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ワーナー・ブラザースHEがスマホアプリに“本格”参入。エグゼクティブプロデューサーのビル・リッチ氏に,その経緯や今後の展望について話を聞いてきた
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印刷2014/10/15 16:20

インタビュー

ワーナー・ブラザースHEがスマホアプリに“本格”参入。エグゼクティブプロデューサーのビル・リッチ氏に,その経緯や今後の展望について話を聞いてきた

 ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント(以下,ワーナー・ブラザースHE)は,スマートフォン向けのモバイルゲーム制作・配信事業を今秋より本格的に開始する。以前「こちら」の記事でお伝えしたように,現在は「トムとジェリー ざくざくトレジャー」iOS/Android),「境界の黒翼アサルトレイヴン -白銀の意思アルジェヴォルン外伝‐」iOS/Android,以下「境界の黒翼アサルトレイヴン」),「GREMLINS(仮)」iOS/Android)の3タイトルがリリース予定であることが発表されている。

境界の黒翼アサルトレイヴン -白銀の意思アルジェヴォルン外伝‐ 境界の黒翼アサルトレイヴン -白銀の意思アルジェヴォルン外伝‐

写真のスライドは,2014年9月18日に開催されたメディア向けプレゼンテーション時のものです
境界の黒翼アサルトレイヴン -白銀の意思アルジェヴォルン外伝‐ 境界の黒翼アサルトレイヴン -白銀の意思アルジェヴォルン外伝‐

 今回4Gamerでは,ワーナー・ブラザーズHEのモバイルコンテンツ事業部 ジャパン・コンテンツ事業グループで,ディレクター/エグゼクティブプロデューサーを務めるビル・リッチ(Bill Ritch)氏に,今回のモバイルゲーム事業参入の理由や今後の展開について話を聞いてきた。

「トムとジェリー ざくざくトレジャー」公式サイト

「境界の黒翼アサルトレイヴン -白銀の意思アルジェヴォルン外伝‐」
公式サイト



 ワーナー・ブラザースHEでは,これまでにもライセンスアウトの形でスマホアプリをリリースしてきている。しかも話を聞くと,社内の制作チームで内部開発を行うわけではなく,実際の開発作業は外部企業に委託する形になるとのこと。
 素人目線だと,これまでとこれからで何が違うのか分かりづらいのだが,その違いはどこにあるのだろうか。


ワーナー・ブラザーズ・ホームエンターテイメント モバイルコンテンツ事業部 ジャパン・コンテンツ事業グループ ディレクター/エグゼクティブプロデューサー ビル・リッチ氏
リッチ氏:
 ワーナー・ブラザースHEのブランドで展開することで,IPが持つ世界観やキャラクター性を今までよりさらに深い部分まで発揮したタイトルを提供していきたい,というのが狙いです。
 基本的に,内部ではプロデュースとPRが主な活動で,実質的な開発は外部のメーカーさんにお願いする形になるという面では同じですが,そのメーカーさんが得意なジャンル,作りたいゲームありきで企画されるという部分があります。
 もちろん,ライセンスアウトで展開する場合も,IPにマッチした世界観やクリエイティビティをスタッフが持っているかという点は重視してきました。ただ,自分達が主導してゲームを作れば,「このIPをユーザーさんに伝えたい,それにはこういうジャンルが適している。それならばこの分野を得意としているメーカーさんにお願いしよう」と,より我々の理想に近い形でリリースできるようになると考えています。

 自社プロデュースを行う目的が,ワーナー・ブラザースHEのIPをより活かした形のゲームに作るためであることは分かった。
 ただ,ワーナー・ブラザースHEのIPをより深く掘り下げる方向であれば,(今までも同社が行ってきたように)家庭用ゲーム機やPCといったプラットフォームのほうが適しているのではないだろうかという考えもよぎる。スマホを中心としたモバイルゲームで事業を展開する意図はどこにあるのだろうか。


リッチ氏:
 スマートフォン向けのモバイルゲームを制作,配信する事業に本格的に取り組む大きな理由の一つとしてあるのは,ワーナー・ブラザースHEのさまざまなIPがユーザーさんと結びついていない,と我々が感じている部分なんです。おそらくユーザーさんの多くは,ワーナー・ブラザースHEのIPだと知らずに作品をご覧になっているのではないかと思います。
 たとえば,ワーナー・ブラザースHEでは,お子様からお年寄りの方まで満足していただけるようにさまざまなIPを扱っていますが,最近ではアニメにも力を入れています。ご存じでない方も多いとは思いますが,テレビアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」や「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ」などは,実はワーナー・ブラザースが手がけている作品なんです。
 作品をご覧いただけること自体はたいへん嬉しいのですが,皆さんが普段観ている作品の中に,実はワーナー・ブラザースHEの作品がけっこうあるんだ,ということを知っていただきたいとも常々考えています。
 そこで,ユーザーの皆さんにとって身近なデバイスであるスマートフォン向けにアプリを提供していくことで,ワーナー・ブラザースHEの認知度を高めていこうと考えているわけです。

