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「放課後ライトノベル」第78回は,3週連続の新人賞特集第1弾! まずは『第23回ファンタジア大賞』4作品を一気に紹介
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印刷2012/02/04 10:00

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「放課後ライトノベル」第78回は,3週連続の新人賞特集第1弾! まずは『第23回ファンタジア大賞』4作品を一気に紹介



 いよいよ「NEWラブプラス」の発売まで,あと10日となった。これまで一身上の都合によりプレイを避けてきた筆者だが,さまざまな要素の追加,グラフィックスの向上など(あと,このコーナーでたびたびネタにしているということ)もあって,今回ばかりはプレイしないわけにはいかなくなる予感をひしひしと感じている。もしかすると近日中に,この前フリが筆者と寧々さんのラブダイアリーと化すかもしれないが,そのときは生温かい目で見守っていただきたい。

 そうした,この機会にカレシデビューしようかと考えている筆者のような人間がいる一方で,既存のカレシ諸氏にとってはどのくらい「NEW」になっているのかが気になるところだろう。NEW。大事な言葉である。現状に満足せず,新陳代謝を繰り返すところにこそ成長と発展がある。新たな空気を取り入れるために,年長者が自ら身を引くことも時に大事なこと。自分も前途有望な若者にあとを任せてさっさと隠居したいものだ。え? いや,この連載のことじゃないですよ。これからもバリバリ書いていきますってば。ええほんとに。

 そんなわけで,「放課後ライトノベル」では普段と少々趣向を変えて,今週から3回に分けて,最近リリースされた新人賞受賞作をレーベル単位で一挙にレビューしていく。購入の参考にするもよし,読み比べてレーベルごとの特色を楽しむもよし。この機会に,ライトノベルの明日を担うフレッシュな才能に注目してほしい。その第1弾となる今回紹介するのは,2年ぶり6作目の大賞が出た,富士見ファンタジア文庫の『第23回ファンタジア大賞』4作品だ。


●大賞&読者賞『ライジン×ライジン RISING×RYDEEN』


『ライジン×ライジン RISING×RYDEEN』
著者:初美陽一/イラストレーター:パルプピロシ
富士見ファンタジア文庫
価格:609円(税込)
→Amazon.co.jpで購入する
「放課後ライトノベル」第78回は,3週連続の新人賞特集第1弾! まずは『第23回ファンタジア大賞』4作品を一気に紹介
 大賞&読者賞のダブル受賞を果たした本作は,「ストレンジャー」と呼ばれる異能者の存在が確認された世界が舞台。「ライジン」とは能力の名前であると同時にそれを使う能力者の異名なのだが,残念ながら主人公のことではありません。ストレンジャーに憧れる(中二病気質の)主人公がついに目覚めた異能の力。それは白いゲル状の物体,言わば“謎の白い液体”を体から噴き出すというものだった!

 どう考えてもアレな用途に使うことしか思いつかない能力だが,主人公は能力名をどうするかで頭を悩ませるなどポジティブシンキング。同じくしょぼい能力(ライター程度の炎を出すとか,虫を1匹だけ操るとか)を持つ少女たちとチームを組み,世のため人のために戦おうとする。が,たびたび女の子をゲルまみれにしたり,チームのまとめ役的な女性にセクハラっぽいことを言われたりと,その道行きは前途多難。

 貧弱な能力者or無能力者の主人公が成り上がる物語は少なくないが,本作はいわばそのパロディ。アレげな力を手にした者の悲哀とヤケクソぶりが炸裂する,前代未聞の異能ギャグ小説だ。ただ一点,謎の白い液体まみれなヒロインのイラストがないのは納得いかないと言わざるを得ない。本作を「ファイナルファンタジー」シリーズの青魔法で例えるなら,ものすごく限定的な状況では役に立つが,基本的には残念な「ゴブリンパンチ」といったところか。


●金賞『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。』


『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。』
著者:左京潤/イラストレーター:戌角柾
富士見ファンタジア文庫
価格:609円(税込)
→Amazon.co.jpで購入する
「放課後ライトノベル」第78回は,3週連続の新人賞特集第1弾! まずは『第23回ファンタジア大賞』4作品を一気に紹介
 続いての金賞受賞作は,ファンタジー世界の家電量販店を舞台にしたお仕事もの。何を言ってるのかわからねーと思うが,そうなのだからしょうがない。魔王が倒されてしまったことで,目標を失った勇者志望の青年・ラウルは,仕方なしに王都のマジックショップで働いていた。そこに,父が倒されて行き場を失った魔王の娘・フィノがバイト志望としてやって来て……。

 世界観がファンタジーというだけで,ラウルたちの仕事はレジ打ちに棚整理,クレーマー対応とまさに現実のお仕事そのもの。正社員として,人間界の常識を知らないバイト(フィノ)を指導するラウルの苦悩が忍ばれる。何事にも前向きなフィノを温かいまなざしで見守れた貴方には上司の素質がある……かもしれない。何事にも動じない店長のセアラ,なにかと苦労人な副店長のバイザーと,脇を固めるキャラクターも味わい深い。

