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「キングスナイト -Wrath of the Dark Dragon-」は,古くて新しい,ブッ壊しアクションRPGに新生。先行体験会をレポート
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印刷2017/09/15 15:00

プレイレポート

「キングスナイト -Wrath of the Dark Dragon-」は,古くて新しい,ブッ壊しアクションRPGに新生。先行体験会をレポート

 スクウェア・エニックスは2017年9月6日,新作スマホゲーム「キングスナイト -Wrath of the Dark Dragon-」iOS / Android。以下,キングスナイトWDD)の先行体験会を同社オフィスにて開催した。

 本稿では,最大4人のマルチプレイでワイワイと楽しめた本作のプレイフィールと,開発陣へのミニインタビューをお届けする。30年ぶりに復活するキングスナイトは,思った以上に“キングスナイト”していた

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「キングスナイト -Wrath of the Dark Dragon-」プロデューサー 本橋大佐氏

「キングスナイト -Wrath of the Dark Dragon-」公式サイト



31年の時を経て,「ブッ壊しアクションRPG」として復活


 現在配信中の「キングスナイトWDD」は,1986年にスクウェア(※現スクウェア・エニックス)がファミコンに参入する際に発売したソフト「キングスナイト」をベースとしている。本作は「FINAL FANTASY XV」ユニバースの関連作でもあり,同作中では主人公・ノクトたちがハマっているスマートフォンゲームとしても,世界観に組み込まれている。

 「キングスナイトWDD」のプロデューサーである本橋大佐氏によれば,基本的なゲーム性はキングスナイトを踏襲しつつ,新規要素を追加した“ブッ壊しアクションRPG”に仕上がっているとのことだ。

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 本作では従来の「キングスナイト」にはなかった新要素として,同社のお家芸ともいえる“ジョブ”システムが採用されている。

 ジョブには,タメ撃ちで広範囲を攻撃できるバランス型の「戦士」,ジャンプ回避と追尾ショットが特徴のテクニカル系「シーフ」,攻撃力と攻撃範囲に優れるが打たれ弱い「魔導士」,敵の攻撃から味方を守る盾「ギガント」,近距離の連撃で自らをブーストする「格闘家」が存在する。

 ゲームではこれらの各ジョブに就いたキャラクターたちを組み合わせて,パーティを編成し,バトルに挑んでいく。

●戦士
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●シーフ
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●魔導士
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●ギガント
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●格闘家
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 キャラクターや武器には「キングスバスター」と呼ばれる必殺技がそれぞれ用意されており,バトル中にBPを消費すると使用できる。効果は範囲攻撃や貫通弾,仲間の回復などさまざまだ。ゲームを進めていくにつれ,属性相性なども意識していく必要が出てくるようだが,演出が爽快なので出しているだけでも気持ちいい。

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 本作は昨今のスマホゲームらしく,最大4人でのマルチプレイに対応している。パブリックルームの作成・参加をはじめ,特定の友達とプライベートルームで遊んだり,「ランダムマッチング」も用意されていたりする。マルチプレイ中は「カモン!」「ちょっと待って」といったスタンプで他人との意思疎通が可能だ。

 そして,4人プレイ時は専用の大技として「フォーメーションバスター」が使用可能になる。これはボスの部位破壊に成功したとき,画面内に出現する“4つのサークル”に,それぞれのキャラクターが入ると発動するもので,ド派手な演出とともに大ダメージを与えられる仕組みだ。


 本作では現在,さまざまなイベントが実施されているが,今後は目玉イベントとして「フェス型PvP」を提供していくという。これはただ単にPvPをするのではなく,プレイヤーが“お題に応じたいずれかのチーム”に加入し,双方で腕前やスコアを競い合うものになるらしい。

 初回イベントの内容は“2Dグラフィックス派vs.3Dグラフィックス派”になるというが,具体的な開催時期については「ひと肌が恋しくなるくらいの時期にできたら」と本橋氏は語っていた。

