており,このあたりがどう影響するかを見てみようというわけだ。
ここではOS起動後30分間放置した時点を「アイドル時」,MP3エンコードソフト「午後のこ〜だ」ベースのCPUベンチマークソフト「午後べんち」と3DMark06を同時に30分間連続実行し,最も消費電力の高い時点を「高負荷時」とする。アイドル時については,CPU省電力技術「Enhanced Intel SpeedStep Technology」(拡張版インテルSpeedStepテクノロジー,以下EIST)の有効/無効時それぞれでスコアを取得しているが,その結果はグラフ7のとおり。アイドル時,高負荷時とも,Satellite WXW/79EWの消費電力は低く,とくにEIST有効時の27Wというのは,非常に魅力的だ。
ここで,一つ疑問が浮かぶかもしれない。先に示した表では,Satellite WXW/79EWのほうがバッテリー持続時間が短いからである。ただこれは,バッテリー容量の違いによるものだろう。ゲーム用途となるSatellite WXW/79EWの場合,室内をちょっと移動できれば十分なので,バッテリー容量を必要十分なレベルに抑えることで,総重量の低減を図っているものと思われる。
PCの用途は人によってさまざまだ。もちろん,PCでテレビを見られたり録画できたりするのが最優先という人はいるはずで,そういった人にとってはオールインワンタイプのほうが価値が高いかもしれない。
だが,PCゲームの快適性を第一に考えたとき,ゲーマーが選ぶべきノートPCは,オールインワンタイプでなく,Satellite WXW/79EWのほうだ。オールインワンタイプは,Qosmio G40/97Eと同じように20万円台後半からの価格付けが当たり前なのに対して,Satellite WXW/79EWなら,東芝ダイレクトPC by Shop1048で頻繁に開催されているキャンペーンを併用すると,20万円を切る価格で購入できることも珍しくない。それでいて,ゲームを楽しむための必要十分条件を満たしているからである。もちろん,ゲーム用途での高いパフォーマンスは,そのまま一般的なPC操作における快適性につながるわけで,そのお買い得感の高さは圧倒的といえる。
リビングで,寝室で,あるいは外出先で。場所にとらわれず快適にゲームを楽しめる,ピュアな3Dゲーム用ノートPCとして,Satellite WXW/79EWは間違いなくオススメできる製品だ。
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