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コンセプトが変わった展示ホールから見えるGDC 2026の今とこれから[GDC 2026]
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GDC事務局も,「Formerly GDC Expo」といった具合に改称を告知しており,名前だけでなく展示コンセプトが変わったことを訴えている。
いずれにせよ,GDC 2026の展示会場はどんな雰囲気だったのか。本稿ではそれをまとめてみたい。
2026年で一番大きかったブースはTencent
展示会場の改称は,GDC自体の名称が「Game Developers Conference」から「GDC Festival of Gaming」に変わったことと,無関係ではないだろう。GDC事務局としては,「GDCの専門性を和らげたい」という方針で新GDCを展開したいようだ。
事務局は,GDCの改称理由について,「GDC来場者同士の交流を盛り上げるためのフェス空間の創出に注力した」と説明している(関連リンク)。
40回目を迎えたGDCは“フェスティバル”へと進化。ゲーム業界をより広くつなぐ「GDC Festival of Gaming 2026」開幕レポート[GDC 2026]
世界最大のゲーム開発者向けカンファレンス「Game Developers Conference」が,2026年は「GDC Festival of Gaming」という新たな形になって開幕した。40回目を迎えたGDCはゲーム業界のエコシステム全体をつなぐ“祭典”として,講演のほかさまざまな企画が5日にわたって開催される。
以前は,Sony Interactive EntertainmentやMicrosoft,任天堂といったゲームプラットフォーマーのブースが,一番の人気スポットだったし,新世代ゲーム機の発表会的なものが,GDCで開催されたこともあった。
だが,2026年の展示会場を歩き回ると,これまでと同じような大手企業のブースもあるのだが,その数は少ない。ラウンジのような,来場者がくつろげる場所が増えたようだ。
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大手企業ブースの数が減ったのは,展示会場のフェス空間化というプロデュースが進んだというよりは,ここ数年,急速に進んだ大手企業のGDCから撤退が,直接的な原因ではないだろうか。
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さて,変化の波にさらされているGDC 2026の展示会場で,一番大きなブースはどこだったのか。それはTencent Gamesだ。
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とくに,人気だったのが,ブース来場者やセッション受講者に抽選でプレゼントされたペンギンのマスコットのぬいぐるみ。一部の来場者からは「テンセントくん」「テンセントペンギン」と呼ばれていたが,正式名称は「QQ Penguin」だそう。
QQとは,Tencentが1990〜2000年代にかけて中華圏で展開していたSNS/メッセージアプリ「QQ」のこと。QQペンギンは,マスコットキャラクターだそうだ。
広いブース内には,Tencent Games傘下のゲーム開発スタジオによる新技術を,ミドルウェアとして提供している製品や,研究開発部門が開発したゲーム関連新技術などを展示しており,バリエーション自体はかなり豊富だった。
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内容は,いわゆる制作済みのモーションパーツとモーションパーツをつなぐ中つなぎモーションを,生成AIで生成してみようというものだ。地味なテーマではあったが,ゲーム開発現場では頻繁に直面する定番の課題ではある。そのため,多くの受講者が聞き入っていた。
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同じ中国系の大手ゲーム関連企業としては,NetEaseも有名だが,ブースは出展していなかった。ただ,NetEaseは,2025年に大ヒットした「Marvel Rivals」に関連するセッションを多数行っており,多くの受講者を集めていた。
もしかすると2027年には,NetEaseのブース出展もあるかもしれない。そうなれば,将来のGDC展示会場では,中国系企業同士によるブース規模の競争が見られる可能性もありそうだ。
GPU入手難の時代だからこそ,仮想GPUでのゲーム開発をアピールするNVIDIA
OpenAIとMicrosoftの共同AIデータセンター開発プロジェクト「Stargate」に端を発したメモリクライシスの影響で,ゲーム業界もGPU不足に苦しんでいる。