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攻略性の高いシングルプレイと,
ワイワイ楽しいマルチプレイ


 会場では実機によるテストプレイができた。バトルは強制縦スクロールで進行していくため,なかにはシューティングゲームを連想する人もいるかもしれないが,実際のプレイフィールはアクションゲームのそれである。開発も「弾幕STGのようにしない」ことを強く意識し,あくまでアクションとRPGのバランスで設計したという。

 操作方法は「両手」「右手」「左手」の3種類から選択可能で,両手操作ではバーチャルパッドで移動,攻撃とジャンプをボタンで行う。右手/左手操作ではバーチャルパッドに各機能が集約されており,タップで攻撃,ショートフリックでジャンプとなる。

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 キャラの通常攻撃は正面攻撃のみとなる。横や後ろに回り込ませない立ち回りが重要になるのは,元祖キングスナイトと同様だ。戦士であれば溜め攻撃のなぎ払い,ほかにも画面全体攻撃のキングスバスターなどが存在するので,状況に合わせて使っていくのが攻略のポイントになりそうだ。

 また,キャラは立ち止まっていると自動で攻撃してくれるが,これはあくまで補助だ。本作の魅力はタップ連打から生まれる,連打攻撃による破壊の爽快感である。特に気持ち良かったのは,山や森といった地形をガリガリと壊せるところであった。

 砕けた地形からはスコアアイテムなどが手に入れられるうえ,格闘家であれば攻撃力&弾サイズが上昇するバフがかかるので,ステージ攻略においても連打は重要だ。それに操作感やスマホの持ち方もあってか,いい意味でファミコン時代を思い出させるプレイ感を覚えた。

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 シングルプレイでは,4人のキャラクター+フレンドキャラでパーティを組み,バトル中にいつでもキャラの交代ができる。HPやBPといったリソースはキャラクターごとに別なので,ダメージを受けたキャラを下がらせたり,特攻キャラのキングスバスター用のBPをボス戦まで温存したりと,さまざまな戦略を練られる。

 4人で遊ぶマルチプレイでは,プレイヤーの操作キャラは各自1体となる。マルチプレイには専用ステージが用意されており,ステージ内には「特定の職業だけが壊せる障害物」「地面のスイッチを踏むと扉が開く」といったギミックも存在するので,コミュニケーションを取りながら遊ぶのは楽しい。

 そして,ボス戦では部位破壊がポイントとなる。前述したフォーメーションバスターを発動させるためのサークルは一定時間が経つと消えてしまうので,部位破壊が成功したとき,皆が大慌てで移動しているのが印象的であった。それだけに,上手く決まったときの達成感が抜群なのだ。

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故きを温めて新しきを知る。
31年ぶりの復活にかける思い


 体験会の終了後に本橋氏をはじめ,ゲームデザイナーの小野公則氏,アートディレクターの星野小夜子氏に,本作に関する話を聞くことができた。ファミコン時代のいわゆるレトロゲームを,最新のスマホゲームとして生まれ変わらせるため,一体どのような考えを持っていたのか。温故知新をキーとした,ゲームのコンセプトに注目だ。

左から,ゲームデザイナー 小野公則氏,プロデューサー 本橋大佐氏,アートディレクター 星野小夜子氏
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4Gamer:
 簡単ではありますが,それぞれ話を聞かせていただきたいと思います。まず,「キングスナイトWDD」は“FFXVのノクトたちがハマっているスマートフォンゲーム”という設定になっていますが,今回なぜキングスナイトが選ばれたのでしょうか。

本橋大佐氏(以下,本橋氏):
 企画当初はオリジナルのゲームを作っても良かったのですが,「ノクトたちがハマっているゲームは,どんなものがふさわしいだろう」というところから議論がスタートし,いろいろと候補が出たなかで,「キングスナイト」が浮上したのがきっかけとなりました。

