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新作TCG「ドレッドノート」開発者インタビュー。グループSNEの「モンコレ」開発陣が目指したTCGの“ストロングスタイル”とは?
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印刷2015/06/13 00:00

インタビュー

新作TCG「ドレッドノート」開発者インタビュー。グループSNEの「モンコレ」開発陣が目指したTCGの“ストロングスタイル”とは?

ドレッドノート
 2015年5月28日,KADOKAWAの新作トレーディングカードゲーム(以下,TCG)「ドレッドノート」が発売された。
 既存のTCGには必ずあったプレイヤーのターンという概念を打ち崩す「クロスカウンターシステム」という新システムを搭載したこのタイトル。2月18日に開催されたタイトル発表会では,賞金制の公式大会が開催されることも告知され,TCGファンから大きな注目を集めたのも記憶に新しい。

 開発を担当するのは,関西のアナログゲーム制作集団・グループSNE。国産TCGとしては最初期のタイトルであり,今も高い人気を誇る「モンスター・コレクション TCG」を手がけたクリエイター陣の新作ということもあって,期待している人も少なくないだろう。
 そこで今回4Gamerでは,兵庫県神戸市にあるグループSNEにお邪魔し,開発を担当したデザイナーの加藤ヒロノリ氏,デベロッパーの杉浦武夫氏,そして世界観を担当する河端ジュン一氏にみっちりと話を聞いてみた。
 アナログゲームの雄・グループSNEが目指す,TCGの新境地とは。そして群雄割拠の現在のTCG界において,本作は何を武器にどう戦っていこうとしているのか。今後の展開に興味を持っている人は,ぜひご一読いただきたい。

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ドレッドノート

「ドレッドノート」公式サイト



「ドレッドノート」が目指したTCGの“ストロングスタイル”


4Gamer:
 「ドレッドノート」の開発の経緯からうかがいたいのですが,発端としては,KADOKAWAさんからお話があったのが最初とお聞きしています。なんでも,「モンスター・コレクションTCG」(以下,モンコレ)の後継となるTCGを開発してほしい,とか。

加藤ヒロノリ氏
加藤ヒロノリ氏(以下,加藤氏):
 そうですね。モンコレがいったん休憩をおくということになり,次の展開について当時の富士見書房――現在のKADOKAWAさんから相談を受けたのが最初になります。ただ,モンコレの色は引き継がず,違うものを作ってほしいとの要望をいただきました。

杉浦武夫氏(以下,杉浦氏):
 難度に関しては,モンコレぐらい歯ごたえのある――つまりストロングスタイルのTCGを,というお話でしたけど。

4Gamer:
 モンコレとは違う,それでいてコア向けのTCGを作ってほしいということだったのですね。

加藤氏:
 ええ。TCG業界全体を見渡してみると,一番コア向けなところにあるのが「マジック:ザ・ギャザリング」(以下,M:tG)で,その直下が少ないと思うんですよ。強いて言えばモンコレがその位置にあったのですが,システムが独特すぎて,ほかのTCGの感覚で遊びにくかったこともあってか,そこまでの求心力にはなりえなかった。KADOKAWAさんとしては,このポジションを狙えるタイトルを欲していたのだと思います。

4Gamer:
 なるほど。ライト層向けなら「遊戯王」や「ヴァンガード」がありますが,確かにコア寄りのものは少ないかもしれない。そこで,グループSNEさんに白羽の矢が立ったわけですか。

※「遊戯王」……KONAMIのTCG「遊戯王 オフィシャルカードゲーム」(1999年発売開始)。
※「ヴァンガード」……ブシロードのTCG「カードファイト!! ヴァンガード」(2011年発売開始)。


加藤氏:
 僕自身は,どちらかというとよりライト寄りなものを作ってみたい気持ちがあったんですけどね。昔「六門天外モンコレナイト」というアニメがあって,そのTCGなんか比較的ライトだったんです。ちょうどあんな感じで。
 ただ,自分が腰を据えてやりたいゲームと考えると,やっぱりそこそこ濃いものが好きで,その意味ではかなり好きに作らせてもらっています。

