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多彩なVGMコンポーザによるライブやトーク,物販が行われた「東京ゲーム音楽ショー2017」をレポート。来年度は大田区PiOで開催
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印刷2017/03/21 13:46

イベント

多彩なVGMコンポーザによるライブやトーク,物販が行われた「東京ゲーム音楽ショー2017」をレポート。来年度は大田区PiOで開催

 2017年2月25日,東京・ディファ有明でゲーム音楽(以下,VGM)の見本市イベント「東京ゲーム音楽ショー2017」が開催された。

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 会場には40を超える個人および企業のブースが出展し物販を行ったほか,場内のステージではライブやDJプレイ,トークショーなどが実施された。著名なコンポーザに直接会える機会ということもあり,開場直後はロビーがすし詰め状態になるほど多数のVGMファンが来場。コンポーザにサインや握手を求めたり,ライブ観覧に興じたりと,思い思いに楽しんでいた。

 なお,次回「東京ゲーム音楽ショー2018」の開催もすでに決定している。次回はディファ有明よりもさらにフロア面積が広い大田区産業プラザPiOの大展示ホールで,2018年2月24日に実施される。

会場となったのは,30年近くにわたって有明を代表するイベントスペースとして鎮座してきたディファ有明。さまざまなイベントや格闘技の試合で賑わい,音楽好きにはMC Hammer氏やSLAYERのライブが行われたMZA有明時代が懐かしく,ゲーマーにも格闘ゲーム大会“闘劇”などの催しで思い出深い場所だが,2018年6月をもって閉鎖となることが決定している
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物販スペース


 本棟のロビーと別棟の会議室では,物販が行われた。通常商品のほか,お蔵出しのレア盤や本イベント用に作られた限定盤なども販売されており,とくに限定盤はどこのブースでも開場間もなく完売となっていた。

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ライブステージ


 メインフロアでは,DJやバンドによるライブが行われた。

細井聡司


ライブステージの一番槍は,細井聡司氏によるDJ。「ソニックウイングス」BGMなど自身が手掛けた楽曲のほか,ゲーマデリックやYu_Asahina氏との対決企画CD「電脳爆破」の収録曲などをプレイ。灰墨イノリ氏と中原涼氏もゲストボーカルとして出演し,歌声を披露した
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ヨナオケイシ


「星霜鋼機ストラニア」やPS4/PS Vita版「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」などのサウンドを手掛けたヨナオケイシ氏。写真の場面では,作曲業の中で生み出された“副産物”的な楽曲をまとめたセルフキュレーションCD「By-Product 2」の収録曲をプレイ
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三宅 優


「塊魂」のサウンドディレクションなどで知られる三宅 優氏。ポップながらキックの効いたサウンドでフロアを揺らす
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SATO


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佐野電磁氏と加藤浩義氏によるEDMユニットのSATOは,今回の出演が解散ライブ。icy氏,松藤量平氏,SAK.氏といったボーカルを迎えたほか,クライマックスでは伊藤賢治氏と岡宮道生氏も加わるという豪華なステージで有終の美を飾った。なお以前にも述べられていたが,評判によっては“SATO2”がスタートする可能性もあるという
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中潟憲雄 with AQUA POLIS


中潟憲雄氏は自身のバンドAQUA POLISを率い,28年振りとなる「源平討魔伝」組曲や新曲などを披露。さらに,中潟氏とは福島出身というつながりを持つなかやまらいでん氏がボーカルとしてゲスト参加する場面も。また,壇上では「源平討魔伝」30周年記念CDの制作も発表された
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ZUNTATA


ZUNTATAステージでは,石川勝久氏(Key)と森 正樹氏(Dr)に加え,ゲストギタリストの松村謙司氏が出演。「グルーヴコースター3」の「座和々」やアレンジアルバム「タイトーゲームミュージックリミックス」収録の「Urban trailer」(ナイトストライカー)などを演奏した
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山田一法


本イベント用新譜の収録曲や,インティ・クリエイツ20周年ライブのときに時間の都合でカットした「マイティガンヴォルト爪」ジブリールステージとテンジアンステージのメドレーなどを披露した山田一法氏。バンドは青木征洋氏やYamajet氏などを迎えた特別編成だ。また,ゲストボーカルとして桜川めぐ氏も出演していた
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菊田裕樹


菊田裕樹氏のステージでは,同氏によるインディーズCD「ANGELICFORTRESS TRISMEGISTUS」の収録曲が演奏された。バンド編成は小林修己氏(Ba),大沼あい氏(Key),今井義頼氏(Dr),佐々木秀尚氏(Gt)というもの。これは,同CDの制作にあたって構築された2つのバンドからメンバーをセレクトした編成だという。楽曲は菊田氏自身が「普通の人では(演奏は)無理」と言うほど複雑だが,それだけに際立った迫力のプレイを見ることができた
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古川もとあき