 若い世代の方々にとっては知らないゲームかとも思いますが,いろいろなネタを仕込みつつ作れれば,楽しいだろうと考えての選択です。それに,壁をガリガリ壊して進むアクションゲームは前例がなかったので,そこにハマってもらえるだろうというのも狙いの1つですね。

4Gamer:
 開発中に意識していたことはなんでしょうか。

小野公則氏(以下,小野氏):
 私は「壊す」感覚です。木でも,岩でも,壊せてアイテムが出てくる。元のキングスナイトをプレイし直しても,一番ピンときたのが壊す要素だったんですよ。

星野小夜子氏(以下,星野氏):
 そこから“マップを壊す”という特徴を活かすためのデザインには,とても苦労しました。地形に合わせて,壊せる壁のデザインもいろいろと描きましたけれど,最後は「ドット絵的な地形が壊せて,破片が飛び散る」ところがキーではないかと思い至り,現在のビジュアルにたどり着きました。

 パースがかかった奥行きのある視点で遊ぶ「キングスナイトWDD」は,3Dでありながら,見た目がドット絵になっている。そんな表現を追求しています。

4Gamer:
 新旧の表現を混ぜていったんですね。

星野氏:
 そうです。実は地面のテクスチャは,ファミコンのキングスナイトにそっくりなんですが,画面の奥に行くに従って,フォグがかかって現代風の見た目になっています。つまり,手前が昔懐かしのファミコン風,奥が3D表現を駆使した現代風になっているんです。キングスナイトの31年間を,グラデーションで表現しています。

小野氏:
 昔のイメージを残しつつ,冒険感の溢れる新しい画面とはなんなのか。ただ新しいだけではダメで,例えばフォトリアルにしてしまえばキングスナイトの特徴は失われます。そうした点を踏まえながら,微調整を繰り返してきました。

本橋氏:
 実は,企画当初に僕が描き起こしたラフスケッチが,現在のようにパースがかかった視点の設計でした。そこからさまざまな試行錯誤を繰り返し,旧作のような完全俯瞰のバージョンや,カメラを近くに寄せたものも作ってきました。ですが,巡り巡って最終的に一番最初の設計に戻っていました(笑)。

星野氏:
 私は今回のアートデザインで,昔のゲームを勉強するところから始めました。小野さんからファミコン時代のゲームについて,いろいろと話を聞いたんです。彼は社内で“ファミコンおじさん”と呼ばれています(笑)。

4Gamer:
 故きを温めて,新しきを知るというわけですか。

星野氏:
 3Dとドット絵のキャラクターが同じパーティで戦える世界観なので,今後もさまざまな発展を考えていきたいです。

4Gamer:
 では,開発で苦労された点や,とくに見てほしい点などはいかがでしょう。

星野氏:
 世界中のユーザーに愛されるビジュアルを探るのが難しかったです。本作は世界122か国で同時リリースするので,ちょっとクールにしつつ,ドット絵感も出すというところをものすごく意識しました。

小野氏:
 「モンスターを倒して,モノもブッ壊して突き進み,アイテムを回収して1プレイが終わる」。分かりやすく,かつ海外にもアピールできるプレイサイクルを心がけましたので,皆さんにはそこを体験してみてほしいです。

本橋氏:
 「古くて新しい」を表現するのに苦労しました。なんといっても31年間の空白があってからの新作ですから,「変えてはいけないもの」「変えていいもの」「変えなきゃ伝わらないもの」を探ってきました。古いと新しいは矛盾しますが,そういった矛盾を昇華するからこそ,皆さんに受け入れてもらえるし,個性も出ると考えています。

 僕がとくに見てほしいのは,ゲームとしての手ざわりとジョブバランスです。この点に関しては,今後皆様からご意見をいただいて,より良いゲーム作りに反映していきたいと思っています。

4Gamer:
 楽しみにしています。本日はありがとうございました。

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