4Gamer:
 ちなみに先ほど「ストロングスタイル」という言葉がありましたが,これは「競技性が高いゲーム」という理解で良いのでしょうか。

加藤氏:
 ええ,運よりも実力が反映されるゲームということですね。とはいえ運の要素がまったくないと楽しくないですから,僕らとしては実力が65%,運が35%というバランスを考えています。実力を反映しつつ,運をそれなりに制御できるギリギリの線が,このあたりではないかと。

杉浦氏:
 ユーザーの立場から言っても,このくらいが一番気持ちいいと思うんです。初心者に運だけで負けるのも腹が立つけど,将棋のように実質10:0というところまで行ってしまうと,自分より上の人には絶対に勝てなくなる。TCGでそれをやると「あ,もういいです」ってなっちゃいますから。

4Gamer:
 よく分かるお話です。デジタルゲームの開発者でも,例えば格闘ゲームのクリエイターなどは,7:3ぐらいが丁度良いと言いますね。

加藤氏:
 自分としては,TCGで7:3だと初心者が上級者にまったく勝てなくなる気がするんです。まあ,数字は感覚的なものなので,5%でどう違うのと言われたら,困ってしまいますが(笑)。

4Gamer:
 実は今回,インタビュー前に「ドレッドノート」を少し遊ばせてもらいましたが,個人的にはもう少し実力の割合が大きいのではと感じました。とくにプレイングの部分が難しくて……配分で言えば,7から8くらい実力が結果につながりませんか?

加藤氏:
 めっちゃ出ますよ。なので,その印象は正しいと思います。セオリーが分かってくるまで時間がかかるのですが,ルール自体は簡単なので,慣れた人ほど実力を感じやすいんです。

河端ジュン一氏(以下,河端氏):
 どんなゲームでも,運と実力の割合って,初心者同士が戦ったときと中・上級者が戦ったときで変わるじゃないですか。やりこんでいくと,ある一点から急に難しくなる,みたいな。

4Gamer:
 初心者同士だと,運任せのぶっぱゲーになりがちですね(笑)。

加藤氏:
 そうそう(笑)。そういう運の要素すら制御できるようになると,本作のバランスも8:2とかに近づいていくでしょう。そういうのをすべておしなべて考えると,運が35%というイメージなんです。

4Gamer:
 では,M:tGやほかのTCGでは,運と実力はどういった配分だと考えていますか。

加藤氏:
 うーん,M:tGもやっぱり同じくらいじゃないかなーと思います。山札1枚の意味がものすごく強いので,そういう意味では引き運がとても大事ですよね。ただ,その分の構築がすごく重要になるので,それも実力のうちと考えることもできる。

4Gamer:
 では,モンコレの場合だと?

加藤氏:
 モンコレはどちらかというと,運の流れを自分で掴んでいくゲームですね。手札も最大枚数まで毎回引けますし,ダイスを使うので1や2の目が出てもなんとかなるように作戦を立てなくてはならない。なので,これもプレイヤーの熟練度で大きく難度が変わるゲームだと思います。



待ち時間の無いカンフーアクションを目指した「クロスカウンターシステム」


4Gamer:
 では,肝心の本作のゲームシステムについてですが,最も特徴的なシステムに「クロスカウンターシステム」があります。プレイヤーの手番がほぼ同時に進行していく,いわゆる「同時ターン制」ですが,このシステムを採用した理由は?

加藤氏:
 これはもう,個人的に待つのが嫌いだからです(笑)。
 ターン制のゲームって,相手のやることをずっと見ていなくちゃならないことが多いですよね。

4Gamer:
 それは……当然そうなりますね。

加藤氏:
 格闘ゲームとかでもそうじゃないですか? 相手がコンボしている間は,ずっと黙って見ていなくちゃならない。その,見ていることしかできない時間に対して,イライラしちゃうタチなんです。なんでもいいから反撃のチャンスくれよと(笑)。そうではなくて,技の応酬になるみたいなのが作りたかった。こう……ジャッキー・チェンの映画みたいな?