古川もとあき氏は,バンド“古川もとあき with VOYAGER”として出演。同氏が手がけた「グラディウス」シリーズの楽曲などのほか,ユキショウヘイ氏とのタッグで手がけた新作インディーズゲーム「ももいろアンダーグラウンド」から,初披露となる「THE UNDERGROUND OCEAN」のアレンジ板を演奏。爽快なフュージョンミュージックを聞かせてくれた。「ももいろアンダーグラウンド」は,古川氏などの作品を販売するM’sアートオンラインストアで購入可能だ
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中盤には全出展者が揃っての記念撮影会も
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トークショーステージ


 会議室では先述の物販のほか,トークショーステージが設けられ,トークや小編成バンドないしソロでのミニライブが行われた。

ベイシスケイプ


 ベイシスケイプは,所属コンポーザによるトークショーを実施した。ここでは「RPGで必要だと思う音楽はフィールド曲か戦闘曲か」や「自分が得意とするのはシンプルな楽曲か複雑な楽曲か」といったお題のもとで,各コンポーザのスタンスが語られた。

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同じ制作会社のコンポーザといえど,スタンスや嗜好は人それぞれ。このほか,「真剣で私に恋しなさい!A 音楽集」からピックアップした2曲を聞いて,作曲者が男性か女性かを来場者が当てるという企画も行われた。音楽性から性別を当てるというのはなかなかの難題だが,7割ほどの観客が正解。「さすが鍛えられたVGMファン」といったところだろうか
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ゲーマデリック


曲の間に手品を披露するN'GJA氏。唐突ではあったが,これもまたデコっぽさなのかもしれない
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 4月29日にニューアルバム「Re:birth」のレコ発ライブを控えたゲーマデリックは,小規模バージョンのコゲデリック編成でミニライブを実施。「チェルノブ」や「チャイナタウン」,2015年に発売したCD「Rebooot!!」収録版の「ダークシール」などを演奏した。また,「探偵 神宮寺三郎 GHOST OF THE DUSK」用楽曲の制作が進められていることなども語り,集まったデコファンを沸かせていた。レコ発ライブの詳細やチケットの購入に関しては,ゲーマデリック公式サイトを参照してほしい。

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景山将太


 景山将太氏は,キーボードでPS Vita用恋愛アドベンチャーゲーム「鏡界の白雪」やiOS/Androidアプリ「仮面の勇者〜心の迷宮RPG〜」の楽曲を生演奏。また,中盤からはボーカルとして彩羽真矢氏も登場した。

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持ち時間に余裕があったため,彩羽氏が観客からのお題をもとに演技を行い,それに景山氏が即興のBGMをあてるという余興も行われた。1つ目のお題は“サーバルちゃん”。景山氏は「けものフレンズ」を観ていなかったようで戸惑っていたが,彩羽氏の演じる爪とぎをするサーバルちゃんやジャパリバスが激突したサーバルちゃんに,見事に“らしい”BGMをあてていた。
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ノイジークローク


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 ノイジークロークは,第一制作部と第二制作部のコンポーザー&サウンドクリエイターが合同で参加。第一制作部部長の蛭子一郎氏がかつて制作したブラウザゲーム「UFO」を題材として,ゲームに音が着けられる作業工程を紹介した。Excelで作られたサウンドリストや,人間の声や猫の鳴き声を加工した効果音制作など,普段はあまり掘り下げられない部分が語られ,観客は興味深げに耳を傾けていた。なお,「UFO」自体は蛭子氏の個人サイトでプレイ可能だ。

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なかやまらいでん


 なかやまらいでん氏はキーボードでミニライブを行い,「赤い時間,赤い音楽。」や「あかさたなはまやらわ」など自身のオリジナルアルバムの収録曲を演奏。しっとりとしたトーンの楽曲で,激しいライブやはっちゃけたトークで熱くなっていた会場に涼やかな空気を呼び込んでいた。

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Hiro師匠とhally兄さんのトークショー


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 昨年までセガ・インタラクティブのHiro師匠とトークショーを行っていたのはタイトーの土屋昇平氏だったが,今年の土屋氏は病気療養のため欠席。その代わりに,VGM史およびゲーム史の研究家・Hally氏が出演した。トークショーは,2人がゲストを迎えて過去の経歴やブースで販売している商品などについて聞いていくという形で進められた。会場では前後編に分けて実施されたが,ここでは両パートをまとめて紹介する。