大手プロセッサメーカーで,一般展示を公開していたのはNVIDIAのみだった。同社ブースでは,「実機の高性能GPUが入手しにくい今だからこそ,仮想GPUを使ってゲーム開発を行おう」というテーマの展示が行われていた。
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すでに掲載済みのNVIDIA副社長John Spitzer氏による講演の結びでも,同様のメッセージを語っていたので,その内容に連動した展示といったところか。
GPU普及の立役者,John Spitzer氏が語るゲームグラフィックスの未来とAI活用[GDC 2026]
GDC 2026で行われた「GDC Luminaries」に,NVIDIAの副社長であるJohn Spitzer氏が登壇して,GPUの進化によって実現可能となったゲームグラフィックスや,ゲーム開発におけるAI活用について講演した。その概要をレポートしよう。
ブース内では,Adobe Systemsの3Dモデル用ペイントソフト「Substance」でテクスチャを作成するときに,コンテンツ生成AIツール「Comfy」を連動させる制作スタイルのデモが行われていた。
生成AIとのプロンプト対話だけで,さまざまなテクスチャ素材を作っていくプロセスは,かなりユニークだ。
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タスクマネージャを見ると,消費中のグラフィックスメモリは94GBにも達していたが,実はこのマシンは仮想マシンであり,実体はクラウド側にあるという仕掛けのデモであった。
必要な人に必要な分だけメモリと演算リソースを割り当てられる仮想GPUの仕組みは,開発コストの低減の視点からも合理的と主張しているわけである。
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ゲーム開発スタジオの経営側に,「高性能GPUはとても高価で品薄だ。チーム内のアーティストやコンテンツ制作者には,仮想GPUを使ってもらう手もあるな……」と考えてもらえれば狙いどおり。「RTX Pro Server」ソリューションへの誘導は,こうした状況だからこそ真実味を帯びてくるわけだ。
あいかわらず大きなMetaブースの目玉は「Meta Ray-Ban Display」
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そんなMetaブースでは,定番のVR HMD「Meta Quest」シリーズの展示と,それらのデバイスに対応した新作XRコンテンツの展示が,ブースを賑わせていた。
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2025年秋に発売となった製品だが,ブースにいた担当者によると「Meta社員ですから買わせてもらえない」というほど品薄状態が続く人気製品だという。
Meta Ray-Ban Displayは,映像やXRコンテンツを楽しむ製品ではなく,いわゆるウェアラブルなスマート情報端末だ。
ディスプレイは片目で見る方式で,解像度は600×600ピクセル程度,視野角は20度程度である。イメージとしては,スマートウォッチを直接見ることなく,情報を眼前で確認するといった使いかただ。
Meta Ray-Ban Displayの特徴は,利き腕に付ける筋電技術(Electromyography,EMG)を用いたバンドにもある。
このバンドは,手首周りの筋肉や腱の動きで生じる筋電信号を,AIで分析することで,操作として認識する仕組みである。つまり,眼鏡に組み込まれたカメラに腕を向ける必要もなく,指と手首の動きだけで,眼前のUIを操作できるのだ。
ポケットに手を入れたままでも操作できる,というから驚きである。
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スマートウォッチで可能なことは,ほぼすべて可能であり,通話やSNSの確認,音楽再生,映像の撮影と視聴が行える。とはいえ,繰り返しになるが,映像は片目だけで表示も小さいため,本格的な映像視聴向けではなく,確認程度の用途を想定したものだ。
スマートグラスらしい機能としては,目の前の相手との会話の文字起こし機能や,「Meta AI」に視界(≒カメラがリアルタイム撮影している内容)について質問ができる機能などがある。
前者はインタビュー時に便利そうで,後者は博物館や美術館などで活用できそうだ。
デモが終わると,「さて,お買い求めになりますか」というところまでが1セット。これが口コミで来場者の間に広まり,行列がさらに伸びる要因になっているようだ。
Metaのスタッフによると,米国における価格は800ドル(約12万7500円,税別)。対応言語は英語,スペイン語,フランス語,イタリア語,ドイツ語,ポルトガル語で,日本語には対応しておらず,日本での発売も現時点では未定だ。
ちなみに,ブースの先では,Meta Ray-Ban Displayを購入したばかりの人が,ソファで開封を楽しんでいた。そこには,某日本人著名ゲーム開発者ご一行もいて,そのうちの1人が買ったとのこと。