4Gamer:
 ああ,1アクションごとに攻守が入れ替わり続けるみたいな(笑)。

加藤氏:
 そうそう。イメージとしてはあれが一番近いです。

杉浦武夫氏
杉浦氏:
 その分,先読みがすごく重要になるんですけどね。

河端氏:
 自分のプレイに対して,相手がどんな反応を返してくるのか。それに対して自分はどうするのかって思考を,どんどん掘り下げていくのが面白いゲームなんですよ。「人間と対戦するからこそ,できるゲーム」と言いますか。

加藤氏:
 おっ,それはいい言葉だね。これはぜひ書いておいてください(笑)。
 あとは,さまざまなTCGがある中で,分かりやすい特徴を持たせたかったというのもあります。“既存の何かに似たゲーム”というのは好きではないので。ただモンコレと違って,今回は「パッと見は普通のTCGに見える」という部分を意識しています。

4Gamer:
 普通のTCGに見える,ですか?

加藤氏:
 ええ。そのほうが,興味を持ってもらいやすいと思って。

河端氏:
 第三者がゲームの盤面を見たときに,「ああ,TCGをやっているんだな」と判断してくれるというのは,デザインの面からも強く意識したところです。エネルギーっぽいものが置いてあって,ユニットが出ていて,HPあってキャラクターがいる。だいたい何をどうしたら動くゲームかが,パッと見て分かる。

加藤氏:
 それなのに,触れてみると「全然ちゃうやん」みたいなのを目指そうと。

4Gamer:
 確かにプレイ風景だけ見ると,いまどきの国産TCGっぽいですね。

河端氏:
 極端な話,モンコレみたいにダイスを振らせるゲームにすれば,個性を出すのも難しくないんです。でも,ただダイスを使うというだけで,ほかのTCGプレイヤーからは運ゲーと思われてしまうデメリットもあって。

加藤氏:
 ダイスって言うのはそれだけ象徴的なツールということなんでしょうね。それに比べたら,「ドレッドノート」は遙かに既存のTCGに近い作りなので,「TCGを遊んでみようかな」とは思ってもらいやすいんじゃないかと。

■「クロスカウンターシステム」とは


 「ドレッドノート」の最大の特徴である「クロスカウンターシステム」について,ここで簡単に紹介しておこう。

ドレッドノート
 いわば「同時ターン制」と言うべきシステムを採用する本作には,既存のTCGにあるようなプレイヤーターンの概念が存在しない。プレイヤー手番は,1つの行動を表す「アクション」ごとに入れ替わり,これを繰り返すことでフェイズが進行していく仕組みだ。

 実際のプレイの様子を見ていこう。最初のフェイズである「スピードフェイズ」は,そのターンにおける先攻後攻を決めるタイミングだ。互いが山札の一番上のカードをオープンし,カードの右上に書かれたアルファベット(SP)を比較する。A++〜Cの順に速く行動でき,これによって先攻・後攻が決定される。
 以後「ドローフェイズ」「キャストフェイズ」「アクションフェイズ」と続いていくが,ここから先はこの先攻後攻の順で,交互にカードをプレイしていくことになる。ターンは両者パスとなるまで続き,その間は基本的にどんなカードも使用できる。

 通常のTCGでは,プレイヤーターンごとにフェイズが遷移し,ターン終了と共に攻守が逆転する形が取られていたため,相手のターン中に取れる行動はごく限られている。そこから開放される一方で,常に相手の行動に対し,どう行動するかが求められる。
 プレイ中の待ち時間のことをダウンタイムと呼ぶが,これを極限まで少なくしたゲームデザインが,本作の魅力といえる。


4Gamer:
 ああ,なるほど。しかし個人的な感想ですが……この「クロスカウンターシステム」,率直に言って,かなり難しいゲームと感じました。いや,ルール自体はとても分かりやすいのですが,1手ごとに考えることがものすごく多くて。

加藤氏:
 いや,その反応は正しいと思いますよ。でも,1手ごとに深く考えることこそ,慣れてくるとだんだん快感になってくる部分ですから。そこはぜひ,何度も遊んでその境地に辿り着いてほしいですね。

4Gamer:
 これ,バトルの仕組みが分かってくると,今度は「ゴッドドロー」を意識するようになりますよね。となると,最終的にはスピードフェイズで負けたほうがいいってことになりませんか。勝ってしまうと,「ゴッドドロー」以外で手札を増やせないですから。

加藤氏:
 おお,そこまで分かってくださっているなら,かなり遊んでいただいたみたいで嬉しいですね(笑)。そこから先は,かなり研究のし甲斐が出て来ると思いますよ。

4Gamer:
 となると,構築の段階でSP(スピード)がCのカードを多く入れた方が良い?

