プレイレポート
世界中のプレイヤーと一緒に,コースを自分の足で駆け巡る! 「New みんなのGOLF」のクローズドオンラインテストをレポート
「New みんなのGOLF」公式サイト
「みんなのGOLF」(以下,みんGOLF)といえば,PlayStationプラットフォームのみならず国産ゴルフゲームを代表する作品の一つ。1997年に第一作が登場してから順調にシリーズを重ね,据え置きハード向けのナンバリング作品としては2012年にPlayStation 3版の「みんなのGOLF 6」が発売されている。また携帯機向けにポータブルシリーズや,携帯電話向けにモバイルシリーズも展開されており,何かしらのハードでみんGOLシリーズを触ったことがある人は多いことだろう。
本作,New みんなのGOLFは,そんな国民的シリーズの最新作であり,ついに現行機種のPlayStation 4でもみんGOLの新作を楽しめる日が近付いているわけだ。
今回のテストはサーバーの負荷検証を目的としたもので,コースやキャラクターカスタマイズのパーツなどはごく一部しか利用できないバージョンだったものの,国内外の多くのプレイヤーと熱いゴルフ勝負を繰り広げることができた。本稿では,そんなオンラインテストの模様をお届けしよう。
なお,ゲーム内容およびスクリーンショットはすべて開発中のものであり,製品版とは異なる可能性がある点はご了承願いたい。
「みんGOLファー」を作って,みんGOLランドに繰り出そう
ゲームが始まるとまず待っているのは,キャラクターメイキングだ。本作は既存のキャラを選んでプレイを進めていくのではなく,「みんGOLファー」という一種のアバターを作り,ゴルフや各種アクティビティを楽しんでいくこととなる。通常のゴルフプレイだけでなく,ほかのプレイヤーとのコミュニケーションなどもみんGOLファーを使っておこなうため,まさに自分の分身といった存在だ。
性別,顔,体型,声(性格)などがカスタマイズ可能なのはもちろんのこと,スイングスタイルも変更できるのがゴルフゲームらしい。各種パーツは既存の形から選んでいくタイプなので,極端にユニークなキャラは作れないが,それぞれサイズや傾き,配置場所を細かく調整できるので,その気になればかなり自分好みに作り込むことができそうだ。
また,面倒な場合は自動で用意されるキャラを選ぶこともできるため,純粋にゴルフだけを楽しみたい人はこちらを選ぶのも悪くないかもしれない。作ったキャラクターは「キャラクターBOX」に保存可能で,メニューからいつでも変更とカスタマイズができるので,とりあえず気軽に決めておいて,あとから手を加えるというのでも構わないだろう。
キャラメイクと同時にファッションも変更できるが,こちらは最初から選べるものは少なく,「ショップ」で買い集めていくことがメインになりそうだ。ショップはメニューからいつでも利用でき,ゴルフのプレイやマップの探索などで入手できる「コイン」を利用して,好きなアイテムを入手できる。
普通のファッションアイテムのほか,ホールで実際に使用する特殊なボールなどのゴルフ用品も用意されており,ショップを利用する価値は高い。期間限定アイテムなどもあるので,頻繁に覗いてみると良さそうだ。
ゴルフ+オープンワールド=オープンコース!
キャラメイクが終わると,さっそくプレイヤーの本拠地となる「ホームエリア」に降り立ち,簡単な説明を受けるとすぐに行動が可能になる。テストではオンラインプレイのみが可能なので,オープンワールドタイプのゴルフコース「オープンコース」と,ホールを陣地に見立てて陣取り合戦をおこなう「ホール争奪戦」(詳しくは後述)のみへ移動可能になっていた。まずは,メインとなるオープンコースに向かってみる。
オープンコースとはその名のとおり,複数のホールで構成されたゴルフコース自体が,そのまま自由に移動できるオープンワールドとして構築されているマップのこと。今回は一番初心者向けと思われる「イーグルシティOUT」のみが選択可能で,到着と同時に多くのプレイヤーがゴルフをプレイしたり,マップを自由に動き回ったりする姿が確認できた。
通常のゴルフでは,ゴルファーと観客は完全に別れた立場だが,本作のオンラインプレイでは,すべてのプレイヤーがゴルファーであり観客でもある,といった感じだ。実際にプレイしていても,そこかしこからほかのキャラクター達の歓喜やため息が聞こえてきて楽しい。もちろん,それとは別にNPCの観客もいて応援してくれたりする。
オープンコースでゴルフを始めるには,実際にマップを移動してティエリアまでたどり着く必要がある。ホールのスケールはリアルなので当然マップ自体はそれなりの広さだが,過去のシリーズ作と同様に本作のキャラクターは(打った直後のボールに走って追いつくなど)かなり現実離れした身体能力を持っているので,[□]ボタン連打でダッシュすれば大して苦にならない。また[×]ボタンでいつでも発動できるジャンプもかなりの飛距離があり,小さい池やバンカーは簡単に越えられる。
製品版ではさらにゴルフカートも自由に使えるようなので,ストレスなく移動できそうだ。
前述のとおりにコース内は自由に動けるので,ホール自体も3番→7番→1番など好き勝手に順番を選ぶことができるし,あるホールの結果に満足できなかったら,ティエリアに戻って再度プレイしてもいい。コースにはアイテムが落ちていることがあるので,ホールを回るついでに探し回ってみるのも一興。製品版では水辺で釣りも可能とのことなので,なおさら寄り道がはかどりそうだ。
