「モンスターハンターフェスタ'19-'20」東京会場をレポート。ステージイベントでは「MHW:I」の新規登場モンスター，ジンオウガ亜種の告知も

　カプコンは2019年11月24日，「モンスターハンターフェスタ'19-'20」東京会場を幕張メッセにて開催した。本イベントでは，「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」（以下，MHW:I）の最新情報が公開されたほか，「狩王決定戦2019-2020」東日本大会が行われた。本稿では，会場全体と当日実施されたステージイベントの模様，さらに「MHW:I」の開発メンバーインタビューをお届けする。

左からMCの宇佐美友紀さん，「MHW:I」プロデューサー 辻本良三氏，エグゼクティブディレクター兼アートディレクター藤岡 要氏，ディレクター市原大輔氏

ステージイベント「リアル集会所〜レア素材を求めて〜」では，辻本氏と市原氏が来場者の有志と一緒に「MHW:I」をプレイした

「モンスターハンターフェスタ'19-'20」公式サイト

スペシャルステージ

　スペシャルステージの冒頭では，バラエティークイズのコーナーが設けられ，「MHW:I」に関する以下の問題が出題された。ゲームをすみずみまで注意深くプレイしていないと回答できないものがほとんどだが，我こそはと思う人はぜひ挑戦してほしい。なお，正解は本記事の末尾に掲載している。

バラエティークイズ

　「MHW:I 世界観講座」では，藤岡氏が，「MHW:I」のメインモンスター・イヴェルカーナの設定を紹介した。イヴェルカーナといえば，身体のさまざまな部分に尖った氷の結晶を纏っているイメージだが，それはハンターとの対峙時など戦闘状態に入ったときのことで，通常状態では結構シンプルだという。また，氷を纏ったときの頭部が王冠のようであることや，切断された尻尾を氷で補うことも紹介された。


　イヴェルカーナは氷柱を発生させるなど氷を使ってハンターを攻撃してくるが，直接氷を吐き出しているわけでなく，吐き出したブレスをオブジェクトに当てて，そこに氷を発生させているのだという。またゲーム内では，ブレスで小型モンスターを凍らせて放置し，自分のナワバリを誇示する行動を取る様子も見られるとのこと。
　そんなイヴェルカーナのブレスの正体は，零度以下であるにもかかわらず凍結していない水である「過冷却水」。過冷却水は衝撃を与えることで急激に凍る性質を持っており，イヴェルカーナは体内で過冷却水を生成し，攻撃に使用しているわけだ。


　またイヴェルカーナは，皮膚の上に特殊な鉱石を纏っており，そのさらに上に氷を纏っている。そのため，その鉱石を使って過冷却水をコントロールしているのではないかと推測されているそうだ。
　なお，その鉱石はマグマが急速に冷却されたときに変質して発生するものだという。イヴェルカーナは通常，その鉱石が存在する場所を巣にしているが，何らかの事情で鉱石が不足したとき，マグマのある場所に現れることは「MHW:I」のストーリーでも示されている。

スペシャルステージの後半では，辻本氏がオンラインのプレイヤー3名とともに，「バイオハザード」シリーズとコラボしたイベントクエスト「RE：戻り来た生物災害」に挑戦。このクエストでは，瘴気攻撃を受け続けると，瘴気侵蝕状態ではなく，新たな状態異常「ゾンビ状態」が発生する

イベントクエストをクリアしたので，「MHW:I」プレイヤー全員にゲームアイテムが配信されることが決まった

「MHW:I」ステージ

　「MHW:I」ステージでは，最初にモンスターハンターフェスタ'19-'20の目玉の1つ，「リアルクルルヤック」が紹介された。愛嬌のある姿で特設エリアを歩き回るリアルクルルヤックは等身大サイズで作られたもの。口の開閉やまばたき，鳴き声も確認できた。なお，特設エリアでは，多くの来場者がリアルクルルヤックを写真や動画で撮影していた。