 これだけなら「現実世界でやれ」と言われかねないところだが,そこはラウルたちが勤めるマジックショップのサービス並に抜かりない。物語の背景には魔界が崩壊したことによる不況があり,それに伴う社会の歪みが陰のテーマとなっている。終盤の展開は,ありがちな「勇者対魔王」という構図に疑問を投げかける,深みのあるもの。伏線も巧みに練り込まれた,丁寧な物語作りが印象に残る一作だ。青魔法に例えるなら,素早さアップでプレイヤーキャラをがっちりサポート,防御/魔法防御アップでアフターケアも万全な「マイティガード」


●銀賞『いもうとコンプレックス! ―IC―』


『いもうとコンプレックス! ―IC―』
著者:稲葉洋樹/イラストレーター:代官山ゑびす
富士見ファンタジア文庫
価格:609円(税込)
→Amazon.co.jpで購入する
「放課後ライトノベル」第78回は,3週連続の新人賞特集第1弾! まずは『第23回ファンタジア大賞』4作品を一気に紹介
 銀賞受賞作の1本目は,タイトルからもうお分かりかと思うが,妹をフィーチャーしたラブコメディ。妹のことが世界一大好きだと公言してはばからない,ちょっと人としてダメな感じのお兄ちゃんが,妹のために全力全開で奮闘する。

 春,新たに高校生になった早川佳奈美(はやかわかなみ)は,自身が持つある秘密のために孤独な中学時代を過ごしていた。妹を溺愛する兄・大吾(だいご)は,そんな彼女の秘密を解消し,妹に楽しい高校生活を送ってもらうために,ありとあらゆる手を尽くす。

 生徒会副会長という立場を利用した入学式ジャックから,校門でのビラ配りまで,周りの見る目なんのそので突っ走っていくお兄ちゃんの姿は,アレな人を通り越していっそすがすがしい。一方で大吾の幼なじみにして生徒会長,そしてちょっと大吾のことが気になっている(?)水瀬志保(みなせしほ)の不憫さは身に染みる。

 そして肝心の妹さん,この子がまたええ子なんですわ。孤独な中学時代という過去から,根暗な子になってもおかしくないところだが,明るく朗らかな人柄には,「うむ,確かにこんな妹がいたらシスコンになってもおかしくないな……あ,いや別に自分,妹萌えじゃないんですけどね? ほんとほんと」と思うこと請け合い。妹のほうも健康的にお兄ちゃん大好きなので,刺されたり,「あの女の匂いがするよぉっ……!」とか言われたりする心配もなく,安心して全力全壊(not誤字)でその魅力を堪能することができる。妹好きという,ごく狭い層にだけ致命的なまでの魅力を示す本作は,まさに青魔法で言うところの「レベル5デス」だ。


●銀賞『絶対服従カノジョ。 1. いいか、魔眼はつかうなよ?』


『絶対服従カノジョ。 1. いいか、魔眼はつかうなよ?』
著者:春日秋人/イラストレーター:樹人
富士見ファンタジア文庫
価格:609円(税込)
→Amazon.co.jpで購入する
「放課後ライトノベル」第78回は,3週連続の新人賞特集第1弾! まずは『第23回ファンタジア大賞』4作品を一気に紹介
 最後に紹介するもう1本の銀賞は,これまた学園が舞台のラブコメディ。魔眼持ちの少女と,それを無効化する能力(ちから)を持った少年が出会ったとき,物語は始まる――のは確かにそうなのだが,この作品の場合,なんで魔眼を持っているのかとか,なぜ魔眼が効かないのかという方向にいかないのが面白いところ。目を合わせた相手を絶対服従させる魔眼を持つ少女・マナが,唯一魔眼が効かない少年・雛谷伊織(ひなたにいおり)を絶対服従させるべく,あの手この手で迫るドタバタコメディなのだ。

 初めて出会う,魔眼の力が通用しない相手を前に,マナが頼ったのはコンビニで立ち読みした本。その本に書かれた恋愛マニュアルに従って,キスさせてと迫ったり,告白したり,果ては「おっぱい触っていいですよ!」とか言いだしたり。何度伊織に邪険にされてもめげずにアタックをかけてくるマナは小動物っぽくて可愛い。もうちょっと具体的に言うと,ものすごく可愛い。基本ジャージ姿というのもジャージスト的にはポイント高し。

 さらにそこへ,マナにめろめろな彼女の女友達・藤村景(ふじむらけい),伊織の幼なじみの癒し系女子・ソフィア,完璧超人の生徒会長・時雨総一郎(しぐれそういちろう),そしてマナに対抗心を燃やす帰国子女の椎名(しいな)いねが加わり,複雑な恋愛模様を織り成している。伊織が周囲からの冷たい視線と引き換えにモテ度を高めていく様は,青魔法の「自爆」を連想させる。早く爆発しろ。

■■宇佐見尚也(ライター/モルボル)■■
『このライトノベルがすごい!』(宝島社)などで活動中のライターにして,「ファイナルファンタジーVIII」でキスティス先生が口から「くさい息」を吐くのにショックを受けた系男子。当時ひそかに先生に淡い思いを抱いていた宇佐見少年は,その衝撃的なビジュアルに大人になるということの意味をほんの少しだけ知ったとかなんとか。むしろ,そんなキスティス先生のことが好きにな〜る,好きにな〜る……ダメ?
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