加藤氏:
 いえ,Cのカードはコードばかりなので,そうするとユニット不足で死んじゃうんです。結果として,そこそこバランスをとってあるほうが応用がききます。

4Gamer:
 あっ。そうか,カードの種別ごとにSPがある程度決まっているんですね。そこにジレンマが発生するわけですか。

河端氏:
 スピードフェイズの勝ち負けはデッキ構築で調整するほか「ギアチェンジ」でも操作できますから。実はこの辺りでは,運が入り込む余地は少なかったりするんです。

4Gamer:
 スピードフェイズで勝ち続けていたら手札が足りなくなり,「ゴッドドロー」に頼ろうにも今度はコストが足りなくなる。このバランスがキモなのかなと。

■「ゴッドドロー」とは


 「クロスカウンターシステム」と並ぶ「ドレッドノート」の特徴的なシステムが,この「ゴッドドロー」だ。
 既存のTCGでは,自分のプレイヤーターンの最初か最後に山札から手札を補充する形が普通だ。本作においても「スピードフェイズ」後に先攻後攻に応じて決まった枚数をドローするタイミングがあり,“通常は”これを使って手札の調整を行う。

 だが本作の場合には,これ以外にも手札を補充できるタイミングがあり,これを総じて「ゴッドドロー」と呼ぶ。では,そんな便利な「ゴッドドロー」はいつ行えるのかといえば,「自分がアクションを行える時はいつでも」なのだ。

 プレイヤーは毎ターン,「バースト」と呼ばれるコスト支払用のカードを一枚ずつ山札から場に置くのだが,この「バースト」はコストの支払だけでなく,「ゴッドドロー」用のカードも兼ねている。
 もしそのターン中にコストの支払に使用していない「バースト」があった場合,自分が行動をとる事ができるタイミングならばいつでも,それを手札に加える事ができる。これが「ゴッドドロー」である。

 さまざまなタイミングで行える,この「ゴッドドロー」。いつでも手札を増やせるということは,想定していないアクションが起きる可能性があるということでもある。ゲームに与える影響は非常に大きいく,まさに「ドレッドノート」のキモとなるシステムと言えるだろう。


ドレッドノート

杉浦氏:
 そういうジレンマの楽しさを目指したところはあります。「ゴッドドロー」も,開発初期はもう少し引けるタイミングが限られていたんですけどね。「アクションフェイズ」限定だったりとか制限を設けていたのですが,最終的にはほぼいつでも引けるようになりました。

加藤氏:
 引けるタイミングを限定していることが,逆にプレイングを難しくする部分があって。「あのアクションの前に引いておけばよかった」みたいなのを,次のターンに引きずってしまうようなことが起きたんですよ。

4Gamer:
 自分としては,逆にいつでも「ゴッドドロー」ができるので,常にそれを意識せざるを得ない感じでした。いつだってカードは足りないわけで,「ここで引かないと負ける!」って考えてドローしまくった結果,「ああ……こりゃダメだ」みたいなことに(笑)。

加藤氏:
 そこは性格が出ます。まあカードを引くのは皆大好きですから(笑)。

4Gamer:
 でもSubEffectの「覚醒」があるおかげで,カードが増えたら増えたで,また考えることが出てきますよね。

※「覚醒」……同名ユニットのカードを重ねることで,そのユニットのBP(戦闘力)を一時的に上昇させる効果。

加藤氏:
 運の采配に最後まで抗がうための「ゴッドドロー」ですから。「覚醒」はまさにそのために入れたようなもので。KADOKAWAの編集さんにゴッドドローがすごく嫌いな人がいたんですけど,そんな人でもドローしたくなるようにしたいよねってことで(笑)。

4Gamer:
 なるほど(笑)。ところで,本作は各地でティーチングツアーが行われていますが,その場でのプレイヤーの反応はいかがでしたか。

加藤氏:
 新しいTCGが出たからちょっとやってみよう,という感覚で来た人は,やっぱり難しいと感じているみたいです。ルール自体はさほど苦労せずに覚えられるんだけど,セオリーを掴むのが大変みたいで。でも,もう終わりですよって言ってるのに延々とやってる人も多くて……。

