連載
マフィア梶田の二次元が来い!:第532回「ゲラの大冒険とオタクが守るべき世界」
いつもラジオを聴いてくださっている皆様はもう御存知かと思いますが,2021年3月25日をもって「アニゲラ!ディドゥーーン!!!」が番組終了を迎えることとなりました。幾度も「終わる終わる詐欺」を繰り返してきたアニゲラですが,今回はホントのホントにお別れです。
【お知らせ】番組の中でも発表がありましたが、今年の3月25日の放送をもってアニゲラは番組終了となります。残りの放送もアニゲラらしくお届けしていきますので、みなさん最後までよろしくお願いします。 gera@joqr.net #anigera #agqr
— アニゲラ!ディドゥーーン!!! (@anigera_staff) January 7, 2021
まるっと10年以上,アニゲラの歴史はマフィア梶田の歴史と言っても過言ではないくらいに掛け替えのない番組であり,現在の自分へと繋がる大きな成長をもたらしてくれました。
そんな番組が終わってしまうということは身体の一部をもぎ取られるようで,とても言葉では言い表せない寂しさを感じておりますが,この世のすべては「始まれば終わる」もの。つい永遠に続くかのように錯覚してしまうのですが,そんなことはあり得ないんですよね。
というわけで、11年間もの長きに渡って皆様に御愛聴いただいた「アニゲラ!ディドゥーン!!!」。3月にて番組終了を迎えます。始まりがあれば、終わりもある……。わかっていたつもりですが、いざとなると実感が薄く、不思議な気持ちですね。どうか最終回まで聴き届けて頂けますと幸いです! #anigera
— マフィア梶田 (@mafia_kajita) January 7, 2021
なにより番組を立ち上げた杉田さんが「もう十分やりきった」と判断したのであれば,それが終了に相応しいタイミング。ありがたいことにスタートから今日に至るまで人気低迷や打ち切りとは無縁の番組でして,こんなにも皆様に愛されたまま終わりを迎えられるのはとても幸せなことです。どうか残りの2か月,最後まで応援をよろしくお願いいたします!
フリー“なんでも”ライター・マフィア梶田と,声優・中村悠一がお届けするYouTubeチャンネル「わしゃがなTV」。直近の更新では,中村さんの発案で「ドラゴンクエスト ダイの大冒険マンチョコ」を開封してきました。
新アニメが絶賛放送中の「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」ですが,原作の連載時期からすると,マフィア梶田にとってはちょっと上の世代の漫画なんですよね。しかも,ちょうど海外で暮らしていた時期で,歯抜けのコミックスを数巻だけ友人宅で読ませてもらった記憶があります。
ちなみに本商品,原作読者に向けた色合いが強いのか,ネタバレが満載。「わしゃがなTV」の視聴者層からすると,要らぬ心配かもしれませんが,もし現在進行系で本作を追いかけている人がいたら御注意ください!
なお,おまけ動画では「あまいぞ!男吾」でお馴染みのMoo.念平先生についてトーク。なんと「山奥妖怪小学校」の献本をいただきまして,そちらを紹介させていただきました。ふたりとも大ファンなので,もし許可が取れるようならいつか「あまいぞ!男吾」の名シーンを紹介しながら語る動画をやりたいですね。
世界中にとって忍耐の年であった2020年。我々の業界も大きなダメージを受けつつ,それでもなんとか2021年を迎えることはできましたが,新年早々に緊急事態宣言が発令されるなど気が抜けない状況が続いております。
職業柄,役者さんやスタッフさんなど,さまざまな人に現場で接触することの多いマフィア梶田。お仕事で関わる皆様に迷惑をかけることのないよう,休憩が挟まるたびに手洗いに行くなど人一倍気を付けているつもりですが,どんなに細心の注意を払ってもリスクをゼロにはできず,常に不安が付きまとうことに気疲れしないと言えば嘘になります。
しかしながら,クライアントが望むならどんな状況でも与えられた役割を果たしてみせることこそフリーランスの矜持。仕事の依頼があるなら,出来る限り引き請けていくという基本姿勢に変わりはありません。オタクにとって供給が絶たれるということは一大事ですし,僭越ながらそういったコンテンツの一翼を担っているという誇りを支えに,この仕事を続けておりますので。
同じように,仕事と趣味の狭間にある「わしゃがなTV」も世情が許す限りは更新を続けていきたいと思っておりますが,いつ,どんな状況の変化があるか誰にも予想がつきません。番組スタート当初から検討しているロケ企画についても実現は遠そうですし,まだしばらくはスタジオで完結する企画を中心に練っていくしかないでしょう。
そして,どんなコンテンツにも共通して言えるのは,それらを受け止めるファン側に「余裕」がなくては成立しないことです。現実として,娯楽というものは人間にとって大切なものですが,生存していくのに絶対に必要な条件ではありません。余裕なくして娯楽は楽しめず,人間が余裕を持って生きてこそ,娯楽も活きるのです。
なにやら大げさな話に聞こえるかもしれませんが,スケールを縮めれば「オタクがピリピリしていたらエンタメの勢いも落ちる」ということ。なにもコロナ禍に限った話ではありませんが誹謗中傷に仲間割れ,ダメ絶対。辛い状況下で他人のことまで思いやれ,というのも酷な話だと思いますし,精神的に追い詰められたら身近な世界に捌け口を求めてしまう気持ちも,理解できなくはありません。
しかし,もしも自らの行いが巡り巡って自らの居場所まで壊してしまうとすれば? 時にSNSの発展した現代を生きるオタクの世界は,広いようで狭い。バタフライ・エフェクトなんて気長なレベルの話ではなく,小さな蝶の羽ばたきがすぐさまソニックブームになって,コンテンツとファンにダメージを与える事例をうんざりするほど見てきたはずです。
自分はオタクを単なる消費者だとは考えていません。コンテンツを構成する細胞のようなものであり,共存共栄の関係でありながら時には免疫機能が暴走したり,癌化することもあり得るでしょう。しかし細胞とは違って,アンチだろうが信者だろうが,我々には考える「余裕」があるはずです。願わくば,どうか他人事ではなく自分を生かし,娯楽を活かし,居場所を守るべき選択を。オタクの世界を守れるのは,オタクだけなのですから。
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