リアルクルルヤック特設エリア

　最新情報コーナーでは，「MHW:I」の追加コンテンツダウンロードカードの購入キャンペーンが告知された。コンビニやゲームショップなどで販売されているダウンロードカードを購入し，応募するとゲームの進行に役立つスタートダッシュアイテムパックがプレゼントされるという。購入対象期間は2019年12月6日〜2020年1月5日，応募対象期間は2019年12月6日〜2020年1月6日となっている。


　ラージャンとギンセンザルがサムズアップしている「イージャン」画像が公式配信されることが発表された。背景画像と合わせて公式サイトや公式Twitterにて後日配信開始予定だ。


　ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「ユニバーサル・クールジャパン2020」に「MHW:I」の体験型VRアトラクションが登場。こちらは2020年春開催予定とのこと。


　奥飛騨温泉郷とのコラボも実施。コラボマップを用いた「古龍の痕跡集め足湯スタンプラリー」などを楽しめる。またツアー企画もあり，「特製モンハン飯」やオリジナルグッズが提供される。


　眼鏡市場とのコラボ眼鏡「モンスターハンター15周年記念モデル」の全7モデルのデザインも公開された。今回は全体にすっきりしたデザインで，かけ心地もいいという。こちらは2020年初春発売予定。


　セブン-イレブンとイトーヨーカドーにて，2020年2月15日より「一番くじ」を順次販売する。


　ビーレジェンドのサプリとコラボした「プレワークアウト モンスターハンター」も登場。2020年1月中旬発売予定。


　先日，秋葉原で開催された「『モンスターハンター15周年展』-THE QUEST-」が，横浜・アソビルにて2020年2月に追加開催される。

イベントでは，イラストコンテストの応募作品も紹介された

会場内にもイラストコンテスト応募作品の展示コーナーが設けられていた

「狩王決定戦2019-2020」東日本大会 決勝戦

　「狩王決定戦2019-2020」東日本大会 決勝戦では，当日行われた予選を勝ち抜いた2人1組の8チームが，「チャレンジクエスト MHWイベント：冰冠の主」でイヴェルカーナ討伐のタイムアタックに挑戦。成績上位の4チームが，2020年3月21日開催予定の「狩王決定戦2019-2020」決勝大会に進出する。


　各チームとも，火力の高いスラッシュアックスと弓，イヴェルカーナを麻痺状態にできる操虫棍の中から武器を組み合わせていたが，最速タイムをたたき出したのは，2人とも弓を選んだ「開拓ロボ」チームだ。
　藤岡氏は，「プレイヤー個人のテクニックと，自分達の展開を作るための戦略・戦術がうまく噛み合ったチームが好タイムを出している印象があった。いろんなチームがあり，見応えがあった」とコメント。また市原氏は，「武器の組み合わせによる戦略・戦術と，その武器を選んだ理由，どれだけ練習してきたかが見られて，とてもすばらしい大会だった」と感想を述べた。

「MHW:I」無料アップデート第2弾情報

　イベントの終盤では，12月5日に配信される「MHW:I」の無料アップデート第2弾にて，ジンオウガ亜種が登場することが映像にて明かされ，来場者から大きな歓声が上がった。また会場ではそののち，謎のモンスターが登場することも示唆された。



　ジンオウガ亜種は，過去作同様，龍光纏い状態になるとかなり危険とのこと。またこのアップデートでは，「導きの地」に「氷雪地帯」が追加され，ベリオロスなどの寒冷地モンスターも登場するようになる。
　さらに「MHW:I」としては初の「セリエナ祭/アステラ祭」が開催されることや，「Horizon Zero Dawn 凍てついた大地」とのスペシャルコラボ第2弾が配信されることも紹介された。

新米ハンター向けの防衛隊派生武器や防具「ガーディアンα」シリーズもあらためて紹介された

　なお無料アップデート第2弾の詳細は，12月4日配信の「デベロッパーダイアリー Vol.4」にて公開される。さらに12月6日には「デベロッパーダイアリー Vol.5」には，アップデート前に発表されなかった事項や，上記の謎のモンスターなどについてフォローするとのことだ。


