プレイレポート
[プレイレポ]「Dead by Daylight」の3人が可愛くなって大暴れ! 協力ローグライトアクション「What the Fog」インプレッション
「Dead by Daylight」のキャラクターが可愛くなって大暴れ
殺人鬼「キラー」と,キラーから逃れる「サバイバー」による非対称対戦ゲーム「Dead by Daylight」は,有名ホラー映画の大物も参戦する,スリリングかつダークなCEROレーティングZ(18才以上のみ対象)のホラーゲームだ。そのスピンオフである「What the Fog」では雰囲気が一転。サバイバーたちはぬいぐるみのような二頭身に変身し,デフォルメされたモンスターと戦うことになる。
キラーは登場しないし,表現も全体的にマイルド。ホラーらしい要素といえばモンスターの見た目がちょっと恐ろしげなのと,空の色が全体的に暗いというところくらい。ホラーが苦手な人も安心して遊べるだろう。
ボードゲームに吸い込まれたサバイバーたちは,TPSのように得意の武器でモンスターをバリバリ倒していく。連射できる「メイン攻撃」と強力だがクールダウンがある「サブ攻撃」,特殊な効果を持つ「アビリティ」で戦うのだ。
ドワイトは魔法の杖を持ち,爆発するショット「破壊のオーブ」と敵をスタンさせる「不安定球」,オトリを設置する「ドッペルゲンガー・デコイ」で戦う。
クローデットの武器はクロスボウで,敵を貫通する「マジックアロー」,踏んだ敵の動きが遅くなる「カルトロップ(まきびし)」,乗ると高くジャンプしつつ周囲にダメージを与える「衝撃ジャンプパッド」を装備している。
フェン・ミンは剣を片手に,「エナジースラッシュ」で波動を飛ばし,高ダメージの回転斬り「スピンスラッシュ」,回復フィールドを置く「ヒールプール」でサポートも可能……と,サバイバーたちの特性は本編とは大きく異なっている。ここにジャンプと空中でも使えるダッシュが加われば,フィールドを駆け巡りつつ戦うことが可能だ。
サバイバーの目的はモンスターがうろつく「ルーム」からの脱出。しかし出口である「扉」は閉ざされている。扉を開けるには,ルームのあちこちにある「発電機」を修理しなければならない。モンスターは時間の経過と共に強くなっていくため,あまり時間を掛けてもいられない。
こうなるとモンスターを無視して発電機だけを巡りたいが,戦闘もしっかりこなす必要がある。発電機を修理するには「ブラッドポイント」が必要で,手に入れるにはモンスターを倒さなければならないからだ。しかも,ゲームが進むと1台の発電機に必要なブラッドポイントはどんどん増えていくので,積極的に戦いを挑まなければならない。
本作は体力の回復手段が限られているうえ,時間経過でモンスターが強くなる中,ブラッドポイントが独特の戦略性を生み出している。発電機の中には,ギミックを使ったジャンプアクションをこなさなければたどり着かない難所に置かれていることもある。
こうした難所はたいてい一本橋の上で,戦闘には適さない。発電機に着いたはいいが,ブラッドポイントが足りずに泣く泣く引き返すなんてことも起こるわけだ。
そうならないためには,ブラッドポイントの管理と周囲のチェックが重要になる。手持ちのブラッドポイントと周囲の地形をチェックし,どの発電機を優先させるか決めるのだ。
ルームクリア時に余ったブラッドポイントは,次のルームに引き継がれるため,状況によっては充分なブラッドポイントを持った状態からスタートできることもある。そんなときは周囲を見回し,難所にある発電機をさっさと修理してしまえばいい。
また,充分な戦闘力があるならモンスターを狩ってブラッドポイントを稼ぐのも一つの手だろう。しかし油断は禁物。時間が過ぎるほどにモンスターは強くなり,数も増していくため,迅速な行動が求められるのだ。
もちろん,サバイバーたちもどんどん強くなっていく。発電機を修理すると「ルーン」が出現し,取ると特殊能力が手に入る。体力上限値や移動速度の向上といったスタンダードなものから,2段ジャンプや体力減少時にバリアを張るといったプレイスタイルに影響を及ぼすものまで,その内容はさまざまだ。
中には「体力の上限値が半分になるが,攻撃力は倍になる」など副作用付きのものもあるので注意深く取っていきたい。また,ルーンは取ったキャラクターにしか効果が出ないため独り占めは厳禁だ。
ルームをクリアした時はランダムで出現する2種の「スキル」から1つを選んで手に入れられ,その性質はサバイバーごとに異なっている。ドワイトならダメージを受けると防御力が上がったり,発射する破壊のオーブの数が増加したりする。クローデットの場合はクロスボウの矢が分裂し,仲間クリーチャー「ミスター・モス」が出現。フェン・ミンは,体力が減るとダメージがアップしたり,一定数の敵を倒すごとに体力が回復したりする。
ルーンとスキルを即興で組み合わせ,最適な戦い方を模索していくのが本作の面白いところ。例えばドワイトの場合,ドッペルゲンガー・デコイの持続時間が延長されるスキルと敵の死体が爆発するスキル,ジャンプの滞空時間が延びるルーンと空中からの攻撃力アップのルーンが出たとしよう。
ドッペルゲンガー・デコイを設置して敵を引きつけたところに,ジャンプで火力アップしたメイン武器で狙い撃てば,不安定球と死体の爆発で次々に敵が吹っ飛んでいく。
フェン・ミンをプレイ中にダッシュに攻撃判定が付与されるスキルと,ダッシュのクールダウンを減少するルーンが出たら,ダッシュを主軸に攻撃を組み立てればいい。このようにルーンとスキルはシナジーを生む組み合わせもあるが,どちらもランダムである辺りはローグライトらしい面白さがある。プレイするたびに異なる展開を楽しめるだろう。
ルームの中には巨大なボスが待ち構えているものもある。ボスは攻撃力と耐久力が高いため,ゴリ押しでは苦戦必至。攻撃パターンを観察しつつ,これまで取ってきたルーンやスキルの特性を活かして戦おう。
1回のプレイは大体1時間前後。クリアすればさらなる強敵が出現するようになり,これを一定数倒すと新たなルーンがアンロックされる。戦いのバリエーションがより豊かになるので,繰り返し遊ぶことで深みが増していくゲームといえるだろう。
「Dead by Daylight」のキャラクターに,「Risk of Rain」といったローグライト系アクションのエッセンスを加えたのが本作「What the Fog」。価格も580円(税込)とお手頃なので,友だちと一緒に買ってワイワイプレイするのも楽しいだろう。
なお,2024年5月15日からは数量限定での無料配布が行われている。公式サイト(外部リンク)でBehaviourアカウントを作ればSteamキーをもらえるため,「Dead by Daylight」のファンやローグライト好きの人は要チェックだ。
「What the Fog」Steamストアページ
「Behaviour Interactive」公式サイト
- 関連タイトル:
What the Fog
- この記事のURL:
(C)2024 and BEHAVIOUR, WHAT THE FOG and other related trademarks and logos belong to Behaviour Interactive Inc. All rights reserved.