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第11回「カルカソンヌ」世界選手権大会がSPIEL会場で開催。前回王者の優勝なるか。あるいはロシア初の優勝者が出るか。そして,日本人プレイヤーの成績は?
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印刷2016/10/25 17:45

イベント

第11回「カルカソンヌ」世界選手権大会がSPIEL会場で開催。前回王者の優勝なるか。あるいはロシア初の優勝者が出るか。そして,日本人プレイヤーの成績は?

カルカソンヌ


世界46か国での予選を勝ち抜いた36名によるトーナメント


 ドイツで開催されたイベント,SPIELの見どころは,ボードゲームの販売や試遊だけではない。有名ゲームデザイナーによるサイン会やトークイベント,オークション,ファンミーティングなどが多数行われ,会場の盛り上がりに大きく貢献していた。そうしたイベントの中でも,とくに来場者の注目を集めたのが,SPIEL’16の最終日となる2016年10月16日に開催された「カルカソンヌ」第11回世界選手権大会だ。

 Hans im Gluckのボードゲーム「カルカソンヌ」は,2001年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞したドイツゲーム(あるいはユーロゲーム)を代表する名作で,ドイツではデパートのおもちゃコーナーに必ずといっていいほど置いてある。
 さまざまな拡張版がリリースされているが,基本となるルールは比較的簡単で,プレイヤーは街や農地が描かれたパネルを山から引いて,すでに場に出ているパネルと絵柄がつながるように置いていく。そして,それらのパネルの上に自分の駒を置いて支配権を取ることで,ポイントを獲得していくという仕組みだ。

大会はHans im Gluckのブースではなく専用の対戦スペースで行われた

「カルカソンヌ」公式サイト


 詳しい説明は割愛するが,こうしたルールの分かりやすさ,そして素朴な絵柄のタイルや木の駒の魅力などもあって,単純にマップを作り上げていくだけでも面白いゲームになっている。しかし,72枚のカードのうちどれが残っているかの読みや,どこにカードを置くべきかという判断,そしてカードの引きという運の要素が絶妙に混ざり合い,極めようとすれば奥が深い,競技性の高いゲームとしても楽しめる。

 1人対1人の競技として「カルカソンヌ」をプレイするファンは世界中に数多く存在し,そうしたプレイヤー達のための大会も各国で開催されている。その頂点を決めるのが,SPIEL会場での世界選手権なのだ。
 ここへ到達する道のりは非常に険しく,世界46か国で開催される予選を勝ち抜いた34か国36人の代表選手のみがエッセンでプレイすることを許される。なお,2014年大会の優勝者で,2015年には準優勝に輝いた望月隆史選手を出した日本からは今年,月形祐輔選手が参加。そのため,ギャラリーには多くの日本人の姿も見られた。

世界選手権に出場するドイツ代表の決定戦もSPIEL期間中に開催


大接戦となった予選・決勝トーナメント


 36人のプレイヤーがスイスドロー方式で激突した予選は例年以上の接戦となり,なんと5勝1敗で5人の選手が並ぶことになった。しかし,準決勝への枠は4名。ここで涙をのんだのがポーランド代表のトマシュ・プロイス(Thomasz Preuss)選手で,総合得点の差により敗退が決定した。
 準決勝に進んだのは,スロヴァキアのマテイ・タバク(Matej Tabak)選手,ロシアのウラディミール・コヴァレフ(Vladimir Kovalev)選手,ベルギーのワネス・ヴァンシーナ(Wannes Vansina)選手,そして2013年と2015年優勝であるギリシャのパンテリス・リチャルドポウロス(Pantelis Litsardopoulos)選手だった。このうち,タバク選手とコヴァレフ選手,そしてヴァンシーナ選手とリチャルドポウロス選手が決勝戦への切符をかけて対戦した。
 実力の伯仲した選手同士が戦ったこの2試合は,いずれも接戦に。その結果,コヴァレフ選手が106対91で勝利し,もう一方の試合ではリチャルドポウロス氏が109対93で勝利を収めた。


大型の城の完成をめぐって
激しい攻防が繰り広げられた決勝


 かくして,決勝戦は,ここ数年の世界選手権大会で安定した強さを誇るディフェンディングチャンピオンのリチャルドポウロス選手と,コヴァレフ選手とで行われることになった。コヴァレフ選手が勝てばロシアで初めての世界選手権優勝者に,一方リチャルドポウロス選手が勝ったら,3回めの優勝になり,こちらも史上初だ。

試合開始を待つコヴァレフ選手(左)とリチャルドポウロス選手(右)

 例年どおり,決勝戦に使われたのは通常の4倍の大きさのパネルと駒だった。また,観客のために盤面を頭上からとらえた映像も流され,観客の中にはビデオカメラで1手1手をしっかり撮影している人もいた。

試合前に大型のカードをシャッフルする大会スタッフ。サイズが大きいので,かき混ぜるのも大変そう(左)。シャッフルしたカードは,拡張版の一つである「塔」にちなんだ特製の箱の中に入れられた(右)
カルカソンヌ カルカソンヌ

 試合序盤は,両選手ともポイントを少しずつ積み上げていく堅実な展開となった。コヴァレフ選手のほうが若干長考気味だが,少ないタイルで城や道を完成させ,点を取っていくスタイルはどちらも同じだ。