4Gamer:
 狙いどおりですね。

加藤氏:
 割合で言ったら,8割くらいが満足してくださったんじゃないかな? そのうちの2〜3割くらいにどっぷりハマっていただけた感じですかね。やっぱり,最初にコア向けのタイトルだとはっきり打ち出せたのが大きかった。これをなんとなく新しいTCGですよって出したら,きっとエラい言われようになったでしょうから。


杉浦氏:
 ヘビーユーザー以外に対する配慮が足りない! って,きっと言われましたね。でも,ルール自体はすごく簡単なので,初心者にもぜひ挑戦してほしいと思っています。ただ,上を目指そうと思うと,一筋縄では行かないですけど。

河端氏:
 最初のステップを踏むのは簡単ですけど,そこから果てしない階段が待っているんですよね。

加藤氏:
 コア向けの料理として,存分に腕を振るわせていただきましたから。プレイングは相当奥が深いと思いますよ。

4Gamer:
 いや,実際すごく面白かったです。1試合終わっても,「とりあえずもう一回いっとこうか」「デッキを交換してみようか」ってなって,なかなか止め時が見つからない。「さっきゴッドドローしたほうが良かったんじゃ?」とか,感想戦をやるだけでも時間を忘れるくらいでした。

杉浦氏:
 感想戦は盛り上がりますよね。同じ手札と同じシチュエーションでも,選択肢が無数にありますから。「ゴッドドロー」をすべきか否か。S+SとS+Mのどっちで殴るべきか,みたいな。

加藤氏:
 変な話ですが,僕らでテストプレイしていても,まだ底が見えてない感じがするんです。「大体見えたやろ」ってとこで対戦してみたら,なんとなく違うステージに来た感じがして,「ここが2面か!」みたいな(笑)。そういうことが,今でもたまにある。
 ですからTCG好きな人は,きっとハマると思います。ぜひ同じくらいの実力の人を見つけて,一緒にステップアップしていってほしいですね。



現代と神話――4色に彩られた世界観


4Gamer:
 ここまでは主にゲームのメカニクスのお話をうかがってきましたが,本作の場合は,背景となる世界観も気になるところです。河端さんが世界観を担当したとのことですが……。

河端ジュン一氏
河端氏:
 ええ。ユニットやコード(モンスターや魔法)はどちらかというと加藤の領分ですが,背景世界とキャスター達の設定,カードのフレーバーテキスト全般を担当していました。あとは今後公式サイトで展開するノベライズの部分なんかも自分ですね。

加藤氏:
 世界観については,河端がまず「こんなんどうですか」という設定を作ってきて,それをこの3人で揉みあうなかでできあがっていきました。その結果を,河端がキャラクターやフレーバーテキストに落とし込むという流れです。

4Gamer:
 世界設定としては,これは現代ということでいいのですよね。

河端氏:
 はい。ただ,現代とはパラレルな世界が舞台となっています。見た目はほぼ現代と代わりありませんが,科学だけが唯一異なっている。「世の中の情報は素子というものでできていて,それをうまく利用することで,その情報を具現化できる」という技術が実用化されています。これによって,人間は脳内に描いた最強の情報――神様を呼び出せるんですね。

4Gamer:
 それを操るのが,キャスター――つまりプレイヤーだと。

河端氏:
 ええ。技術が発達すれば,それを悪用しようという人も現れます。戦争の道具だと考える人もいれば,新しいエネルギー産業だと捉える人もいて,その結果生まれたのが,国家間競争の道具として,それぞれの立場や思想から技術を操る本作のキャスターなんです。

4Gamer:
 なるほど。ちなみに操ることのできる神様は,デッキごとに決まっていますよね。例えば赤が日本神話で……。

加藤氏:
 青がギリシャ・ローマ神話ですね。それから黄色がインド神話で,黒が悪魔全般。色々と考えたんですが,神話って国や地域と密接に結びついているものでもあるし,これが一番分かりやすいかと。

4Gamer:
 なるほど。ちなみに登場する神話体系はこの4つだけなのでしょうか。例えば北欧神話やエジプト神話なんかも人気はありそうですが。

加藤氏:
 ありますあります。開発の時点では緑の北欧神話があって,全部で5色だったんですよ。あと構想だけなら,エジプト神話やケルト神話なんかも考えています。

4Gamer:
 それはつまり,今後,色も増えていく?