ちなみに「移動がちょっと面倒」という人向けには「9H プレイ」という,すべてのホールを続けてプレイすることができるモードがあり,こちらを始めると移動をスキップして純粋にゴルフのみを楽しむことができる。プレイ後はリザルト画面が表示され,総合的なスコアをほかのプレイヤーと比べたりすることができたり,デイリーチャレンジに指定されていて参加するだけで後でアイテムが入手できたりするので,移動の話を抜きにしても定期的にプレイしておくといいかもしれない。
シンプルながら熱い対戦が楽しめる「ホール争奪戦」
オープンコースである程度腕を磨いたら,前出のホール争奪戦に参加したい。ホール争奪戦はほかのプレイヤーとチームを組んで戦う対戦モードで,複数のホールを時間制限いっぱいまで好きなように打ち合い,最終的に多くのホールをものにしたチームの勝ちという仕組み。マップはオープンコースをそのまま使い,使用可能なホールと数は対戦開始時にランダムで決まるようだ。
具体的なルールは,ホールアウト時にパーなら1ポイント,バーディーなら2ポイントなど,ホールごとに「ホールポイント」が加算されていき,タイムアップ時により多いポイントを取得していたチームにそのホールの権利が与えられる。
注意点は総合(累計)ポイントは勝敗に関係ない点で,例えば3ホールを奪い合う対戦のときに,一つのホールを大差でゲットしていても,残り2ホールが僅差でも奪われていれば負けてしまう。重要なのはあくまで「より多くのホールで勝利する」ことなので,多くの味方が一つのホールに固まっていると,チーム全体としてはあっさり敗北してしまうこともありうる。
この対戦ルールが一般的なゴルフゲームの対戦と違うところは,勝負はすべてリアルタイムで進み,かつコース自体がオープンワールドなので「移動の時間を加味しつつ,どのホールで打つか考慮する必要がある」という点だ。どのホールがどちらのチームのものになっているのか常時画面に表示されるため,残り時間を見ながら,近いホールで回数を稼ぐか,ピンチの遠くのホールを目指すかといった計算が必要になる。
筆者のように冷静とはほど遠いタイプは,時間が少なくなるほど余裕がなくなってきてショットに影響が出てしまう点も含めて,この辺りの駆け引きがかなり熱い。とくに僅差の勝負の時に,時間切れで問答無用にプレイを終了させられたときは,思わず声が出てしまうほどだ。
ホール争奪戦では,対戦中に最大10人対10人の計20人がコースを所狭しと激しく移動して回るのも含めて,ゴルフゲームとしてはあまり体験したことがない,時計をにらむ白熱したバトルを楽しむことができたのが印象的だ。対戦が間延びすることなく,短時間で毎回しっかり決着がつくのも,時間がない現代人には嬉しいところかもしれない。
ただ,今回のテストでは少し長めのマッチング待ち時間が気になることがあったので,今後のチューニングでより気軽に開始できるようになることを期待したい。
ゴルフ部分の安定した完成度はさすが出来栄え
最後になってしまったが,肝心のゴルフプレイ部分にも触れておこう。本作の基本操作はゴルフゲームではスタンダードともいえる,タイミング良くゲージを止めてショットの強さと精度を決めるだけの,シリーズファンのみならず多くの人が慣れ親しんでいる方法だ。
ショットの方向を決めれば,後は[○]ボタンを3回押すだけなので,迷うところは一切ない。使用するクラブも距離によって適切なものが自動で選ばれるので,ゴルフの知識も「なるべく少ない打数でカップにボールを入れればOK」ぐらいあれば十分。シリーズ未経験者でも,数ホール回れば基本操作はマスターできるはずだ。
もちろん経験者や知識のある人は,シチュエーションによって使用クラブを任意で変更したり,ボールにバックスピンをかけたりといったテクニックを使って,よりスコアを伸ばすことができる。筆者の腕前ではあまり縁がなかった話なのだが,腕に自信がある人は毎回表示されるランキングの上位を狙うのもいいだろう。
また,本作にはキャラクターの成長要素も存在している。オープンコースを回っている最中にロングショットを決めると,よりボールを遠くに飛ばせるようになったり,コントロールショットを決めるとさらに正確な場所にボールをショットできたりするようになったりと,長所がより伸びていくようになる感じだ。
プレイスタイルによってキャラ自体が「レベルアップ」していくので,練習のためにホールを回る → 自分の腕前が上がり,キャラもより強くなる → スコアもさらに上がる……というサイクルが起きるのが楽しく,ついつい時間を忘れてプレイをし続けてしまった。
今回はあくまで負荷検証を目的としたクローズドのテストということもあり,プレイ中はサーバーの不調と思われる不具合が散見されたが,この辺りは今後きっちりと修正されてくるはずだ。また,ゲームとしてはゴルフ以外の部分にはほとんどアクセスできなかったが,手堅く作り込まれたメインのゴルフ部分とオープンコースの相性は良く,よりアクティビティの幅が広がる製品版に大いに期待できる出来となっていた。
とくにホール争奪戦は,本作ならではのゲームモードとして人気を集めそうな雰囲気だ。
発売は8月31日とまだ少し先であるものの,まだまだ暑い初秋に仲間やライバルと熱いゴルフ勝負を楽しめそうなNew みんなのGOLF。シリーズファンや手軽にゴルフゲームを楽しみたい人は,首を長くして待とう。
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