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「Gears of War: E-Day」は,まさにゼロからの開発。破局の日から始まる72時間を描く
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印刷2026/06/11 00:00

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「Gears of War: E-Day」は,まさにゼロからの開発。破局の日から始まる72時間を描く

 ロサンゼルスで開催されたSummer Game Fest 2026の会期に合わせ,The Coalition Studioはメディア向けのプレゼンテーションを開催した。題材はもちろん「Gears of War: E-Day」PC / Xbox Series X|S)。同スタジオが手がけるシリーズ最新作にして,物語の時系列上は最も古い時代を描く前日譚である。
 長年「語り」のなかでしか触れられてこなかったあの破局の日が,本作で初めてプレイアブルな物語として描かれることになる。

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 会場ではスタジオ クリエイティブ ディレクターのMatt Searcy氏,スタジオ アート ディレクターのArian Hanbeck氏,スタジオ ブランド ディレクターのNicole Fawcette氏が登壇し,新作の映像を交えながらコンセプトとゲームプレイの方向性を解説。その後にQ&Aの時間が設けられた。

左からNicole Fawcette氏,Matt Searcy氏,Arian Hanbeck氏
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「of War」の復活と,ゼロからのスタート


 まず登壇者が繰り返し強調したのは,このタイトルが「Gears of War」という正式名称を冠している点だった。前作にあたる「Gears 5」では,シリーズ名から「of War」が外され,単に「Gears」と呼ばれていた。E-Dayではこの「of War」が戻ってきている。

 Fawcette氏はこの判断について,「これは軍事ドラマ,戦争の物語。原点に戻った」と語った。Gears 5で「of War」を外したことを,スタジオは今では一種の方向性の誤りだったと捉えているという。タイトルから戦争という語を抜いたことで,作品が本来持っていた軍事ドラマとしての核がぼやけてしまった――その反省が,名称の復活に込められているようだ。

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 もうひとつの大きなテーマが,完全な新規構築である。E-DayはUnreal Engine 5でゼロから開発されており,過去作からのアセット流用はゼロだという。

 Searcy氏はこれを「空のハードドライブから全部作った,Gearsの原点に戻る作品」と表現した。既存の資産に縛られず,何もない状態から世界とシステムを組み上げ直す。その自由度こそが,前日譚という題材とE-Dayという瞬間を選ばせた理由でもある。

 そして登壇者が口を揃えたのが,本作がシリーズ史上「最もダークで,最も死が多く,ホラー要素の強いGears」になるという宣言だった。初期のGearsが持っていたSFホラー的な空気――薄暗い廃墟,得体の知れない地下の脅威,逃げ場のない圧迫感――を,E-Dayは改めて前面に押し出すという。明るさや救いよりも,崩壊と恐怖を直視する作品になる。

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 タイトルが指す「E-Day」とは,地中から這い出てきたローカストが,人類の惑星セラの地表に初めて姿を現した日を指す。Gearsの物語世界における破局の起点であり,これまでシリーズのなかでは設定として語られるにとどまっていた瞬間だ。

※ローカスト……Gearsシリーズに登場する地底種族の軍勢。人類の住む惑星セラの地下から地上へと侵攻し,人類社会を壊滅寸前まで追い込む。シリーズの根幹をなす敵対勢力

 ここで注意したいのは,本作が描くのが「E-Day当日だけ」ではない点である。Searcy氏によれば,舞台となるのはE-Dayから3日間。Gears 1の出来事からさかのぼること14年前にあたる。人類がローカストという存在をまだ理解しておらず,社会がまさに足元から崩れていく,その最初の72時間を追体験する構成だ。

 この3日間の舞台として描かれるのが,都市コローナである。

 Searcy氏はこの都市について,「都市自体をキャラクターとして扱う。崩壊の過程が主要テーマ」と述べた。コローナは単なる戦闘の背景ではなく,物語を担うひとつの登場人物として設計されているという。

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 プレイヤーは同じ場所を時間をおいて再訪することがあり,その際に進行した破壊を目の当たりにする。最初は機能していた街路や建物が,再び訪れたときには瓦礫と化している。崩壊が進む様子を,同一空間の変化として体感させる仕掛けだ。


ゲームプレイの進化――カバーに加わる「垂直性」


 ゲームプレイ面で登壇者が挙げた柱は3つあった。引き気味のカメラカバーシステムの拡張,そして垂直性の追加である。

 まずカメラは,従来よりやや引いた画角が採用されている。プレイヤーキャラクターと周囲の状況をより広く視界に収めることで,戦況の把握とダークな世界の見せ方を両立させる狙いがあるようだ。

 カバーシステムについては,シリーズの根幹を保ちつつ機能が拡張されるという。カバー間の移動がよりスムーズになったほか,スライディングでカバーに滑り込む,車の窓越しに敵を狙うなど,遮蔽物との有機的なインタラクションが増している。

 そして最大の新要素が,垂直性,すなわちよじ登りの導入だ。これまでのGearsは平面的なカバー戦が中心だったが,E-Dayではキャラクターが壁や構造物をよじ登り,高低差のある戦闘を展開できる。ただしSearcy氏は,これがアクションの性質を大きく変えるものではないと釘を刺している。「プラットフォームゲームにはならない。フランキングの次元を広げるためのものだ」というのがその言葉だ。よじ登りによって,Gearsらしい重量感ある銃撃戦のうえに,高さという選択肢が一枚加わる格好である。