面識があったので,挨拶のあと,軽く話を聞いてみたところ,どうも,これを買うのが,GDC 2026訪問の小さな目標のひとつだったそうだ。
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GDC初出展のRobloxは顔見せ。
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ブースのスタッフに話を聞いたところ,「正直,GDCでブースを出展するといっても,何をしていいか分からなかった。初出展の今年は,Robloxのブースがあるよと顔見せしにきたのが正直なところさ」とのことだった。
世界的大企業といえば,Googleもブースは健在だ。ただ,ブースは小規模で,出展内容もクラウド関連技術が中心だった。
展示コンセプトはNVIDIAに近く,「Google AIの力を借りてゲーム開発しよう」「Google AIでゲームをデバッグしよう」といったもの。ゲーム開発現場向けに,GoogleのITやAI技術を活用しようという内容である。
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なお,2025年まであったAmazon Web Servicesのブースは,2026年にはなかった。2027年は,隣同士のブース展開でバチバチやるところを見てみたい。
元気なインディーゲームコーナーは巨大コントローラで暴れる系が大人気
会場レイアウトでは,中央から外れた位置に配置されていたが,活気という点では,中央の大企業ブースにも引けを取らなかったのが,インディーゲーム系の展示エリアである。
とくに人だかりが絶えなかったのは,冗談のように巨大な自作コントローラを使ってプレイするインディーゲームのコーナーだ。
とりわけ人気を集めていたのが,ハムスターボールのような大型ボール「ゾーブボール」(Zorb Ball)をコントローラに見立てた「Udon Uncaged」だ。開発したのはユタ大学の学生チームである。
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プレイヤーはゾーブボールの中に入り,中で走るとボールが転がって操作になる。ボールの動きは,ゲーム内で同じようにボールの中に閉じ込められた主人公のハムスター「Udon」の移動に対応しており,ボールを転がしてトリッキーな障害物だらけのステージを冒険するというもの。
ゾーブボール自体は市販品で,それを支える土台部分に独自の機構を組み込んでいる。ボールが回転すると,土台に設置された複数のローラーが動き,それがロータリーエンコーダに伝わる仕組みだ。
こうして複数のエンコーダから得られた回転情報を統合することで,ゲーム内のボールの回転方向を決定する仕組みとなっている。
ハムスターの名前が「Udon」なのはなぜかと,スタッフの1人に聞いてみたところ,「開発メンバーの1人がハムスターに付けた名前で,日本の麺料理とは関係ないんだよ」とのこと。日本人から何度も同じ質問を受けたそうだ。
アメリカのロチェスター工科大学の学生たちが開発した,「Floss Boss」も人気を集めていた。
こちらは,口の中で暴れ回る虫歯菌を,歯ブラシと糸ようじ(デンタルフロス)で退治するという,幼児向けゲームにはよくありそうな設定の作品だ。
プレイには巨大な歯ブラシと糸ようじを使うのだが,そのサイズがあまりにも大きいので,思わず突っ込みたくなるところまで含めて,展示の演出となっている。
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ゲーム画面に描かれる口内と,プレイヤーが実際に掃除する現実の口内セットが連動する仕組みだ。画面に現れる虫歯菌を退治するには,巨大な歯みがきグッズを使い分けて,歯みがきはゴシゴシと磨き,糸ようじは歯と歯の間に糸を通して,現実側の口内セットにある歯を磨かなければならない。
動作の仕組みはシンプルだ。歯みがきの場合,歯ブラシ内部のLED照明を,歯側のフォトダイオード(輝度センサー)で検出することで操作する。一方,糸ようじの動作は,糸ようじコントローラに取り付けたアルミ箔が,歯茎側の電極に触れると反応する仕組みだ。
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教育系ゲームとして人気が出そうだが,子供は容赦なく遊ぶので,次期バージョンでは,もっと頑丈な作りにする必要がありそうだ。
ロチェスター工科大学のチームは巨大コントローラ系の作品が得意なようで,もう1タイトルのゲーム「Don't Run with Scissors」も人気を集めていた。
人の背丈くらいある巨大なハサミを開閉しながら,ゲームフィールド内の障害物を切り刻んで進むタイムアタック型のアクションゲームだ。
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