加藤氏:
 そのつもりです。第1弾から5色とかだと,収録枚数に対して1色が薄くなりすぎてしまうので,今回は見送ったんです。クトゥルフ神話も黒に混ぜちゃおうかと思ったんですが,悪魔扱いしたら怒る人も出てくるかなとか(笑)。

4Gamer:
 ああ,なるほど。しかし,なぜ神話をモチーフにされたのでしょうか。情報を具現化できるわけですから,神様でなくても生み出せるわけですよね。

河端氏:
 設定としては可能です。ただ,知っている人が多いものほど,具現化はさせやすい。かつ,キャスターが自身の解釈でイメージしやすいものということで,自国の神話が選ばれたんです。あと,最初に具現化されたのがたまたま神様だったので,それに基づいて技術体系がつくられたというのもあります。

杉浦氏:
 ゲーム的に言えば,やっぱり対戦ゲームですから,カッコ良くて強い存在で戦いたいじゃないですか。一番派手で,かつ好き嫌いが少ないものとして,神話はベストでした。

河端氏:
 異世界ファンタジーにしてしまうと,ある程度予備知識が必要になってきますからね。この世界に電話はあるのかとか,眼鏡は存在するのかとか。そういうハードルを下げたいという狙いもあって,今の形になっています。

加藤氏:
 ファンタジーはモンコレでやっていますし,かといってものすごく凝った世界観にしても,誰もついて来てくれない可能性がある。とくに最初のうちは,世界設定なんてフレーバーテキストから読み解けるくらいですし。

河端氏:
 設定を理解しないとゲームできないって思われたら絶対ダメなんですよね。だから入口は広くして,掘り下げていこうとすると結構深い,ってくらいが丁度良いかと。

4Gamer:
 ちなみに,第1弾のカードの中で,お三方のお気に入りというと,どれになりますか。

加藤氏:
 どれも好きなので迷ってしまいますが,あえて言うなら使いにくいと言われているシヴァかな。アナンタも使いどころが難しいんですけど,それは杉浦が言いそうなので(笑)。

ドレッドノート
シヴァ
ドレッドノート
アナンタ

杉浦氏:
 アナンタは使ってて気持ちいいんですよね。でも,インド神に偏るのもなんなので,ここはアメノウズメを推しておきます。分かりやすく強くて,しかもカワイイ。使いやすくていいカードです。

加藤氏:
 アメノウズメはコードのダメージを20あげる効果があるから,ほかの色とも組み合わせたくなるのが良いところだね。
 
河端氏:
 ウズメを入れるとデッキの幅が広がるので,いいカードだと思います。自分としては,もうキャスター全部が好きですね。どれも自分の子供達ですから。最初にキャスターを選んでからデッキを組んでいくこともあってゲーム的にもキモとなるカードですし,やっぱり愛着があります。

4Gamer:
 そのキャスターの中から,あえて1枚を選ぶとしたら?

河端氏:
 うーん……黒のゲルダかな。ゴスロリファッションの女の子で,見た目もカワイイですけど,ダミーを攻撃できる能力を持っているんですね。それがTCGらしいくてお気に入りです。

加藤氏:
 キャスターは,どれも河端らしさに溢れたカードになっています。それこそ,キャラクターの二つ名を決めるのに3日くらい会議したこともありました。ゲームの内容とは全然関係ないんだけど,やっぱりそういうのも重要かなって(笑)。

河端氏:
 自分のアイデアを加藤さんと杉浦さんに投げて,ダメ出しをしてもらいながら作っていきましたね。

加藤氏:
 僕らみたいなおっさんでも耐えられるように,ちょっとだけ意見を出したりしてます(笑)。そういう意味で,20代から40代――河端世代から僕ら世代まで,幅広く楽しめるタイトルになっているはずです。

ドレッドノート
アメノウズメ
ドレッドノート
星雄ゲルダ

 
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