 ワーナー・ブラザーズHEは,「バットマン」「スーパーマン」「トムとジェリー」「トゥイーティー」「ルーニー・テューンズ」など数々の著名IPを保有している。その中から,なぜ「トムとジェリー ざくざくトレジャー」をモバイルゲーム事業参入の第1弾タイトルに選んだのだろうか。

 これについてリッチ氏は,ワーナー・ブラザースグループで真っ先に思いつくのが「トムとジェリー」というくらい知名度が高く,人気があるIPだというのが選んだ理由だと述べた。また,現在NHKのBSプレミアムで「新トムとジェリー ショー」が放映中であり,アメリカでの初放映から74年,日本での初放映から50年もの長きにわたり,現在でも愛されている作品である点も大きく寄与しているそうだ。
 また,ゲームとして考えた場合,コアゲーマー向けというよりは万人向けで,あまり課金しなくても気軽に遊べるタイトルを第1弾にしたかったことから,総合的に判断して「トムとジェリー」に白羽の矢が立ったのだという。

境界の黒翼アサルトレイヴン -白銀の意思アルジェヴォルン外伝‐
 「トムとジェリー ざくざくトレジャー」はアクションパズルゲームで,トムとジェリーが,制限時間内に目標となる深さまで穴掘りをしながらお宝を集めていく,という内容。アニメでお馴染みのシチュエーションも用意されているとのこと。集めたお宝でジェリーの部屋をデコレーションしたり,友達同士で誰が一番深く穴を掘れるかを競ったりといった要素もあるそうだ。
 なお課金要素は,穴掘りを有利にできる強力なピッケルの入手やコンティニュー,スタミナ回復などが対象になる模様だ。

 続けて,第2弾となる「境界の黒翼アサルトレイヴン」だが,こちらはサブタイトルからも分かるように,テレビアニメ「白銀の意思アルジェヴォルン」を原作とした作品だ。
 ワールドワイドに知名度が高い「トムとジェリー」は世界各国での展開が見込めるが,「境界の黒翼アサルトレイヴン」は対照的に,ターゲットを日本のユーザーに絞り込んだ作品と言っていいだろう。
 第1弾と第2弾でここまで方向性が異なるのはなぜなのか聞いたところ,リッチ氏からは以下のような回答が返ってきた。

リッチ氏:
 ゲームとの親和性の高さ,そして先ほどもお話したように,ワーナー・ブラザースHEがアニメにも力を入れていることをユーザーさんに知っていただきたいという思いから,総合的に判断して「白銀の意思アルジェヴォルン」を,第2弾として投入しようということになりました。

 リッチ氏によれば,「境界の黒翼アサルトレイヴン」は,パイロットとトレイルクリーガーを組み合わせて部隊を編成し,スワイプ操作で指示を出すシミュレーションゲームになるとのこと。もちろん,アニメとの連動も視野に入れているが,「白銀の意思アルジェヴォルン」本編ではなく,そのサイドストーリーが描かれることになるという。

リッチ氏:
 「境界の黒翼アサルトレイヴン」では,「白銀の意思アルジェヴォルン」のサイドストーリーを描いていきたいと思っています。「同時期に別の場所ではこんなことが起きていた」というように,アニメでは描かれなかった「もう一つのアルジェヴォルン」をゲームで描ければと。
 本編のキャラクターがゲストで登場することもありますが,基本的には,ゲームオリジナルのキャラクターが活躍する内容です。「機動戦士ガンダム」でいうところの“第08MS小隊”みたいな感じ,と言えば伝わりやすいでしょうか(笑)。


境界の黒翼アサルトレイヴン -白銀の意思アルジェヴォルン外伝‐ 境界の黒翼アサルトレイヴン -白銀の意思アルジェヴォルン外伝‐ 境界の黒翼アサルトレイヴン -白銀の意思アルジェヴォルン外伝‐ 境界の黒翼アサルトレイヴン -白銀の意思アルジェヴォルン外伝‐

 ワーナー・ブラザースHEといえば,実写映画の配給会社というイメージも強いが,アニメではないIPについては,まだ検討段階にあるという。リッチ氏はその理由として,実写映画の場合,出演している俳優の印象も強いため,ユーザーがゲームの世界に入りにくくなるという危惧があるという点を挙げていた。ただ,世界的に知名度の高いIPを使わない手はないので,そのあたりをうまく解決できれば展開していきたいとのこと。
 なお,リッチ氏によれば,今後はスマートフォン向けのモバイルゲームを,2か月に1本程度のペースでリリースしていきたいとのこと。現在は既存IPのゲーム化がメインだが,将来的にはオリジナルタイトルを展開していく考えもあるようだ。

 リッチ氏によれば,今後同社からリリースされるタイトルは基本プレイ無料のフリー・トゥ・プレイ(F2P)スタイルが主流になるとのこと。ただ,リリースが2か月に1本ペースというのは,スマートフォン向けとはいえ間隔が短いという印象も受ける。
 とくに昨今は,スマートフォンをはじめとしたモバイルデバイスの性能向上が著しいこともあり,開発には家庭用ゲーム機と同等かそれ以上のコストがかかるようになってきたと言われている。あまり期間を空けずに少なからずコストをかけ,新作をリリースし続けるのにはどのような意図があるのか,リッチ氏に聞いてみた。


