本企画展の会期は2016年9月10日〜2017年3月12日で,入場料は大人510円,小人250円(常設展の観覧も可能)。なお,11月14日の特別開館を除く毎週月曜日(月曜が祝日の場合は翌平日)は休館,12月29日〜1月3日は年末年始休館となっている。
この企画展は,同会場で2015年10月3日〜2016年2月28日にかけて行われた「あそぶ!ゲーム展 ステージ1:デジタルゲームの夜明け」(関連記事)に続くもの。今回は,進化の過渡期にあった1980年代のアーケードゲームや,一般家庭にゲーム機が普及するきっかけとなったファミリーコンピュータを中心とした展示が行われている。
本稿も昨年と同様,会場の模様を紹介しよう。
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「ゼビウス」ほかナムコのアーケードゲーム
会場に入って最初にあるのは,ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)から1983年にリリースされた,縦スクロールシューティング「ゼビウス」の特集コーナーだ。ここでは基板やテーブル筐体,試遊台をはじめ,同作のゲームデザイナー・遠藤雅伸氏による小説「ファードラウト サーガ」のコピー誌版や,英語とゼビ語の対応表を含む開発資料などが展示されている。
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また,「ゼビウス」特集コーナーから続くアーケードゲームコーナーでは,「リブルラブル」や「ドルアーガの塔」,「マッピー」といった1980年代にリリースされたナムコのタイトルがプレイアブル展示されている。
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「マリオブラザーズ」ほか任天堂のアーケードゲーム
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本企画展では,そのわずかな期間に出荷された「マリオブラザーズ」や「パンチアウト!!」,任天堂VS.システム筐体などが集められており,「アーケードゲームメーカーとしての任天堂」の雰囲気を感じられる。
![]() アーケード版の「マリオブラザーズ」は,マリオシリーズにおいて初めて“マリオ”の名前がタイトルに使用された作品だ。驚くことに,純正筐体での展示が行われている |
![]() 対面型筐体の「任天堂VS.システム」も実際に触れられる。インストカードは「VS.レッキングクルー」のものとなっているが,取材当日は「VS.エキサイトバイク」と「VS.アイスクライマー」が各面で動いていた |
「メジャーハボック」
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横回転するドラム状のコントローラを用いた独特の操作には難を感じるが,カラー仕様ベクタースキャンモニタによるキラキラした描画や滑らかなアニメーションは非常に美しい。本作自体の知名度は高くないものの,「シルフィード」や「カイの冒険」など,日本のさまざまなゲームに影響を与えたと言われている。
Atari VCS
ファミコン以前に発売されたコンシューマゲームの一例として,AtariのVCS(後のAtari 2600)が展示されていた。添えられているソフトは,“埋められた”伝説を持つ「E.T. The Extra-Terrestrial」だ。解説パネルでは,アタリショックや“Atari video game burial(日本語通称:ビデオゲームの墓場)”についても触れられている。
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ファミリーコンピュータ
コンシューマゲーム機が爆発的にヒットした要因のひとつであるファミリーコンピュータの展示スペースは,相応に大きい。四角ボタンのファミリーコンピュータやNES(海外仕様ファミリーコンピュータ)をはじめ,「ファミリーベーシック」や「ファミコン3Dシステム」なども実機が展示されている。ファミリーコンピュータの試遊台は,2台が用意されている。
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デコカセットシステムなどのシステム基板
初期のアーケードゲームは各タイトルが専用の基板でリリースされていたが,コスト削減のためソフトウェアを換装できる“システム基板”が登場した。その黎明期を代表するものとして,データイーストのデコカセットシステムとKONAMIのバブルシステムが展示されている。会場ではバブルシステム用の「ツインビー」と「グラディウス」,ナムコのSYSTEM 86用「源平討魔伝」,アタリのAtari System 1用「マーブルマッドネス」を実際にプレイ可能だ。
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「ダライアスII」などの特殊筐体ゲーム
コンシューマゲーム機との差別化のため,一部のアーケードゲームは1980年代の中頃から特殊な機構を備えた大型筐体を採用し始める(解説パネルでは「アトラクション化」と呼称)。その一例として展示されているのが,専用筐体(2画面版)の「ダライアスII」だ。壁には最初期のイメージビジュアルや本作で没になったヒトデ型戦艦(後に「スーパーダライアス」でファイアースターとして登場)の設定画,シルバーホークの機体図解なども展示されている。
そのほか特殊な筐体の例として,「ダライアスII」と同じくタイトー製の「ナイトストライカー」や,4人プレイが可能なセガの「カルテット」とアタリの「ガントレット」(ナムコ販売の国内版)がプレイアブル展示されている。