※フランキング……敵の側面や背後に回り込んで攻撃する戦術

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 武器まわりのメカニクスにも調整が入る。アクティブリロードのUI位置が変更され(設定で元の位置に戻すことも可能),一部の武器ではリロードを途中で中断して残弾数の少ない状態でも射撃を続けられるようになったという。

 本作が「最もダーク」を標榜する以上,敵であるローカストの描写も大きく変わる。登壇者たちは各ユニットがより残忍に,より恐ろしくなったと説明した。

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 象徴的に語られたのがレッチだ。デモ映像に登場したレッチは鎧を持たない,いわば原初の野生の個体だった。アーマーをまとわず,陽光も浴びず,飢えたまま地上に解き放たれた個体――後の作品で見られる管理された姿とは異なり,より青白く痩せこけた存在として描かれていた。さらにレッチには叫び声に関するメカニクスが用意されているといい,その絶叫が戦場でプレイヤーに何らかの悪影響をもたらすようだ。

※レッチ……ローカスト軍の最下層に位置する小型の個体。群れをなして襲いかかる

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 飛行ユニットのリーバーも,行動パターンが多様化した。本作では壁に張り付いたまま射撃するほか,背に乗せた4体のドローンを地上へ降ろし,そのまま飛び去るという,輸送手段としての新たな役割も披露された。着地一辺倒だった従来の行動パターンから,空中支援と地上展開を組み合わせた複合的な脅威へと進化している。

 大型ユニットのブーマーは,さらに巨大化した。体長は8〜9フィート(約244〜274センチ)に達する。あまりに大きいため通常の戸口には収まらず,それをぶち破って入ってくる――その登場演出そのものが恐怖だ。

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 加えて,これまでのシリーズには登場しなかった新ユニットも投入されるそうだが,具体的な姿や能力は明かされなかった。

 物語の中心となるのは,シリーズの顔であるマーカス・フェニックスと,その相棒ドミニク・サンチャゴ(ドム)だ。本作はGears 1より前の時代を描くため,2人の関係性もまた,後の作品で知られる姿とは距離がある。長い戦いを経て固い絆が結ばれる前の段階――若き日の2人が描かれることになる。

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マーカス
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ドム

 スクワッドは4人編成で,マーカスとドム以外に,元COG(人類側軍事組織)の退役兵「Mags Carter」と,前線未経験のルーキー士官候補生「Lucas Reyes」が加わる。

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マグス
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レイ

 4人はこの混乱のなかでそれぞれの悲しみや葛藤を抱えながら,お互いを理解していく――それが物語の核にある構図だ。プレゼンでは「Mags and Rey(マグスとレイ)は新鮮で真新しいキャラクター」と紹介されており,マーカスとドムとはまた異なる新顔として設計されていることがうかがえる。

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 過去作にも登場したキャラクターの「若い姿」も本作で描かれる。その筆頭がタイで,過去作とは別の俳優が,若き日のタイを演じる。

タイ
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 コールやベアードなど,後の主要メンバーがE-Dayの時点で直接登場しない理由は,時系列上の必然だ。彼らがマーカスたちと出会い,肩を並べるのはまだ先の話である。ただし,「コールはこの時代の世界最大のアスリートだ」とSearcy氏は語り,その存在感が世界観のなかに感じられると示唆した。

 キャンペーンは協力プレイに対応する。オンラインでは最大4人,ローカルの分割画面では2人での協力プレイが可能だ。スクワッドを構成する4人のキャラクターは,最初から自由に選んで操作できる。

 対戦/協力のマルチプレイでは,新たなモードとしてHorde Siegeが挙げられた。これは4人編成のスクワッド3組,計12人が関わるモードだ。従来のHordeモードを下敷きに,より大規模な人数構成へと発展させたものとみられるが,詳細なルールは今回語られていない。

 さらに,発売に先立ってマルチプレイのベータテストが実施されることも説明された。ベータは2度の週末にわたって行われ,予約購入者にはテストのアーリーアクセス権が付与される。

 また,クロスプレイをはじめとする各種接続機能には完全対応するとされた。クロスプログレッション,クロスセーブも実装される。

 前述のとおり,E-DayはUE5への移行を機に,文字どおりゼロから構築された作品だ。
 キャンペーンの規模でもシリーズ最大を目指すという。Searcy氏はその長さを「過去最長で,14時間以上を想定」していると述べた。

 開発体制についても触れておきたい。本作の制作にあたっては,Blizzard Entertainmentがカットシーン面での支援を行ったとされる。どの程度の協力であったかまでは明かされなかったが,XBOXブランド内のスタジオ連携が大作タイトルの制作を下支えしている実態が,こうした形で透けて見える。

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 この日のプレゼンを通じて伝わってきたのは,「Gears of War: E-Day」が単なるシリーズ続編ではなく,ブランドそのものの再定義を狙った作品ということだ。「of War」を取り戻し,UE5で何もない状態から組み直し,シリーズで最も暗く,最も死の匂いの濃い物語へと舵を切る。前日譚という選択は懐古ではなく,原点に立ち返ってGearsとは何だったのかを問い直す試みにみえた。

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 もっとも,この日明かされたのはあくまで方向性とコンセプトであり,肝心の手触りは映像の向こう側にとどまったままだ。試遊はかなわず,垂直性が実際の戦闘でどう機能するのか,マルチプレイがどんなルールで回るのか,気になることは多い。続報が楽しみだ。

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