リッチ氏:
 開発コストについてですが,近頃のスマートフォンはスペックが向上していますし,ユーザーさんの期待もあるので,リッチなグラフィックスを実現するために,ゲームの開発費が高騰する傾向にあるのは事実です。
 ただ,大きな売上を出しているアプリを見ると,グラフィックスのリッチさが最重要課題ではないと言うこともできます。その部分は,ゲーム性に重きをおくか,IPの世界観再現に力を入れるか,ケースバイケースでしょうし,タイトルごとに判断していくことになると思います。
 新作のリリースについては,ライト層とコア層で好まれるゲームジャンルが異なるように,一つのタイトルで全世界の人が満足できるものを作るというのはなかなか難しいことです。ユーザーさんのニーズに合った多種多様なタイトルを展開する必要性がありますから,ラインナップの充実させるために,2か月に1本のペースでリリースしていくという目標を立てています。

 ここまで話を聞いた印象からすると,ワーナー・ブラザースHEが展開するモバイルゲームは,主に日本市場をターゲットにしているように思える。一方で,同社が保有するIPの多くは,世界中にファンがいることから,日本より海外のほうが強いという印象を持つ人も多いのではないだろうか。
 そこでリッチ氏に,モバイルゲームの展開について,日本市場と海外市場をどの程度の比重で展開していくのか聞いてみた。


リッチ氏:
 現在発表済みのタイトルに関しては,基本的に日本向けのタイトルとして制作しています。
 ビジネス的な視点から言えば,スマートフォン向けゲームでは,2013年の10月頃から,日本がアメリカを抜いて世界一の市場になっています。今後,日本市場はさらに大きなものになっていくでしょうから,我々も当然,日本市場でチャレンジしていかないといけません。
 日本市場でストアのランキングを見ると,そのほとんどを日本のパブリッシャが占めているように,北米やヨーロッパとは傾向が異なっています。
 海外市場も大切なのは理解していますが,日本と欧米では,ゲームの遊び方が少し違いますし,好まれるタイトルの傾向も違いますから,まずは,日本市場で日本のユーザーさんにマッチしたものを提供していくことが重要だと考えています。
 日本で成功すれば,海外へのアプローチも当然行っていくと思いますが,いわゆるガチャ課金があまり一般的ではない地域もありますし,その際はローカライズというか,地域に合わせたカルチャライズをしたうえで提供することになると思います。
 ですが,日本のアニメは海外でも人気ですので,きちんとしたカルチャライズがなされれば,海外でも受け入れられる可能性は十分あるでしょう。

 海外に本拠を置く企業が日本市場に進出する際(その逆も然りだが),現地の市場に適応したやり方ができずにうまく展開できなかった,というケースは何度も目にしてきた。
 ただ,今回リッチ氏に話を聞いたことで,ワーナー・ブラザースHEが日本市場に重きを置いてモバイルゲーム事業を展開していくつもりだという姿勢がうかがえた。同社の著名IPを活用して,ユーザーニーズとマッチしたゲームがリリースされれば,今後スマホゲームにおいて確固たる地位を築ける能性も十分ありそうだ。

 なお,現在「トムとジェリー ざくざくトレジャー」および「境界の黒翼アサルトレイヴン」の事前登録が受付中だ。
 「トムとジェリー ざくざくトレジャー」では,事前登録をするとゲーム内で使える「ジェム」を5個と,完全新作TVシリーズの第1話を無料で視聴できる特典が用意されている。「境界の黒翼アサルトレイヴン」の事前登録は,ガチャやコンティニューに使える「ナノキューブ」300個が事前登録者にプレゼントされるほか,事前登録者数が増えると特典アイテムがグレードアップするようになっている。
 記事を読んで興味を持った人は,記事末尾のリンクからそれぞれの公式サイトにアクセスしてみてほしい。

 本稿の締めとして,リッチ氏からのメッセージを最後に掲載しておく。ワーナー・ブラザースHE作品のファンは,同社の今後の取り組みに期待してほしい。

リッチ氏:
 読者の皆さんも,絶対にどこかでワーナー・ブラザースHEの作品を観ていただいていると思います。ただ我々としては,それらの作品がワーナー・ブラザースHEと紐付られるまでに至っていないことが,とても残念に感じています。
 これからは,「トムとジェリー ざくざくトレジャー」「境界の黒翼アサルトレイヴン -白銀の意思アルジェヴォルン外伝‐」を皮切りに,ワーナーがプロデュースするスマホゲームをリリースしていきます。まずは遊んでいただいて,これらの作品がワーナー・ブラザースHEの作品だということを知ってもらえるよう,努力していきたいと思います。
 そしていずれは,できるだけ多くの方に「ワーナーの作品だったら安心して遊べる」「ワーナーのゲームって面白いね。次の作品も遊んでみようかな」と思ってもらえるようがんばっていきますので,今後のワーナー・ブラザースHEの活動にぜひご期待ください。よろしくお願いします。

「トムとジェリー ざくざくトレジャー」公式サイト

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