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セガの体感ゲーム
大型筐体と言えば,それを語るにあたって欠かせないのがセガ製の体感ゲームシリーズだ。特殊筐体から続くコーナーには,「スペースハリアー」やシングルクレイドル筐体の「アフターバーナーII」,スタンダード筐体の「アウトラン」,ミニライドオン筐体の「スーパーハングオン」といったセガ製の大型筐体が集められている。「スーパーハングオン」とアストロシティで稼働している「スペースハリアー」は基本的に常時プレイアブルだが,スペースハリアーは体験イベント限定,その他は時間限定の開放となっている。詳しくは公式サイトを参照してほしい。
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ファミリーコンピュータ以降のコンシューマゲーム
ファミリーコンピュータやアーケード用特殊筐体の後に待つのは,拡張性を重視したPCエンジン,ROMカセット式の携帯ゲーム機であるゲームボーイ,CPU性能を重視したメガドライブ,アーケード用のシステム基板を家庭用に改修したネオジオ(AES)など,ファミリーコンピュータ以降のコンシューマゲームを体感できるコーナーとなっている。ここでは,家庭用ゲームが一般的になった後,プラットフォーマー各社がさまざまな方向性を模索している様子が感じられる。
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ホビーパソコン
アーケードやコンシューマとはまた異なる独特の市場を持っていたのが,ホビーパソコン向けのゲームだ。この市場は「ゲームの歴史」を取り扱う展示会や書籍などでは比較的軽視される傾向にあるが,本企画展ではしっかりとカバーされており,MSX2(松下電器産業/現パナソニックの「FS-A1」),X68000,PC-8801mkIISRが紹介されている。
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ゲーム音楽
観覧ルートの最後にあるのは,チップチューンの世界で高名なHally氏の監修によるゲーム音楽の解説コーナー。ここでは解説パネルでゲーム音楽の歴史や大手ゲームメーカーのサウンドの特徴を学べるほか,PSG音源,波形メモリ,FM音源,PCM音源の試聴が可能となっている。出力されたサウンドは,波形グラフで特徴を確認できる。なお,Hally氏はTwitterで“ゲーム音楽史と正面から向き合った展示イベントは恐らく世界初”といった旨のコメントを述べている。
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本企画展の会期中には,特定時間帯でのプレイ解放や,筐体内基板やソフトの入れ替えなどが行われる。実際に触れてみたいゲームがある人は,公式サイトで展示状況を確認しておこう。また,展示内容の概要を収録したカタログは,11月に発売される予定だ。
![]() 上記のほかにもさまざまな歴史的ゲームが展示されている。こちらは世界初のプロレスゲームである,「ザ・ビッグプロレスリング」 |
![]() RPGの原点として,テーブルトークRPGの「ダンジョンズ&ドラゴンズ」も展示されていた |
最後に,企画展のディレクションを担当したデジタルSKIPステーションの澤柳英行氏にコメントをいただいたので,以下に紹介する。
4Gamer:
「あそぶ!ゲーム展」は,どのようなコンセプトで開催されているのでしょうか。
澤柳氏:
日本を代表する,世界的な影響力も強い映像コンテンツの歴史と,その進化を辿っていくというのが,そもそもの「あそぶ!ゲーム展」コンセプトとなっております。ゲームは単なる娯楽として捉えられがちですが,我々は映像ミュージアムとして,ゲームの意義や価値,技術的な側面,表現の工夫などから探っていくというのが企画の趣旨です。
時代ごとに,さまざまな技術の進化や人々の工夫でゲームが大きく進化して現在に至っておりますけれども,デジタルゲームの産まれた1958年から現在に至るまでの,そういった大きな進化の道みたいなものを,この企画展を通して見せていきたいと考えています。
4Gamer:
“ゲーム開発の歴史”が中心だった「ステージ1」に対して,「ステージ2」は“ゲーム市場の歴史”が中心になっていると感じられました。
澤柳氏:
今回は,ある意味で“デジタルゲームが盛り上がった時期”の1980年代に焦点を絞っていますので,そのゲームの面白さと,面白さの裏にある作り手の工夫を知っていただけたらと考えております。
「ステージ1」では,最初期の「Tennis for Two」や「Space War!」など研究者の人達のちょっとした遊びから産まれたものからスタートしたゲームが,どのように産業と呼ばれるようになっていったかを紹介するという背景があったので,歴史的な部分が強くなっていました。「ステージ2」は,ゲーム開発者の地位が確立された状況の中で,さまざまなメーカーさんがそれぞれ工夫をしていた時代です。映像産業的な部分を重視して展示しているので,見応えとしては「ステージ2」は増していると思います。
4Gamer:
ところで,澤柳さんが個人的に好きなゲームは何でしょうか。
澤柳氏:
印象に残っているものだと,ダライアスですね。3画面とか音の凄さとか,そういったものに衝撃を受けました。自分がよくプレイしたものだと,「テトリス」が印象に残っています。

























































