寿司のキャラクターを使ったレースやパーティーゲームなど個性的なタイトルを出展。BitSummitの会場で見かけた寿司ゲームを紹介

　インディーゲームイベント「BitSummit」では，定期的に寿司を題材としたゲームが出展されるという印象がある（※個人の主観です）。2024年に開催された「BitSummit Drift」でも寿司ゲームを見かけたのだが，本稿では「Wabisabi : Sushi Derby」「スシ・バトル・ランバングシャスリ」をそれぞれお伝えしよう。

可愛い寿司との別れが辛い「Wabisabi : Sushi Derby」

　「Wabisabi : Sushi Derby」は，寿司職人のプレイヤーが寿司を握り，それを育てていくというPC向けタイトルだ。Steamにて2024年内の配信が予定されている。

「BitSummit Drift」，lololoブース

　最大の特徴は「Derby」とあるとおり，店のレーンやカウンターを舞台に寿司同士のレースが繰り広げられる点だろう。レースシーンは半自動で進行し，客が求めるネタは吹き出しで表示される。自分の寿司が狙われているのを察知したら，プレイヤーは応援して寿司の移動速度を上げて逃がしてやるのだ。

今回のプレイではエビの寿司「ジマンノイッピン」を握ってみた。トレーニングを行いレースに送り出したものの，客の箸に捕まって食べられてしまった。お代は200円。エビを握るのに必要なコストが100円だったため，差し引き100円の儲けとなるが，悲しい気持ちだった

　無事にゴールできれば賞金を獲得でき，高級なネタを握れるようになる。たとえ食べられてしまっても代金分のお金はもらえるので，新たな寿司を握っていこう。
　レースで勝利するためにはトレーニングが重要となる。シャトルランや寿司桶回しといった特訓をこなしていき，パラメータを伸ばしたり，スキルを習得させたりして能力を上げよう。

レースに出場する寿司の一覧

　また，寿司のドット絵がとにかく可愛らしい点も見どころだ。自分で握った寿司には名前を付けられるうえ，カウンターを一生懸命に走ったり，寿司桶を回して特訓に励んだりするのだから感情移入もひとしお。ドット絵の寿司たちが大挙して走る姿も可愛らしいし，客の箸に捕まってしまい食べられてしまうのは，可愛らしいからこそ別れの切なさが胸に染みるのだ。


　なお，現実世界と同じく本作の寿司は生もののため，レースを重ねるごとにステータスが低下していく。勝つためには新鮮なネタで寿司を握ることも重要になる。こんなに可愛いのに，食べられたり鮮度が落ちたりといった別れがフィーチャーされているのが印象的だった。

lololoブースで配られていた名刺も寿司ネタの形

「Wabisabi : Sushi Derby」公式サイト

寿司たちがラグドール物理でバトロワする「スシ・バトル・ランバングシャスリ」

　「スシ・バトル・ランバングシャスリ」は最大4人プレイが可能なパーティーゲームだ。Nintendo Switch版が配信中で，PC（Steam）版は2024年内のリリースが予定されている。

「BitSummit Drift」VisualLightブース

　ゲームの遊び方は，シャリとネタを選んで「シリモン」と呼ばれる寿司を作り，ほかのライバルたちをステージから落として最後の1人を目指すという，単純明快なもの。ステージ上には湯呑みやラジオなど掴んで投げられるオブジェクトが多数落ちているので，これらをライバルに上手くぶつけるのが勝利のカギだ。
　見どころには，ラグドール物理がゲームに組み込まれている点が挙げられる。シリモン自身やオブジェクトはプレイヤーが思ったとおりに動いてくれないうえ，スイッチで作動する巨大な扇風機をはじめとしたギミックで戦況がひっくり返ることもあり，勝敗は最後まで分からないのである。なお，リングアウトした場合は「ゾンビシリモン」として復活でき，ほかのライバルをゾンビ化させて退場に追い込み，場を引っかき回せる。


　本作は，シリモンの可愛らしさと思うように動けないラグドール物理が融合し，プレイしていると自然と笑みがこぼれてしまう。友だち同士で遊ぶのに最適なタイトルはないだろうか。


　今回取り上げた2作品は，寿司という共通のテーマを題材としているがジャンルは大きく異なる。しかし，会場でプレイしてみたところ，擬人化した可愛らしさや豊富なネタによる賑やかさ，鮮度がステータスに悪影響を与える，負けるとゾンビ化するなど，生鮮食品から着想を得たであろうゲームシステムなど，意外と共通点が多いように感じられた。これからもどんな「寿司ゲーム」が登場するのか，今後の発展に期待したい。

「スシ・バトル・ランバングシャスリ」公式サイト

4GamerのBitSummit Drift記事一覧