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Google Playの最新の取り組みに関する記者説明会をレポート。2021年夏にインディーズゲームのコンテスト「Indie Games Festival」が開催に
コチカー氏によると,日本はモバイルコンテンツ市場が大きいこと,さまざまなイノベーションが生まれていることの2点から,Google Playにとって非常に重要な存在であるとのこと。とくにゲーム分野では,日本から絶えず新しいIPが創出されており,世界中のユーザーがプレイしている点が評価されているという。またゲーム以外の分野でも,例えばメルカリはCtoCと支払いを組み合わせ,1つのアプリでユーザーが収益を上げられる仕組みを作ったことが評価された。そうした事例を受けて,Google Playでは日本のデベロッパにさらに成功してもらいたいと考えているそうだ。
また2020年2月時点での中国を除く世界のデベロッパがGoogle Play上で得た収益は800億ドル以上にもなるという。Google Playは,そうした大規模な市場においてそのエコシステムに参加している人々を保護する責任があると考えているという。すなわち,アプリを使うユーザーには安全性を,アプリを作るデベロッパには安全なエコシステムを提供しなければならないというわけである。コチカー氏はそれらに対するGoogle Playの取り組みについて,「信頼性と安全性」「デベロッパの成功」という観点から紹介した。
信頼性と安全性については,まず「Google Play Protect」が紹介に。このシステムはGoogleのマルウェア検出機能で,毎日1000億件以上のアプリをスキャンし,潜在的なセキュリティの問題を見つけ出している。Google Play Protectのリリース以降,なりすましや不正行為,不適切なコンテンツやマルウェアなどさまざまな不正使用を検出する機能が大幅に向上したという。とくに2021年は,Google Play以外の提供元から19億件を超えるマルウェアがインストールされることを阻止したのだとか。
加えて最新の機械学習モデルおよび手法により,不適切または不正なコンテンツを含むアプリの99%がユーザーの使用が可能になる前に特定され,承認されなかったとのこと。
ユーザーのプライバシーを守るという点では,一例としてSMSメッセージや連絡先,デバイスの位置情報などプライベートなユーザーデータを要求できるのは,アプリの主な用途として判断される場合に限っていることが紹介された。すべてのアプリはプライベートなユーザーデータへアクセスする理由を適切に開示し,さらにGoogleの審査プロセスを通過する必要があるという。
こうしたプライバシーも含めたコンテンツの安全基準は,その重要性の高さから継続的な精査とアップデートが必要になる。そこでGoogle Playでは,ほぼ四半期ごとにポリシーのアップデートを行い,デベロッパに通知をしている。その通知を受けて,デベロッパがコンテンツを更新するための猶予期間は,最低30日を確保。大規模な更新が必要な場合は,さらに長い期間を提供するそうだ。
加えて2019年からはオンラインビデオセミナーを開催し,なぜポリシーが変更されたのかなどを説明している。また日本のデベロッパから寄せられたリクエストに応じ,2020年からは日本語にも対応したとのこと。
もう1つのデベロッパの成功をサポートすることについては,まず3月に発表された「サービス手数料の引き下げ」が紹介された。改めて説明すると,これは2021年7月1日より,Google Play上でデジタルグッズやサービスを販売した場合に,最初の100万ドル分の収益まではサービス手数料が15%に引き下げられるというアナウンスである。この適用により,実に99%のデベロッパが手数料50%削減の恩恵を被るという。
コチカー氏はこの手数料引き下げについて,デベロッパにイノベイティブかつ成長するビジネスを作り上げてほしいからと理由を説明した。
続いて,Google Playが開発者向けに提供しているツールに言及がなされた。最初に紹介されたのは「Google Play Console」で,2020年のリニューアルによりアプリのリリースステータス,パフォーマンス,ポリシー変更などが整理され,以前よりさらに分かりやすく使い勝手の良いものになったという。それ以降も新機能が続々と追加され,デベロッパにとって有用な指標を示すことが可能になり,投資判断などがやりやすくなったとのこと。
説明会の最後には,2021年夏に「Indie Games Festival」が開催されることが発表された。このイベントはGoogleが2018年より開催しているインディーズゲームのコンテストで,外部審査員とGoogleにより選出されたトップ20の入賞者に,勉強会やワークショップへの招待やビジネスコンサルティングなど,さまざまな支援を提供するという内容。第4回となる今回は,「学生部門賞」が新たに設けられる。
なおファイナルイベントはオンラインで開催する予定。そのほかの詳細は,追って発表されるとのことだ。
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