 土屋氏からはビデオレターが寄せられており,その中で同氏は「来年,必ず戻ってきたいと思っています」と語っていた。トークショーの終盤に主催のくまぁん氏から語られたところでは,来年度は土屋氏の負担を軽減させる意味も含め,トークショーの前後編を,片方はHiro師匠と土屋氏,もう片方はHiro師匠とHally氏という形でセッティングすることも考えているという。

土屋氏からのビデオレター。タイトーのブースには土屋氏へのメッセージを投函するボックスも用意されていた
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 最初のゲストは,ケイブの松本大輔氏。デパート屋上に設置される遊園地の管理人やメダルゲーム等遊技機の製造担当などを経て,着メロ販売を展開していたころのケイブに入社したことからVGMに関わり始めるという,遠回りでコンポーザとなったエピソードを語った。VGMが一際大きいブームだった1980年代のVGMファンとのことで,その時代を代表する1人であるHiro師匠の前で,取り分けて緊張している様子だった。

テーブル上の受話器は雰囲気作りのために用意されたスマートフォン用のオプション機器だが,Hiro師匠もHally氏も携帯電話がフィーチャーフォンのため,単なる飾りとなっていた
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 ニコニコ動画では“挫折P”という二つ名で知られる,でか大氏。自己紹介では,商用のボツ曲をボーカロイドでリメイクしたが「ニコニコ動画で公開するなら動画作品にしなければならない」という思い込みで公開を躊躇していたことや,口パク動画を作ってみたが途中で力尽きたことなど,二つ名を付けられるに至ったエピソードの詳細が披露された。比較的ボーカル曲を手がけることが多い同氏は,「ボーカルはパーカッション(の一種)」という持論や,「曲先(楽曲を歌詞よりも先に作る)で単語をはめていく方法がメインなので,詞先(歌詞を楽曲よりも先に作る)で歌詞をもらうと困る」という独特の苦労を語っていた。

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 「入社直後の仕事がない期間はずっと『R-type』をやっていて,1周クリアできる腕前になった」など,アイレム(旧)に関するエピソードを語った石田雅彦氏。アイレムで「R-type II」や「イメージファイト」などのサウンドを手掛ける前はフュージョンバンドで活動しており,1980年代に流行していたフュージョン系VGMについて「嫌いではなかったが,認めたくないという気持ちがあり,『負けひんぞ』と思っていた」という。

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 三つ巴のアレンジCD売上対決(参考記事)を行っていたATOMIC花田氏,細井聡司氏,Yu_Asahina氏は揃ってゲスト出演。「『空牙』の『Vapor Trail』をお洒落なカフェみたいな曲にされた」や「ゲーマデリックの提供した音源がライブ版なのでテンポ検出が大変だった」など,曲の嗜好や制作形態の違いに関する一種のカルチャーショックを語り合っていた。ちなみに,売上対決は最終的に“全員完売でドロー”という結果となっている。

Yu_Asahina氏は顔出しNGとのこと
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 同人ゲームからキャリアをスタートしたという,出展者の中では比較的珍しい出自を持つ来兎氏。音楽制作の勉強は独学によるところが大きく,「『メルティブラッド』の効果音を第2作で改善したときは,カプコンの格ゲーが一番の参考書だった」や「耳コピでメジャーセブンスコードを発見した」といった,独特なエピソードを語っていた。ちなみに初めて作曲したのは高校生のときで,徳間書店刊「テクノポリス」の募集コーナー(読者が他の読者に協力を募るもの)経由で寄せられたオーダーに応えたのが始まりだったという。実はそのとき作曲未経験だったのだが,「締切に追い込まれて作ってみたら,作れた」とのことで,「締切は重要」と悟ったそうだ。

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 タイトーの「レイ」シリーズなどで知られるTAMAYO氏と,ボーカリストのCyua氏によるユニットのBETTA FLASH。CD-BOX「Ray'z PREMIUM BOX -BEYOND-」へ収録する新曲を制作するにあたって,TAMAYO氏がイギリスで音楽活動をしていたCyua氏をスカウトして“TAMAYO featuring Cyua”のチームを組んだことをはじめ,結成前のエピソードなどが語られた。また,Hiro師匠がTAMAYO氏がカプコンからタイトーへ移籍した理由を聞き出そうとしたり,話題が「サンダーフォースVI」に及んで意味深な笑いが会場にさざめいたり,タイトーの石川氏が昔の話題を振られて「セガの専門なのでタイトーのことはよく分からない(※石川氏はセガマニア)」とボケたりと,妙な方向性で話が盛り上がった。

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初対面ということで名刺交換をするHiro師匠とTAMAYO氏
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トークショーステージ対面のタイトーブースで物販対応をしていた石川氏。話の流れに巻き込まれる