カルカソンヌ

 中盤までは両者の得点はほぼ互角。だが,ここで二人の戦い方に違いが出てくる。次々と小型の城を完成させるリチャルドポウロス選手に対し,コヴァレフ選手の城はなかなか完成しない。このため,盤上の駒を回収できず,パネルを引いても駒を置いて支配権を獲得することが厳しくなってきた。得点の上ではほぼ互角だが,リチャルドポウロス選手が有利,という雰囲気が会場に漂ってくる。

カルカソンヌ

固唾をのんで戦況を見守る観衆

 そうした雰囲気になったもう一つの理由が,両選手がそれぞれ作ろうとしている巨大な城だ。コヴァレフ選手が妨害パネルを置いたにも関わらず,リチャルドポウロス選手の城は接続がしやすい形にまとめることに成功した。その一方,コヴァレフ選手の城は接続が難しいパネルを2枚も必要とするものだった。
 つまり,この大型の城ができる可能性はリチャルドポウロス選手のほうが高く,たとえ両者が城を完成できなくても,自由に使える駒に余裕があるリチャルドポウロス選手が逃げ切るのではないか,と思われたのだ。

右上の城の完成を目指すコヴァレフ選手に対し,リチャルドポウロス選手も左下の城の拡張を着々と進めている
カルカソンヌ

 そんな中,先に城を完成させたのは,やはりリチャルドポウロス選手だった。紋章3個のついたタイル8枚の大きな城を完成させることに成功し,コヴァレフ選手を突き放しにかかる。城の完成と同時に盤上に置いていた駒を2個,手元に回収することができたため,これらの駒を使ってさらにポイントを積み重ねられる状況になった。
 コヴァレフ選手が必要とする城のタイルを引き当てたのは,その直後だった。タイル7枚に紋章が4個ついた巨大な城の完成によってリチャルドポウロス選手を追い抜き,引き離すことに成功した。試合終盤のタイルが減っていく中でのこの快挙に,ギャラリーからは大きな拍手とため息が続いた。

コヴァレフ選手の城がついに完成
カルカソンヌ

 さらに効果的だったのが,それまでにコヴァレフ選手が少しずつ置いてきた草原上の駒だ。巨大な城の完成と並行して,コヴァレフ選手は自分が支配する草原をマップのほぼ全域に拡大することに成功した。このため,リチャルドポウロス選手が作った城が皮肉にもコヴァレフ選手の得点源となってしまったのだ。
 リチャルドポウロス選手にとっては厳しい状況になった。序盤や中盤であればタイルの接続次第で支配権を奪うこともできるが,いかんせん,終盤では適切なタイルを引くことが難しい。

 リチャルドポウロス選手も反撃すべく城によるポイント増加を目指すが,パネルに恵まれず有効な挽回策が見いだせないまま試合は終了。最終的なスコアは114対79とコヴァロフ氏が前回王者を破り,ロシア人としては初めての世界王者になった。

決勝戦後,コヴァレフ選手やリチャルドポウロス選手を参加者が囲み,指し手について熱心に議論していたのが印象的だった

月形祐輔選手
 なお,試合終了後に日本代表の月形祐輔選手に話を聞いたところ,「コヴァレフ選手が城を完成できたこともすごいが,ゲーム中盤でリチャルドポウロス選手に離されなかった運と技術も勝敗に大きな影響を与えた」と語った。

 また,今回の世界選手権に参加しての印象として月形選手は,非常にレベルの高いプレイヤーが揃っていたものの,日本人プレイヤーにも望月隆史選手(2014年世界選手権優勝)や,月形選手と日本選手権決勝で対戦した小川光一選手など,ハイレベルな選手が数多く活動しており,日本国内の競技レベルは世界と比べて劣るものではないと述べた。なお,月形選手の最終順位は7位で,惜しくも決勝トーナメント出場を逃している。

 戦いのあとは表彰式が行われ,大会に参加したすべての選手に,Hans im Gluckの共同経営者Moritz Brunnhofer(モーリッツ・ブルンホーファー)氏,そして「カルカソンヌ」のデザイナーKlaus-Jurgen Wrede(クラウス=ユルゲン・ヴレーデ)氏から賞状,トロフィー,賞品が授与された。

日本代表の月形祐輔選手は7位。4勝2敗という成績だったが,敗れた相手は1位のコヴァレフ選手と4位のタバク選手で,リチャルドポウロス選手には勝っている。日本のレベルの高さを示したといえるだろう

2位のギリシャ代表,リチャルドポウロス選手。二連覇はならなかったものの,4大会連続で決勝進出という安定した強さ

1位のロシア代表,コヴァレフ選手。ロシアの競技カルカソンヌ人口は8000人とのことで,コヴァレフ選手の実力の高さも納得だ

 来年の世界選手権ではコヴァレフ選手が王座を防衛するのか,リチャルドポウロス選手がリベンジを果たすのか,それとも日本人選手が再び決勝トーナメントに返り咲くのか。2016年のカルカソンヌ世界選手権は,そうした来年のドラマに期待したくなる大会になった。

参加選手勢ぞろいの図。各々が手に持っている国旗を見れば,この大会の多国籍ぶりがよく分かる。ちなみに今年はアゼルバイジャンとセルビアが世界選手権に初参加したほか,すでにプレイ人口の多いブラジルを除く南米諸国を対象とした,南米選手権のチャンピオンも出場した。競技用ゲームとしての「カルカソンヌ」のプレイヤー数は,さらに拡大している

「カルカソンヌ」公式サイト

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