　イベントのエンディングでは，市原氏が「狩王決定戦の西日本大会も大きく盛り上げられるよう頑張ります」と意気込みを見せた。また藤岡氏は，「フェスタはいつも，自分も楽しもうと思って取り組むのですが，今日は格別に楽しかったです。ファンの皆さんに感謝しています」とコメント。最後に辻本氏が，「今日の話を大阪の開発チームに持って帰ります。チーム全員の士気が上がって，タイトルアップデートの開発にも力が入ると思います」とし，イベントを締めくくった。

会場の模様

「MHW:I」開発メンバーへのメディア合同インタビュー

　イベント終了後には，辻本氏と藤岡氏，市原氏に対するメディア合同のインタビューが行われた。以下にその模様をお伝えしよう。


──イベント全体がすごく盛り上がりましたけれども，手応えはいかがですか。

辻本良三氏（以下，辻本氏）：
　来場者1万2500名ということで，「モンスターハンター」のイベントでは，最大に近い集客でした。大会も接戦で盛り上がりましたし，タイトルアップデートの話も少し不安があったんですが盛り上がってもらえました。

──ジンオウガ亜種は，すごく人気が出そうです。

藤岡 要氏（以下，藤岡氏）：
　以前から新しいモンスターを追加することを告知していたんですけれども，皆さんが新規の大物を期待している感が強かったので，亜種で大丈夫かなと不安だったんです。でも，あれだけ存在感を認めていただけたので，よかったです。

──映像の中には，これまでにないアクションもありましたが。

藤岡氏：
　かなりチューンアップしていますんで，今までどおりにはいかないこともたくさんあると思います。ぜひ楽しみにしていてください。

──謎のモンスターについては……。

藤岡氏：
　それはまだ言えません。まずは皆さんに体験していただきたいんです。後追いで情報共有しましょうと。

──リアルクルルヤックは，どうやって動かしているのでしょうか。

辻本氏：
　何も入ってないですよ！

藤岡氏：
　あれはクルルヤックですから（笑）。今回はいろいろ試行錯誤してくださる工房に手伝っていただけたので，実現できました。とくに重量の問題があったんですが，最終的に相当削ってくださったので，かなり動きやすくなりました。まばたきなどもうまく表現できていると思います。

──クルルヤックを選んだ理由を教えてください。

辻本氏：
　大きさなど，いろんな意味で現実的なモンスターですから。

藤岡氏：
　モンスターを動かしたいというアイデアは，ずっとあったんです。誰がいいか考えたときに，キャラ人気が高くて，ヒョコヒョコ歩くクルルヤックならインパクトがあるだろうと。

──今回は等身大バルーンがあったりイージャン配信を発表したりと，何かとラージャン推しでしたが。

辻本氏：
　頼れるときには頼ります（笑）。スゲージャンとかマアマアジャンとか何でも作れますから。

ラージャンの等身大バルーン

──狩王決定戦も盛り上がりました。

市原大輔氏（以下，市原氏）：
　辻本も言っていましたが，かなり接戦でした。開発チームの予想を超えてくるタイムだったので，非常にうれしいです。武器種の組み合わせについては，スラッシュアックスの人気が高く，かつ使いやすいので，軸になるだろう人予想はしていました。結果，弓と弓の組み合わせが最速だったので，僕もすごく盛り上がりました。ただ，もう少しほかの組み合わせも研究してもらえたら，別の戦略・戦術が出てくる可能性もありましたね。

──過去の狩王決定戦で決勝に進出した参加者も多数いましたね。

市原氏：
　そうですね。よく見る顔がありました。

藤岡氏：
　今回は東日本と西日本という括りで開催しているので，どうしても集中してしまうんですよね。

──2020年1月19日開催の大阪会場でも，何か新情報は発表されるのでしょうか。

辻本氏：
　まだ時間があるので，考えているところです。

バラエティークイズの正解

「モンスターハンターフェスタ'19-'20」公式サイト