 彩京やスクウェア・エニックスを経て2010年からフリーランスとして活動しており,今年で作家生活20年を迎える谷岡久美氏。学生時代はTVCMのBGMやFMラジオのジングルなどの作曲に憧れていたが,そういったスタジオへのアプローチ方法が分からなかったうえ,弟がゲーマーだったこと,たまたまアルバイト情報誌に彩京の求人を見つけたことなどから,VGMコンポーザとしてのキャリアをスタートしたという。実はセガ・エンタープライゼス(当時)の求人にも応募していたのだが,不採用になっていたとのこと。これに関してHiro師匠は,その担当部署が自身の所属とは異なることを確認すると,「(セガが)逸材を逃したのは俺の責任じゃないです!」と自身をフォローしていた。また,谷岡氏は基本的な音楽知識を小学生のころに通っていたヤマハ音楽教室で身につけたとのことで,「音楽の基礎を子供に学ばせたい場合はヤマハはいい」と語っていた。

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 そのほか,以前の東京ゲーム音楽ショーに参加していた深見誠一氏からのメッセージが,主催・くまぁん氏によって読み上げられた。深見氏は,かつてKONAMIで活動し「グラディウスIII」や「ガイアポリス 〜黄金鷹の剣〜」などの楽曲を手掛けた人物。現在はゲーム業界を離れて久しく,音楽からも遠のいていたが,東京ゲーム音楽ショーの会場で今でも自身の曲を愛してくれているファンと触れ合い,音楽活動の再起を決意したという。オールドKONAMIのファンは,これからの動向に期待しよう。


ワークショップエリア


菊田裕樹


 別棟応接室に設けられたワークショップエリアでは,はじめに菊田裕樹氏のワークショップが行われた。これは,DTMer meeting主催の公募企画CD「オレが考えたフィールド曲」に寄稿された楽曲を,サンリオの「Show by Rock」やアプリボットの「LEGEND OF MONSTERS」などに楽曲を提供している伊藤 翼氏と,作曲のほか音楽指導や教本執筆で活躍している彦坂恭人氏,そして菊田氏の計3名が添削していくというものだ。

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 「オレが考えたフィールド曲」は,VGMを前提としたオリジナル楽曲を公募し,アルバムとしてまとめたオムニバス盤「オレが考えた○○○曲」シリーズの第2弾。東京ゲーム音楽ショー2017の会場で先行販売が行われたほか,4月30日に東京流通センターで行われるM3でも販売される。

 あくまでプロに限定しない一般公募の企画ではあるが,添削の3名からは「勉強になるわ」や「パクろ〜」と笑い混じりの声が上がるほどの秀作揃い。それでも批評は真摯で,「ギターのコードに明るくないなら他のパートで個性を出すといい」や「複雑な楽曲を作ってもプレイヤーには曖昧な印象しか残らないので,プロはあえて分かりやすい楽曲を作ることがある」などのアドバイスが語られており,参加者は真剣にメモを取っていた。

VR体験コーナー


 菊田氏のワークショップ終了後の同エリアは,VRリズムゲーム「リズムタクト」の体験コーナーとなった。本作は,アイレム(旧)の「野球格闘リーグマン」やSNK(旧)の「メタルスラッグ」を手掛けた濱田慎一氏の指導のもと,東京コミュニケーションアート専門学校の学生が制作したVRリズムゲームだ(関連記事)。

 今回のバージョンはバンダイナムコエンターテインメントのカタログIPオープン化プロジェクトを利用したものとなっていて,「ゼビウス」や「パックマン」,「ドルアーガの塔」,「ディグダグ」のリミックスBGMを聞きながら各ゲームの敵キャラクターをリズムに合わせて叩いていくというものになっていた。

東京ゲームショウ2016に出展のバージョンではネオンカラーと幾何学的なビジュアルがクールな印象だったが,おなじみのナムコキャラをフィーチャーした今回のバージョンは一転してポップな雰囲気に
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書道コーナー


 ワークショップエリア前のロビーでは,書家・詩人の荒木游莫氏による書道コーナーが設けられており,任意の文字や文章を色紙などに書いてもらえた。オーダーは「ダライアス」ボス戦前の警告文やゲームキャラクターの名台詞などが寄せられており,荒木氏はTwitterで「バラエティに富んだご依頼が多かった」とコメントしていた。

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 年々規模を拡大していく東京ゲーム音楽ショー。単にフロア面積や出展者数が拡大されただけでなく,販売商品にはカセットテープやLP盤,インディーズゲームなどの変わり種も現れ,さらに“これからVGMコンポーザになる人”に向けたワークショップも行われるなど,初期よりも広い意味での“VGMのイベント”へと進歩を続けている。来年の「東京ゲーム音楽ショー2018」にも,VGMファンは要注目だ。

「東京ゲーム音楽ショー2017」公式サイト

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